Stand by me,please my friend
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Patti Smithが広島に来る奇跡。
月末の超絶忙しい時期だったので、よぼよぼのままクアトロへ。若干年齢層は高いけれど、広島でパティが見れるという事実にわくわくした子どものような大人たちでフロアは一杯だった。ドリンクカウンターで知り合いに会い、「10年はえーわ!」と罵られながらもフロアの一番後ろで開演を待った。
ブライアン・セッツアー以来の外タレなパティが出てきた瞬間の感想は「すげー!本物!テレビで観た!」というなんともお粗末なものだったけど、唄い始めた瞬間にその世界に引きずり込まれていった。曲が終わるごとに英語で何かを話すパティ。半分も分からなかったけど、ひとつだけ、すごくすんなり入ってきた話があった。
それは、パティの亡くなった父との約束のこと。第二次大戦で兵士だった父とパティは、いつか広島に祈りを捧げに行くと約束したそうだ。そして、パティは今回その約束を叶えた。平和公園で祈りを捧げてきた、と。
その言葉は意外なほどすんなりと自分の中に入ってきた。英語で喋ってると思えないくらいに。
ライヴはハッピーの連続だった。CDでしか聴いたことのない曲をたくさん聴けた。パティの投げる白い薔薇の花弁が綺麗だった。ギターのフレーズを間違えてはにかむ姿は可愛らしかった。何より、彼女の唄声は唯一無比のものだった。
あっという間に終演。知り合いのたくさんいるバースペースで、良い夜だね、と乾杯した。
ここからは翌日の話。知人のひとりがその日の深夜、街中でパティと遭遇した。彼女は広島に来てくれたパティに、ファンの誰かが感謝の気持ちを伝えてくれたら良いな、と考えていたそうです。そして、その役目はどうやら自分に回ってきたのだ、と考え、英語の話せる彼女は、パティに、広島に来てくれて、原爆で亡くなった人達に祈りを捧げてくれてありがとう、と伝えたそうです。そんな彼女がパティから聞いた言葉が、これ。 彼女の言葉をそのまま使わせてもらいます。
>私は小さな頃からずっと、毎日広島に祈りを捧げてきたの。 >祈りを捧げるのは私の日常の一部なのよ。 >だから、平和公園でだけでなく、 >いつも、色んな場所から祈りを送っているのよ。いつも、ね。
この話を聞いたとき、彼女の魂に触れた気がした。かっこよすぎる。 この日、あの場所にいられて良かった。奇跡の夜でした。
カオリ
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