2014年03月20日(木) |
2、寂寥の人/夜明け/静かな孤独 |
一、寂寥の人
1、過去をふりかえるとき 落ち葉を踏みしめる音は暗く 人生への失望と悲哀に飾られて 青春は終わった
2、今しずかな闇の中に我をとりもどすとき 広野には冬の鋭い月が懸かり 木枯らしはさすらいの歌をかなでる 楽聖は言った 孤独の強さとさびしさとは同じくらいだと 月光は心の底に届き 静寂な真理と不変の真実を明白にする 楽聖は言った 愛とて人生のすべてではなく 真実だけが人生の友だと
二、夜明け
人影絶えた夕闇迫る冬のハーバー 落日の慌ただしさと暮色に包まれて いつとはなしに光り始めた月と星 喧騒な日は沈み 夜のしじまは広がる 星くずの いっぱい広がった空に 悲歌が流れる 清冽な 冬の星を 見つめながら 私は 清らかなこころを 持ち 孤高の月の 寂寥に 耐えながら ひとり 独覚の しずけさを 保つ いまひとつの月が 水平線上に落ちてゆくのを見る 長い夜を明かし 明け方の空に バイオレットの光 星は ひととづつ 消えてゆく
三、静かな孤独
森の上に雨が降った 雨は上がって 木々の間に 幾条の 日射しが差し込んだ 葉っぱの上の雨粒に 魂が宿って 光が輝いた 風が吹いて それが地上に落ちた
にほんブログ村
|