悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年04月11日(金) 1、ベートーベンの芸術について

私はあなたを、誰よりも尊敬し・理解している。
晩年の、あなたの後期の弦楽四重奏曲(12〜16)は、
『前人未踏・後人の達し得ざる境地』を、示している。

(一)苦悩の歓喜
   彼の特質を言えば、『苦悩の歓喜』では、ないでしょうか。
   (優れた人間の特長は、不幸で苦しい境遇に、
   じっと耐え忍ぶこと=ベートーベン)
   苦しみは、人生を充実させます。
   苦難を乗り越えて、はじめて、「充実感」を、得る事が出来ます。
   その最高のものを、『苦悩の歓喜』と呼ぶのではないかと、
   想像します。

(二)清澄な心
   内面性と純粋性の点で、彼の芸術に勝るものは、見当たらない。
   その清澄な心は、孤独と純粋性が、
   内面深化したものに違いない。

(三)人間存在の孤独性
   彼の音楽には、人間存在の孤独性があり、
   それは、個体としての独立性に、根ざしているようだ。

(四)強さとさびしさ
   彼の人間哲学(独立)、人生哲学(独立自尊)、
   思想(孤独の表裏としての強さとさびしさ)は、きわめて深い。

(五)孤独の静寂化
   彼の精神(強さとさびしさ)は、孤独の表裏であり、
   彼が到達した、あるべき、昇華された、
   理想の形である。
    強さは孤独を表し、さびしさは求愛を暗示する。
   どんなに孤独な者であっても、孤独だけでは生きれないからだ。
    孤独の苦しみも悩みも、
   <強さとさびしさ>という形に静寂化できる。

(六)精神の充実度
   私が最も愛する曲は、14番7楽章で、
   そこでは、すさまじい、精神的充実度を見せる。
 

   
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