2004年06月17日(木)...信号機が揺れる
真夜中の道路はひんやりとしていてとても好きだと思う。素っ気無い顔をして通り過ぎる車、高速の規則正しいオレンジの光、点灯を繰り返すイルミネーション、ビルの天辺に灯る赤。現実から取り残された様な、何処か切り離された風の空気が漂う。
いっそ誰にも見えなく為って仕舞えば不安が期待を蝕むことも無いのに、そんな理不尽で子供染みたことさえすっと心に入り込んでくる様な時間帯だった。
明日になれば忘れて仕舞う様な些細な棘が、静けさの中から露呈して怖い夢に駆り立てられる。ずるずると玄関の前にしゃがみ込んで街を反射する少し明るい空を見上げた。
[ 15:25 ]
のそのそと動き出して辿り着いた病院では案の定、血圧が上50台/下30台を保っている。低ければ如何なるかなど正確には解らないけれど、途轍も無くだるい。ただ頭を垂直に擡げようとするだけでふらふらする。
ああ面倒臭いな、と思った。手渡された処方箋に記載された名にすら、親近感をも覚える。遅刻、早退、欠席の所以はもうぼろぼろに使い古されて仕舞ってもう何も残っていない。