2004年10月04日(月)...紅葉に呑まれる
建物を出た刹那、巡る血液が冷たくなった気がした。凛とした外気が肌にすっ、と染み込んでぞくぞくとした寒気が身体を襲う。 ビルとビルの合間に薄っすらと覗く白い曙光は靄を照らして、死に息吹く世界の輪廻をありありと描き出していた。 巨大パネルから流れるのは見慣れたCMで、輝きの薄まった電光掲示板には天気予報が淡々とスクロールしてゆく。ふらふらと溺れたスーツ姿の波は寛ぎの抜けきれていない気合を漂わせていて、空の色に似ていると思った。
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