2004年10月31日(日)...非日常という刺激

 ぱらぱらと捲った冊子の中に無政府主義者という言葉を見付けて、急に芥川龍之介の河童が読みたくなった。詩人トックと若々しい狂人、第23号が近しくそして懐かしく、愛しさを持って迫ってくる。
 2週間ほど前に倒れてから、まだ調子が思わしくない。夜中に乗る救急車の仄暗い興奮に中てられて、濁色の海から未だ抜け出せずにいる。朦朧とした衣を剥ぎ取られた精神は鈍く光っていて、素顔に当たる風だとか、隊員の酷く丁寧な呼び掛けだとかに魂の一部を見ていた。

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