2005年09月21日(水)...自動車道
22時過ぎに呼び出された部屋の、煌々と付く明かりに眩暈を憶えて居た。貧血気味の身体に入り込む電話越しの抗議を、面倒に押し流される様にただ耳にしている。当初胸にちらついていた少しの反省や謝罪も、1時間が経過する頃にはぺらぺらになって、何処かへ散っていって仕舞っていた。
>信用していたのに
>解っている筈なのに
同じ文句の繰り返しと、のに、のに、のに、ばかり続く会話に嫌気が差して、銀紙に張り付いたチョコレートを舌で剥がしながら収束を願っていた。
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泣き疲れる様にして切れた電話と、耳にこびり付くきゃんきゃん、とした喚き声が徐々にはっきりとした輪郭を持って迫り始める。開けた缶の冷たさと安堵感、終わりの静けさにどちらからともなく、気付けば乾杯をしていた。
日付の変わった夜道はオレンジの光に照らされていて、昼間よりも明るい気がした。互い違いに変化する信号機の色に苛立つ神経さえもう残ってはいなくて、無口になった運転席からは古いバラードが聞こえる。