2006年01月17日(火)...温度

 暖かだった。11時を過ぎてお昼時に差し掛かった陽射しは酷く穏やかで、新快速から見るビルの煌きが気分を少しだけ陽気にさせた。瞼を透かして世界がオレンジ色に消える。此の侭ずっとこうしていたい、呟いた言葉に心臓の底が揺れた。
 今は、あの頃とは比べ物にならない程、時間がゆっくりと進んでいて、毎日が何気なく過ぎてゆく。1日1日の重みが軽くなって、もし、今日がなくても昨日と明日が繋がってしまうような、平穏がある。掌をぎゅ、と閉じて握っていた宛ての無い糸を、ふっ、と離した気がした。

 一覧