2009年04月06日(月)...埋没した過去の
今日もまた諦めにも似た罪悪感がどっ、と胃壁を攀じ登ってきた。如何でもいい、という感情はどんどん下降を続けて留まる術を持たない。疑問詞が増える度に可能性が潰されてゆくのが解る。
そんな思考の彼方此方で手を拱いているペシミズムを振り払うように、ブラインドの隙間から射し込む煌きに、そっと優しさを重ねた。眼を閉じると世界はオレンジに染まる。
制服が皺になるのも御構い無しに、大の字になって天井を見上げた。目蓋の血管が透けて細胞を溶かして、ヒトはヒトと云う原型を捨てる。エアコンの風が髪を揺らして、フローリングの床はひやりと心地いい。
早く、帰ってこないかな、そんな期待はふわふわと消費されて、何時の間にか如何でも良くなっていた。右手の中で温かくなった鍵を、そっと陽射しに掲げてみる。今はまだ、やりたいことがあって何かをしたくない、のではなく、ただ、何もしたく、ない。
多忙を極め、本当に大切なものが少しずつ削り取られてゆく。あの、デスペレートに浮かぶ楽園は影を潜めて久しい。何もしなくていい、何もしたくない、そんな、怠惰に塗れた諦めは、幸福と呼ぶに相応しい甘美さが在った。幼い、未発達の忍耐は全てを投げ出して、ただ蹲るばかりで、其れを許容する世界の有難さに気付く筈もなかった。
今となっては、立ち止まることの許されたあの日々が、懐かしい。戻りたいと切に願っても、叶う訳もなく、明日の為に今日を組み立てるだけ。
願わくばもう一度、待ち遠しい程の、待ち遠しさを忘れなければ耐えられない程の依存に身を沈めていたい。