2009年07月09日(木)...着信拒否
ずぶずぶと沈みゆく感覚さえ、最早、気持ち良く思えた。今直ぐ、そんな焦燥は酷く昔に消え果て、後は、如何にでも為れ、と、如何でも良い、が交錯したデスペレートがひんやりと鳩尾を冷やしている。
鳴声を奪った機械は、床の上でちかちかと点滅するだけの鉄屑に変わった。呼び出し時間00秒、は自らの手で殺した証で、望む時には痕跡ひとつ残さなかった其れは今になって、一夜に履歴を埋め尽くす。皮肉、だと思った。
安堵と悄愴に塗れた思考が決意を鈍らせる前に、科学を噛み砕く。揺ら揺らとした視界を引き剥がす様に枕に押し付けた頬に、エアコンの風が涼しい。
もう、いい。何も、要らない。