淋しい淋しい
と言ってるだけではいられない性分なので。
少し頑張って１時間早く家を出た。

でもあの人はなかなか来なくて。

もしかして自宅で仕事してるのかな？

そもそもあんまり出社してないとか？

あ。それなら定期券なんか買わないよね。
でも、まっちが
定期券の購入申込書を書いているのを見たって言ってたし。

じゃあ、今日はたまたま休みとか？


いつの間にか８時５５分になっていた。
次に来るのは私がいつも乗ってる電車。
もう１時間ぐらい待ってたってことだよ・・・。

そのとき突然あの人が現れた。

なんで今日に限ってこの時間？
私は１時間も待ってたのに。
こんなことならいつも通り家を出れば良かったよ。
と、ちょっと恨みがましいことを思った。

だけど、
会えて良かった。

でも、
ばんざーいって感じでもなく、
淡々と電車に乗って
淡々とあの人の向かい側に座った。

ちらっと見ると、
あの人は
いつも通り穏やかに目をつぶっていた。

じっと見ていると
自然に顔がほころびそうになる。
そうだ。
私はずっとこの顔を見たかったんだ・・・。


それにしても。

淋しくて泣きそうになってた
こんなタイミングで現れるなんて。
まったく。
なんて人だ。