2014年05月11日(日) |
溢れる物や情報に溺れそう。 |
NHKの朝ドラ『花子とアン』が楽しみな今日この頃。
先週の金曜日放送分。
花子の“腹心の友”蓮子は、 軍人になりたがっている花子の兄に 与謝野晶子の詩「君死にたまふことなかれ」 が載っている『明星』(文芸誌)を手渡した。
あゝ をとうとよ、君を泣く 君死にたまふことなかれ 末に生れし君なれば 親のなさけはまさりしも 親は刃をにぎらせて 人を殺せとをしへしや 人を殺して死ねよとて 二十四までをそだてしや
蓮子(仲間由紀恵)の暗唱が胸に沁みる。
「吉太郎さんが持っていてください。 私はもう暗記するほど読んだので」
あの時点では、 軍人に強く憧れている吉太郎の心に 詩の言葉は届かなかったかもしれない。 それでも、 いつかあの雑誌を開くときがきて 詩に込められた思いが彼にも届くのだろう。
物の少ない、情報の少ない時代ほど、 人はそれらを丁寧に扱い 大切に心に留めていたのかもしれない。 そして、 ここぞというときに、 それらを必要な人に惜しまず分け与えたり 快く譲ったりする度量も備えていたのだと思う。
花子の時代と違って、 今は物も情報も溢れている。 きちんと取捨選択して 大事に使わなければと思った。 取捨選択できずに溺れてしまいそうなら、 その場から離れる・自分から遠ざける ということも必要なのかもしれない。
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