思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?
好きだよ
言葉には載せなくても
この心の波紋と
この心の温度が
アナタのことを思って
高鳴っているのです
081
藤棚の下で 〜思い出めくり〜
空染めて
小さき桃色
こぼす君
優しい鈴の音
ちりりんりん
あの娘のお頭に
ちょこんと乗せて
風が吹いたらみぎひだり
揺れて2拍子前にでて
消えぬ笑顔の
思い出は
あのポートレート
藤棚の道
可憐な藤の花に似て
優しい君の面影を
今日の霞の空借りて
ひそかに甘く映し出す
日曜の午後
思い出めくりの
僕のトランプ
080
届けてください〜君の言の葉
木漏れ日きらら
今朝の言の葉
風吹けば
小鳥がそっと伝えます
羽音優しげ
君を思えば
震えるほどの
小さな声も
遍く空の彼方に
西の空も
東の空も
君の声は伝えない
この耳澄まして
この眼(まなこ)閉じて
小さな心ここに置きます
小鳥の唄う声のよに
届けてください
この中に
あした一番に吹く風に
君の言の葉さらり託して
届けてください
わたしの小さな心まで
079
新たに
どこかで
小鳥の囀りがする
どこかで
風がさわぐ音がする
さぁ出かけよう
いまを愛でよう
優しい息吹
旅はいかがですか
小鳥が羽で誘い
風が空いっぱいに
両手で導く
いま新しい季節
勇気を出して
旅してみませんか
小鳥と唄い
風と遊ぶ
いま新しい旅
はじめてみませんか
078
命つなぐ・・・ 銀杏
命萌えゆく
銀杏の葉
小さき三角
芽吹く蒼
優しいエネルギー
強く伝えて
今日を
古き時代に繋ぐ
遠い夢
まなこ熱く
スライドショーで
見せながら
かの人と
今年も会えた
喜びを知る
永遠の出会いに
誓いを立てて
077
波
いい時もあるね
わるい時だってあるね
波は高く 低く
寄せては 帰し
遠くに 近くに
自然のままがいいんだよね
076
おしえておくれ
うしろから
爽やかに吹いてきて
その風は
そばをかけ抜けていく
振り向きざまに
誘う仕草で手招き見せて
どこに行くの
きっと北のほうへ
春を届けに行くのですね
幸せと微笑みを
届けるために
吹いていくのですね
誰のところにも
平等に
吹いていくのですね
あなたが通った後には
かわいい花が笑っています
緑の葉っぱが歌っています
あの手招きは
私にもついておいでと
誘っているのですか
あなたの優しい魔法を
私に教えてくれるのかしら
私のそばを
さわさわと優しい風が
通り抜けていく
どうぞ教えておくれ
その優しい魔法のかけかたを
私にも・・・
075
出せない手紙
宇宙の旅はいかがですか
赤い火星の近く
小さな星あたりでしょうか
そこにはどんな生命たちが息づき
どんな生命音が聴こえているのでしょう
そして
どんなドラマがあるのでしょう
こちらには
まだ戻って来ないのですか
あれから
淡い桜はつぼみをひらき
美しいままの姿で散りました
今は眩しいばかりの
鮮やかな新緑です
深海の旅はいかがですか
色とりどりの生命体が
知らない世界を
魅せているのでしょうか
優しい生命たちが遊んでいるのでしょうか
そして
どんな朝と昼と夜があるのでしょう
こちらには
まだ戻って来ないのですか
ここは少しも変わっていません
あなたがいたころと
みんなおなじです
なにひとつ
変わっていないはずなのに
無情な時間は
みんなの心を閉ざしたまま
白く流れていきます
おげんきですか
074
だから・・ / 月夜のメロディー
今宵の月は
不思議な力で
遠い夜を誘う
甘い調べ
胸の奥ゆるやかに
優しい音色絶えなく
震える肩
頬つたう涙
悲しいからじゃなく
辛いからでもなく
ただ波のように
寄せ来る
あのメロディーに
捕らわれながら
流されて
優しい音色は
あなたの変わらぬ優しさに似て
甘く悲しい調べは
わたしの心の憂いに似て
だからなの
涙がとまらなかったのは
だからなの
震えてしまったのも
穢れをしらない
神秘な光に照らされた
あの美しい音のせい
だから・・・
だから・・・
073
もうすぐ君に・・ / 五月の風
風が・・・
五月の風が
君を運んでくる
もうすぐ
あの優しい声を
あの心を
連れてきてくれる
木々は葉を揺らし
鳥たちは羽を擦る
わたしは
澄んだその囁きを聴きながら
幸せを抱いて
目覚めるだろう
ひとつ
深く呼吸をする
生まれたばかりの
朝の光の中で
風を感じながら
君を探しにいこう
きっと
あの蒼い森の中に
あの白い風の中に
君をみつけるよ
もうすぐ
君に逢えるね
もうすぐ
五月の風の季節が
やってくるね
072
ここで
どこにいくのですか
そんなにいそいで
そんなふうに
まえばかりみつめて
なにがあなたを
とりこにしているのですか
すこしだけ
ここに
おりてきませんか
ここで
しばらく
はねをやすめてみませんか
たっぷりのこころで
やすんでください
ずっとみています
わたし
あなたがめざめるまで
ここで
071
さよならは言わない
あの時
眩いばかりの
強い光で
満たされた夜を
零れる星ぼしの中に
覚えました
いま
あなたに許された涙とともに
思いをそっと
あの星に還しますね
あなたに出逢えた喜びと
溢れんばかりの幸福を
オレンジ色の宝に変えて
この空に散らしますね
いまはもうすべてが
わたしの中の星になり
蒼く面映く
まどろんでいるのですよ
だからあなたが
この星雲の
どんな小さな光だとしても
きっと見つけることができるのです
顔は見えなくても
声は聴けなくても
その輝きは
あの瞬きは
あなただけのもの
さよならは
終わりではなく
明日につながる希望なのだと
だから
さよならは言いません
070
花舞う・・・ 夜桜に寄せて
天上の青き光は
すべてを奪い
別れの時を見せぬまま
今宵を照らす
深き心は
さよならを染めて
誰寄せることもなく
言葉の衣(きぬ)を織る
今宵の花は
誰知らず
はらはらと
さよならを舞う
忘れない
灰色の時を
凍りそうな時を
そっと融かしてくれたこと
君がいたから
詠うことを覚え
恋することを知りました
青き光映しつつ
君の面影ゆらゆらと
今君の花纏って
わたし舞います
散りゆく時まで
069
朝陽の中に・・・
風が渡る
色が舞う
鳥がゆっくりと羽を広げ
蕾がそぅっと綻ぶ
ここに出逢える
すべてよ
おはよう
この朝を
この朝陽を
この空いっぱいに
色は愛で
音は和す
空は崇高に仰ぐ
いますべては
春に溶けて
一枚の絵を画き
光を受けて
美しき調べを奏す
今日と生まれし
朝陽の中に・・・
068
四月の絵画
光と風のシルエット
透かして見える
レースの向こう
あなたの顔が笑ってた
飛び込んでおいでと
両手広げる
いたずらな仕草が
好きだった
煙草燻らせ
遠く見つめる
繊細な横顔
忘れない
パステルの空は
淡い広がりの彼方に
あなたを映し出し
柔らかな風は
あなたを感じながら
優しく吹き付ける
あの4月の午後は
今に鮮やかに
絵画を魅せて
そっと
わたしを抱き
空と風の匂いがして
そっと
わたしを運んでいく
067
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