あなたの叫びがこの胸を叩きます 滲んだ空の彼方で 記憶の谷に木霊するように 深く重い響きです
あなたの涙が私を濡らします この冬空の下で 羽根を休めるための宿を探す 小鳥たちのように 切なく辛い涙です
いつかきっと出会える 安らぎの時まで いつかきっと手に出来る 温もりの時まで
今のあなたの苦しみを 少しの間 私に持たせてくれませんか
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photo by siki
夢の林を歩いていました 一面を紅く染める椿の林道 暖かくて大きくて・・・ あなたの肩に体を預けながら こんなに幸せなのに・・・ 涙が止まらないよ 夕陽が優しく笑う 遠い山が紅く染められる 私の高鳴る鼓動は あなたに気づかれはしないかと 色もなく怯え あなたが顔を覗き込めば そのたびに 作り笑顔は白く影をなす 今はこんなに幸せだというのに・・・ どうして涙が止まらないの 紅い椿は凛として 今を精一杯咲いている あすの別れを憂うこともなげに・・・ 心ならずもあした その花を落とすことになろうとも 潔い心根で現実を受け止めるように・・・ 私もこの椿のように いつか落ちるだろう日を 怖れることなく その時まで 精一杯咲いてみたい |
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早咲きの椿が「落ち椿」となって 一面を紅く埋め尽くしていました
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