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■ 『SILENT RUNNER』
人は夢を見るべきだ。 誰かが注意していないと美しいものはすぐ滅びてしまう……。
すこしまえ、『SILENT RUNNER』 (ダグラス・トランブル監督、米、1972)という映画をおしえてくれたひとがいた。 すてきな映画でした。なにより『天空の城ラピュタ』以前に植物を愛するロボットがでてくるのには恍惚【うっとり】。 未来の汚染された地球。宇宙船のドームの中でしか、植物は生きられない。植物学者ローウェルは、いまやドームにしか残っていない美しいもの=森をまもるため、上の指示通り森のドームを破壊しようとした同僚たちを殺してしまう。やがて、土星の輪に衝突した船は、航行をコントロールすることが不可能となり、ローウェルは、ドームとドローンと呼ばれるロボットたちと宇宙を彷徨う。やがて、仲間がローウェルの船を見つけた。そのとき、ローウェルは仲間からドームを破壊した痕跡がないと責められ、爆破を促される。そこで、追いつめられたローウェルは、自分のかわりに森の世話をするよう教えこんだロボットをのせてドームを、切り離す。そして、痕跡をのこすため、かわりに自分の船を爆発させたのだった。
2005/4/5 (Tue) その2 No.151
森を持ち得ない人生より、森を持っているほうがすてき。 なぜって、ローウェルは美しいものをみることができたのだから。 魂を震わせられるような光景を何度もみることができたのだから。 これから、いったい何度、そのような美しいものに巡りあうことができるのでしょう。 でも、 そのような美しい景色は、森を持っていなければみえてこないものなのだわ、きっと。一生の間、森を見つけえないひともいるし、持ち得ても守りえないひともいる。ローウェルは、それを見つけ、守り得た。だから、ローウェルは、だれよりも幸福というものを知っていたし、自ら選んだ結果が死であっても、その人生は「充実」していたと言えるのではないかしら。 ……そのような人生を幸福だと思うのは間違っている? でも、わたしもローウェルのように美しいものがみたくてたまらないのです。 だから、森をさがして、わたしはわたしのいちばん深い場所へと呼びかけつづけます。 夢の中では無意識に、起きて活動しているあらゆる場面では意識的に。 呼びかけ、求めつづけられるあいだは、すくなくとも不幸ではないのですから。 (※おしえてくれたひとへのメールを一部改訂)
2005年04月05日(火)
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