今日 実家に帰ったら こたつが出ていて そのなかで猫がまるくなってた そういう季節 ネロも どすどすってひとの膝の上に乗ってきては ごろん 寝始める 金木犀の花が散って 庭には橙がかった黄色のそれが敷かれてる 電気毛布が恋しいね あの子と話す 出掛けるなら ジャケットがいるかな ううん もうダウンの方がいいかも ---------- 去年 あの子と初めて会ったときに着ていた オレンジ色のニットワンピース 今年も着たかったな (ネロにやぶかれてしまって 捨てちゃった) ---------- あの子とのデートの日 ラッキーカラーはオレンジです って書いてあったのを見て 凄く凄く単純に それを選んだことも あったなぁ だとかね ---------- あの子が運転するときにかける眼鏡とも 一年の付き合いだよ ---------- とてもとても饒舌になっているわたしが なんだか恥ずかしくて 大きな溜息をついた 一年前の夜 ---------- あの頃 何度も飲み込んだ言葉を 今じゃ当たり前のように口にしてる ---------- この間 次にもし犬を飼うとしたら でもやっぱりラブラドールだよね って話を した そのくらいにネロのことを好きになってくれたあの子 幸せな一年を過ごしてきたネロ ---------- 数え切れないほどの気持ちのやりとり だいじなだいじなやりとり ---------- 空が高くなったり低くなったりする 青に見えたり赤に見えたり 何色ともつかないような色に見えたりする でも あの子のいる位置は変わらない ---------- 手はあまり繋がない 腕を組んでる いつもするりするり わたしが自由に潜り込める場所がある でも 甘え過ぎちゃいけない 諭すひと ---------- あの子がもうすぐ25歳になる 一緒に迎える二度目の誕生日がくる 今度は恋人として隣に居られる ---------- 忘れちゃいけないことは沢山ある 忘れてしまいそうなことも きっと多くあって でも 忘れないようにできている 「憶う(おもう)」の意味に少し似てる きっともっと自然になる ---------- 欲しいものは手の中にあって だからほかのなにかを手にしたくない そう言いながら きっとずっと貪欲に居るのだろうな それは 女だから とか 人間だから とかいう言葉で片付けられてしまうものなのかもしれない でも 矛盾の貪欲も 無頓着過ぎるより ずっといい と 思いたい だって 心が溢れているから 寂しくないから ---------- あの場所が近くなっていく 待ち遠しい そんな今が凄く好き
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