カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来
お昼前の商店街は
シャッターばかり
それでもその奥には
おじいちゃんおばあちゃんも
暑い夏を暮らしている
まっすぐな商店街の通りを
暑い風が吹き抜ける
朝顔のしおれたのや
ゼラニウムの花が
吐息をついて 目を閉じている
もうすぐ秋がくるねと
風は言う
たしかにね
風の中に 微かな秋が混じっているよ
あと少し もう少しだけ
がんばろう
わたしも あなたも
おじいちゃんも おばあちゃんも
9月になれば
清々しい秋の風を
いっぱい受けて
きっと走ろう 歩こう 外に出よう
今はそう思える
いやなことも 心配なことも
煩わしさも
それ以上でもなければ それ以下でもない
ただそこにあるだけだと
今はそう思える
だから 眠ろう もう
natu
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