橋の向こう側。
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「最近、藤ちゃん元気ないから心配です。」
藤ちゃん、というのはあたしのコト。名字が藤井だから藤ちゃん。 大人になると名前で呼ばれることが本当に少なくなった。今、あたしを名前で呼ぶのはこっちではしゅうちゃんだけだ。
あたしのコトを心配してくれてるのは、バイト先の先輩であたしとしゅうちゃん共通の知り合いである桐山君。 あたしはこの人を兄のように慕っていて、心が弱いあたしはしょっちゅうこの人に助けてもらっている。
とてもかっこよくて、優しい人。しゅうちゃんがいなかったらあたしはこの人に恋焦がれたこと間違いないです(笑)
「俺には藤ちゃんと、まっつん(しゅうちゃんのコト。松本だから)の問題は解決してあげるコトできんケド、二人には幸せになってもらいたいと思ってるよ。辛いかもしれんケド、頑張ってな。」
「…桐山君、変な質問していいですか?」
「うん、何?」
「桐山君も結婚とか彼女さんに言われたら、やっぱうっとーしいですか?」
「俺はもう女と付き合って6年になるし、迷惑もかけたし就職とかちゃんとしてから結婚しなあかんなと思ってるよ。…ただ俺は基本一人が好きやから急かされると悩むとこもあるねんなぁ。 まっつんは自由人やから、余計そういうのにしばられるん嫌なんかもなぁ。…藤ちゃん、今からいうことまっつんにゆったらあかんで?」
「はい、了解しました〜で?」
「まっつんな、結婚とかもしするとしたら藤ちゃんしかおらんゆーとったで。」
今まで考えてたコトがすべて吹っ飛ぶくらい嬉しかった。 例え、これが。桐山君の気をつかった優しい嘘だったとしても。 本当にしゅうちゃんが言ったことだとしても。
それは、あたしが欲しかった言葉だったから。
単純だ、とは思うけど。まだまだあたしはしゅうちゃんがすきで。 まだうねうねと、考え続けながら傍にいるコトはわかってたから。 希望を持って待っていられる言葉を誰かに言ってもらいたかったのだ。
「それ、直接言われる日を願ってます…」
そう、笑ってみせた。 ありがとう、桐山君。あたしを心配してくれて。
しゅうちゃん、ごめん。あたし相当しつこい女みたい。なんだかんだ言ってまだ離れられないみたい。
2008年06月09日(月) |
もがけば、もがくほど。 |
もし、あたしが。別れましょう、と簡単に言えたなら。 この問題は案外と楽に解決するかもしれない。
あなたは、きっとあたしを追いかけたり引き止めたりはしないから。…はっきりとした理由はないけどそう思う。 愛されていない訳ではないと思う。 あなたは愛してもない人と一緒に笑っていれるほど器用なひとではないもの。 あなたは、いい意味でも悪い意味でもマイペースだから。
「あゆが傷つくから言い合いはしない」
あたしはね、もっと意見を交換したいのに。あなたの気持ちを聞きたいのに。 あたしは弱虫で泣き虫でもろいけど。すぐ傷ついて泣くけど。 そんな優しさ、いらないんだよ。泣いたってあなたの言葉に傷ついたって話し合いがしたいんだよ。 もっともっといい答え見つかるかもしれないじゃない。
「俺はそれは嫌だ。」 だけじゃ、何もすすまないじゃない。
でも、あたしは。お別れ、という選択をしようと思う一方で。
引越しをしようと、もっと一緒にいようと提案してみたり。 えっちや、ぺたぺたくっついたりだとかを求めたり。 矛盾してる行動ばかりとっている。
別れたいなんて口で言ってるくせに別れることになるのがホントは怖くて怖くて仕方ないんだ。
何したいのかわからない。どうなりたいのか、わからない。
あたしは。 あなたの傍にいたいが為に自分勝手な選択をした。 親に一生言えない秘密をつくって、そして一生罪を背負う決断をした。
それはあなただけを責めることはできないし、そんなことするつもりもないお互いの責任なのだけど。心も身体も傷つけて。
そうまでしてもあたしはしゅうちゃんの傍にいたくて。 すきで、スキで、好きで、大好きで好きすぎるくらいで。
それは、今も変わらない。
一緒に住み始めて3ヶ月であなたはあたしを求めてくれなくなった。 それが辛くて自分から求めるばかりなのが惨めで。 泣いて気持ち伝えたこともあったよね。 「嫌いなわけない、あゆのことは好きやで。でも性欲わかへんねん。」 えっちすることだけが付き合うことじゃないのわかってる。 知識のない無責任なセックスがもたらす悲しみも身をもって学んだ。 あなたの浮気を疑ってなんかもいない。
それでも。それでもあたしは。 あなたとひとつになる時間が欲しかった。
あなたが、あたしを抱いてくれてる時だけにだけくれる、
「愛してる」
の一言が欲しいから。
「じゃあ、最低一ヶ月に一回は抱いてください。」
それからは儀式のようなえっちを繰り返してきた。 もちろんあたしは満足してないし、惨めな気持ちや申し訳ない気持ちもあるけど身体を重ねあうことでその時間はあたしはしゅうちゃんの特別、そう思えることが嬉しかった。
恋人はえっちするだけじゃない。 だけど。 恋人だから愛のあるえっち、できるでしょ?
そんな現実があって。 「性欲がわかない」なんてあたしをもう女としてみてない発言があって。 それでも仲良しで、楽しくて、もう家族みたいな情があって。
だから、あたしは本物の家族になりたかった。しゅうちゃんももう身内のように空気のようにあたしを思ってると思ってたから。 自然と結婚願望が生まれてきたのかもしれない。
でも違った。しゅうちゃんは重たくて、うっとーしいことだとしか捉えてなかった。
ねえ、しゅうちゃん。 あなたにとってあたしは何なの? 仲のいい女友達でルームメイトで世話してくれる人、でしかないの?
もう、お別れするべきなのかな。好きだけどそれしかないのかな。あたしが余計なこと考えなければ仲良しで幸せなんだけど。 じゃあ、かんがえなければいいじゃない。 そして考えないことを考えて。 苦しくて呼吸が速くなって。 ぐるぐる、ぐるぐる。無限ループ。
「結婚、してください」 もう、何度目だか数え切れないプロポーズ。 自分でも何で最近結婚することににこうまでこだわるのかわからない。 今年に入るまで結婚願望なんてものはあたしには皆無だったのに。
好きな人の傍で笑っていられる、それだけでホントにホントに幸せなのに。
「結婚とか、そーゆー重たくてうっとーしい話は、雑誌にも書いてたけど嫌やから男の前で言わん方がいいと思いますよ。」 真顔で、普段はあたしには決して使わない敬語で返ってきた。
言葉も出ないほど、ショックでした。
一番最初に言った時は、冗談のつもりで。 確かしゅうちゃんがパチンコだかスロットで勝ってたから、 「それだけあったらあたしのこと養えますね♪結婚しましょう☆」
「…まだそんな話早いやろ。」ってしゅうちゃん、少し眉をしかめて言ったんだっけ。
その時なんだか恥ずかしくて。冗談のつもりだったのにあたしばっかり浮かれて話を進めていたようで。 それと同時に悔しくて。本気であたしがそう言ったととらえたのなら、いますぐじゃなくても、将来はお前と一緒に…みたいな言葉が欲しかったなぁって。
それから、かな。その言葉が欲しくてたびたび言うようになったのって。 もちろん嫌なのはわかってたからそんなしょっちゅうじゃなくて真剣な話をした時に。
毎回、やんわり断って。あたしの欲しい言葉はくれなくて。 正直あたしも言いすぎたとは思う。…だけど。
「重たくて、うっとーしい」って言われたのがひっかかって。 そんなに、嫌なの? もう、2年も経つのに少しも意識してくれてないんだね。あたしと家族になるの、そんなに嫌なんだ…
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