2009年07月30日(木)
翌日、手術を受ける患者さん。 寝る寸前まで、ぼりぼり、ぼりぼりとお菓子を食べています。 ホントは、夕食以後は何も食べちゃダメなのに。
「あと1枚。許して」
その一言に胸が詰まりました。 あしたの手術のあと、この人は「声」を失います。 一生、声帯を震わすことができなくなります。
もちろん、食事はできるようになるし、お菓子も食べられます。 でも、残り数時間のうちに発する言葉のひとつが「許して」。
その瞬間。 私は、この人の声とこの言葉をいつまでも覚えていたいと思いました。 いつまでも覚えていられるわけではないけれど、でもできるかぎり覚えていたい。 そして、いつかこんな人たちに返せる「心からの言葉」を養いたい。
そんなふうに思ったのでした。 おやすみ。
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