前途多難と前途洋洋のはざま日記



今村昌平的

2003年08月01日(金)

凄惨な光景を見た。

今朝、玄関前の踊り場とそれに続く階段を掃いていると、羽化の途中でまさに虫の息となっている蝉のなりそこないが、コンクリートに転がっていた。
蛹だった時の衣をまだ体の一部につけながら、成虫になりたての透き通る体を見せながら、コンクリートの上で喘いでいた。
長い月日を地中で暮らし、短い地上生活を謳歌するはずだった彼(彼女)は、どうして団地のコンクリート上、中途半端な格好で虫の息になっていたのか。
残酷な運命をただ受け入れるしかない彼(彼女)に群がり始める蟻たち。
掃除の手を止めて、じっと見つめる私。

死にかけの生き物に群がる蟻。
それを汗ばみながら見下ろす女。
なんだか今村昌平的世界。
今村昌平の映画で実際にこんな場面があったかどうかはわからない。
けれど今朝の光景は私の中では今村昌平的なのだ。
グロテスクの中に潜むエロティシズム、みたいな。
ちょっとだけ今村フィルムに出演気分、みたいな。


払うものは払い、締めるとこは締める

2003年07月31日(木)

金払いの悪い人というのは好かれない。

いるんだなあ、同じ棟に。

毎月1200円の共益費を集金するのに、担当の人は苦労しているらしい。
払わないのではない、なかなか払ってくれないらしい。
月々の1200円に困るような暮らしには見えないが。
共益費くらいは気持ちよく払ってくれよと言いたいよな、山の中でテント張って暮らしてるんじゃないんだから。

その一家が何をしたわけでもないが、金払いの悪さで人気薄。
共用部分にかかる電気代や水道代をみんなで負担しようというその金を、なかなか払わず評判暴落。
ひっそり暮らすケチならまだしも、町内の運動会とかそんなとこには一家総出で参加して、弁当・パン・ジュース・お茶・ビール・賞品・参加賞・・・・あらゆる「もらえるもの」はもらって帰る姿勢は不愉快を感じさせ、もう底値を打ちました。


いつか来るその日

2003年07月30日(水)

この数日すっかりラムネに気をとられているように見えるでしょうが、そこはホラ、根は猫好き人間の私、バンビーナの動向にも注意をこらしていますわよ。

生後1ヶ月ちょっとで親兄弟と離され、その後は他の動物との接触といえばうちら夫婦くらいのもので、この家が全世界であるバンビーナはラムネの出現に戸惑っている様子がよくわかる。
特別怯えているでもなく、強力に排除するでもなく、ただ、どう接していいのか戸惑っている。

相手が自分と同年代くらいの猫であったり、成犬であったりすれば間違いなく威嚇行動に出るだろうが、明らかに相手は赤ちゃんとなると、バンビーナ、ホントに困っているみたいだ。
だが、だんだん二匹の距離は縮まりつつある。
少しずつ少しずつ縮まってきている。
バンビーナとラムネが互いの心を開く日を気長に待つ、はっつなのでした。
(そんな日はやって来るのか)

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