安心
花より建物を撮るほうが好き。
接写が下手だからかもしれない。
和風建築より洋風建築が好き。
石が好きだからかもしれない。

ブリックタイルではない、本物のレンガ。
アルミやステンレスではない、銅や鉄。
どっしりした安定感が、私を安心させる。











今夜も彼から電話。
落ち着いて声も出るようになった。
彼の不安や心配を、こんなに感じたのは初めて。
笑って冗談を言う私。
怒ってなじる私。
これが彼の知っている私。
だけど、突然あんなふうになった私に、彼は初めて接した。
 またこれから何度もなってしまうよ。
 なってもいい、傍にいてあげられないのがもどかしい。

不安定だから、安定を求めるのかもしれない。
彼の腕の中で眠りたい。

2005年03月22日(火)

再現
福岡の地震を知らないまま過ごした。
和幸さんからのメールを受け取り、テレビをつける。
時間帯が悪く、どの局もニュースをしていない。
ネットでニュースを見た。
彼のメールには、散乱した職場の写真が添付されていた。
電話で安否を知り一安心。
話している間は普通だったのに。

和幸さんと話している間、彼から何度も電話が鳴る。
ニュースを見たのと、地震の様子を聞いたのと
執拗に鳴るコール音で、おかしくなった。
彼からの電話に出て、話そうとした。
頭が真っ白になり、話せなくなる。
彼から頼まれた仕事ができない。
そして泣きながら叫んでしまう。
自分でも何を言っているのか、わからなかった。
何も言いたくなかった。
言葉が出ない当時に戻ってしまった。

それからも何度もケータイが鳴る。
気に入ったはずの着信音に飛び上がり
音量を絞っても、神経が逆撫でされた。
心配した彼からの電話なのに。
彼がケータイの電源を切ったほうがいいと言ってくれた。
そして、その後は固定電話に数度。
感情が麻痺したままの涙は、ここに来て初めてだった。
 こんなときに傍にいてあげられないのが辛い。
 ぎゅっと抱き締めて、大丈夫だよと言ってあげたい。
この言葉で、ようやく落ち着いて戻ってこられた。

2005年03月21日(月)

ミュシャ
ミュシャ展に行ってきた。
同じ画家の展示会に2回行ったのは、初めてのこと。
気に入った絵の前で、また立ち止まってしまう。
前回迷いながら、別のB4サイズのポスターを購入した。
今回は最後のチャンスだと思い、今度は大きさで迷った。

本当に欲しいのは大きいサイズのもの。
だけど、それを飾るフレームは10倍の金額になる。
メインより脇役が高額なのが納得いかない。
B4サイズのポスターを飾るために、銀座の伊東屋から
ネットショップまで調べた。
似たり寄ったりの金額だったので、伊東屋にまた行き購入。
納得できなくても、それが現実。
大きさで迷いながら、3枚目の今回は、絵はがき大の
ものにした。
ミュシャフリークでもないのに。

帰り道、友人お勧めのケーキショップに行く。
彼女の予想通り、行列ができていた。
嬉しいことに、彼女も並んでまで買いたい人ではなかった。
なので、買わずに来た道を戻る。
通りに置いてあるベンチに腰掛け、買ったばかりの
ケーキを食べている若い二人を見た。
ほほえましく思いながらも、ぎょっとする。
お行儀が悪い。

上野公園内は、大寒桜が満開だった。
吉野桜より、濃い桜色は、華やかに感じる。
公園内に点在する博物館の外観に見惚れた。
道路の反対に立ち、持っていたケータイで写す。
全景を撮れたが、見上げるようなアングルになるのが不服。
持っているデジカメの3倍以上の解像度。
ケータイにオマケのように、ついているカメラとは思えない。
持っているデジカメが、古すぎるせいでもあるけれど。



2005年03月20日(日)

散歩と電話
散歩に行こうと出かけた。
にぎやかな通りをゆっくり歩いて、おもしろそうな店に
入ってあれこれ見た。
通りの最後まで行って、反対側に渡り戻ってくるつもりだった。
人だかりのできている店の前を通り過ぎ、気になって
入ってしまった。
業務用の食材を販売している店。
見ているうちに買いたくなって、カゴを取りに店頭に。
パスタ、チョコアイス、レギュラーコーヒー。
重いのとアイスが溶けそうなのとで、慌てて来た道を戻った。
散歩のはずが、食糧買出しになるとは。

交通量も多く、歩いているうちに喉がいがらっぽくなる。
タバコで喉は気持ち悪くならないのに、埃と排気ガスは
てきめん。
前から気になっていたコーヒーショップに入ろうかと
前を往復した。
白い漆喰の壁、焼いた杉板。大きなガラスの窓越しに
中の様子を見る。
誰も喫煙していないのを確認して、溶けそうなアイスを
抱えて部屋に帰り、うがいをした。

今日はいつにもまして、彼から電話が何度もくる。
 俺のこと、愛してくれてる?
何か不安にさせるようなことあったかな。
 ちょっと聞いてみただけ。
ふだん彼と話すことは、他愛のないことばかり。
そして、私は気まぐれにどんどん話題を変えるようになった。
今日は特にひどかったみたい。
心ここにあらずではなく、痛みがまた唐突にやってきたせい。






2005年03月19日(土)

春いろいろ
急に持病が出た。
こうなると動けないし、頭もぼーっとする。
いつもなら、横になってじっとしている。
花曇は苦手。
用事があったので外に出た。
春の嵐。
傘を差して歩いていると、痛みがましになった。
気分がよくなり、シュークリームを一つ買った。



帰りに「春」を見つけた。
ポケットに入れていたケータイを取り出す。
人通りの少ない場所なのに、やはり照れくさい。

彼から電話。
同じ機種を見つけたから買い換えたそうだ。
彼が白で、私が黒。
彼は淡い色が似合う。


2005年03月18日(金)

これからも
ヤマがメールを送ってきた。
ヤマのハイテンションメールは、元気になる。
彼とまた付き合いだしたと思い切って書いた。
ヤマは「オトナ」な返事をくれた。
ヤマいわく、私は『独立した、オトナの女性』らしい。
中身は幼稚なままなのに。

彼と過ごした2日間は、私の夢の一つが叶ったものだった。
手をつないで、あちこちの店を見て歩いた。
彼は、それで終わりじゃないよと言う。
これからもっと一緒にいられるように仕事をすると言う。
楽しみな「これから」を想像できる。

彼と歩いた東京の街がまた増えた。
彼と降りた駅がまた増えた。
彼との時間が増えることが楽しい。

いつまでも一緒にいたいと思ったのは
私だけだったと彼は言う。
過去の男性に気持ちが戻ったのは、初めての経験。





2005年03月17日(木)

いってらっしゃい
見送りのホーム。
駅員さんが後ろに下がるように指示した。
遠くの車両で、女性が指示に従わない。
何度警笛を鳴らしても、彼女は下がろうとしない。
別れを惜しんで、発車させたくない気持ちが伝わってくる。
私は何度も行ってらっしゃいと彼に告げる。
だけど、どんな顔で見送ればいいかわからなくなる。
私も彼も、発車するまでの時間を持て余してしまう。
だから新幹線の発車は、すばやくていい。

部屋に入ると彼の残り香がある。
体臭がほとんどないのに、彼の存在を感じる。
私も彼も、ずっと離れなかった。
私が台所に立つと、彼が横に立つ。
彼が仕事をしていると、私は横に座る。

後ろから抱きしめられる。
寄り添って眠る。
彼を感じながら熟睡する。
いつものこと、前から同じ。
彼の傍で熟睡できる自分を、再確認する。


2005年03月16日(水)

ホワイトデイ
ショーケースに並んだオペラ。
5つ入りでいいよと言ったのに、彼が選んだのは
正方形のピンクのバラがついたもの。
なんて書いてあるか、気づいてた?と彼。
新しくしたケータイで撮影。
幸せな2日間の記念に。

2005年03月14日(月)

価値観
届いた本に没頭してしまい、眠ったのが午前4時。
彼の知らないモノが増えた部屋で、
何がイヤか考えていた。
肌に触れるタオル類、口をつける食器類。
気に入ったモノしか部屋に置かない私は、タオル1枚
買い換えるのも時間がかかる。
今日はとりあえず食器を買いに行った。
品揃えの悪さに、予定通り買えなかった。
今まで使っていたモノを燃えないごみの日に
出そうと思ったのに、また食器棚に戻す羽目になった。

店で選んでいると、結婚前に食器を揃えたことを思い出した。
自分の行きたい店に行けず、デパートの特撰売り場に
連れて行かれ、さぁ選べと言われたんだった。
そのとき、親に言われた。
 オマエが選ぶと、とんでもないことになる。

和食器は5組、洋食器は6組。
全然楽しくなかった。
買ったカップ&ソーサーは、数年後には、
ショッピングセンターで安売りしていた。
本物かコピー商品かはわからないけれど。
あんなものを6組買うくらいなら、同じ金額で
2組か1組、本当に欲しかったものを買えばよかった。
先月だったか、はやりの店で食器を見た。
4桁の金額がついていても、私には100均の商品と
違いがわからなかった。

揃っていた食器類は割れたり欠けたり、
離婚したりでバラバラになった。
欲しい物がないのに、いつまでも昔にこだわっている。
それはおかしい。
100円のお茶碗でも、ご飯をよそえる。
金額ではなく気に入ったモノ。

***  ***  ***  ***  ***

Hさんからの電話に出た。
しつこいと言ってやろうと思ったから。
向こうにとっては、1回目普通にしゃべっていたのに
2回目は、すごく機嫌が悪くて驚いただろう。
無視し続けたことで、気づかないほうがおかしい。
これが私の言い分。
入院中、気弱になっていた。
私なら共感してくれると思った。
友達だと思っていた。
これが向こうの言い分。

気弱になっていたとき、おかしくなりかけていたとき
私は電話しなかったでしょう。
それどころか、思い浮かべもしなかった。
1年以上も連絡をしなかった事実をどう思ってるの。
あの最後のとき、私は言ったよね。
 彼と別れた、だけど恋しくて仕方ない。
 これ以上、私に関わらないで。

Hさんは謝り続け、私の怒りは収まらず
ぶっきらぼうに電話を切ってしまった。
変なところにデキモノができたくらいで
メソメソ甘えてくるなと、本当は言いたかった。


2005年03月13日(日)

すっきり気分の休日前夜
朝、うじうじしながら時間が過ぎていくのを待って
昼過ぎに、「休ませてください・・・」と言うのと
数日前に「○に行くので休みます」と言うのとでは
気分が違う。
すっきり爽やかな気分で帰ってこられた。
Amazonから本も届いたし、明日はイロイロ計画を立てて
準備しよう。
なぜか胃痛が治まった。

彼から遅刻しないでねと伝言。
何時ごろ、どこへ迎えに行けばいいか決めてないのに、
今夜は全然連絡がない。
私からも連絡するのを忘れて、のんびり読書。

この2日、Hさんから何度もメールと電話が来た。
明日、退院するよ。
今から電話していいかな。
今日退院だよ。
メールの合間に電話が何度も鳴る。
全部無視。
どうして、ここまでしつこいんだろう。
ケータイをマナーモードにして、振動音が聞こえないよう
にベッドの中に放り込んだ。

彼が来たら、ケータイを新しくする。
番号も変わるし、教える人は最小限。
新しいケータイなんて何年ぶりだろう。



2005年03月12日(土)

初日 最新

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