約束
彼が柔らかい微笑を浮かべている写真。
彼が自分で撮ると、正面からのものが多いのだけれど
私は何気ない1枚が撮りたかった。

彼の表情や店内の様子は、とてもよかった。
ところが、彼の後ろに人影。
彼だけを切り取ってもよかったけれど
それでは、もったいない。

二人で話しながら、それぞれのPCで
その知らない人を消す作業をした。
少し進むと、お互いに見せ合った。
彼の辛抱強さと精確さに感心する。

彼の使うソフトより、私の使うソフトのほうが
高度なツールがあるにも関わらず、彼の作品のほうが
はるかに上手。

そんなことを思い出しながら、彼と飲んだ店での
1枚を取り出してみた。
店内が薄暗かったせいもあるのだけれど。
雰囲気を破壊する中年男性の顔が、後方に。
こんなところにいたっけ?

もっと後方には、カクテル用のジンやウォッカの
並ぶ棚、感じのいいカウンター。
おじさんの顔だけ消したい。
めんどくさがりの私が取った方法は・・・
サクっと切り取り。


やはり、私は大雑把な人間です。

毎日彼といろいろな話をしながら、時間が過ぎていく。
連休前のようにケンカすることもなく、優しい会話が続く。

 先週逢ったばかりなのに、もう逢いたくてたまらない。
 週末に、新幹線に飛び乗ろうと思っていた。
 ようが仕事だとわかっていたから堪えた。

 もっとゆっくりどこかに行きたいね。
 沖縄はどう?
 
 日焼けするから、他がいい。
 伊豆や軽井沢で、一緒に散策したい。

 それいいね。
 きっと行こうね。

約束を、また一つ。
明るく澄んだ景色の中に、彼と寄り添い溶け込みたい。

夜の風景ばかりでなく、朝焼けや太陽の下での1枚を
いつか撮ろうね。


2005年05月15日(日)

してはいけないこと
毎週土曜に楽しみにしているドラマ。
『瑠璃の島』

ずっと一人だったから、一緒に笑ったり泣いたり
できる人とめぐり合えたときの安堵。
だけれど、その人から突き放されると
どうしていいのかわからなくなる。
もう一人になりたくないという絶望感。
ドラマでは、絶望のあまり入水しようとする。


現実の場合は?
一人に戻ることは、もう耐えられないから
人はそんな時、どうするだろう。
別の人を探す。
違う出会いを求める。

どうにかして自分だけを見つめてくれる人を探して
この人はどう?あの人はどう?
少し甘えてみせて、反応を見る。
次々に。

その時間、ほんの少しの間でも
自分に関心を寄せてもらえるなら。
どの時点で、成功だと確信する?
ダメなら次へ行く程度の気持ちで接するなら
それは浮ついた気持ちと行動で、誰の心も捉えられない。

自分の心の隙間を埋めるために、
誰かの心をもてあそぶのは許されることじゃないよ。
そして、それは信頼からは程遠い行為。
警戒と不信と敬遠を招いた。
相手を間違えたね。




2005年05月14日(土)

事情
仕事中に、着信。
気づかないまま部屋に帰った。
電話をくれたのは、息子の幼馴染の母親のNさん。
夕食を取った後、こちらから電話しようと
時間を考えていると、またNさんから先に。

今度帰るときは、必ず連絡してほしいと言われる。
定期的に、仲がよかった母親同士で飲み会をしているそうだ。
いつも10人前後集まり、話題が散らばるので
彼女は誘われても、ほとんど参加していないらしい。
私が帰るなら、その時に合わせて少人数で会いたいと
言ってくれた。

彼女も離婚している。
そして、私と違って、彼女は二人の子供を育てている。
離婚後、どうして私が息子の近くで暮らさなかったか
彼女と話しているうちに思い出した。

仲がよかった人たちで、彼女や私以外に、
離婚したのは2人。
私を含めて3人が、暮らした場所から離れたところへ。
道を歩けば必ず知り合いに会う。
そして、噂好き、詮索好きな誰かの目に留まる。

一緒に暮らせないなら、せめて近くで部屋を探し
仕事を探せばいいと、言ってくれた人もいた。

あの当時を思い出し、ついNさんに泣き言を言ってしまう。
彼女は絶対に詮索しない。
当時も今も、それぞれ事情があるのだからと。

恋人はいるけれど、再婚の意思はないと言う。
彼女の両親は、今後を考えて再婚を勧めるらしい。
それでも彼女は、二度と再婚しないつもり。
子供には頼らない、彼らの人生は彼らのものだから。

 じゃあ、老後は共同生活しようか?

いつしか、こんな話題で盛り上がっていた。

2005年05月10日(火)

余計な一言
昼前まで熟睡。
大急ぎで支度をして、息子は試合会場の確認。
駅前に来た後輩たちと合流した。
数年ぶりに見ると、みんな顔が変っていて
面影を探すのに一苦労。

途中寄ったコンビニでチームに差し入れを買った。
棚にあったアクエリアスを、ごっそり全部カゴに
入れた息子の豪快さに笑ってしまう。

子供たちと言えないほど、みんな外見は立派だ。
高校生だからなんだけど。
久しぶりに見る各チームのユニフォーム。
試合には勝ったけど、内容的には疑問。
昔、試合後に親同士で文句を言うと、息子は怒り出した。
だから黙っていたけれど、今回は、どう思った?と
聞いてくれた。
これも初めてのことで、嬉しかった。
思ったままを言うと、息子も同感だったらしい。
すごく楽しみにしていたのにと怒っていた。

 試合を観ていると、したくなるでしょう?

 うん。でも、もう20分も走れないだろな。


部屋に戻り、夕食を作った。
帰ってすぐに、黙ったままお米を研ぎだしたのに
驚いた。
上手に研げないと、研ぎ方を聞いてくるのにも
驚いた。
私の冷蔵庫より、たっぷりと入っている。
適当に材料を出して、オムレツ、お味噌汁、サラダ。
息子がオムレツを返してくれた。
フライパンの扱いは、私よりずっと上手だった。
嬉しいような、悲しいような。

冷蔵庫の中の食材を見ながら、どうやって何を
作るかを素直に尋ねてくれた。
ぎっしり入った冷蔵庫の前で、思わず
一緒に暮らしたいと言ってしまい、その瞬間
息子の顔は強張った。
どうしてできもしないことを、言ってしまったんだろう
ごめんねが出なかった。
余計なことを言ってごめんね、と言えなかった。

幼い頃、包丁を持たせて、
 これからは、男だって作れないとダメ。
そういって台所に立たせたことを思い出した。
あの頃は、全く言うことを聞かなかったけれど。

最寄り駅まで車で送ってもらった。
車を降りる直前
 元気でな
と、先に言われてしまった。
私は、ありがとうと言い
新幹線に乗ってからも、メールを送った。

息子から返事は来なかった。
彼の寂しげで悲しげな顔が浮かんで
私も、それ以上、送れなくなった。

2005年05月09日(月)

手作り
駅前のコーヒー店まで、息子は迎えに来てくれた。
それまで一緒にいた友達を見送り、二人で夕食。
部屋に着くと、PCを持ち出し、よくわからないと
ピンボールゲームをしだした。

ほとんど何も入っていないPCは楽しくないだろう。
そう思って、ドローソフトを持ってきてよかった。
息子の車には、友達とデザインしたマークがあった。
ソフトの使い方を簡単に説明すると、夢中になって
作り始めた。

マウスでまっすぐに線を引くなんて、私にはできない。
何度も書き直し、ツールを探し、私が知らなかった
ものを活用しだした。
PCの壁紙と、ケータイの待ち受け画像。
数点づつ作り終わったときは、3時間経過していた。

ソフトに入っているフォントで文字を書かず
マウスで書き出したときは驚いた。
  やっぱり手書きが一番でしょ。
どこにそんな才能があったんだろう。
私の知らない息子がいた。

妹のことを聞いた。
息子は妹と連絡を取り合っていた。
今も習い事に通い、絵を描いているそうだ。
私にはない創造性は、妹と息子に。
嬉しくて、まぶしかった。

部屋に着くと何も言わずお茶を淹れてくれ、
PCで遊んだ後は、また無言で布団を敷いてくれた。

友達と話しながら歩いているたとき
息子は前を歩いていた。
友達に今度はいつ帰ってくるかと聞かれたとき
息子の耳には、「今度」が聞こえなかった。
帰省ではなく、東京から戻ると勘違いさせてしまった。
 違うよ、今度はってことと軽く答えたけど、
ごめんなさいが言えなかった。
がっかりした表情を見なかったことにできない。

母の日だと、彼女と一緒に手作りしたプレゼントを
もらった。
押し花とレースとリボンのコラージュが
フレームに入っていた。
モノを作ること、本当に好きになったんだね。

息子の作った画像を、ケータイの待ち受けにし
二人が作ったコラージュを写真にとって
これは、サブ画面の待ち受けにしたよ。

帰りたい、帰りたい。
いつか必ず。





2005年05月08日(日)

映画館へ
前日は大雨だったのに、晴れ上がった2日目。
予定を入れ替えればよかったね。
リニューアルして間もない、総入替制の映画館へ行った。
開演まで時間があったので、先にチケットを買い、
それからブラブラと散歩へ。
通りに入ったことはあったけれど、通りの名前に
なっている神社へは、行ったことがなかった。
私は滅多に神社仏閣に行こうとしない。
どうして彼と行こうと思ったのかわからない。
彼はおみくじを引きたかったそうだけど
自販機のおみくじだと知ると、止めてしまった。
おみくじにも、興味を示さない私だけれど
「自販機でおみくじ」は、あんまりだと思う。

朝食をしっかり食べたので、お昼は映画館で
売っているホットドッグとポップコーンで。

以前、一度だけ彼と映画を観に行った。
選んだ映画も失敗だったけれど、彼は座席にまっすぐ
腰掛けて、映画を観終わるまで無言だった。
今回、二人でポップコーンをほうばりながら
彼の腕に自分の腕を滑り込ませ、寄り添って観た。
ある場面では一緒に笑い、ある場面では小さな声で
囁きあった。

今回観たのは「Shall we Dance?」
エンドロールまでしっかり観て、二人とも楽しむこと
ができた。
学生時代、ほんの少しの間だけれど、競技ダンスを
やっていた。
全身筋肉痛になって、元々持っていた腰痛を悪化させた。
練習のシーンで、入門コースのみんなのコミカルな
悪戦苦闘振りに笑いながら、自分もそうだったと
思い出した。
観終わってロビーを歩きながら、彼に話した。

彼にする初めての話や彼から聞く初めての話も
まだまだたくさんある。

2005年05月07日(土)

初日


彼と待ち合わせ、電車に乗る。
目的地に近づくにつれ、雨が強くなる。
二人で一つの傘。

ごめんね。
方向音痴で。
間違った駅で降りたおかげで、初めて見る光景。
建物に入ると小雨になるのに、
外に出ると雨脚が強くなったね。
びしょ濡れになったけど、楽しかったよ。

一番行きたかった場所に辿り着けなかったけれど
ずぶ濡れになってたくさん歩いたけれど
本当に楽しかった。

夕食は、ちゃんと決めていた店に行けた。
カクテルのこと、たくさん知ってるね。
アルコールのことを思うだけで胃が痛くなったのに
なんともなかったよ。
このカクテルにはこの料理が合うって、全部選んでくれた。
すごいね。

Tシャツを買って、アイスクリームを買って
ホテルに戻る途中に、ビールを買った。
狭い部屋だったけれど、ベッドは大きかったでしょう?
やっぱり熟睡したよ。
安心して暖かくなって眠ってしまった。



2005年05月06日(金)

仲直り
返事はないと思いながら、細かいタイムスケジュールを
メールした。
山ほどある言いたいことは、しばらく封印。
初めての旅行を楽しもう。

旅行といっても、馴染みの場所。
彼がずっと希望していたこと。
もう一度、一緒にあの場所に行って、案内してほしい。

遅くに彼から返事が来た。
送ったメールには、行く場所のURLも添えていた。
喜んでくれた。

一緒にまた歩けるなんて思わなかった。
初心に戻って、ケンカしないように楽しく過ごしたい。



2005年05月05日(木)

行き場のない
5月5日は、私にとってよくない。
近づくにつれ、だんだんイライラしてくる。
関連した諸々が、記憶の底から浮かび上がってくる。
昨夜、この数年どう過ごしていたか思い出してみた。
2004年は、全く気づかずに、気にせずに過ごしたと思う。
記憶がないから。
2003年は、引越し前の手続きで動き回っていたはずで
これまた記憶が定かでない。
2002年、他のWeb日記に書いていた。
3年も経っているのに、まだダメだ。

この3連休の予定を、ほんの少しだけ彼から聞いていた。
彼のほうは好きなときに、電話をかけてくる。
私が友達と話す時間を優先してしまったとき
待たされるほうの身になれと言われた。
これは彼とボイスをしてるときに、Sちゃんから電話が
あったときのこと。

昨日は12時前に寝ようと思っていた。
シャワーする時間、髪の毛を乾かす時間。
おおまかに予定を立てていた。

22時半前、昨夜は爆睡だったとメールが来た。
あっ、そうと思う。
返事をしないといけないって思ってたのに
寝てしまってできなかった。ごめんな
返事がなくてもかまわない。
それより、何故寝てしまったか知ってるから
明るく返事できなくなる。
それでも気を取り直して、スケジュールを伝える。
数通のやり取りの後、突然沈黙。
とりあえず無言の相手に、シャワーしてくるねと打つ。
数十分後、シャワーしたよと打つ。
沈黙したままのメーラーに、ばかばかしくなる。

ぷっつり返事が来なくなって1時間後
お待たせと一言。
髪を乾かしたい、眠りたい。
なんで私だけ、お伺いを立てながら行動しなければ
いけないと、腹が立ってくる。

彼はほったらかしにした1時間の理由を書いてきた。
言葉が次々に浮かんでくるけど、抑えた。
そして、ひとこと、不愉快だから寝ると返した。

彼と連絡が取れない間、私なりに、旅行先で
どう過ごすか考えた。
彼と待ち合わせする場所の、電車の乗り継ぎ時間の
調整のため、新幹線の時間を変更した。
ホテルの予約を取った。

私の「不愉快」のひとことで、彼はケンカしかしないなら
逢っても仕方ないんじゃないと言い出した。
しかしない?
ますます不愉快。
逢うの止めようと言いかけて、考え直した。
GWの真っ最中、新幹線の変更は無理。
宿泊日程を変更するのも無理。
これについて、どう考えてるのかと尋ねた。
彼は謝った。

言いたいことは山ほどある。
だけど大半は、言ってもどうすることもできない。
今現在は、どうすることもできない。
それを承知しているはずなのに、ちょっとしたことで
湧き上がってくる。
自分でも止められない。
だから、おやすみと言った。
持って行き場のない怒りで、眠れなくなった。

2005年05月04日(水)

きっと
友人から返事が来た。
適切なアドバイス、ありがとうとあった。
発言小町を教えて、ちょっとコメントしただけ。
視野狭窄に陥っているようなので、外の景色を
見たほうがいいと言いたかった。

17歳から20歳頃の彼女は元気だった。
アメリカとオーストラリアに1年づつ留学し、
彼女の家には、いつも交換留学生がいた。
絶対結婚しないだろうと、他の友人と話していたら
国際結婚し、彼女が母親になるのは想像できないと
話していたら、次々に子供を産んで、皆絶句した。

聞いた話では、彼女の両親は彼女を通訳に
したかったらしい。
ところが、自分の意見をいつも主張したい彼女は
通訳中に何を言い出すかわからない、ということで
親は諦めたようだ。

彼女の話は、自分の意見を主張することで終始する。
そして話は無限ループする。
外見も中身も頑固なオバチャンになってしまい
以前からの友人とも疎遠になった。

彼女が、発言小町を黙って読んでいるだけとは思えない。
きっと持論を展開するだろう。
実はそれを密かに待っている。
賛否両論、喧々諤々、彼女にはいい刺激になるだろう。

*** *** *** *** ***

彼からようやくメールが来た。
 返事しないで眠ってしまった、ごめんな。

別にいいよ。

あれほど恋しかったのにね。
わずか数ヶ月前のことなのにね。
彼がいるそのことだけに感謝できなくなった。
数日前から、どうしても逢いたいと思わなくなった。
逢って顔を見たら、こんなモヤモヤはなくなる、きっと。


2005年05月03日(火)

初日 最新

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