ネットのよいところ


 疲れているから、早く帰るね。
ケータイに来たメールに気づかないまま
私は部屋に帰ると、ただいまのメールを出した。
彼と話さない夜は静かだ。
時間の流れもゆっくりに感じる。

去年から、読ませていただいていた日記がある。
事情があって更新をやめたようだ。
長く読んでいると、見知らぬ人でありながら
感情移入してしまい、何か起こると、その人の立場に
立とうとしてしまう。

一歩下がって冷静に見てみると、見えなかったものが
見えてくる。
結果には原因がある。
事の発端はどこだろうと立ち止まって考える。
今、自分の置かれている状況と重ね合わせて。

ネットで見せる顔だけが、ネットでの評価。
他の顔もある、他の面もあるといったところで
見ている側にはわからないし、わかろうとする必要もない。
こう考えるようになったのは、この1年くらい。

長く書き続けていると、私は前から書いているの。
知らないほうが悪いんじゃないと傲慢になり
誰もが知っていて当然のように錯覚してしまう。

誰もが書いていたもの全てを、読んでいるわけじゃなく
読んでいたとしても、それが全てでないと言われてしまうと
判断の材料をどこにすればいいかわからなくなる。
結局のところ、読み手の受け取り方に拠る。

私は短気だ。
瞬間湯沸かし器だとヤマが言ったように。
だけど猪突猛進はしない。
やること、できることを並べて、思いつく限りの手は打つ。
だけれど面倒くさがりで、すぐに飽きてしまうところもある。

この2週間ほどの間に、私に降りかかった件について
言うならば、まだ放り出さないでいる。
ただ、これだけは彼に言いたかった。
 女を相手にケンカするときは、話があちこちに
 飛ぶから、論点を絞って、惑わされるな。
 
彼の怒りの理由と、私の怒りの理由は違う。
そして私は、論点を摩り替えていることに、
気づかないほどマヌケじゃない。
逃げたければ逃げればいい。

実生活と違って、ネットのいいところは
すっぱり削除して、別の場所で書けるところ。
何事もなかったように、別名で別の顔で。

疲れているのは私も一緒。
被害者面をしてとぼけても、一歩離れたところから
見ている人は少なくない。

2005年05月25日(水)

彼の存在
彼にもらったobjectdock。
Macのドックは、モニターの下にあるのだけど
こちらは、好きなところに表示できる。
時計やカレンダー、そして彼のいる場所と
私のいる場所の、今のお天気と気温がわかる。

夕方、雷雨があった。
彼に話すと知っていた。
彼のドックにも、私の住む場所の天気を表示して
くれている。
カレンダーを挟んで、左側が私で右側が彼。

遠く離れたところにいても、彼を感じるツールが
たくさんある。
そして、それを彼はプレゼントしてくれる。

生身の彼をもっと感じたい。
それができない今、彼の存在を身近に感じられるものに
囲まれている。






2005年05月24日(火)

低空飛行
風邪かどうかわからないけど、だるくて眠い。
今年は冷夏になるらしい。
5月下旬の東京の気候は、こんなに涼しくて湿度が
低いのは例年通りなのか、珍しいことなのかわからない。

叔父に会った先月、私の部屋はまだコタツを出していた。
叔父いわく、大阪は蒸し暑く、家の猫だってコタツは
嫌がると笑っていた。
雷雨だったり、雹が降ったりするけれど
あの関西の蒸し暑さがないのはとてもいい。

体調が悪く、頭がボーっとするのは厚手の掛け布団を
片付けたせいなんだろうか。
首と肩の痛みは慢性化してしまった。

痛くても、食料がなくなっても、一人でなんとか
しなくてはならない、2年前に戻ってしまった。

遠く離れた彼に話をする。
声を出して、話せる相手がいることは
去年に比べたら格段にいいけれど。

彼の今の状態を詳しく聞いたのは先週。
腹を立て、情けなく思い、彼がこの状況に
甘んじていることを悲しく思う。
このままの生活を、後何年続けるのかと
ふと寂しくなった。

彼に聞いた話が、頭から離れずこだましている。
気分の落ち込みから、体調を崩したのか
体調の悪さが、気分を落ち込ませたのかわからない。

2005年05月23日(月)

メール
PCを起動して、メールチェックすると彼からのメール。
たった一言、私の名前。
送信時間は15分前。
まだPCの前にいるかなと、同じように名前を呼ぶ。

なぜか私たちは、色々持っているメッセンジャーを
起動せずに、最初は必ずメールから始まる。
メッセンジャーのログを保存することもあるけれど
メーラーの彼専用のフォルダに、交互に送り合ったものが
積み重なっていくのが嬉しい。
今も彼にメールを送っている。
 
以前、日記を書いていた男性が管理していたチャット
ルームに、お邪魔したことがあった。
その時、彼からのメールが来た。
男性は
 日記にある通りなんだね。本当にこうやって
 毎夜、彼からメールが来るんだ。
と、驚いていた。

彼と再会してからのメールは、既に2000通近い。
これも大切なものの一つ。



2005年05月22日(日)

だからこそ






彼に尋ねてみた。
どうして唐突に過去のことを言うの?
彼は答えた。
過去の男、全部に嫉妬するから。

誰にも触らせたくない。
誰にも触れさせない。

*** *** *** *** ***

ここで書き出した日記を、読み返した。
彼と今年初めに再会した日を思い出し涙が零れた。
あの日、あの場所で聞いた、彼の言葉を思い出した。
いつのまにか窓の外が白み始めていた。

*** *** *** *** ***

今月初めから、彼を悩ませていた問題。
ようやく解決のめどが立った。
ことの始まりから、毎夜聞いて、私なりに
思うところを話していた。
対人関係は難しい。
仕事上のそれは、各々の立場、目論見、プライドが
ぶつかりあう。
彼を心から愛している。
だからこそ、彼の意見に同調するだけじゃない。
それは違うんじゃないのと、いつまでも言える自分
でありたい。

*** *** *** *** ***

彼の嫉妬は、私を悲しませる。
なかったことにしたくても、過去は消せない。
過去があるからこそ、彼に言えることがある。
これからの彼とのために。
私に触れる人は、彼以外いない。
再開したあの日から。
身体だけでなく、心も、思考も。

2005年05月21日(土)

変らない想い


彼とする話の中で、度々出る話題は
東京と大阪と、これからどちらで暮らすか。
いつもは軽く話していた。
仕事量の多さ、住まいの環境、経済的なこと
話すたびに気になったまま言い出せなかったのは
以前のようなことにならないか。

人の気持ちは変っていく。
最初に決めたことが、年月が経つと
周囲の状況も影響して、予想しなかった結末に。
以前は、仕方ないことだと諦めようとした。
頭で割り切ったつもりでいて、感情はついていかなかった。
心を追いつかせようとして無理が生じ
心身ともに追い詰められ、自分自身を追い詰めた。

今夜、今まで言い出せなかった不安を彼に伝えた。
 もし、以前のようになったら、
 仕方ないと思わずに、すぐに別れようと思う。
 あの時は苦しかった。
 だから、別れたあと、完全に連絡も取れなくする。

 決して同じことを繰り返さない。
 だから慎重に確実に行動しようと決めてるよ。
 俺は学習能力のないヤツにはならない。
 全部踏まえたうえで、どちらで暮らそうかって
 聞いてるんだよ。

彼と知り合ってから、ずいぶん経つけれど
彼の声を聞くと、胸が熱くなり、彼に逢えると思うだけで
眠れなくなるほど気持ちが昂ぶる。
苦しみをねじ伏せるほどの思いは、あの頃の私を
おかしくさせたけれど、不安がなくなった今も
彼に対する愛おしさ、恋しさは変らないまま。
  


2005年05月20日(金)

嫉妬
mixiに『ターミナル』のことを書いたのは、
黙っていても、いつかバレると思ったから。
彼と一緒に観たい映画の一つだったのに。
借りて帰って、観ないまま返そうかとも思った。
そんなややこしいことできなかった。

彼が来た時、「○○Diary」を読もうと言った。
私の本当の名前がついている、別の人の日記がある。
そのことだと思ったら、彼はココを開いた。
彼がココを見ても見なくても、気にならなくなっている。
だから、彼がどの部分を読んだのか知らない。

 いつしたのか知ってるよ。
 大晦日に来ただろ。

唐突に、こんなことを言い出す。
私の日記を読んで、記憶違いをしてるんだと訂正した。

 大晦日は、一人でいたよ。

 じゃ、その前の日、焼肉しただろ。

 うん、したよ。

 じゃ、そのときしたんだろ。

 食べてそのまま帰った。

彼は逢いに来るたびに、必ず、今思いついたかのように
こんな話をする。
嫉妬することで、自分を奮い立たせるかのように。
知ってて黙ってたんだけど、言わせてもらうと
言わんばかりに。
私は、必死になって言い訳しない。
なぜなら、どうでもいいことだから。
自分に全く気持ちがないことを知っているから。
全く気持ちのない相手と、どうにかなるなんて
私のこれまでになかったから。

他の人はわからないけれど
私は以前関係のあった人を、冷たく跳ね除ける。
どれだけ請われても、請われれば請われるほど
冷めていく。

だから彼が嫉妬に任せて、逢うたびに何か言っても平気。
スパイスにしようとしてるの?程度にしか思えない。
しつこく言われると、情けなくなる。
情けなさのあまり泣けてきたり。
情けなさを通り越して、怒りがこみ上げてきたり。
その時々によって二通りあるけれど。

「じゃあ、あなたはどうなのよ」が滅多に浮かばないのは
女として珍しいのかもしれないけれど
たまに、聞いて欲しいんだなと思うと聞いてみる。
だけど、本心はどうでもいいと思っているから
言葉に熱が入らない。
とりあえず、今回は聞いてみた。
彼の話が本当かどうかはわからない。
だけど、それもどうでもいい。
過去のことは、終わったこと。
大切なのは、今とこれから。
彼の今に嫉妬しても、彼の過去に嫉妬を感じない。

2005年05月19日(木)

彼を
逢う前に彼は、今度もたくさん話そうねと言った。
毎夜、話していても、顔を見ながら、彼に触れながら
話す喜びは大きい。

彼の全てにくちづけし、彼の全てを手でなぞる。
私の全てを包み込み、私の全てを愛した。

 あのとき、あの場所に決めたのが間違いだった。
 あの時間、俺がいさえすれば。

たまに口をつく過去の後悔。
彼の顔が曇り、悲しみが伝染する。
逢うたびに、嫉妬と憎悪が現れる。
それに少し甘んじて、少し逆襲する。

 逢いに行こうと、調べたんだ。
 空路でも新幹線でも遠かった。

 それはいつのこと?

 去年の秋ごろかな。

私が消えても生きていけると、複数の手軽な相手を
見つけながら、それでも忘れないでいてくれた。

  
 次の仕事の合否の返事を待っていた日、
 上司に見つからないように、苦労したよ。
 辞めるか留まるかの回答を、その日に言わないと
 いけなかった。不採用なら、困るでしょう。

 そんな話、初めて聞いた。

 だって、あのとき、私の話は聞いてくれなかった。
 忙しかったでしょう。

2年前のたった1日を切り取っても、話せなかった
事柄が多いと、今更ながら思う。

 ようしかいない。
 他の人を探したけれど、いつも比べてしまった。 
 
彼の腰に手を回し、彼の顔を見上げると
優しく強く抱きしめられる。
ここが私の居場所だと、愛しさと恋しさで
泣きそうになる。

 ようみたいな顔の人は、他にいないの?

 私みたいな年代の人なら、たくさんいるよ。

 そんなの、いらない。

私みたいな、我が侭勝手な人はたくさんいる。
だけど、彼の元に戻れるのは私だけ。
彼のような、ひどい人はたくさんいる。
だけど、私を求め続けてくれるのは彼だけ。

2005年05月18日(水)

ありがとう
今夜は彼が「キムチ焼きそば」を作ってくれた。
彼が唯一作れるもの。
いつか作ってあげると言われていた。
野菜や肉を切って、後は彼にお任せ。
キムチが麺に馴染まず、今回は失敗だったらしい。
私は彼が作ってくれたというだけで、満足。

彼は私のPCを掃除するのがお得意。
フォルダを作ってまとめたり、使わないものを
捨てたり、今日は壁紙のリサイズまでしていた。
いつも、どうしてこんなにごちゃごちゃなのと
叱られる。
自分では整理してるつもりなんだけど。

彼を見送りに行く途中、時間があったので本屋さんへ。
彼は帰りの車内で読む本を探し、私も面白そうな
本はないかと探した。
M・H・クラークの新作を発見。
発行が今年の5月1日になっていた。
私が買う文庫本は、いつも数年前の発行で、
版も2版、3版以降が多いのでちょっと嬉しい。

クラークの作品もほとんど読んでいる。
気に入ると同じ作家の本を全部読もうとしてしまう。
P・コーンウェルも新作が出ていた。
 買いだすと止まらなくなるから、今度は図書館に
 行ってみるね。
レジに私の分も持っていって、買ってくれた。
この本は、特別な物になった。

今日は本当にありがとう。
彼は急に来たことを、何度も謝ってくれたけど
とても嬉しかったよ。


 

2005年05月17日(火)

どうしても逢いたい
仕事中、何度もメール。
彼がどうしても逢いたいと書いてきた。
今、私は忙しい。
今週中に仕上げないといけない仕事がある。
電話していいか?とメールが来る。
私は短い返事しか送れない。



少し考えさせて。
もう少し待って。
あと、30分。

30分が40分になっても、
仕事は終わらなかった。
そして、1時間近く経った頃、ようやく今日の分は終了。
帰り際になって、社長に単語の綴りを尋ねられる。
私は早口になって、それでも答える。
 それで合ってるの?
 合ってるよ。
言いながら辞書で確認。
 ほら、合ってるでしょう。
また帰ろうとすると、綴りを尋ねられ
同じことを繰り返した。

彼からのメールの合間に、息子からも電話が入った。
すぐに出られずに、かけなおす。
疎遠になっていた友達から、前の家に電話があったらしい。
私と連絡が取れないと前夫に告げたようだ。
彼女の電話番号は、どこかにあるはず。
彼は、何度もメールしてくる。

ばたばたと会社を出た。
帰りに買い物をしようと思っていたのに、予定変更。
ポケットにケータイを入れ、いつかかってきても
出られるようにして、部屋に急いだ。
部屋に戻り、ケータイを取り出すと着信あり。
彼からの電話。

 ように逢いたい。
 どうしても逢いたい。

メールの切羽詰った様子は、電話では少しまし。
 
  仕事が忙しいなら、かまわないよ。
  
今度は、いつ逢えるかわからない。
はっきり予定が立たなくてごめんね。
こう聞いたのは数日前。

一瞬、断ろうと思った。
私がどうしても逢ってほしかったとき、彼は
無理だと言ったじゃない。
そんなお返しのような台詞が浮かんだ。
だけど、こんなふうに突っ張ったら、きっと後悔する。
だから明日、彼を迎えに行く。

・・・友達の電話番号は、また今度探そう。
仕事は、明後日から深夜残業覚悟で。

2005年05月16日(月)

初日 最新

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