嫌われたマウス








彼が私のPCを触るとき、いつもマウスに腹を立てる。
彼と選んだマウスは壊れてしまい、その頃の日記を読んでいる彼は
私が借りたマウスを使っていると勘違いしていた。
 
 これは私が買ったマウスだよ。
 借りてたマウスはとっくに返した。

ちょっと機嫌を直したけれど、やはり今のマウスは
使いにくいと腹を立てる。
私のPCは全て彼が選んだもの。
プリンターも一緒に買いに行った。
キーボードやモニターは、今年になってから彼が選んで送ってくれた。
マウスだけが、彼の知らない場所で彼のいない時間に買った物。

Webカメラやヘッドセットにも文句を言ったけれど
マウスに対する風当たりが強い。
確かに、この2ヶ月ほど今使っているマウスは調子が悪い。
彼とまた一緒に買いに行ければ、それでいい。
 




2005年06月14日(火)

出会いは必然にしてサダメなり
なんでやたらと「出会い」や「出会う」って使いたがるの?
 「知り合った」「知り合う」でいいじゃない。
 
彼の呆れたような一言に、なるほどねと思った。

 その二人の関係に重みを持たせたいからじゃない?
 もしくは、特別な意味を持たせたい願望の現われ。

とりあえず答えたけれど、彼の言い分はわかる。
ネット上には、自分の書いた言葉に酔う人が多い。
私もよく使っていた。

「出会い系」という言葉が広まったせいかもしれない。
どんな系統だろう?と誰も疑問は持たない。
系、流、風と最後につければ、詳細はぴんと来なくても
なんとなく雰囲気は掴める。

知人、友人、恋人と段階があるとすれば、
「私たちは知り合ったのよ」より、「私たちは出会ったのよ」のほうが、
特別な何かが存在したように思えるし、公言出来る。

男性は上手だ。
女性に近づくのに、甘ったるい女性の好きそうな言葉を並べる。
本音は他にあっても、恋なんだよと思わせる。
テレビドラマのような展開を夢見る女性が、日本国中に溢れているみたい。


男の子を持つ母親なら、少しはわかる。
戦闘ものや、ケンカやモノを集めたがる男の子が
大きくなっても、ロマンティックにはならない。

ところが生活がかかってくると、女性のほうが計算高い。
計算高さを隠し切れない。
「出会い」「必然」「運命」などの言葉を大安売りするのにね。
夢見る夢子ちゃんの頭には、いつも電卓があるようだ。

2005年06月13日(月)

彼には素顔で




彼と逢う時は、アクセサリーをつけない。
指輪もチョーカーも、ピアスも。
ふだんでも薄い化粧は、もっと薄く。
どうしてだろう。

ヤマから久しぶりにメールが来た。
平日でも会えるように、時間ができたらしい。
ヤマと会うとき、きっと私はきちんと化粧し、
ピアスや指輪をつけて出かけるだろう。

ヤマにはよそいきの顔で会い、
開けっぴろげな笑いをもらう。

彼には生まれたままの顔で逢い、
穏やかで安心できる時間を過ごす。

ヤマからお誘いのメールが来たことは、すぐに彼に伝えた。
彼は私の看病に来ると言ったけれど
彼の仕事を邪魔したくない。
まだ微熱があるまま。




2005年06月12日(日)

これからの思い出を
最近、PCで昔の映画を観ている。
「雨に歌えば」
有名な「Sing in the rain」のシーンは、感動した。
ドタバタコメディでなく、スマートなコメディだと思った。
ミュージカル仕立てなので、好きでないと延々と続く歌のシーンは疲れる。
彼は、「突然、脈絡無しに歌いだすから嫌い」だそう。

「陽のあたる場所」も初めて。
エリザベス・テイラーが、とても美しい。
だけど、お話的には安易かな。
最後どんでん返しがあるとか、もう少し捻りがほしかった。

彼と観たいのは、「スターウォーズ」の最新作だけど、
私はシリーズをちゃんと観ていない。
最初のレーアオーガナ姫のブサイクさに幻滅したから。
彼に話すと笑っていた。
順を追って観ないと、話がわからないと言う。

彼と別れる前の2年半、私たちは何も話していなかった気がする。
話していたけれど、振り返れば深刻な話が多かった。
楽しい話や笑い合うことが少なかった。

彼は「やり直す」のではなく、最初から始めようと言っていた。
本当にその通りだと思う。

映画、音楽、テレビ。
別れる前、何を話題にしても、彼が嫌味を言っていると感じた。
この曲は、ようの青春時代?と聞かれたとき、
私は中学から洋楽が好きで、歌謡曲なんて興味なかったと答えた。
自分は生まれてまもない頃だと言われるのが腹立たしかった。

先日、尾道を舞台にした映画の話になった。
原田知世の「時をかける少女」だったかなと言うと
わからないけど、「戦国自衛隊」の記憶もほとんどないからと言われた。
今調べると、「時をかける少女」が映画化されたのは22年前。
私はもっと以前に、筒井康隆の原作を読み、NHKのドラマ化を観ている。

こんな話をしても、平気になった。
彼と過去の、ある時代を共有することはできない。
彼が子供だった頃、私は大人になっていた。
彼が大人になった頃、私は既に大人だった。
年齢の差はいつまでも続くけれど、これから共有するものは増えていく。
それでいいと思えるようになった。

彼は思い出をたくさん作ろうと言う。
思い出を作るために付き合ってるのかと、
斜に構えた受け取り方をしていたけれど、
そうではないと気づいた。

2005年06月11日(土)

香り








パルファム、オードパルファム、オードトワレ、オードコロン。
私の周囲に香りを楽しむ男性は、今はいない。
彼はアレルギーのせいか、全くつけたことがない。
部屋に飾ったアロマティックソープも嫌がる。

中学の頃、ミニチュアの香水セットをもらった。
それ以来、香りを身につけることに夢中になった。
香水に関する記事を探しては読み、調香師に憧れた。
高校時代、ミツコや夜間飛行をつけている人がいた。
私がこのボトルに入れて、長年愛用したのはアマゾン。
ホワイトローズナチュラルは、初めて自分で買った香水。
みんな遠い日の思い出。

今は出かける日に、ほんの少しウィッシュをつける。
息子の部屋に泊まった夜。
電気を消した暗い部屋に、かすかに薔薇の香りが漂っていた。
尋ねると、アロマキャンドルを愛用しているそうだ。
今は、息子が香りを楽しむ習慣を持つ。








2005年06月10日(金)

パソコン初級者です





イタリアの友人にお祝いを贈った。
とても喜んでくれて、すぐに返事をくれた。
質問がひとつあった。
 
 フォトショップやイラストレーターのアップデート中に
 引っかかってしまい、永遠に開かなくなるの。
 時間のある時に彼に聞いておいて。

彼女もMacで、この二つのソフトを使っている。
これは彼に聞いてもわからないはず。
会社のMacで、フォトショップを起動すると、この現象が起きていた。
原因はわからないけど、解決方法は知っている。

SちゃんからSOSの電話があった。
兄弟が、PCにWebカメラのドライバを入れたらメモリ不足だと
警告が出て、動かなくなったそうだ。
 
 とりあえず終了させて、セーフモードで起動して、
 そのドライバを削除しよう。

セーフモードって何?と聞かれ、そういえば私もやったことが
ないと思い出し、彼に電話した。
 
 使ってるOSによって、起動の仕方が違うから聞いて。

Sちゃんに電話してOSを尋ね、起動方法を調べた。
終了させたのと聞くと、なぜか再起動したという。

Sちゃんの兄弟に応急処置を話す前に、いくつか提案した。
1.メモリを増設できるなら、やってみる。
2.Webカメラで「おねぇさん」たちとの楽しい会話を諦める。
3.OSも不安定なものだし、この際買い換える。

とにかく削除しようと、画面左下にあるスタートボタンを
クリックと一から説明する。
コンパネを開いた時点で、固まってしまった。

 そのパソコン、存在しなかったことにしよう。
 プラグを抜いて押入れに片付けてしまってください。

ところで、少し前に「あなたのPCスキルは?」という質問があった。
選択肢は4つ。
それぞれの説明を読んで選んだら、私はPC初級者になった。
彼に話すと大笑いしていた。

今日の画像は、私の隠れた趣味の一つです。
読書してるか、これをしてるか、PCで遊んでいるか、映画を観るか。
目を酷使する趣味ばかりだと、わかっているのにやめられません。

2005年06月09日(木)

ワールドカップ出場
テレビに釘付け。
今も余韻に浸りながら、テレビを観ている。
レッドカードを出した、あの直前の日本選手の行為はよくない。

無観客試合で、観客席にはサポーターが入れなかった。
会場の外にいる彼らの声援が聞こえてきた。
試合が始まってすぐから、ずっと聞こえていた。
すごいことだと思う。
試合後、バスに乗り込む選手たちを見送るサポーターに
もう少しサービスしてもいいんじゃないと思った。

とにかく、日本代表はワールドカップ出場権を得た。
「お兄さん」から試合直前、直後にメールが入った。
南米やヨーロッパの国は、熾烈な争いで、実力のある国が
出場権を得られない。
この実力の差が、これから少しづつ短縮していけばいいと思う。


2005年06月08日(水)

透明人間
3週間にわたる強度のストレスのせいで
胃が悲鳴を上げている。
この2年減らなかった体重は、1週間を過ぎたあたりで
徐々に減りだした。

昨夜は、このトラブル最後のケンカを彼とした。
私が一方的にまくしたてた。
彼が送った謝罪に対して、今まで溜めていたものが噴出した。

 あなた、何様のつもり?
 この言葉、100回プレゼントするわ。

途中、ついていけないと思ったと言われ、
私は巻き込まれた被害者だと罵った。
絶対に逃さない、最後まで責任を取れと迫った。

私が納得するまで話そうと言われた。
彼が私の凄まじい面を見るのは、初めてのことだと思う。
子供の頃からそうだったし、歳を重ねても治まらない。
きっと死ぬまでこの激しさは続く。
彼に告げた。

鉄砲玉のように、飛び出そうとすると引き止める。

 私はあなたの付属品じゃない。所有物でもない。

 そうじゃなくて、心配してる。
 早く一緒に暮らせるようにしないと、危ないな。

 こんなふうなことをされるなら、私はこのままでいい。
 離れてるほうが監視されなくていい。


少し落ち着いたとき、彼に言った。

 私は透明人間になりたい。

 なってどうするの?
 
 数年前から興味があったの。
  
彼は笑いながら、自分で勉強しなさいと言った。
彼ができるかどうか試してくれた。
 
 時間を見て。今、23:06。どう?

 半分見えてるよ。

 じゃあ、これは?

 23:12。全く見えない・・・


彼は普段は消えたりしない。
 消える必要なんてないよ、普通にしていればいい。
 どうして知りたいの?

 好奇心旺盛なの。

透明人間には、なかなかなれない。

2005年06月07日(火)

バンビーノ









イタリアに住む友人から、無事出産したとメールをもらった。
私が正常分娩ではなかったから、気になりながらメールを出せないでいた。
やはり難産だったようだけれど、今は育児に追われている。
彼女が添付してくれた写真を開くことができなかった。
彼に相談。
ようやく見ることができた。
彼は、2ヶ月でこんなに目が大きいの?と驚いていた。
東洋と西洋の美の結合だもの。

日本名とイタリア名を持つ、可愛らしい男の子。
日本名は、イタリアの海のように晴れ晴れとした人生を送って
欲しいと願いが篭められたもの。

目はパッチリで睫毛が長く、無邪気な笑顔を浮かべている。
同級生は、みな高校生や大学生の子供がいる年代。
彼女はとてもがんばっている。
彼女からの写真は、いつもコラージュのようで楽しい。
私も何かを作って彼女に送ろう。





※ この写真のクマは、Sちゃんが作ってくれた
  パッチワークベア。
  両腕と両足の継ぎ目のボタンは、私が提供。
  


2005年06月06日(月)

創造する人への敬意






ようやくSちゃんから電話があった。
5月末に来る予定だったのに、延期になった。
彼女と話していると、言いにくそうにお願いをされた。
以前、Sちゃんが来たときに見せた「クルクル回る」ものが欲しいらしい。
何を見せたか、とっさに思い出せなかった。
私が本を見ながら適当に作ったフラッシュのことだとわかった。
  
 もしかして、私が作るってこと?
 

 いえいえ、自分で作りたいんです。
 作ってCD-ROMにしてお祝いにしたいんです。

彼女が作るならとほっとしたけれど。
ということは、作り方を私が教えるということになる。
非常にまずい。
作り方も何も、本を片手にごくごく基本的な動きをつけただけ。
Sちゃんが来るまでに、フラッシュの操作を、私が覚えないといけなくなった。

SちゃんもNちゃんも、実際に手に取ることができる作品を作る。
そして独創性、創造性豊かだ。
反して、私はモニターを介して見るものしか作れない。

彼女たちは自分の創り出すものを大切にする。
何かを創り出す人は、全てそうだと思う。
子供の頃、お茶会の席で、茶碗を見るときに平伏する様に
違和感を覚えた。
 どうして器に人間が頭を下げて最敬礼しないといけないの?

伯母に叱られた。
 お前は何もわかってない。
 器に対してではなく、作った人に対して尊敬の念を
 示しているのよ。

この言葉は、30年以上経った今も、深く心に残っている。

人が作った物に対して、何も感じないどころか、
ばれないだろうと簡単に盗む人は多い。
絵画は、模写することで自分の腕を磨くけれど、
これはいつか自分のオリジナルを作るための道だと思う。

特にインターネット上では、人の作品を簡単に盗む。
文章、音楽、画像など。
自分で創り出せないならば、せめて作り手に対して
借りられる物ならばお借りすると、こちらからお借りしましたと
表示するのが筋だと思う。

今まで、私がこの日記にコピーライトをつけなかったのは
ネットに上げると、いくら自衛しても無駄だと知っているから。
使っている写真は、jpgに圧縮してあるし、コピーライトの
文字は、消しにくいように加工してある。
これはささやかな抵抗だけど。

わかった上で、私はコピーライトを日記につけることにした。
トラブルに遭遇したときに、権利を主張できるように。
自分が書いたものに対して責任を持つために。
そして、誰かが創り出す作品に敬意を表するために。

2005年06月05日(日)

初日 最新

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