ぶらんこ
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2011年05月28日(土) だいくまの怪獣

だいくまに怪獣が出た。
すっごいでかいやつ。
家とか壊されちゃって、山とかもどこどこ歩く。

わたしは清いこころでお祈りした。
「誰か、たすけて〜」

すると・・・ウルトラマン・タロウが現れた。
突如、どっかから、にゅぅっ!と伸びてきて。
  
タロウは怪獣をやっつけて去っていく。
嬉しい、ありがとう〜

これが初回。

 
  ・・・・・・・・・


翌晩。


同じように、だいくまに怪獣が現れる。
わたしは辛うじて生き延びて(死んでる人なんていなかったが)
また、お願いする。

「お願い。タロウ、また来てー!」

するとまたまたタロウがにゅぅっと伸びてきて
怪獣をやっつけて去って行く。



  ・・・・・・・・・


三日目も同じような夢だった。
が、夢の中で「タロウを呼んでるのはわたし!」みたいな感覚が芽生える。
なぜなら、お願いしながら手紙を出していたから。しかも宛先なしだ。
その行動によって、タロウが来る。
という公式だ。


  ・・・・・・・・・



翌晩。

「今夜もあの夢の続きを見れますように」と願って床に就く。
そして、案の定、続きの夢になった。



怪獣の猛攻がすごい。
だいくまの公民館までやられそうになる。
それでわたしは、公民館の近くにあった赤いポストに、
「タロウ、来て!」とだけ書いた手紙を封筒もなしで入れた。

すると、公民館前のバス停に林バスがやってきて、ぞろぞろと客が降りて来て、
いきなりタロウが にゅうっ!
怪獣はやられて、また林バスが来て、客が数人乗り、バスは行ってしまう。
 
 
不思議なのは、わたしはそれを見ながら、あの客の中にタロウに変身する誰かがいたんだ!と確信する。



  ・・・・・・・・・


5日目。
かなり真剣に「続きを必ず見れますように」と祈って寝る。


ちゃんと怪獣はあらわれた。飽きもせず、だいくまに。
わたしはその中で、使命感に燃えて、逃げ惑う人々を誘導したりしていた。
でも、これまでと明らかに違ったのは、怪獣が出ても怖がらなかったことと、
「絶対に誰がタロウなのか、今日は見極めてやる!」という想いがあった。
だから、怪獣が出ても、自分はタロウを呼ぶ機会を与えられた、と喜んでいた。

同じように公民館前のポストまで行って手紙を出した。
林バスがすーっと入ってきて、どやどやと人が降り、またまたタロウが現れた。
どの人がタロウになったのかはわからなかった、その晩も。
けど、客の中に、ひとりだけ知ってる少年の姿があった。ドキドキ・・・!



  ・・・・・・・・・


翌晩(これが最終回になってしまった)。


この時の怪獣はすごかった。
わたし自身、怪獣の下敷きになりかけた。
いつにない危機感とともに、ポケットから紙を取りだし、「来てー」とだけ書いた手紙を
・・・・・・空に向かって投げた、、、


というのも、
わたしが倒れていた場所はエイミィの近くで、ポストまでは持って行けなかったのだ。
また、エイミィと公民館の間は、怪獣の猛攻で綺麗さっぱりなくなっていたから、
だから・・・林バスが来るのもちゃんと見えた!


そして、この時。
わたしはしかっと見たのだ。

降りてきた客の中のひとりが、ぴっと片手を上げて、にゅうっとタロウになった。

怪獣はやられて、わたしは息からがらに生き延びた。
いつのまにかタロウはまた少年の姿に戻っていて、林バスに乗って去って行った。


わたしはその様子を見ながら、ああああああれがぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!
と、それはもう、感慨ぶかげに・・・見送ったのだった。



  ・・・・・・・・・



この先、夢の続きはなかった。続きの夢はもう見ないだろう、とも思った。
きっちりと完結したのだ。



ちなみにその少年は転校生だった。
皆から密かに「ナポレオン」と呼ばれていた、ちょっと日本人離れしたよな、外人みたいな顔の少年。



  ・・・・・・・・・



とっても懐かしい夢の話を見つけたのでこちらへ持って来た。
これまでに色んな人に何度も語られた「だいくまの怪獣」という連続夢。副題は・・「ナポレオン」かな〜。
確か小学校2年の終わりか3年の頃の夢だ。
タロウが登場したのは、長兄の家で見たウルトラマン・タロウが非常に衝撃的だったからだろう。
当時、島ではまだNHKしか放送されていなかったから、内地(鹿児島)の兄の家で見たミンポウ(民間放送)は楽しくて仕方なかった。
ウルトラマンの他に覚えているのはドリフターズ。
腹がよじれるほど、おしっこちびっちゃうくらい笑った。何がそんなに可笑しかったのか。


ナポレオンのことは好きだったのだろか?
そんな記憶はないのだが(本当に!)、気にはなっていたのだろう。
小学校の2年〜3年は、学校での良い思い出がない。トーコーキョヒをしたのもこの時期だ。

いや、それ以降も、学校生活自体にあまり良い思い出はないな〜。
学校は好きじゃなかった。が、行かないという選択は出来なかった、特に2度のトーコーキョヒ後は。








2011年05月27日(金) 親知らず

昨日こころさんは「親知らず」を抜く手術を受けた。


抜歯(しかも4本!)を薦められたとき、彼女は「怖いから眠らせて欲しい」と歯科医に訴えたらしいが、それはいとも簡単に快諾された。
というか、この国ではごくごく普通のことらしい。
実は全身麻酔というのに(わたしは)ちょっと抵抗があった。が、これは日本人特有のものなのかも。
苦痛に対する考え方(捉え方)がまだまだ欧米人のそれに及ばないところがある。何ごとも我慢は良くないのにね。


ともかく全身麻酔下というのがわかってからは、気持ちを切り替えた。何より受けるのはわたしじゃない、こころさんなのだ。
こうなると、ムクムクと好奇心が湧いてくる。
手術室で働いていたから、全身麻酔というのは普通の人より身近である。が、わたし自身は全身麻酔を受けたことがない。



「全身麻酔して貰ったらさ、どんななるかね?」
「どういう意味?」
「いや、ほら、強制的に眠らされるわけでしょう。・・・そういうときってね、体外離脱、しやすいらしいよ」
「えっ!?」
「夢のなかで、虹の橋のほうまで・・・ぷーちゃんに会いに行くといいよ」
「うん!」
「ぷーによろしくね。でも、ちゃんと身体に戻ってくるんだよ。行ったままじゃ困るからね」
「わかった!」



手術前にそんな打ち合わせ(?)をして、とうとう彼女は呼ばれて行った。
わたしは待合室でじっと待つこと・・・約2時間。
パラパラと雑誌をめくっていたが、わたしのほうも睡魔に襲われた。少し眠るか。。。ぷーちゃん。。。


目が醒めたとき、左手が痺れていた。左手に顔を乗せて眠っていたせいだ。
もうそろそろ手術も終わるだろうか。ウトウトと夢を見ていたような気もするが、ぷーちゃんに会った記憶はない。
こころのほうはどうだったろうか。



呼ばれて中へ通されると、顔がパンッパンまんまるに腫れたこころが毛布に包まれて座っていた。
赤ちゃんの頃の顔と同じだ・・・と、驚いて、ちょっと笑えた。ガーゼを噛まされてるせいもある。痛々しい。
でも、なんだか久しぶりにちんこいかわいい彼女に会えたような気がして嬉しかった。


「で?どうだった?」
「良かった。痛くなかったよ。途中で起きたけど」
「そうなんだ」
「Laughing gas は全然効かなかったよ」
「それ吸うと笑っちゃうガスってわけじゃないんだよ?」
「わかってるよ!で、その後に注射されて、しばらくしたら・・色んなcolorが見えて・・・」
「ええ〜!凄い!それでそれで?ぷーに会えた???」
「・・・いや」
「なんだ、会えなかったのか、、、残念、、、」



駐車場に向かいながら、ふと、よろよろと後を付いてくるこころさんに気付き、ごめんごめん、と手を取った。
「大丈夫?一応、エスコートしなくっちゃね」
「そうだよ〜もっと優しくしてよ〜」


まさに、子の心「親知らず」。







2011年04月01日(金) Children

-Children
 Kahlil Gibran

Your children are not your children.
They are the sons and daughters of Life's longing for itself.
They come through you but not from you,
And though they are with you yet they belong not to you.

You may give them your love but not your thoughts,
For they have their own thoughts.
You may house their bodies but not their souls,
For their souls dwell in the house of tomorrow,
which you cannot visit, not even in your dreams.
You may strive to be like them,
but seek not to make them like you.
For life goes not backward nor tarries with yesterday.

You are the bows from which your children
as living arrows are sent forth.
The archer sees the mark upon the path of the infinite,
and He bends you with His might
that His arrows may go swift and far.
Let your bending in the archer's hand be for gladness;
For even as He loves the arrow that flies,
so He loves also the bow that is stable.







2011年02月18日(金) ハードボイルド

仕事の日。同僚のダイアンが車で迎えに来てくれた。
シルバーメタリックのスポーツカー。
ダイアンってこんな車に乗ってたんだ〜と、意外な気がする。

助手席に乗り込む。
大柄なダイアンが手際良くハンドルを切る姿にまたまた意外性を感じる。


町を東西に分ける大通りを進んでいる。
前方には海が広がっている。晴れそうな予感。


ふと、樹々の間から見える海がぐぐっとうねった気がした。
その瞬間、薄茶色の噴煙がむくむくと沸き上がり・・・樹々の間を狙うかのようにこちらへと向かってくる。
ダイアンは気付いていないのか、にこにこと話を続けている。
「ダイアン!ダイアン!曲がって!このまままっすぐ進んじゃダメー!」
叫ぶうちにもどんどんと噴煙が押し迫ってくる。


ダイアンは「ひっ」と声をあげ、何も出来ない。
わたしは咄嗟にサイドブレーキを引き、彼女の大きな身体を押しのけるようにしてハンドルを切った。


間一髪のところで、噴煙はもの凄い勢いでそのまま通りを進んで行った。
地響きがゴゴゴゴゴォーとエコーするような唸りをあげている。
ふたりとも何が起こったのかよくわからない。
ダイアンは目を大きく開いたまま何も言わない。
「大丈夫?大丈夫?」
ダイアンをゆすりながら、怪我のないことを確かめている。



職場にいる。
朝のミーティング前でがやがやとしている。
最近、業務のやり方が変わったことで小声で文句を言っているのが聞こえる。


ナースステーションにある小さなTVが先の噴煙の様子を流している。
「このように、スペースシャトルの打ち上げは今回も成功しました」
若い女性リポーターがカメラに向かって喋っている。
「海底からのシャトル打ち上げ成功は、今も尚、世界でも珍しいものであり、日本のシャトル開発チームの今後ますますの活躍が期待されています」


TVを見ながら、そういえば今朝がシャトル打ち上げだったんだなぁーと思い出す。
それにしてもなぜ噴煙が上空へと向かわず地平を這うように進むのだろう・・と、少し不思議な気がする。
そして、次のシャトル打ち上げがいつなのかをちゃんと調べておかなくちゃ、ダイアンにもちゃんと知らせなくちゃ、と思う。




 ・・・



ハードボイルドな夢を見た。
ダイアンはうちの施設の料理人。
ダイアン以外の登場人物はすべて日本人だった。
日米合作!?


新燃岳がカブッたか。。。








2011年01月19日(水)

心に素直に従うことだ

何かが違う・・と感じただろう
どうも苦手・・と感じただろう

それなのに
気持ちを無理に押し込めて
心の狭さを密かに恥じ
それじゃいけないと
思いきりオープンにしてきたのだ
あけっぴろげに
それこそ全開さ

しかし 
どんなにか待ったろう
風はとうとう吹いてこなかった


そういうこともある
そういうこともある

いたしかたのないことだ


心に素直に従うことだ
心は違うと言っていたのだ
それを無視して
なんとかやり過ごしていたから
違った方向へ進んでしまった
それも一方通行の


いいじゃないか
いたしかたのないことだ

いいじゃないか
いいじゃないか


そうやってあなたの心に
幾重もの
優しいひだが
また生まれたのだから






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