Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2003年05月09日(金)  And I have seen your love

今日は飲みに行きたくない。
珍しいこともあるもんだ。MM (g)からストーンに行くと連絡があり、会いたいけど、何故かきっぱりと今日は行かないとメール。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ。2002年11月3日、千葉、幕張メッセ。
MDがブートCDを焼いてくれた。最近は色んなバンドのブートビデオを買っているので、CDは物足りないかなと思ったが。

・・・とんでもない。

このCDは観客の歓声の拾い方が最高だ。と言うより、あっさりさいたまよりも幕張の方が客のノリが良かったんじゃないか?
客が見事に、オーディエンスという名のひとつの生き物と化しているのが伝わってくる。その生き物が喜んでいる。全身を震わせて歓喜に身をよじっている。
映像がないぶん、余計に臨場感が広がる。自分がそこに行けそうだ。薄暗い会場の闇のくぼみにすっと入りこめそう。

1曲目の"By The Way"で早くも泣いてしまうし。

"By The Way"の"By the way I tried to say I'd be there"や、"The Zephyr Song"の"Fly on my wind"の部分―――ぐっと来る大事な部分をアンソニーがわざとちゃんと歌わずに客に渡す。
シンガーがよくやることだが、ここでは客の反応が尋常ではない。私もやられた。
バンドに愛されている気がする───アーティストの顔がこちらを向いている気がする。これがレッチリだ。

7曲目の"The Zephyr Song"まではさいたまと同じだが、次がラモーンズの"Havana Affair"だ。羨ましいぞ、千葉!

ああ、"Can't Stop"だ・・・
さいたまと違うところに入っているので虚をつかれた。
くやしい・・・幕張の方がアンソニーの声が出てる。
もうこの曲に関しては、言うことはない。
黙って世界中がこれを聴けばいい。

"What Is Soul'〜'Give It Away"の流れが痺れる。ジョンが泣きのギターを聴かせている。後の方にいくほどギターの音に艶が出てくるようだ。"Search And Destroy"と、その後6分近く続くセッションもいい。
CDとビデオの差なのか。どうしても幕張の方が音がいい気がする。音質もだが、演奏そのものも。

CD2枚で102分。感動でくたくたに疲れた。これだからレッチリはうかつに聴けない。



2003年05月07日(水)  Silently sharing the same fears

15時頃HIが来る。駅前で中華料理をご馳走になり、それから我家へ。

HIは画家で、東京に18年住んだ後、5年前に博多に戻った。今回は画廊のオーナーの告別式に出る為に出てきたのだ。

彼は池田満寿夫に認められてプロになった。私の誕生日のたびに自作をプレゼントしてくれる。今年も送ってきた。
なかなかのハンサムで、私と知り合った当時は、若い女3人に毎月5万ずつ貢がせて、それで生活していた。絵では食えないのだ。
彼は私に出会う前に精神科に入院していた時期がある。私と会っていても、妙に躁状態のことが多い。神経質に笑う。

8年前に私がパニック障害になった時、唯一気づいたのが彼だった。パニック障害とまではわからなかっただろうが、私が精神的におかしくなっていることをきちんと察した。互いにはっきりと言及することはなかったが。実家に帰っていた私に、彼からの手紙が何通も届いた。
そのことはずっと感謝している。

私たちは友だちで、男女の意識はまるでない。普段は全く連絡しなかったりするが、多分どちらかがどちらかの葬式に出るまで、友だちでいるだろう。

HIは、画家仲間が私の近所に住んでいるというので会いに出かけ、22時にほろ酔いで戻ってきた。0時には居間のソファベッドで寝たが、睡眠薬をざらざら飲んでた。
私は書斎でPCしながらずっと起きてた。

4時にHIが突然起きてきた。目が覚めてしまってもう眠れないとのこと。始発に乗ると言って4時半に出て行く。

Silently sharing the same fears (静かに同じ恐怖をわかちあう)  *Old Friends / Simon & Garfunkel (1968) の歌詞。



2003年05月06日(火)  I only give you my situation

ネットで名刺を200枚注文。今回も名前は"Screaming Bunny"のみ。

最初に作った名刺に本名をのせたのは失敗だった。何度も書いてるが、"Screaming Bunny"ってのはいわば役柄だから。
この日記には本当のことしか書かない。それでもやっぱりこれは虚構なんだ。
今後名刺には本名は書かないし、聞かれても多分もうおしえない。

私は、自分の顔が好きで、名前が好きなんだ。美人だとか、かっこいい名前だとか言うんじゃなくて。ナルシシズムではなくて。
自分の性格と声は嫌い。でも顔と名前は好き。

悪魔は名前を知られると、人間に対しての効力を失うらしい。名前ってのはたしかにそんなものだ。何かを名づけると、途端にその現象が確定し、具体化する。病名をつけた瞬間から病気が始まる。
悪魔も、精霊から具現化した個体になってしまうんだろう。

人は通常、名前を持たないものを愛せない。
"Screaming Bunny"の名前は虚構で、虚構の愛を呼びよせる。

I only give you my situation (私はあなたにただ状況だけをおしえるわ)  *You Never Give Me Your Money / The Beatles (1969) の歌詞。



2003年05月05日(月)  Ya go paranoid

3日越しの飲み歩きから帰宅してみたら、イジー・ストラドリンが去年出したCDが届いてた。早速聴きまくる。
どこにも書いてないから誰も気づいてないだろうけど、実は私、このサイトの"album review"にそのCDの写真をアップしといたんだ。2通目のメールでイジーにこのサイトのURLをおしえちゃったから、万が一にも彼がそのページをクリックした場合に備えてね。
そんなん妄想だけど、まあ一応ね。

ところで誰も気づいてないと言えば。一ヶ月前にこのサイトの名前が変わったことにみんな気づいてるかな?
もうヤケなんでね。"Rocking, Reading, Screaming Bunny"から、"Rocking, Drinking, Screaming Bunny"に変えちゃったよ。

夜中に下腹部に激痛。今日のはきつかったな。余りの痛みに驚いて声が出たくらい。
婦人科系弱いもんで、ちょっとした刺激でこうなる。今回は理由は思い当たる(MYと寝たせい)から不安はないが。強い薬飲んでひたすら耐えた。



2003年05月02日(金)  These eyes have seen what I really want to do.

まだほんのちょっと体がだるい。風邪ひいてても結局は30時間近く起きてたりして。
夕べは熱いシャワー浴びて、ホット・ミルク飲んで、久々にベッドで寝てやるつもりが、またソファで寝ちゃった。

ガンズのブートビデオ3本見た。イジーを見たいだけなんだけどね。彼からファンメールの返信を3通ももらったせいで、不毛な妄想が涌いちゃってしょうがない。
オリジナル・メンバーのガンズは、呆れるほどにかっこ良かった。全員が音も見た目もいいときてる。アルバム1枚しかもたなかったなんて、勿体なさ過ぎるね。

レッチリのブートを見てからガンズを見ると、ライヴにおけるバンドとしての完成度や音の厚さは、ガンズの方上だなと思う。
だけどレッチリの音は、ガンズや他のバンドに出来ないことをする。
あの音は、神経に刺さってくる。無遠慮に中に入ってきて、こちらの恥だとか悩みだとか、触ってほしくないところまで摑んで、揺さぶる。
ある意味レッチリは、全然かっこ良くすらない。無力で無防備で未完成で、常に途上だ。
その途上に、足場を持たない若い魂がたくさん引っかかるんだろう。

だから、レッチリのファンは、みんな熱すぎ。
私もね。



2003年04月25日(金)  This is my calling. I send it, darling. Shocking appalling. All I can do to you.

OS(g)から電話。月曜にOS宅に来ないかというので、先約があるから(嘘)と速攻で断る。
OS、悲しそうに「そうかー・・・」と言って、それから10分くらいだらだらと喋った挙句、「で、うち来るか?」って。
これではっきりした。OSが何回断られても私をくどくのは、私のことがすごく好きだからじゃない。
脳に虫がわいてるんだ。

とうとう、昨年11月のレッチリ来日のブートビデオを見る。Kくんが家に来た時に一緒に見るつもりだったが、もう待てないので。
痺れる・・・。
"Around The World"の出だし、フリー爆発的に馬鹿ノリ。"The Zephyr Song"のジョンのギター、切ないくらいきれい。Can't Stopで、マイクを両手で抱え込んでこねくり回すようにしながら、丁寧に歌い上げるアンソニー。

"Don't Forget Me"は、"This Is The Place"や"Midnight"と並んで何故か去年のロンドン旅行の思い出と一番密接に結びついていて、どんな写真よりもあの2週間の感覚が甦る。音関係は何も持っていかなかったけど、"By The Way"のアルバムは、街中で不思議なくらいよく耳にしてた。パブで、カフェで、ショップで。

あの2週間。どこからも切り離されて、徹底的に独りで、寒くて。知っててわざわざそれを味わいに行った。
独りで、群集の中に割って入って、やたらと男には声をかけられたけど、それが何故か余計に孤独感を強めた。
そこに時々ふと降ってくる"By The Way"の曲たちは、風景に空気に匂いにからんで渾然と、薄いモーブとグレイの色あいの一枚の画を描き出すように、私をとらえてその場に釘付けにした。

思い出すだけで、泣けてくる────。

客席は暗くて殆ど見えないけど、あのど真ん中、前から2列めに私が埋まってるんだ。
感動で息が詰まりそうになりながら。



2003年04月09日(水)  How can I tell you about my loved one?

「これがビートルズだ」 (中山康樹著)は、ビートルズの全公式曲213曲を順に解説した本だ。これを読むのに時間がかかる。いちいち実際に曲を聴きながら読んでいるからだ。なるほど、ふんふん、ってね。

今は、リボルバーにとりかかるところだよ。

ビートルズ漬けになっているうちに、おかしな気持ちになってきた。これはこの8ヶ月で初めての気分。
ダンナに会いたいなあ、って。
考えてみれば当たり前の展開ではある。私は16年もの間、ダンナと一緒に、ビートルズを、ストーンズを、ドアーズを、ツェッペリンを、ルー・リードを、その他の音楽を聴いてきて、その中でもビートルズは特別だったんだ。

二人ともホワイト・アルバムが、アビー・ロードが好きだった。ジョンよりポールが好きで、ウィングスでは"Silly Love Songs"が一番好きだった。

二人とも学生で、二人とも学校に行かなかった頃。
毎日飲んで食べて寝て、ロックを聴いて聴いて聴いて、彼はベースを弾いて、私は歌って、ストーンに行って、バンドでスタジオに入って、一緒にライヴに行って。
しまいには二人そろって、学校を中退しちゃった。
無意味で非生産的な、恐ろしく幸せな日々だったな。

ビートルズは、その後に私たちの間にあったうんざりするような諍いを全部消して、二人でこの奇跡みたいな曲の数々にうっとりしていた気持ちだけを、手に取れるようにはっきりと再現してしまう。

彼も今でも、ビートルズを聴いているだろうか。

How can I tell you about my loved one? (彼のことを、どう言えばわかってもらえるかな)  *Silly Love Songs / Wings (1976) の歌詞。



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