2004年12月11日(土) |
Honesty is the best policy? |
ひかるちゃん来店。今日は何故か彼女に対してこらえがきかず、いつもよりきつくあたってしまう。他のお客も手を焼いている様子で、非常に空気が悪くなる。
なのにプレゼントもらっちゃった。ワコールのバーゲンで7万円ぶん買ったとのことで、私にもレースの部屋着とショーツ。この部屋着ときたら、白のスケスケのレースで、胸元に小さいボタンがひとつあるだけであとは全開。ひかるちゃん曰く「部屋で一人で裸の上に着て、ベッドにもたれながらロックを聴くのよ・・・ウォークマンで」
・・・・・・・嫌です・・・・・・・
しかし。彼女を今後どう扱うべきなのか。日記の読者には面白いと馬鹿ウケだが。
私の考える「誠実さ」とは、世間が彼女のことをどう見ているのかはっきり言ってやることだ。(私自身がどう思っているかは常にはっきり口にしている) 私は彼女の友だちのつもりはないし、そう思われるのも迷惑だ。
でも、どうせ彼女に言っても通じるわけがない。そして今現在彼女は、手荒く扱われながらも私が好きなのだ。何故なら他の誰も彼女の相手をしないから。
だったら、今のままが幸せなの? そんなんでいいの?
2004年12月08日(水) |
taxi light shines so bright |
と、いうわけでジョン・レノンの命日。人によってはハノイ・ロックスのラズルの命日でもあり、一般的には太平洋戦争勃発の日。実はジム・モリソンの誕生日でもある。
明け方、ビートルズを聴きつつ詩を書いた。もっと推敲の必要な稚拙な詩だが、自分的にはラスト部分にじーんと感動。いいもん書いたなあ。詩は自分の感情の記録で、他人の目を気にしなくていいぶん日記よりも真情を吐露している。うんうん、吐露してるわ。
ジョンの命日なのに、ポールの曲を聴きながら書いたんだけどね。しかも一番大事な一行「タクシーのライトがあまりにも眩しい」は、ビートルズ以外のバンドの曲の歌詞を私ふうに訳したんだけどね。
私の愛するバンドの愛する曲。大事な思い出のある曲。
いつか誰かがこの詩を読んで、何の説明もされていないのに、「ああ、この部分、〜の歌詞だね」と言ってくれないかな。
このように、未だに王子様願望が取れない私である。私の王子様はきっとカネも地位もないヘタレで、でもキンクスの"Waterloo Sunset"をそらで歌えるのよ。
今日は、8月末にSad Cafeに勤めだして以来、一番楽しかった日かもしれない。
というより今日はほぼ仕事じゃなかったのね。お客は3人きりで、揃いも揃ってロック・マニア。その3人を相手に、ジョン&ビートルズナイトを繰り広げた。
猫ちゃんはハリウッド・ボウルのLPを持ち込んでくれた。このアルバムは母が持っていたので実家でよく聴いたが、今は持っていない。懐かしいなあ。
TACさんは、本来この日は毎年行くはずのBLACK AND BLUEがなくなってしまい、今年はうちの店に来てくれた。私だって行けるものならBLACK AND BLUEに行きたいが、仕方ない、気持ちを切り替えて逆に私が迎える側になって頑張ろう。
まるちゃんも来てくれた。この人も素直にロックを好きな感じが気持ちいい。私の好きなフォア・ローゼズのボトルを入れて、にこにこと飲んでは聴いていた。
3人とも翌日は朝から仕事または出張だというのに、遅くまで盛り上がってくれた。閉店は5時半。
皆さまがBunny Special(私のオリジナル・カクテル)をはじめ、よく飲んでくださったおかげで、お店の売上げが私が勤め始めて以来の最高記録でした。感謝!!
2004年12月07日(火) |
after all, he had a sweet voice |
明日はジョン・レノンの命日か。
毎年この日が嫌だった。どうしてそんなことで騒ぐの? クリスマス・シーズンでもあり、街が浮き立つ材料にされているようだった。
あとはジョンのカリスマ性に対する反発でもある。私にとってジョンは、クズで子供でヒモでヘタレな左翼だ。ただ、恐ろしくいい声を持っている。(今にしてあらためて思う。ジョンの良さの9割は、その声ではないかと)
奇しくも、ジョンの死んだ1980年には、ポール・マッカートニーが成田で無様な逮捕をされている。天才でありながら努力家という素晴しい資質を持つポールがただの人になり、だらだらと好き勝手をしていたジョンが神性を帯びた年であった。
訃報に接した瞬間、「ああ、これでジョンは、ポールを引き離して伝説になっちゃうんだな」 と思った。何となくその安易さが苦々しかった。
今年になってようやくその拘りが取れた。
結局私が愛してやまないのは、ビートルズにいたジョンなんだ。というより、ビートルズという現象と言ったほうがいいか。
「一番好きなミュージシャンは?」 と訊かれたら 「レオン・ラッセル」と答えている。一番好きなバンドなら 「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」
でも、それでも、ビートルズは別格だ。
ビートルズは「奇跡」なんだ。ジョンがポールに出会った。それが全てだ。神様がやる必要のあったのはそれだけで、後は全てが自動的に動いていった。
もしもジョンと実際に知り合ったら、きっとすごく嫌なやつだろう。一緒にバンドを組んだら最悪だろう。
でも、ま、どうでもいいか。
子供の頃からの長い反発がやっととけて、同時に12月8日に対する拘りも取れた。別にいいか。世界がこの日にジョンを思い出したいというのなら、私が非難がましい顔をすることもない。
明日はお店で、あの声をたっぷり聴くとしようか。
2004年12月04日(土) |
both heaven and hell |
HYがご友人のOMとご来店。OMは初来店だが、いや何とも面白い人物だ。そのいかにも温和そうな見かけに騙されると大変で、何しろこれまでに数人半殺しの目に合わせているらしい。「まずは不意をついて、腕を折るなどして戦闘能力をなくす」、「相手が強い場合は必死で謝っておいて、後ろ向いた途端にぼこぼこにして逃げる」と、場数を踏んでいるなあと思わせる発言ばかり。
独身の一人暮らしで、玄人はだしの料理人。ビールも手作りするし、冷凍庫には5Kgの鹿肉だの3Kgのアンコウだのを常備とか。お正月に遊びに来ないかと誘われた。自宅のお風呂は温泉だし、連日食べて寝て入浴してごろごろしていればいいという。・・・ほ、ほほほほ。何それ、フォアグラ製造大作戦?
Eが来店。新品のディオールのバッグをいただく。前にもシャネルの指輪をもらった。彼女はご主人が年収3,000万だが、夫婦仲が出だしから上手くいっていないせいで一時期買物依存症になり、未だに未使用の高級品がごろごろしているのだとか。
先にひかるちゃんも来ていたが、Eを見るなりあからさまに嫌そうにして、すぐ帰る。どうもこの二人、互いに初対面から印象が悪いようだ。猟場のライバルということなのか。(そのライバルがいなくても、状況はたいして変わらないと思いますがね)
RくんがU2の新譜を持って来店。1曲目の"Vertigo"が、まさに思い残すところのない会心作という感じ。スペイン語の使い方もクール。
6時閉店。ああ、ようやく明日はお休みだ。
2004年11月25日(木) |
let it sleep |
店に出勤してみたら、電気が止められていた。オーナーから電話で、「悪い悪い! 俺、今払ってるとこだからさ、後30分くらいでつくから」 だって。
ガス、電気と来たか。次回は水道だわね。あるいは電話か。だんだん何が起きても驚かなくなってきちゃったなあ。人間とは環境に適応する生物なのね。
・・・適応したくないなあ。
女性のお客様がご来店。前に一度いらしているとのことだが覚えがない。思い出しかねていたら、「ところでレッチリと何が好きなんですか?」 と言う。・・・一気に甦る記憶。ああ! 私がハイド・パークのライヴをかけていたら、レッチリを好きだっておっしゃった方ね。はいはいはい!
何とホールも好きだという。話してみたら本当に詳しい。「ここでホールを好きな人に会えるなんて思ってもいなかった」 と言う。私もですw
このお客様の彼に、私が客商売は初めてだと言ったら驚かれた。それどころかこの店に妙に似合うと言われる。・・・実はよく言われます。適応しちゃったのね、私。・・・ちっ。
KS来店。アップジョンで軽くご機嫌だという。くれと言ったら2回ぶんくれた。先にいたカップルに彼から数千円分おごらせ、ついでにチップも13,000円もらった。今日の彼の飲み代は1,000円なのにねw
お客様が皆帰って看板をしまってから、一人オレンジ色の薄暗い店内でスマッシング・パンプキンズの「1979」をかける。最近店では毎日、しかも連続で何度も聴いている。
遠慮がちなリフレインの陶酔。あるかなしかの指先の愛撫。夕暮れに一瞬光ってゴミ箱に墜落していく shooting star。眠い記憶がかりかりと耳の後ろを引っ掻く。――そんな曲だ。
眠い記憶が薄目をあける。かつて私たちは完全にひとつだった。世の中のどこを見渡しても、私たちより溶け合っている存在は見当たらなかった。周りも皆そう言っていた。私たちは一緒に眠り、一緒に食べ、一緒にレオン・ラッセルのライヴを見た帰りに興奮して酔っ払い、一緒に冬のアビー・ロードの横断歩道を渡った。私たち二人とも同じくらい駄目な人間で、二人とも学校をドロップ・アウトし、20代はあまりまともに働かず適当に暮らしていた。時が止まっていて、だらだらと幸せをむさぼっていた。そしてある日私は、彼の未来を叩き潰し、自分の現在をへし折った。
皆が簡単に 「どうして別れたの?」 って訊くのよ。だから私は 「ダンナがアル中だったんです」 って言うの。それは嘘じゃないけど、真実とはほど遠い。私が本当はあなたに何をしたのか、皆知らない。そして知ってる数人の人間は誰も私を責めない。あなた自身も。
眠ってたはずの記憶がぐずりだす。うるさい。黙っててよ。
畜生。畜生。畜生。
2004年11月22日(月) |
stands on her own feet |
今日はかつてないほどお店が混んだ。何しろ座れなくて帰ったお客が2、3人いたくらい。大宮に引越した阿部さんも久々に顔を出してくれたものの、きっちりひかるちゃんと出くわして、「かなり辛い」と辟易していた。「すみません、辛かったら殴っていいですから」 と私が謝ったりしてw
唯一の一見さんは、トラックの運転手だという金髪の女性。何と 「レッチリ聴きたーい!!」と騒ぎ出す。そんな日に限って持って来てないので(ほとんど毎日持ってるのにぃ!)、「すみません、ホールで勘弁してください」 と2ndをかけたが、代わりになるのだろうかw
相当酔払ったようで、お会計時に財布がないと言うのでトイレに見に行ったら、高そうなでかい財布が見事に便器にはまっていた。こりゃお財布は買替えだわ。「いいの、また稼ぐから」 と、悲しそうにお札をふいて払ってた。
何だか一人で頑張っている感じが憎めないな。また来てねえ。
ホールをかけてた時、Asking For It を聴いたカハトさんが、「これはレイプの歌ですね」 と言うのでびっくり。
Was she asking for it?
Was she asking nice?
Yea she was asking for it
Did she ask you twice?
今までずっと、単に女が男に2回「して」とせがむ歌だと思ってたよ。聞けばレイプの取調べの時の、男の言い訳の決まり文句なんだってさ。"She was asking for it!"(彼女が誘ったんだ)ってね。
さすがコートニー姐さん、半端じゃない。'He Hit Me (It Felt Like A Kiss) '(彼に殴られたら、キスされたみたいに感じたわ)なんて歌も歌ってるし。私みたいなひよっこはとても姐さんの境地には至れそうにありませんが、頑張って姐さんの3歩、いや10歩後をついていきたいです。女もまずは裁判所に呼び出されるくらいじゃないとね、やっぱり。
閉店後、ひかるちゃんのおごりで、HY、カハトさん、阿部さんと5人でカレー食べる。「内臓破裂。医者を紹介します」と書かれた辛さのを取るが、全く辛くない。
ひかるちゃんが阿部さんに車で送ってくれと何度断られてもしつこくせがんでいたので、「やめてね」と一言叱ったら、かなりびびって逃げるようにタクシーで帰った。彼女も一人で頑張っている女には違いないんだけどねえ・・・。
2004年11月18日(木) |
and there is nothing I can do |
朝、15日の日記を書いていたら喉がだんだん塞がってきて、書き終える頃にはかなりの閉塞感となった。約10年ぶりの舌根扁桃腺肥大の再発か。冗談じゃないわ。無理に考えない。無理に無視して眠る。
起きたら少し良くなっていた。お願い、このまま元に戻って。
実は舌根扁桃腺肥大は、手術(喉を切る為かなり危険)以外に治す方法がない。
店でナタリー・マーチャント(元10,000マニアックス)のライヴ盤を見つけて聴く。ボウイの Space Oddity やニール・ヤングの After The Gold Rush をカバーしてる。私は基本的にきれいで上手な女性ボーカルは苦手で、好きなのは皆クセのあるシンガーばかりだ。この人はちょっと聴くと私が普段苦手な部類に入りそうでいて、聞流すのを許さない芯を感じる。
帰りはまたもHYに中華をご馳走になる。今日は5品も注文された。いや、食べられるけどさw 今日は私体調が悪いっていうのに、つい食べちゃうし。しかしホントいい加減にしないと。
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