2006年01月07日(土) |
I'm a little divided |
フー・ファイターズのDVDが届いた。1/5にはイジー・ストラドリンの新譜も届いているので、これで3日連続音楽ソフトが届いている。日記に書かない購入CDもあるし、本をはじめとする買い物は殆どネットだし、加えて親からの小包などもあるから、うちには毎週しょっちゅう宅配便が届いている。
・・・なことはどうでもいいんだけど。
愛するフーファイのDVD。2004年のロック・イン・リオ。この野外フェスのトリをつとめるはずだったガンズ&ローゼズがドタキャンした為、急遽代わりに出演が決定したというライヴ。
これがもう。いいのよくないのって。
さ。
・・・最悪w
デイヴ・グロールがかっこ良くないことくらいわかってる。声だってCDだとあんなに甘いのに、ライヴだと粗野で品がないし。だけどいいのよ、曲が素晴らしいし、勢いがあるし、エナジーが・・・。
なんてことを吹っ飛ばすくらいに、かっこ悪かったのだ、デイヴ・グロール。
まず髪の毛。もみあげだけ長く伸ばしてほぼ角刈り。そのせいか太って見える。・・・いや、違うな、明らかに太ったんだ。角刈りで丸い髭ヅラ、肩も丸く盛り上がり、腕はぶっとく・・・木こりかお前は。
動きは以前にもまして重心決まらずもっさりとして、むさ苦しいわおっさん臭いわ。
やたらと野太い声で「おーいえー!」「ひあうぃごぉー!!!」と雄叫びを上げまくるのもウザイわ暑苦しいわ。
ギターは雑。チューニングも狂ってる。歌もちゃんと歌えてない。すぐに高音をシャウトで誤魔化す。
「次の曲はガンズに捧げる」と言ってSweet Child O' Mineのフレーズをど素人並のメチャクチャさで弾きかけ、「弾けねえ」とやめ、そこでマイクに向かったまま力いっぱい音をたてて痰を吐き、「ガンズがキャンセルしたおかげでここに来れて感謝してるよ」とふてぶてしくも言い放ち。
・・・くっそ、もう我慢ならねえと思った瞬間に弾きだしたのがStacked Actors。
ああこれはどういうアメとムチなんだ。
一番神経にこたえたのが、'Times Like These'の7拍子のイントロを弾いている時だ。
デイヴがカメラに向かって真正面から思いっきり唾を吐きかけた。ガムを始終噛んでいるせいか、妙に黄色っぽく泡立った唾液がスクリーンいっぱいに広がっていった様を想像してみろ・・・どれだけぞっとしたか。
ショックと気持ち悪さで軽く気が遠くなりかけたその時。
彼が歌った。
I
I'm a one way motorway
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっくしょう。
こんな太った下品な男が、しかも怖気のたつような汚らしい唾を吐いた直後に歌う、たったワンフレーズで。
なんで私は涙が出るんだ。
毎回毎回、何回見ても。この時の歌いだしは。涙で前が見えなくなる。
I'm a little divided (私の心は軽く引き裂かれる) *Times Like These / Foo Fighters (2002) の歌詞。
2006年01月06日(金) |
I'm gonna run and find a place where I can hide. Somewhere that no one knows |
ジーザス&メリー・チェインのCD「Psychocandy」が届く。元日に「The Old Grey Whistle Test」のDVDで見て気に入ったバンドだ。
ライヴの印象では硬く尖ったノイズ・パンクだったが、CDは結構感じが違う。1曲目の出だしなんて、B.C.R.の"Be My Baby"みたい。またはシーナ&ザ・ロケッツのYou May Dreamにも雰囲気が似ている。全体にタルくてへろへろで、オンリー・ワンズをしゃかしゃかうるさくしたようでもある。リズムがどれもこれも一本調子なのが、逆に特徴になっている。ついでにいえば歌詞もどれもこれも同じだ。
パンクって、きっと一般世間的には男っぽいイメージがあると思うんだけど。実際のパンク・ロックに関して言えば、ヘタレでなよなよなのがかなり多い。(除くハードコアw) JAMCも、ボーカルや歌詞なんかもう、根暗でひ弱で今にも死にそうだ。現場仕事とか出来そうにもない。
では世間の思い込みはどこから来るかというと、多分全ては「革ジャン」なんじゃないかな。しかしそのイメージは「ロックン・ロール」の人たちにあげて下さいと言いたい。
もっとも。真に「男らしい」人種は、きっとロックそのものをやらないけどね。何なら音楽自体をね。
(1/12up)
* ちょっと驚いたこと。JAMCを聴きながらこの日記を書いた後で、ふとオンリー・ワンズを聴いてみたら、いきなりほっ、とした。・・・そうか、思った以上にノイズ・パンクってのは神経を逆撫でする効果があるんだなあ。・・・てか、オンリー・ワンズが相当に気がゆるむ音楽なのかw
I'm gonna run and find a place where I can hide. Somewhere that no one knows (走って逃げて、誰も知らないところに隠れちゃいたい) *My Little Underground / Jesus & Mary Chain (1985) の歌詞。
2006年01月04日(水) |
Have It All |
昨日marikoさんからいただいた手作りのミートソースを食べる。3人前はあるとのことだったが、「いっぺんで」食べてしまった。半分はパスタで、半分はマカロニで。さすが手作りの力はすごい。
私はずっと自炊をしていないので、今うちには味噌も醤油もない。そう聞いたmarikoさんが、パスタもにんにく入りのオイルも鷹の爪も全部持ってきてくれた。
でも実は。オリーブオイルだけはあったりするんだな。あとスパイス類はどっさり。岩塩も。カットトマトの缶詰や、ココナッツミルク缶も。
太るのが嫌だからつくらないだけで、料理自体は嫌いじゃない。だからオリーブオイルは何となく切らしたくない。観念的に、コーヒーとオリーブオイルのある家に暮らしたい。
そして食べさせたい。痩せフェチの私だが、実は食の細い男は嫌いなんだ。
(1/11up)
Have It All (全部食べてね) *Foo Fighters の曲。(2002)
2006年01月02日(月) |
There will never be another one who can do the things you do |
4日までお休みにしたので、今日もどこにも行かず、ネットをし、本を読み、DVDを見る。そういえばRくんが店に持ってきたDVDの中にDoors of the 21st Centuryなんてのがあったな。見てみるか。2003年の「L.A.Woman Live」
・・・うっわあ。ひっでえ、コレ。
ここまでクズみたいな演奏、初めて見たわ。
カルトのイアン・アストベリーが再結成ドアーズのボーカルに選ばれて、ライヴでジムのそっくりさんに徹してみせたと聞いた時は、頭いいなと思ったものだ。自分が何を求められているかをよくわかってるじゃん、って。
そもそもドアーズ再結成時に、ドアーズ世代が一様に見せた反応が、「イアン・アストベリー? 誰だそれ?!」で、もう明らかに「どこの馬の骨だ」扱いだった。だから私は数ヶ所の音楽bbsなどにこう書き込んだ。「カルトといえば'80年代パンク・シーンを知る世代にとっては一種のカリスマ。そのボーカルがそっくりさんをやらされることは、カルトのファンにこそ苦々しい事態の筈だ」
あるカルトのファン・サイトに、「イアンは今、ドアーズのコピー・バンドをやっている」と書いてあって、うまい言い方だなと思った。まさにそれが正解なんじゃないかって。
そして。今回実際にライヴ映像を見てみたら。
ひどい。ひど過ぎる。だって、イアン、マジじゃんか。
レイとロビーの本気で満足そうなこと。これはただの同窓会だ。ライヴ8におけるピンク・フロイドも同窓会ノリではあったが、あれははたで見ていてしみじみ「良かったねえ・・・」と涙ぐんでしまうような説得力のある同窓会だった。だが再結成ドアーズは、ただのオヤジの宴会の余興だ。
途中に挟まるインタビューで、レイが「ジムも自分の詩がイアンの口から再現されることで喜んでいるはず」と真剣に言っていたので唖然。
ジム・モリスンとカート・コバーンは、二人とも技量的には全然たいしたことない。かたやプラス、かたやマイナスの違いはあるものの、二人とも「個」の発散だけで周囲を打ち倒す。
だからこの二人は再現しようと思っちゃ駄目だ。本当はコピーすら駄目なのよ。出来るわけないでしょう?
そんなこと、あんたたちが一番よくわかってるはずじゃない。ジムの周りにいたレイとロビー。ジムを崇拝していたイアン。
あまりに驚き呆れたので、これを書かないわけにはいかないだろうと思い、本当にその為に、12/21で止まっていた日記を再開させた。
(1/7up)
There will never be another one who can do the things you do (誰もあなたのようには出来ない) *Shaman's Blues / Doors (1969) の歌詞。
2006年01月01日(日) |
And now the two years're over |
昨夜は土曜だけど私が出勤したので、年越しはCROSS ROADで迎えた。思えば年越しは職場でというのは、かつては普通のことだったんだ。年越し夜勤はたいてい希望した。ペイがいい場合も多いし、ヒマだし、他部署から差し入れがあったりと何かイベントっぽいし。(センチュ○ー・ハイ○ットにいた頃、深夜にベルボーイ数人が酒を持ち込んで飲み会を始めたこともあったっけ)
何より夜勤明けで帰るときの気分が好きだった。何故か元旦は天気のいいことが多く、街がのんびりとゆるんでいて、通りは閑散としているが、意外と開いている店もあって結構ひとが入っている。そんな中を適度に疲れたからだで家に帰る。待っているひとがいる家に帰る。
離婚してもう2年余りになるのか。
最後に彼の待つ家に戻った元日からは、既に4年だ。
今年は朝8時に閉店して、とっとと一人の家に帰り、夕べRくんが持ってきたDVD4本中、「The Old Grey Whistle Test 3」を見た。以前に見た「The Old Grey Whistle Test」は相当に良い内容だったが、今回はミュージシャンのセレクションもスタッフのコメントも何だかぱっとしない。
けれどその中で唯一、ジーザス&メリー・チェインというバンドが目についた。これだけ何度も繰り返して見た。いかにも'80年代という感じのパンク。ドラマーが直立して、スネアとタム1個だけを交互にぶっ叩いている。何とこのドラマーが、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー。ドラムやってたなんて全然知らなかったなあ。
今年は例年以上にお正月らしいことを何もしていないが。
よりによって元旦からノイズ・パンクにはまるとはねw
(1/6up)
And now the two years're over (あれから2年たった) *Something's Wrong / Jesus And Mary Chain (1985) の歌詞。
2005年12月30日(金) |
You look so messy |
ネットで買ったDVDが4本届いた。ブラック・クロウズ、ジョニー・サンダース、クラッシュ、そしてお目当てのフー・ファイターズ。
フーファイを見ていきなり涙。Stacked Actorsが始まった時は、この曲をライヴで聴けるだけで僥倖のように感じた。ああ畜生、かっこいいわ。
しかしデイヴ・グロールってのは、何度見ても鼻の穴がでかいなあw 顔も体つきもギターの構え方も、何もかもが絵にならない。むさ苦しいし。
ニルヴァーナにいた頃は、それなりにかっこよく見えたのに。まるで別人だわ。
You look so messy (あなたって小汚いわ) *Stacked Actors / Foo Fighters (1999) の歌詞。
2005年12月27日(火) |
Cocaine and quiet beers, sweet candy and caramels |
iPodの中身はしょっちゅう入れ替えてるんだけど。今日の時点では、ちょっとした気の迷いでジョニー・サンダースとラモーンズしか入っていない。
で、これを聴きながら表を歩くと寒いこと寒いことw
(R.E.M.だと暖かく、フー・ファイターズだと熱くなるんだけどなあ)
夕べHK(drs)から、私のあげたローラ・ニーロのレコードがかなり気に入ったというメールが来た。・・・嬉しい。自分の好きなアーティストを誰かが気に入ると、しみじみと嬉しい。ましてローラ・ニーロは、もう20年近くも私のベスト女性シンガーなんだから。
そのメールが来たすぐ後にリンダ・ルイス(ジャマイカ人女性シンガー)のアルバム"Lark"をかけていて、ふとライナーを読んでみたら、「女性シンガーのアルバムは、ローラ・ニーロの"The First Songs"とこのアルバムがあればいい」と書いてあるのを発見。・・・なるほど、このライナーを書いた批評家の趣味がよくわかるわw
ローラ・ニーロで一番好きなアルバムは、何と言っても"Eli and the Thirteenth Confession"──私のロック・ベスト5に入るアルバム。BLACK AND BLUEのマスターが「棺桶に入れたい一枚」と言ったアルバム。私がBLACK AND BLUE初来店の時に、好きだと言ったらマスターが全曲かけてくれたアルバム。──結局は彼の形見になった。
でも、二番目を選ぶなら"The First Songs"だ。
"Eli"には哲学があり、瞑想、エクスタシー、魂の酩酊、肉体の熱、子宮の重み、神とのシンクロニゼーションがある。BLACK AND BLUEのマスターは「血の匂いがする」と言っていた。
けれど"The First Songs"には、ただ愛と喜びと驚きと「コカインとビールと甘いキャンディーとキャラメル」がある。
(1/4up)
Cocaine and quiet beers, sweet candy and caramels (コカインとビールと甘いキャンディーとキャラメル) *Buy and Sell / Laura Nyro (1967) の歌詞。
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