2007年01月21日(日) |
The more I see the less I know. The more I'd like to let it go |
夕べは0時半帰宅。今朝は珍しく一人でベッドに入り、18時近くまで7時間寝た。
起きるなり、飲まず食わずでPCにはまり、二時間してからようやく顔を洗ってコーヒーを飲む。ま、これは私にはごく普通のこと。
携帯の天気予報は、明け方が雪だといっている。雪は大好きなので、楽しみにして待ってみるが、結局朝まで降らず。
NORITAさんのブログに、「MTVロック検定」なるものが紹介されていた。3級からあるという。
・・・何だそれ。アホか。
有害であること。無価値に価値を見出すこと―――私がロックに与えた定義はそれだ。哲学と音楽の価値は結びつく。ロックはソクラテスのいう「無知の知」を達成する手段になってくれる筈だ。だから私は、己を誇らしげに「ダメ」だと宣言する。
なのに、「ロック3級」だ?────吐気がするわ。
すっかり刺々しい気分でそのことをbbsに書込んだら、sKamさんから「どんな問題出すんだろ」というレス。どうせこんなんでしょ、というのをずらっと書いておいたら、sKamさんが全て回答! しかも内容が爆笑モノだったので、一気に気分がなごんだ。
例えばこうだ。「Q: ビートルズが影響を与えたバンドを三つ書きなさい」──「A: 知りません」
・・・知らないよねえ、そんなの。知るもんか。
The more I see the less I know. The more I'd like to let it go (知れば知るほどわからなくなる。かまわなくなる) *Snow(雪) / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。
2007年01月18日(木) |
Tender timing |
火曜の夜にsKamさんからラモーンズの音源が届いた。私がくださいと言ったのだが。
何と、506曲! ダウンロードするだけで8時間かかった。506曲って、一曲5分として2,530分・・・あ、いや、ラモーンズだから1,000分くらいかなw
今朝はそれを聴いてみる。ラモーンズはある程度聴いてはいたが、ジョーイ・ラモーンのソロを聴くのは初めて・・・ではなく3年7ヶ月ぶりの二度目。(日記にそう書いてある) 'What A Wonderful World'のカヴァー、何てひねりのないw 素直で可愛らしいほどだ。けれどしっかりとラモーンズ・サウンド。
そのまま、年代順に一気に112曲聴いてみた。ブートライヴもあるので、同じ曲が何度もかかるし、そもそも曲が短いからころころ変わる。ちなみに'It's Alive'の曲を頭だしすると、後半の殆どの初めは「フォッ」だ。「1、2、3、4」の「4」というわけ。カウントの途中で曲を区切るからそうなるのだ。ビートルズのアメリカ版のデビュー・アルバムは、一曲目の'I Saw Her Standing There'の出だしのカウントが「4」から入っていたらしいが。それと同じね?w
しかし112曲も聴いたら吐気がするかと思いきや。何故か飲まず食わずだったので腹が減った、という程度の疲れ方だった。本当に素直なサウンドなんだろうなあ。
火曜の朝から寝ていないけど。強烈なまでに眠りたくない。動けないくらいの状態なのに寝るのを嫌がる自分を見て、これはもしやもう一種の「不眠症」と言えるんじゃないかと思ったら、悲しくなってきた。
そんな時に、自覚なしに失礼な発言をする子供じみた大人がいたり。おかげで一瞬パニックを起こした。けれどそのせいでダメージを被るのは納得いかないので、その怒りを利用してぐっと堪える。
かと思えば、夕べ腹をたてた原因であるNobuは、案の定私が怒ったことすら気づいていず、今日の私の状態をあどけなく心配していたりする。
久々にかなり鬱々とする。久々に、お馴染みの「私、誰にも愛されていないわ。死んだ方がいいんだわ」まで突っ走る。
そしたらbay city rollersさんから、まずはbbsにかぐや姫の「アビーロードの街」のYouTube映像、次いでmp3がメールで届いた。───私が少し前に、欲しいとbbsに書いておいたのだ。
何て素晴らしいタイミング。
「お見舞い」みたい、と感激する。そしてmp3を聴いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じーーーーーーーん。
ちゃんと聴くの、どのくらいぶりだろう。懐かしいなあ。
私は、後から思えばすごくませた子供で。10歳そこそこで毎日のように喫茶店に入りびたって(親戚が経営しているところが二軒あった)、高校生や大学生のバンドマンたちに混じって遊んでいた。(時々議論とか吹っかけていたらしく、20代の時に小学生である私に言い負かされた人の証言とかがあるw) 薄暗いオレンジの光の中で、アイスティー飲みつつ、音楽を聴いていた。その頃に覚えた曲のひとつが「アビーロードの街」なのだ。
日本の'70年代四畳半フォークが、アメリカのフォークとは完全に別物であることは、子供の頃から何となく見当がついていた。私は3歳でS&Gを聴き始めたので、思えばフォークロックから入ったのだが、アメリカのフォークにはドライな明るさがあるのに対し、日本の「フォーク」は女々しくひ弱でウェットで、徹底的なモラトリアムだった。それに対する嫌悪を微かに感じながらも、そこにあえて浸る快感もあった。では日本のフォークの作り手たちに自覚はあるのか?───私はあると思った。あればこそ、いっそう始末におえなく、いっそうムダになる。
「文学は飢えた子供を救えるか?」という問いに対する私の答えは、「文学は飢えた子供を救わなくていい」なのだ。全ての芸術は文明の滓であり、だから芸術はどんな現実にも侵されずに独りで立っている。
───しかし思えば私のヘタレ男好きって、ここらで形成されてたりしてね?
間隔をおいて、何度も「アビーロードの街」を聴いた。鬱の原因は何ひとつ解決しないままだが、もう大丈夫だ。
朝10時に、ようやく倒れるように眠りにつく。
Tender timing (いたわりのあるタイミング) *Going for The One / Yes (1977) の歌詞。
2007年01月16日(火) |
Kiss me blind somebody should |
午後に銀行へ。20年メイン銀行だった三菱の口座を解約。銀行を一本化してみたら、お金がないのがはっきりした。また節約しなきゃ。
美容院へ。昨日カラーをしたら、色はダメだわ、髪は痛むわ(おかげで夕べは髪がひどい状態)で、直しの再予約に行ったのだ。この数年カラーは自分でやっているが、やっぱり髪も化粧もプロにやらせるより自分でやった方が綺麗になる。エステなんか何の役にもたつわけない。
このところガービッジの1stに入っている'Fix Me Now'が気になる。いや、シャーリーの書く歌詞はいつだって気になる。
私はいつも、シャーリーが幸せだろうかと心配していて。現実に今彼女は結婚しているらしいからきっと幸福なんだろうけど。
私が、心配というよりも、その心境を思うと痛みを感じるほどに思っている女の子は、多分もうこの世にはいない。かつては───ガービッジの2ndの出た1998年頃までは、その子はいた。その子はシャーリー自身だったかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
彼女は自分に自信がなく、攻撃的になったり自虐的になることで自己を守ろうとしたり、シニカルな冷笑で平気そうにしてみせたりする一方で、わたしもうだめなの、と悲鳴をあげている。
わたし誰にも愛されていないわ。
少なくとも一緒に寝る男がいて、少なくとも抱きしめられている。でも彼女は彼を信用できない。彼はどうせ自分を解ってくれないし、自分を裏切っていると思っている。彼女の孤独は深くて、一人でおもてを歩く時、一足ごとにそれが彼女を飲み込もうとする。
言いたいことは、生まれてからずっと思っていることは、たったひと言だ。
Kiss me blind somebody should
誰かわたしを、愛してるっていってちょうだい。
去年、ある男性にこう言われた。「俺はおまえの為なら何だってしてやれる。おまえが望むならどんなことでもしてやる。でも、おまえは俺の為に何をしてくれる?」
私は返事をしなかった。だって私は彼を愛していなかったから。何をしてあげるつもりもなかったのだ。
でも、もし私が誰かを本当に愛したら。何だってしてあげられると思う。私は私の人生をその人に傾ける。エディット・ピアフが歌う通り、「大金を盗みにいってもいい 祖国を売ってもいい 友達を捨ててもいい 世間の大問題もどうでもいい」もの。
そして、して欲しいことはたったひとつ。「愛して」ほしい。
でもそれは実は、彼にも、彼の人生を傾けてほしいということに他ならない。
Kiss me blind somebody should (誰か私に、夢中でキスして) *Fix Me Now / Garbage (1995) の歌詞。
2006年12月31日(日) |
Pleeeeease don't do it |
正直、ちょっと限界に来ていた。無事ではあると思っていた。そしたらだんだんハラがたってきて、あちらのbbsに怒りの書込みをしそうな自分をおさえていた。少し前から、抜けた筈のmixiを小細工して張っていたら、昨日アクセスがあったのを確認した。
そして今日、本人からメールが来た。あちらのbbsにも書込みがあった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ぶっ殺す。
二ヶ月だよ? 約二ヶ月もネット上から消えてたんだ。ひと言もなしにある日突然消えて、それっきり自分のサイトも放置。私が心配して書込みしたりメールを送っても、反応なし。誰に訊いても知らないし。
勿論、本人的に何か大変なことがあったんだろう。けど、無事かどうかだけでもわかるようにしておいてくれるのに、5分もいらないだろうに!
いーかげんにしてよ、もじょきちさん!!
もじょきちさんは、mine-Dさんと並んで、私がネットを始めた4年前(ザ・バンドの検索で見つけた時)からずっとお世話になっている、ネット上で一番大切なひとの一人だ。
その上私は、「サイトの管理人が消える」という経験をひとつしている。────BLACK AND BLUEのマスター。
殆ど毎日更新していたbbsがいきなり止まった。いつも書込みのタイトルに書いていた「只今のBGM」がドアーズの'The End'だったから、私が「何だか縁起が悪い」と他の常連客に言った。年中無休だった店が閉まった。とうとう常連の一部が騒ぎ出し、警察に行ってみたら、もう死んでいた。
だから心配した。そしてこの状態は、元ダンナが失踪した時に似ている。自分から追い出したダンナだったけど、やはり「安否がわからない」というのは苦痛だった。その時に、戻ってきたら離婚しようという意志を固めた。こんなことをした彼を、絶対に許すもんか、と。
・・・とりあえず、もじょきちさんのbbsに、荒らしかと思うほど馬鹿でかい字で、「なめとんのか、てめぇーーーーー!!!」と書いておく。
メールには、淡々と、「泣くわよ、しまいには」と返信したが。
もう一度彼のbbsの、久々だが変わらぬおふざけ口調の書込みを読んでいたら、本当に泣けてきた。
さてと。明日は早朝から沖縄に帰省だ。荷造りしなきゃと思うのだが。
何故かPCのファイル削除に燃えてしまった。実は少し前からPCにやたら警告が出るようになり、調べてみたらディスク残量が42MBになっていた。ダーリン(g)に話したら、「動いているのが不思議なくらいだ」と言われた。なので最近、PC内の13,000曲から、不要なもの(ベスト盤のダブリや、聴かないものなど)を削除する作業に燃えていたのだ。で、本日で、見事2,500曲以上を消し去り、残り11GBにまで増やし、夢のデフラグも実行出来た。
こりゃもう今夜は眠るヒマはないな。
・・・何だか飛行機に乗り遅れそうな気がしてきた。自慢じゃないがこの私、国際線の飛行機に乗り遅れたこともあるしw
Pleeeeease don't do it (頼むからそういうことしないで) *Don't Do It / The Band (1972) の歌詞。
2006年12月28日(木) |
Who Done It? |
Nobuは16時20分に帰る。16時半から歯医者の予約がある筈だが。昼には、田舎から出てきた親と会う約束もあった筈だが。
私たちって見事な遅刻(&ドタキャン)キャラ同士だわ。しかしお互いここまでXeroXのリハには遅刻していない。見事なロック馬鹿同士だ。
Nobuがいる間わりと具合が良かったのは、あのおかしな「風邪薬」のせいなのか。服も着ないで眠っていたのに、くしゃみひとつ出なかったが。彼が帰った途端に、まただるさが襲ってくる。熱を計ってみたらまた38度。
けれど、ずっとぴったりくっついて眠っていた彼にはうつっていない。「粘膜感染」という言葉も無縁らしい。
ヤフオクで落とした本を読む。1980年にアシモフが編集した「新・読者への挑戦」───その約40年前にエラリー・クイーンが編集した「読者への挑戦」と同様の企画とのことだが。
要するに、個々の作品の作者名を伏せた短編集なのだ。(作者17人の名前一覧はある) 文体からどの作家だか当てろということで、原題は'Who Done It?'───このタイトルは、ミステリ好きにはぐっと来るよね。
アメリカ作家17人の中には私の好きな作家も何人かいる。しかしいくら好きだといっても、翻訳文でその文体を当てるのは難しい。(その作家特有の言い回しは避けるように指示されたらしいし)
最初の2作は初めて読む作家だった。3作目の最初の3行を読んだ瞬間に、声に出して言った。「エドワード・D・ホック」と。そのまますぐ調べる───見事正解。
────ああ、これ、ちょっと興奮するなあ。
そう言えば。昔、元ダンナと家で飲んだ時などに、こういう遊びをしたっけ。つまり、私が後ろを向いている間に、私の本棚にある約一千冊の本から彼が一冊抜き、適当に開いたページを2、3行読むのだ。そして私が、誰の作品だか当てる。
これが結構当たった。記憶力の問題なのか、理解の深さなのかはわからないが。
二人でそうやって色んなことをして遊んでたなあ。私たちは相当に激しい喧嘩もして、結局は離婚したが。でも、お互いに「飽きる」ということだけは一瞬たりともなかった。ずっと二人で楽しく何かしていた。
彼は、私の倍のロック馬鹿で、私に劣らぬ本好きだった。そんなひとが世の中に滅多にいないことに、離婚して初めて気づいた。さらには酒が強くて大食いで激辛好きな、体脂肪ひとケタのベーシストだった。そこまでいくと、日本中探しても何人いるか怪しいな。
Who Done It? (「誰が書いた?」という意味にもなるが、本来は「フーダニット」ものといえば、「誰が殺した」のかを当てる本格推理小説のこと) *アシモフ&ローランス編の短編集。(1940)
2006年12月24日(日) |
Baby this is the end |
17時に初台でジンナイくんと待合せ。の、筈が。
家を出たのがその時間。・・・うわあ、このセリフ、最近たて続けに使ってるぞ。おかげで移動時間=遅刻時間じゃないか。
ドアーズ横のカフェに50分遅れで到着。遅れたくせに開口一番「暑い・・・アイスコーヒー飲みたい」・・・真冬に汗ばむくらい急ぐ気があるのなら、何故もっと早く出られないんだ。
今日のライヴ(Unti-Christmas)はジンナイくんのおごり(二人で一万!)。スポンサー様のお好みがフェミニンとうかがったので、せめてお好みにそうように心がけた。紫のワンピース、ワインカラーのタイツ、ピアスとペンダントは揃いのピンクがかった薄い紫、指輪とブレスレットは揃いの薄紫のビーズ、アイラインはピンク、シャドウはパープル、口紅はローズピンク、爪はピンクがかったシャイニー・パープル。
と、ここまでコーディネートしたのに、結果的に今日は全然美人じゃない。こういうのは本当に不思議だが、違うものは違うのでしょうがない。ちっ。
思い出すのは2003年のクリスマス。やはりご招待でこのドアーズのUnti-Christmasに来た。その時の私は、自分ではかなり満足のいく仕上がりだった。だからつい、そのまま帰りたくなくなって、ご招待主との飲みを途中で切り上げ、違う男の部屋に行ってしまった。で、後で後悔した。いい人だったし、私にお金も惜しげなく使ってくれたし、こちらの好みをしっかり把握してくれて、CDなら'By The Way'をかけ、DVDならホールを流し、コーヒーならキリマンジャロを入れ、アイスクリームならハーゲンダッツを買ってきてくれるような人だった。でもやっぱり、愛してない人と寝ると、後味が悪い。翌日それをしみじみ感じた。
──で、反省して今はやらないようになったのかって? なるわけねーじゃん。「経験から学ぶ」のが嫌いだって広言してる身だしね。
しかし今日気づいたが。思えば初台ドアーズに来る時って、いつもご招待ばかりで、お金を払ったことが殆ど──いや、一度もない。ふと、Screaming Bunnyになって以来のコンサート記録を調べてみたら、プロのコンサートはかなりの確率でご招待もしくは人様に払って頂いていたことが判明。────女で良かったなあw(皆さま、本当に有難うございます)
余裕でコーヒー飲んでから、ドアーズに入場。ちょうど演奏が始まるところ。PANTA、アキマさん、石田さん、その他のミュージシャンでの軽いセッション。
続いてアキマさんの演奏。最前列にいたなかむらさんが場所を譲ってくれたので、一番前で観られた。アキマ&ネオスでないことだけは見当ついていたが、どういう構成で何をやるのが不明だった。そしたらアキマ&イシダの二人でティラノザウルス・レックスをやってくれた。要するにこれは毎年9月30日(マーク・ボランの誕生日)にやっていたディープ・T-REXだ。今年は観るつもりでいたら、アキマさんが今年からやらないと言ったのでがっかりしていたのだが。思わぬところで観られたのが嬉しかった。マルコシアス・ヴァンプの曲もやってくれた。その後、アキマさんはアコギをエレキに持ち替え、イシダさんがドラムセットでの演奏となった。ギターとドラムだけなの?とびっくりしたが、これが全く不足を感じさせない音の厚さ。要するにアキマさんのギターも声も、共に重たい粘っこい色気があるので、空間がきっちり埋まるのだ。ああいう声が出せたらいいなあ。マーク・ボランよりやや高く、ややフェイク感が強い。
次が、PANTAの出演する映画の宣伝。監督や出演者が出てきて喋るのだが、とにかく長い。正直殆ど興味もない。荻野目○子という女優も出てきたが、この人が喋ると催眠術にかかったように眠くなるのでまいった。冗長なのだ。これの終わり頃にジンナイくんと逃げ出し、オペラシティに時間つぶしに行く。次もお笑いだか何かの出演ということになっていたので、終わった頃に戻ろうと思っていたのだ。
メキシコ料理店で結構きっちり食べ、一時間ほどして戻ってみたら、締め切ったドアの向うに聞こえていたのがPANTAの声。げっと思ったら曲がPANTA&HALの「つれなのふりや」
うわっと慌てつつ飛び込んで、前の方に戻ったら「マラッカ」が始まった。続いて「The End」を熱唱して、まさしくジ・エンド───終わっちゃった。・・・うっそ。
ねふーどさんに訊いたら、あのトークの後、何故か予定されていた別の出演者は抜きで、いきなりPANTAの演奏が始まったらしい。
「ルイーズやった?」「うん」、「屋根の上の猫は?」「うん」、「・・・嘘ーーーーーー」
PANTAフリークのなかむらさんにマジな目で馬鹿者呼ばわりされる。・・・うわー。
なんか残念というより拍子抜け。しかしジンナイくんに悪いことしたようで気が咎める。
ジンナイくんとタクシーでCrawdaddy Clubへ。トミー(drs)がいた。
0時半の電車で帰。昨年のイヴに引き続き「お早いお帰りのシンデレラ」(昨年0時に帰りの電車からkenjiくんにメールしたらこう言われた)であるが。男の部屋まで行っておいてとっとと帰ってきた昨年よりはずっと気分がいい。
Baby this is the end (これで「ジ・エンド」だよ) *Baby Strange / T. Rex (1972) の歌詞。
2006年12月19日(火) |
You say you will but you don't know when |
うーわ、しびれる。一昨日はみー(g)に貸してもらったライヴ'To The Bone'US盤の'State Of Confusion'(私のはUK盤なので、Disc2がない)
ぱきぱきに安っちいギターのカッティングが何だかお嬢ちゃんぽい三連符に続いたと思うと、オヤジ臭い雄叫びが。鼻詰りのような、ピッチも不確かなボーカルが歌いだす。ドラムが8小節目のケツでスネア2発ってのがださい。ブレイクの入れ方も何てベタ。なのにがっしりとかっこいい。
ロンドン・パンクだわ、これ。
初期のヒット曲しか知らない人には、スタジオ盤を聴かせてすら誰だかわからない、この時代───'80年代アリスタ時代のキンクス。
ダサくて、すかすかで、ロマンもロマンスもない。だが強烈なシニシズムと、同時に矛盾するようなヒューマニズムがある。
キンクスは変なバンドだ。レイモンド・ダグラス・デイヴィスがつくった。ストレートで可愛らしい前期パイ時代、切なく胸に迫る後期パイ時代(私の一番好きな頃)、何だか洒落てるようでもあるRCA時代、アリスタ時代も'79年の'Low Budget'以降は急にハードな音になる。いつの時代もロマンスを歌わず、だから一般には受けない。けれど私が実際に見た限りでは、現在のイギリスにおいてはビートルズよりもストーンズよりも広く深く大衆に愛されている。
キンクスというバンドは、あれほど有名なバンドでありながら、他のミュージシャンやバンドと殆どかかわりを持っていない。イギリス4大バンドの他の三つ───ビートルズ、ストーンズ、フーはそれぞれ交流があるというのに、キンクスだけは、まるで存在を知られていないかのような印象すら受ける。(ピート・タウンゼントはキンクスの大ファンらしいが)
そして今やキンクスは、解散こそしていないが完全に死んだも同然の状態だ。最後にスタジオ盤を出したのは1993年。
2005年には'Waterloo Sunset'が最優秀ブリティッシュ・ソングの第二位になり(ちなみに一位は私が泣くほど愛してやまない、ビートルズの'A Day In The Life'、三位もこれまた好きでたまらない、オアシスの'Wonderwall')、その後バンドはUKの音楽の殿堂入りを果たす。────全て、死者への献花のようだ。
2006年1月、レイは、弟デイヴを含むメンバーでキンクスの活動を再開する意思があると語ったが。あれからすでに一年が経過しようとしている。
私はキンクスのライヴを3回観ているが。ぜひもう一度、もう一度だけでも観たい。
ファン・サーヴィスでも何でもいいから、何とかもう一度だけ気まぐれを起こしてくれないか。来日しないならロンドンまで行くから。何とか、お願い。
You say you will but you don't know when (やる意思はあるって言ったけど、いつになるの?) *Do It Again(もう一度やって) / Kinks (1984) の歌詞。
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