Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2007年04月22日(日)  Around the World in Eighty Days

昨日の昼から寝ないで、生徒用の英語の教材をつくっている。120ページの発音のテキストを、手書きでまとめているのだ。何故手書きかというと、発音記号がPCでは打てないから。面倒だが楽しい。大きな声では言えないが、「えっこれそういう発音?!」ってのも時々ある。

その合間に読書をする。何冊か並行読みをしているうちの一冊は、ブックオフで入手した'Truly Tasteless Jokes'という、人種差別ジョーク集。・・・いや、物凄い差別ネタ満載。これを電車の中などで読んでいてくすっと笑ってしまう時、思わずはっと我にかえって周りを気にしてしまうほど。
例えばこんな風:
Did you hear about Hellen Keller's new book?
Around the Block in Eighty Days
・・・え? 訳してくれって? ・・・冗談でしょう。(そんな恐ろしいこと)

このジョーク集、7、8巻まで置いてあった。・・・人気シリーズなんだな。おまけに2日後に残りを買いに行ったら全部売れていた。Amazonで調べたら、古本で一冊5,000円以上の値がついていた。・・・全部買っときゃよかった。

Around the World in Eighty Days  *ジュール・ヴェルヌの著書(邦題=「八十日間世界一周」) (1873) *要するにこの小説のタイトルをふまえて笑え、と。



2007年04月20日(金)  Far above the world

新宿でNariさんたちと、最初は21時に会う話。の、筈が。
私が振替授業が入ってるいるのを忘れていたりで、結局会えたのは23時近く。せっかく私に合せて時間も場所も変えてくれたのに、申し訳ない。

福岡から出張で来ているCAKEくん(g)、まるちゃん、Nariさんと、沖縄料理の店「海森」で飲む。このメンバーで音楽の話などしていると、説明しなくとも感覚が通じるので楽しい。
と、思っていたら。まるちゃんに「Bunnyさん、ビリー・コーガンダメなんですよね?」と言われた。あ・・・日記に「気持ち悪い」って書いたから?
違うのよ。私が、ビリー・コーガンは何度見ても気持ち悪いとか、デイヴ・グロールは鼻の穴がでかいとか、ジョン・フルシャンテは浮浪者くさくて池袋駅に寝ていても気づかないとか言う時、それは愛情表現なの。わかり辛い? でもそうなのよ。オアシスのリアムは最強のアホだとか、ニール・ヤングは歌がヘタクソだとか。全部「愛」なの。

CAKEくんは私と同じで納豆が嫌いだが。「ヘタしたら産業ロックと同じくらい嫌いだ」と言うので笑った。力強く言ってるけど、その例えが通じるひとはそんなにいないぞw(この場的にはばっちりOK) AORならまだ許せる場合もあるけど、というCAKEくん。私はAORの方が駄目かなあ。おしゃれなのが一番苦手なんで。大体、アダルトという言葉とロックとを並べないで欲しいわ。

お誕生日祝いということで、CAKEくんとまるちゃんにおごっていただいた。どうもありがとう。
帰りは金曜の最終、しかも電車が遅れているとあって、ホームは人でぎっしり。一度で乗れず、一本見送って次に乗る。iPodで、どるたんとやるかもしれない候補曲を聴きながら乗り込む。殺人的に混んでいるので、立っていても座席のバーが体に食い込むが。吊革につかまって目を閉じると、心地よい音が、密集も振動もかき消す。

Ground control to Major Tom (管制塔からトム少佐へ)
Your circuit's dead, theres something wrong (通信が途絶えている。異常事態だ)
Can you hear me, major tom? (聞こえるか? トム少佐)
Can you hear me, major tom? (応答せよ)
Can you hear me, major tom? (応答せよ)
Can you.... (応...)

・・・・・・・・・・・・ああ、私今どこにいるんだっけ?

Far above the world (現世から遠く離れて)  *Space Oddity / David Bowie (1969) の歌詞。
(Translated by Screaming Bunny)



2007年04月15日(日)  Ive gone to look for America

この金土日は時間がたっぷりあったのに。何も出来ず。どこも行かず。こんな時に限って、お天気もいい。

一昨日の夜、ヴォネガットの訃報に接する直前にメールしていた方(g)は、後でわかったがヴォネガットの愛読者だった。ヴォネガットを読んだことで今の仕事を選んだという。私がヴォネガットが死んで泣いていると知って、私を大好きだと言ってくれた。そう、彼の死を悼んでいると思うだけで、そういう気分になるよね。

K叔母に誕生日のプレゼントは何がいいか訊かれていたが。結局これもヴォネガットの洋書にした。未読の'A Man Without A Country'など三冊。

思えば。泣くほど好きな作家は皆アメリカ人だ。サリンジャーオースターフレドリック・ブラウンウールリッチヘミングウェイ
ヴォネガットもアメリカ人で、アメリカ人であることを、アメリカを書き続けた作家だ。父は移民であり、移民の子という、いわば一番アメリカ人らしい境遇であったと言える。
これからは彼の作品を英語で読む。もっともっと近づく。アメリカ人としてヴォネガットを読む感覚は絶対にわかりようがないだろうが。
日本人として、彼の描くアメリカ──アメリカの良心──をまだまだ読みたい。

Ive gone to look for America (アメリカを探しに出かけた)  *America / Simon &Garfunkel (1968) の歌詞。



2007年04月14日(土)  And So It Goes

夕べはさんざん泣き、今朝目覚めてもやはり泣き、授業が終わった夕方にまた泣き。しまいには何がどう悲しいのかわからなくなり。

彼の死を悼んでいるひとに会いたくて。ネット上に探しにゆく。沢山いた。
「世界でいちばん好きな作家がいなくなった。2番目に好きな作家はいない」と書いている方がいた。その方がこれを貼っていた。

最後のほうでヴォネガットが言っている。
"I have a message for future generations, and that is, please accept our apologies."
(未来のひとたちへ。どうか、僕らのことを許してください)

またはらはらと泣いた。

And So It Goes (そういうものだ)  *Billy Joel の曲。(1989)
*上に貼った映像のバックに流れる曲。この"So it goes."というフレーズが、ヴォネガットの「スローターハウス5」の中に繰り返し現れる。



2007年04月13日(金)  Breakfast Of Champions

朝10時頃から久しぶりにベッドで寝た。14時半に起きたら洗濯機が壊れていた。去年から調子が悪く、母が洗濯機代をカンパしてくれたのに、まだ使えるので買っていなかったのだ。で、最近、「このお金を使い込んでピアノ買っちゃおうかなあ・・・」と考えていた矢先だった。ちぇっ。
すぐさま荻窪駅前で購入。明後日の朝届けてもらうことに。私は片付け魔なので、洗濯物も少しでもためるのがいやで毎日のように洗濯するのだ。

後で携帯メールの送信歴を見ると、21時34分の時点ではまだ何も知らなかったらしい。ある男性(g)にお食事に誘われ、デートコースの三択を提示されて喜んで返信していたくらいだから。
21時52分には、BZにこう送っている。カート・ヴォネガットが死んじゃった」
ああ。


ここからの5時間はただ泣いていた。PCに向かって、ヴォネガットの死亡記事などの検索をいくつかした。私の誕生日に死んだんだ。
あとは彼の本を出して。あとは自分のbbsに考えなしに彼のことを書込みして。本を前に泣いていた。いい加減顔でも洗おうと思いながら、5分黙っていたら一時間たっていたりした。

「猫、いますか? ゆりかご、ありますか?」

「猫なんていないし、ゆりかごもないんだ」という台詞は衝撃的だった。私が二冊目に読んだヴォネガットの本「猫のゆりかご」の中の一節だ。以後ずっと、この言葉が頭から離れない。

初めて読んだ本は、「チャンピオンたちの朝食」で、購入したのは18歳くらいだと思う。だが実際に読んだのは25歳。
滅多にないことだが、「今この本を読むには自分の力量が足りない」と思ったのだ。本の素晴らしさを確信しながら、しかし今無理に読んではこの本をきちんと味わい損ねる、と感じた。

その18歳で買ったハードカバーを今目の前に見ながら、しみじみとそのことの重大さを感じる。「そのこと」とは、これがここにあること自体だ。
つまり、私は高校卒業と同時に一度家出しているのだ。ハワイ大学に入学手続きを進めていた母親を騙して、計画的に、しかし一瞬で姿を消した。その資金作りの為に、持っていたレコードと本を全部売った。本は殆どが文庫本だったにも関わらず3万円近くになった。本棚をさらうようにして全部たたき売ったが、「チャンピオンたちの朝食」は売らずに残したのだ。(その時点で未読の本は他にも山ほどあったが)
───家出から戻り、東京で暮らし始めた私は、ある時帰省した実家の本棚にぽつんと残っていたその本を東京に持ち帰り、読んだ。──もう読んでもいい時期だと思った。

「けつの穴」の絵が描いてあった。何だ、これは。
当時まだまだ青臭く少女じみた美意識にとらわれていた私は、一瞬ひるんだ。
しかしそのたった21ページ後の「ビーバー(女性器)」の絵を見る頃には、これを下品とも滑稽とも思わなくなっていた。逆に、息が荒くなるほどに感動していたのだ。
おかげで今でも私の中では、'Wide-Open Beavers'(大きく広げた女性器)というフレーズは、感動的な響きを帯びている。
実際私はその時、涙ぐんだんだと思う。今も、それを見ると涙ぐむ。

神様に、カーペットの状態を報告する。「ふわふわして新しいです。きっと奇跡の繊維かなんかですよ。青い色をしてます。青がどんな色かわかりますか?」
その他いろいろ。(このフレーズが作中に繰り返し現れる)

「チャンピオンたちの朝食」の主人公キルゴア・トラウトの名前は、───シャロン・リプシャツ(サリンジャーの'Nine Stories'に名前だけ出てくる女の子)とならんで、私の中にくっきりと刻まれた。

感動した私は、読了直後に、気合が入リ過ぎて空回りしたような感想文を書いた。後にワープロの操作ミスで消してしまったが、しかし出だしの一行だけは記憶に残っている。
25歳の私が書いた出だしの一行はこうだ。「これは外国人の為のアメリカ小説、異星人の為のSF、無力な赤ん坊及び長椅子で治療を受ける人々の為の教科書である」
サイエンス・フィクションという形式が、いかに哲学を語るのにふさわしくなれるかを発見した本だった。

ヴォネガットは、アメリカ人をそれ以外の地球全体の目を通して描こうとし、同時に人間を宇宙の目を通して描き出そうとしたのだ。

「チャンピオンたちの朝食」は、一見非常に救いのない終わり方をしているように見える。絶望的な叫びと、涙でしめくくられる。だが。
その涙が、かなしいという感情が、深い諦念と愛を持って何かを受け入れるという意味になるのだと、私は学んだのだと思う。

私は、長い間精神的にかたわだった。普通に生きることが出来ない子供で、肥大した自意識と恥の感覚に悩まされ、道を歩くのにも辛い思いをしていた。
今も、恐ろしく弱かったり不器用だったりするかもしれないが。

ひとつ大きく変わったのは、弱さを見せるのを恐れなくなった。傷つくことを回避しなくなった。他人が私を、私の望みどおりに見てくれないことに憤らなくなった。

指を一本噛み切るほどの関わり方をすること。
後にパトリシア・ハイスミスを読むようになり、自分が他人との精神的な交わりにいかに魅せられているか、いや、ほぼそれが生きる意味の全てだと考えていることに気づいた。

それが私のコアだから。
ヴォネガットは、私の血肉であり、私をつくったひとだと思う。

あなたは間違いなく私の右の薬指を噛み切りました。その感覚が今も残っています。
ありがとう。

Breakfast Of Champions  *カート・ヴォネガット(・ジュニア)の著書(邦題=「チャンピオンたちの朝食」) (1973)

*今回は、気のきいたタイトルをつけようという考えも浮かびません。何の含みもなく、この書名をタイトルにしたいと思います。



2007年04月12日(木)  'Love' is all you need

企業での授業。結局このクラスは全部で4人らしい。今日は男性3人が出席。
前回は生徒に自己紹介をさせた。今回は私のことを訊かせる。「何でも訊いて下さい」と言ったが、誰も年齢をたずねない。ちぇ。驚かせてやろうと思ったのに。「好みの男性のタイプは?」と訊かれ、「痩せたベーシスト」と答える私ってどうなんだ。
趣味を訊かれたので読書と音楽と答えたら、「どのアーティストが一番好きですか?」と訊かれたので、好きなアーティストは200くらいいるけどと言ったうえで、バッグから赤いロゴマークの入ったキーホルダーを出してみせて、「例えば、レッド・ホット・チリ・ペッパーズです」と得意げに答えた。そしたら全員が「誰です?」って。20〜30代の男性3人が、誰一人レッチリを知らない。「日本のバンドですか??」
・・・ああ、やっぱり自分の常識を周りの常識と思ってはいけないんだわ。(そう思ってるから絶対にレオン・ラッセルとは言わないのに。まだまだ甘いのね)

帰りに新宿で飲んでいこうかと思っていたが。iPodでSAを聴いていたらうっかり新宿を通過。

夜半前にyer-blues(g)さんからメール。「今君音いぃーかぁー」
大概の日本人にはわからないだろうが、不本意ながら私にはこれが「今、電話してもいいですか?」という意味だとわかる。「今ダメ」と返信。そして、「こないだも夜中に何度も電話してきて、しかも取るたびに無言だし!」といった内容の文句をたれた。そしたら更にきた返信がひとこと、「
・・・「愛」ならしょうがないわねえ。

'Love' is all you need (「愛」ひとことでたりる)  *All You Need Is Love / The Beatles (1967) の歌詞。



2007年04月07日(土)  It's my favorite combination

生徒がフルーツとカスタードと生クリームの饗宴とでもいうべきケーキを何個も差し入れてくれたので、一日でみっつも食べてしまった。ただでさえ、母が送ってきた焼菓子類が山ほどあるっていうのに。
最近お菓子をいただくことが多い。先々週の土曜なんて、偶然3人からチョコレートをいただいた。嬉しいけど、嬉しいけど。
ふと見ると、久しぶりに肌荒れ。・・・昨日のカレーのせいもあるかも。

仕事の移動中はずっとレッチリの"Stadium Arcadium"を聴いている。一昨日はベストまでつくってみた。内容はこう。
1. Dani California  2. Snow (Hey Oh)  3. Stadium Arcadium  4. Strip My Mind  5. Especially in Michigan  6. Wet Sand  7. Tell Me Baby  8. Hard to Concentrate  9. 21st Century  10. She Looks to Me  11. Make You Feel Better  12. Animal Bar
SA信奉者に殴られるかなあ、などと思いつつ。

結局今現在、SAと私とは非常にいい関係だ。最初の出会いにおいて、あれだけ戸惑いうろたえたのは当然で。今は落ち着いて愛せる。
ええ、「愛」ですとも。SAに対してどうこう言ったけれど、同時に最初から言っているのは、例えばもしこれがレッチリというバンドのデビューアルバムだったとしたら、驚愕に値する出来だということだ。それこそ大変な大騒ぎだ。

電車の中でiPodの爆音でSAを聴いていると、曲によっては涙ぐみそうになる。"Especially in Michigan"と"21st Century"がいい。特に"Especially In Michigan"は、繰り返し何度も聴いたりする。"Cry me a future where the revelations run amok. Ladies and gentlemen"というサビにはうっとり。
けれど。もしじっくりと吟味するならば。"Especially in Michigan"はイントロが弱い。正直その魅力を味わうにはBメロまで待つ必要がある。逆に"21st Century"はイントロ〜Aメロが痺れるが、そのテンションがBメロまで持たない。

"By The Way"において、例えば"The Zephyr Song"が、'Dosed'が、最初の一音から最後の一音にいたるまで過不足のない完成品であること。そのことの方が異常なのだ。

SAは、歌が印象的なアルバムだ。終始アンソニー・キーディスを意識させられる。歌が上手くなったし、歌詞もかなり手慣れてきたと思う。"Strip My Mind"の出だしの"Arthur J did"という一言にはかなりがつんとやられた。何て見事な音の選び方だろう。
"21st Century"の"Like the Cain and Able"という歌詞は小賢しいなあと思いながらも、この言葉の音には説得されてしまう。

ところで"Show me your wrist and I'll kiss it"っていうのは、その情景を思うとちょっと感動的だなあ。純愛だわ。

It's my favorite combination (これが私のベスト盤)  *21st Century / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。



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