夕べ家に帰る前に、ほろ酔いで気持ちよくコンビニに寄り、何故か、荻窪に来て以来3年間で初めて、コンビニの店員と言い合いをしてしまった。凄くつまらないので詳細は省くが、「責任者」の名札をしたその横柄な店員が言うことにゃ、「ご飯がお握りになっているお弁当は温めなくていいんです」だと。私が「お宅のマニュアルがどうっていう話じゃなくて」と言ったら、「マニュアルじゃありません。これは温めないんです」だって。あ・・・常識?
こっちは酔っ払いなので、逆に興奮もせず平気で言いたいことを言ったが。明らかに向こうは激怒している。「あなた怒ってるでしょう。それがまるわかりだし」と言ったら、「僕は怒ってませんよ。じゃあどうすればいいんですか!」って。
「・・・何か面倒くさくなってきちゃったな」と途中で笑ったら、向こうもふっと力を抜き、謝った。「もういいです」とさっさと商品を受け取り、手を出して握手した。そしたら向こうがびっくりして毒気を抜かれたようで、うって変わった調子で「また来てください。待ってます。また来て下さい」と言った。
こちらは酔っ払いなので、「はーい」と言いつつふらふらと退出。
なんだか感動的な終わり方のようでもあったが。
しかし私は知っている。彼はまだまだ変わらない。人間は、昔の道徳物語のように一度の経験で反省したりはしない。結局また同じことをやる。本当に自分を変える為には、まだまだ何度となく同じ失敗と後悔を繰り返す必要があるのだ。
私だって生まれてからずっと自分と戦っている。そして負けっぱなしだよ。(こうやってコンビニの店員とモメてるしな。恥ずかしいんだよ正直)
あの店員が横柄なのは、結局自分の職業にプライドがないからだ。接客業が客の怒りを煽っては負けだろう。同時に自分自身に対しては、根拠のない自尊心がある。
結論から言うと、自分に対するプライドと、周囲がそれに見合う扱いをしてくれないというジレンマに悩む者は、たいした人間ではない。
何で断言するかって。私がそうだったからだよ。
どうしても自分が優れているように思え、周囲が皆自分より低く見えるのは不幸だ。何故ならそれは単純に間違いだからだ。
しかし、そう思い込んでしまった人間は、物凄く不幸だ。
わたしを認めよ! *勢古浩爾の著書。(2000)
2007年09月02日(日) |
奴はブルースをきめてギターを引きずる |
16時過ぎに目覚めたら、数分後にOJ(drs)から飲みに誘われる。20時に会おうとのことで、それなら余裕で間に合うわと思ったが、結局家を出られたのは20時半過ぎ。
西荻BITCHへ。しょっちゅう会うお客に挨拶したら、反応が悪い。きけば私に覚えがないとか。・・・ああ、そうかもしれませんね。私いつも、床に寝ているそちら様をまたいで帰ってますから。(ロックバーには本当に、こういう心やすらぐ人ばかりが。・・・こんなとこ通ってていいんかなw)
実はギタリストだというので今度セッションしませんかと言ったら、ギターに自信はあると言った後に、「でも俺、○ゲなんだよね」って。・・・ははは。大丈夫ですよ、私、男性をそんなハ○とか○ビとかイ○ポとか些細なことでは判断しませんから。男にはもっと大事なことがあるじゃないですか・・・体脂肪とかw
あ、男の話じゃなくてギタリストか。えっとじゃあ、「ストラップの長さ」とかw(リーチいっぱいくらいが好きです)
チンザノ数杯の後、イエロー・ローズ・オブ・テキサスのロックに切り替える。チンザノ・ドライ(18度)は飲んでも飲んでも酔っ払わないのがいいけど、やはりジンやバーボンをストレートかロックで飲むと、酒ってこれだなあという気がする。
OJは、とても素敵にスマートにお会計して先に帰った。私はもうしばらく飲んでから、1時過ぎにタクシー(900円)で帰宅。
奴はブルースをきめてギターを引きずる *ドカドカうるさいR&Rバンド / RCサクセション (1983) の歌詞。
2007年08月30日(木) |
And if you want it |
アメリカの古本屋から、ネットで注文したマイク・ロイコの本が届いた。のは、いいのだが。
開いてみたら、思いっきりNYの図書館のスタンプが。
・・・と、盗品等関与罪?
・・・・・・・・・・・・・ま、いっか。
昨日読み終えた本'Sience-Fiction Carnibal'(edited by Fredric Brown and Mack Reynolds)はヤフオクで入手したペーパーバックの古本だが、何と読んでいる最中にまっぷたつになってしまった。時々開いて伏せておいたのに耐えられなかったらしい。それもその筈で、この本は1953年出版の1957年版なのだ。
昨年フレドリック・ブラウンの'The Wench Is Dead'をアメリカの別の古本屋から取り寄せたが、1954年版のその本は、未読の状態であったし、注意して読んだにも関わらず、読後には背が割れてページも抜け落ちる寸前だった。
しかし、こういう本が、この読後の状態が、実に何とも見ていて愛しい。「わたしの本」という気分になる。特に'The Wench Is Dead'(ちなみにかなりの希少本)は、最初は手付かずのきれいな状態から、私に読まれることで見事な古本と化していったわけで、私の読書の痕をくっきりとのこしている。
「モノ」はいらないと常々思い、何でもしょっちゅう捨てたりあげたりしているが。たまにこういう、見ているだけで嬉しくなる物もある。
と、言いつつも。将来誰かがこれを本当に欲しがれば、あげちゃったりするのが私なのだけど。気前がいいのではなく、何かしっかりと理由がつけば、モノを手放す機会は逃さないのだ。
何にも持たないのが理想なのだ。スーツケースひとつで引越し出来る状態が。
そんな私が未だに唯一大量に抱え込んでいるのが本であり、先日またかなり処分したが、それでも900冊近くある。捨てたい欲望と、並べて見ていたい気分の間で揺れている。
And if you want it (もし誰かが欲しがれば) *Let It Bleed / Rolling Stones (1969) の歌詞。
2007年08月26日(日) |
He wants it easy, he want it relaxed |
bbsにストロークスのライヴ映像のリンクを貼る。今日、8/21の日記にストロークスの歌詞を使ったので、その曲を貼ったのだ。
ストロークスとの出会いも衝撃的だった。2005年にCROSS ROADに勤めている時、滅多にないことだが次にかけるCDを選ぶのに間に合わず、慌てて1枚棚から抜いてプレイヤーにつっこんだら、'Is This It'が流れた。始まった瞬間思わず「何コレかっこいい」と口走った。これは、新しい。こんなのは初めて聴く。
アパシーを前面に出した音楽。絵的に動かないバンドはオアシス以降珍しくないが、しかしオアシスの音楽は馬鹿がつくほど熱いのであり、やはり今でもおおかたのロックはそうだ。が、ストロークスは違う。アンニュイだのスノッブだのという言葉が浮かんでくる。後乗りというより遅れて面倒臭そうについていくボーカルが歌う言葉は、「疲れた」、「したくない」、「わからない」、「仕方ない」、「意味がない」などの羅列。"Last Nite"の歌詞における身勝手さなどは、自覚がないだけにぞっとする。'Is This It'で彼が、"Can't you see I'm trying?"(僕だって頑張ってるんだぜ)と言う時、彼の「頑張り」とはせいぜい「君の話を5分間我慢して聞く」といったところか。
ジュリアン・カサブランカ(vo)は、フランスの有名企業の会長とモデル(元ミス・デンマーク)の間に生まれた。両親は幼い頃に離婚して母親に引き取られ、14歳には飲酒で逮捕され、父親にスイスの寄宿学校に放り込まれたりしている。要するに、絵にかいたような金持ちの放蕩息子だ。23歳でバンドデビュー。(ちなみにギターの一人はアルバート・ハモンドの息子)
背景を知れば、あまりにも納得の音楽なのだ。たかが中産階級というだけでブラーを目の敵にしていたオアシスの兄弟が聞いたら唾を吐きかけたくなるような存在だろう。
坊ちゃん臭く無責任で無気力なこの音楽が―――えらくエレガントだ。
「無駄」―――これほどにきらめきわたる無駄は滅多にない。へえ、きれいだなあ。
どうせこの男はいずれ酒か何かでぶくぶくに太るだろう。でも今しばらくは、虚空に向かって揮発性の音楽を吐き出しているといい。
ところでコートニー・ラヴの"But Julian, I'm A Little Bit Older Than You"は、ジュリアンのことを書いた曲らしい。その歌詞からするに寝たんだろうが、姐さんともあろう女がガキに入れ込むのも大概にしましょうよ、と言いたくなるほどのクズ曲だ。ああいうきれいな顔の「無駄」は、ただ消費しちまえばいいのに。
He wants it easy, he want it relaxed (彼はただ気楽にゆったりやりたい) *The End Has No End / Strokes (2003) の歌詞。
2007年08月25日(土) |
Reach out for me and hold me tight |
22:40にMickeyからメール。誘いたいのはわかっているが、好反応せずにいたら、「また一緒に飲みたい。君はいいロックンロール・スピリッツを持ってるからね」と言われ、むかっと来る。自分がロックの権威のつもりか。大体この私をスカのライヴに誘うような奴に、私の音楽志向がわかるとでも。
返信せずにいたら、「新宿に行こうよ!」と言われたので、終電がなくなるまで待ってから、「悪い。電車ない」と冷たく返事。もうこれで今後連絡してこないだろう。
しかし最近「外人お誘い断り日記」みたいになってきちゃって。そういやGeoff(g)からのPCメールにも返信してないなあ。
今はちょっとPCを空っぽにしているので、音楽も珍しくそれほど聴いていない。で、強烈にR.E.M.が聴きたくなって、とりあえずお手軽にYouTubeに行ってみたら、10/16にライヴCD/DVDが出るらしくそのトレイラーがアップされていた。おおお。
R.E.M.は変なバンドだな。私がこの言葉で表現するのは他にキンクスがいるが、両者に共通するのは、普通ロックに一番多いテーマである「(セックスを前提とした)恋愛」の要素の欠如だ。実はレッチリにおいても、アンソニー・キーディスの歌詞は意外にも品良くそれを避けていたりするのだが、レッチリの場合、音に色気があるのであまりそうとは感じない。しかし、キンクス及びR.E.M.は、音にも殆ど「性愛」が存在していない。
キンクスは初期にはわざとらしいほど単純なプロトタイプ的ラヴソングがあるが、よく聴くと全く魂が籠っておらず、やがてはその路線を捨てる。私にとってはこの乾きがキンクスの醍醐味だ。
しかしR.E.M.の場合は、一環して愛らしきものを求めてはいるのだが、対象が女性であるかすら怪しく、或いはそれは神とか救いなのかもしれないが、とにかく非常に「切実」だ。
足掻いているのである。人間があるべき本来の姿だ。
'World Leader Pretend'のライヴ映像を出してみる。いくつか見た中で一番気に入った、2005年のミャンマーでのライヴ。全く派手さのない抑えた演奏だが、緊張感が凄い。マイケルの声は少し枯れ気味ではあるが、この表現力はどうだ。YouTubeにはこの曲の1989年のライヴもあったが、マイケルの歌は当時より何倍も深みを増している。(マイケルが完璧ゆえに、残念ながらマイクの上ずったコーラスは耳障り)
言葉が、重い。決心し、差し出している。横でピーター・バックがまるで気づかうようにギターを弾いている。何べん見ても、はらはらする。
Reach out for me and hold me tight (手を伸ばして僕を抱きしめてくれ) *World Leader Pretend / R.E.M. (1988) の歌詞。
2007年08月21日(火) |
Is this...it? |
15時に目覚め、洗顔して、いつものストレッチをしようとし、腹筋100回やったところで物凄く具合が悪くなる。吐気ではないのだが。胃がなんともいえず不快。立つのもやっとだ。ふらふらになりながら、ネットで薬を検索。キーボードを打つにも超人的努力がいる始末。うちにある薬では、ブスコパンが目的に適うようだ。一錠飲んでベッドに倒れこみ、じっとしていたら30分くらいでじわっと刺激を感じ、次第にラクになってきた。なので素早く身支度して、何事もなく授業。
結局苦しんでいたのは1時間くらいだが。これって、生まれて初めての「二日酔い」?
もしこれがそうだっていうなら。なるほど、これは辛いわ。
・・・考えてみれば。
夕べは3週間ぶりの飲み。(しかもその前は1ヶ月あいている) なのに、久々にジンをロックやストレートで飲み、その後また早いピッチでチンザノを飲んだのだ。おまけに昨日はまる一日以上お酒以外のものを口にしていない。胃腸の調子もこの2ヶ月良くないし、更に今は月に一度の「飲むと吐く」期間中。
・・・も、いちいち言うのも面倒なくらいですが。アホです。ええもう。
でさあ。久々に、飲み歩いた後のいやーな気分を味わったよ。殆どここに書いたことないけど、私は実は、一晩中飲み歩くとよく自己嫌悪に陥るんだ。理由は簡単に説明出来るけど、したくない。
チャリごと階段を落ちたのは自己嫌悪には関係ない。それどころか、あの「落ち」がついたおかげで、笑えるのが救われる。
馬鹿やってるのも大変で。
飲み屋の愛なんか信じてないわよ。
Can't you see I'm trying?
I don't even like it. I just lied to
Is this...it? (これがそうなの?) *Is This It / Strokes (2001) の歌詞。
2007年08月20日(月) |
All I wanna do is... Bicycle bicycle bicycle |
家で授業を終え、コンビニにゴハン買いに行ったらFK(b)からメール。これから飲もうというので、ゴハン買うのを中止。
22時20分に出て、駅へ急いでいたら、20代前半らしき男に「ちょっと遊びませんか?」と声をかけられた。道端で、しかも荻窪の天沼あたりで、タダで女を拾おうという発想の浅ましさ。加えてその美学のかけらもない台詞。お前は死ね。コンビニでだらだらと漫画を立ち読みする奴と一緒に死ね。
珍しくiPodしてないとこういう目にあう(声をかけられたのが聞こえる)のだ。ということで反省して爆音"Stadium Arcadium"状態にしつつ駅へ。ああ、爽快。しかし暑いな。
23時に渋谷到着。FKお薦めの"le Connaisseur"というバーへ。こじんまりした、葉巻とお酒を楽しむバー。こんなにちゃんとしたお酒がずらりと並んでいるのは久しぶりに見た。
まずはシャンパンベースのカクテル。メニューには載っていなかったが、桃のリキュールでつくってくれた。シャンパンは、炭酸の駄目な私が唯一好きな発泡酒だ。
次にジン。甘くないのを色々見せてもらい、飲んだことのないロンドンジンでヴィクトリアン・バットをロックでもらう。これが美味い。47度なのに口当たりも後味もすっきりとしていて、うっかりすいすい飲んでしまいそうだ。
あまり時間がないのでもう一杯だけ。どのジンをもらおうか迷っていたら、スタッフが、「特別に」と取っておきのジンを出してくれた。Butonといって、もう製造していないとか。勿論初めて見る。壜にはもう殆ど残っていないのに、何とサービスだと言う。最初の2杯を「美味しい美味しい」と感激して飲んでいたのが良かったらしい。有難く、ストレートでいただく。しっかりどっしりした、これぞジンという味わい。お酒が美味しいので、お通しのチョコレートにすら手をつけず。
1時間で切り上げたが、何とも充実した気分を味わえた。
FKと別れ、終電で新宿へ。ロックバーMへ行く。カウンターはアヤノちゃん。チンザノとゴードンジンをもらう。
いつもならもっと重くうるさい系が多いのに、どういうわけか今日はこの店にしちゃ大分古めのいいのが立て続けにかかる。ドアーズ、パティ・スミス、ポリスなど。しかし私はアリス・イン・チェインズとレッチリをリクエストしたりして。新宿で飲むのが何と2ヶ月ぶりなんだから、ここはやはり、「ハイド・パークの"Can't Stop"を」
・・・じーん。
何だか今日はアヤノちゃんと楽しく話が出来る。珍しく一人で来てるからか? 気分がいいので一杯おごり、握手して店を出る。
新宿ロックバーCTへ。行く、筈が。
違う道を通ったせいで小滝橋通りのどこにいるかわからなくなり、店に電話して店員MG(g)訊いたのだが。彼も私のいる位置を間違え、反対方向を指示され、しばらく歩いてそれに気づく。
で、物凄く面倒くさくなり、道端に脚を伸ばして座り込み、煙草に火をつける。
・・・ああ、この「地べた座り」は危険だ。これをやってる時の私は、「何かもうどうでもいいや」状態なのだ。街中の道路でこれをやると、世の中に対する文字通り「視点」ががらっと変わる。皆さんもたまにやってみるといい・・・わけねえだろ。
午前3時。どこかで始発まで時間つぶしてから西荻ロックバーBCへ行くか・・・と思っていたところへMGがお迎えに来てくれて、チャリで店へ運ばれ、マスターに抱きかかえられてご入店となる。お手数かけます。
チンザノをいいピッチで飲む。実は今日は勤務じゃないというMGが、下へも置かないおもてなしぶり。従業員教育が行き届きすぎですw
今度はスタジオ盤の"Can't Stop"がかった。・・・じーん。
閉店になったからCを出た。で、ほんのしばらく歩いたところで、ビルの前にとめてあったチャリをいじりまわしていたら、ハンドルに手をとられて、そのままそれに引きずられて地下の踊り場までさかさまに落ちた。
・・・何がしたかったんだろう。・・・多分、「コレに乗っておうちに帰ろう」と思ったのか。チェーンが外せないことは一目でわかった筈なのだが。
それまではきびきび活動していたが、そこでいきなり「きゅう」となって動けなくなる。負傷はといえば、何と右手中指のハラをすりむいただけ。毎日750回のストレッチのせいで体が柔らかく、普段も15cmヒールでこけても怪我しないのだ。
「・・・アホか」と思いながらも、「・・・私って可愛い」と笑っていたりもする。本当のアホだ。
しかし落下のせいで急に酔いが回る。しばらくそのまま動けずにいた後、思い切って上にあがり、タクシーを拾って7時半帰宅。
All I wanna do is... Bicycle bicycle bicycle (ただチャリに乗りたかっただけ・・・かなあ?) *Bicycle Race / Queen (1978) の歌詞。
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