Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2007年11月02日(金)  Why you say that?

ヤフオクで落札した黄色いガーゼのシャツが届く。落札価格110円、送料80円、振込手数料0円、しめて190円。早速着てみたら、着心地良いし可愛いし。
最近ずーっと貧乏モードなので。服も本もヤフオクだ。貧乏「モード」というのは、実際は何を切り詰める必要もないが、気分的に全く贅沢していないということ。

別に落札した洋書も届いた。モームサリンジャージョイスディケンズヴォネガットチャンドラーの6冊セットで980円。チャンドラーはまあ普通だが、他は全部大好きな作家で、まるで私の為のお買得セット。
これを持って来た郵便局員が、小包の表書きを見て「ヤフーオークションです」と言いながら手渡した。いやそれ違うだろw

Why you say that? (何故お前が言う)



2007年11月01日(木)  The Case of the Long-Legged Models

昨日・今日と連続で新しい生徒が入ったが。殆どの生徒が平日夕方を希望する為、今日の生徒にいたっては一ヶ月全日キャンセル待ちという状態。しかもその生徒、羽田から埼玉までの帰宅途中に荻窪に寄って授業をするのだ。・・・熱心だなー。

A・A・フェアを読む。要するにE・S・ガードナーの別名だ。ガードナーは、ペリー・メイスンものを中心に60冊近く読んでいる筈だ。おかげで私は、日本よりアメリカの刑法に詳しいほどで、'corpus delicti'(犯罪が行われた物的証拠としての死体という意味の法律用語。'delicti'はラテン語)などという、英英辞書でも探しづらいような単語も知っている。いや、原書で読んだのではない。日本語訳の注釈で覚えたのだ。
ガードナーの小説は結末が一番つまらなくどうでもいい。いつも人間関係が込み入り過ぎていて、最後にいきなりずらずらと説明されても、無限に在りうる可能性のひとつを提示されたようにしか思えない。けれど、そこにいたるまでの展開や人物描写、会話、何より(メイスンものにおいては)法律の解釈や法廷での駆け引きが面白い。

ところで久々にガードナーを読んだら、またも脚のきれいな美人が出てくるのが懐かしい。ガードナーを読み始めの頃は、アメリカ人ていうのはやたらと女の脚に注目するんだなと思ったが。そのうち、――アメリカ人は日本人よりはその傾向があるとはいえ――ガードナーが特に脚フェチなんだと気づいた。
膝が出ず、膝下のすらりと長くのびた女性の脚は、たしかにぐっとくる。畳文化の長い日本人にはあまり見られない脚だ。私自身は脚が長いとは言われるが、日舞師範である母に幼少時から正座を叩き込まれた結果、きっちり膝が出てしまっている。無念。

The Case of the Long-Legged Models (長い脚のモデル)  *E・S・ガードナーの著書。(1958)



2007年10月29日(月)  life-sized pride

Sokoという女の子の'I'll Kill Her'という曲を、iPodに落として聴く。
2週間足らず前に、検索で偶然YouTubeの映像に出会い、見てみたら一発ですいっとはまった。
子供といっていい幼い顔と声。フレンチ訛りの英語。不安定なピッチと少ない声量。だが、牝牛が鳴いたような可愛らしさのある声質。
何よりも、表現のスタンスがしっかりと確立している。全くぐらつかない。己の力を、過信せず等身大で誇っている。なんてまあ。

色んなものを見てきて、これだけはっきりと、ああこれはいい、これは好きだなと一瞬で言い切れるものは少ない。これがそうだ。この子はいい。

歌詞を聞き取らなくても好きだと思えるが。聞くと、魅力が何倍にもなる。
恋人を、漂白したブロンドの女の子に取られた。だから彼女を殺してやる。見つけ次第かならず殺してやる。私の未来を盗み夢を壊したあの女。ブロンドなだけが取り柄のあばずれ、性格が悪くて頭が弱くて尻軽なあの女を殺してやる。
―――こんな恥ずかしい歌詞が書けるか、普通。
かなりの衝撃だった。このSokoという女の子はブルネット(黒髪)で線が太くて気が強そうで、いかにも、男に媚を売るブロンドに反感を持っていそうだ。普通はそれを、鬱屈したプライドの裏に隠そうとするのに、この子はまるだしにして見せて「殺してやる」と言うのだ。
自分のそういう「若さと馬鹿さ」を、面白がっているふうな強さが見える。・・・凄いな。
そして曲づくりも最高。ギター1本で充分完成している。歌詞の乗せ方も完璧。「殺してやる」という一番過激な言葉を、一番抑えたメロディに乗せるのも見事。

これを見つけてすぐ、このサイトのbbsに映像のリンクを貼って「これ誰?!」と書き込んだら、午前4時だというのにわずか20分後に知らない方から情報のレスが。(鳩さん、有難うございます)
どうやらこの子、西ヨーロッパのあちこちで精力的にライヴを行っているようだが、メジャーには所属せず、アルバムもまだ出していないらしい。
他の曲も聴いてみたら、のけぞるほど猥褻な歌詞をあっけらかんと明るく歌っていたりする。キレてるなあ。
若い、ということの、素晴らしい生かし方だと思う。

映像を何十回も見た後で、今日初めて音だけにして聴いてみたのだが。やはりいい。凄くいい。
メロディも歌詞もすぐに殆ど覚えた。これを歌いたいなあ。
誰かこのギター弾いてくれ。

life-sized pride (等身大の自尊心)



2007年10月28日(日)  And I love you

多分一番最初は3歳で聴いたポール・サイモン。それから長いこと私のナンバーワンだったジミー・ペイジ
ニール・ヤングロビー・ロバートソンR.E.M.のピーター・バック。愛するジョン・フルシャンテカート・コバーンキルズのホテル。
基本的にはギター嫌いだった私が、好きだと思ったギタリストたち。

それを今、全員なぎ倒しているのが、グレアム・コクソン

ブラーの画像や映像を見ていて、ビジュアル的にいけてないバンドだなと思った。絵になるのはデーモンだけ。特にギタリストはブルーワーカーの宣伝の「使用前」の例みたいな、ひ弱な眼鏡の男子生徒ふう。
ライヴ映像をいくつか見て、ドラムは結構いい、ベースはどうでもいい、でもギターはこれはもしや「ヘタクソ」なんじゃないかと思った。荒くはないが、やたらしゃかりきだし、コードも間違える。音もはずす。
しかし。このギターが、いい。物凄くいい。

ブラーのアルバム'Blur'は、私の意見では彼らのアルバムの中で突出して素晴らしい。どの曲もいいが、そのうちに1曲だけが心にしみるようになってきた。しまいには、その曲だけしか聴かなくなった。
今では毎日その曲だけを繰り返し繰り返し聴いている。
それがグレアムが一人で録った、'You're So Great'
アコギもエレキも、それぞれが、なんという快感。

彼はこの曲を、恥ずかしさのあまり電気を消したうえ机の下にこもって録音したんだという。―――そんなつくったような逸話なんか信じられるかと思うが。
いつも何か、防御と反発を漂わせた目つきをしている。コンプレックスとびくついたプライド、知性と内にこもった攻撃性。――――これは全部私が、彼の言動もバックグラウンドも一切知らずに、ただその画像とライヴ映像からだけ受け取った印象。

これは彼がソロでやった'You're So Great'―――何も知らずに見たら、ど素人の演奏かと思うところだが。
この映像を何度も何度も何度も何度も見た。iPodに音だけ落として街を歩き回りながら、連続して何度も聴いた。'Blur'の'You're So Great'と交互に。
―――何だかもう、恋愛感情のようになってきたなあ。

And I love you (これはもう恋だ)  *You're So Great / Blur (1997) の歌詞。



2007年10月27日(土)  Herculean

雨。というか軽く台風。やる気のありそうな新しい生徒(31歳♂)が入った。20代に見える童顔が、どうもどこかで見たような・・・と思っていたら。あ、JETのボーカルに似てるんだ。
(注:私は人の顔を覚えられないので、ものすごくおおまかに誰かが誰かと似ていると言う傾向があります)

授業を終えて、ツェッペリンのDVDを見る。1970年、'Live At The Royal Albert Hall'

もう飽きあきの筈なんだ、ゼップのライヴ映像は。もう吐くほどいっぱい見たし。どれも異常に長いし。曲目はいつも似通ってるし。中でも一番見飽きてる筈の、'Moby Dick'
なのに。やっぱりまた。ボーゼンと身じろぎもせずに見てしまう。
この'Moby Dick'も凄い。恐ろしくパワフルなのと同時に、実はきめ細かく丁寧で、どんなに高速になっても一音一音が安定しているのがすごい。リズム楽器とリード楽器を一人でいっぺんにやっている。だから本来は一番飽きやすい筈の長いドラムソロを、しっかりじっくり聴かせる。
実際、長いドラムソロを挟んだ後にギターとベースが戻ってきた瞬間、そこでがつんと痺れる筈が、「あ、もう終わり?」と思ったほど。
どうやら16分ばかり叩いていたらしい。・・・おお、お疲れ様です、じゃあ3ヶ月くらい休ませてあげて下さい・・・と思った瞬間、ジミー・ペイジが'Whole Lotta Love'のフレーズを弾き出す。・・・あっw
何事もなかったかのようにまた全力で叩き始めるボンゾ。やはりこの人たちは人間じゃないな。うん。

Herculean (ヘラクレスのように超人的な) *アキレスのようにって言いたいとこか?



2007年10月24日(水)  白ベン 黒ベン 和田勉ベーン

本日kazuさん(g)から来たメール。昔、毎朝の目覚まし代わりにニルヴァーナの'Negative Creep'をかけていたら、同棲していた彼女が出て行ってしまったとのこと。
おお。ワタクシがつつしんで、「ロック馬鹿1級」を差し上げます。

2003年に10ヶ月間失踪した後に私に会いに来て、居間に置いてあるCDを見て「え、レッチリじゃん!」と興奮した私の元ダンナ。そして「そう! 'By The Way'にはまっちゃって!」と答えた私。それからえんえん7時間半レッチリなどのブートビデオを見続けたこのアホ夫婦(元)にも「ロック馬鹿1級」あげちゃってくださいw

たった今私が設定した「ロック馬鹿検定」。bbsが動いてたら、さぞお馬鹿な自己申告が集まったことだろう。惜しい。
巷には「ロック検定」なるゲスなものが存在するようだが、こちとら「ロック馬鹿」なんで。
例えば指先から血がにじむほどギターを練習しましたなんてのは不可。しかし、「何だかわからない衝動にかられて、テキトーな英語で"Suck My Kiss"を全力で3回熱唱したら喉が切れて血ぃ出ました」は「1級」です。

・・・待てよ。それは単なる「馬鹿」か?

白ベン 黒ベン 和田勉ベーン (昔の空耳アワーによれば'Suck My Kiss'の歌いだしはこう聞こえるって。・・・ああっ、くっだらねえw)

*まあ多分聞いたら爆笑だけど。まあ、じゃあ聞いてみ?



2007年10月21日(日)  sharp tongue

モームの「人生と文学」の最後のエッセイを読み終えたが。「私の知っている作家」というその文章の中で、ヘンリー・ジェイムズを徹底的にこき下ろしているのにびっくり。人柄も作品もいっしょくたにボロクソにけなしていて、ここまでくると単純にヘンリー・ジェイムズが気の毒になってくる。
しかしヘンリー・ジェイムズの作品って、そんなにひどかったっけ? 思わず本棚から数冊取り出し、その中から「モード・イーヴリン」という短編を読んでみた。これがヘンリー・ジェイムズでは一番後に読んだ作品だが、それでも18年前なので、記憶がほとんどない。
で、再読してみて驚いた。―――面白くない。
何かあり気に書きながら、結局何も言っていないという、つまり私がつい先日この日記に書いた、一番読みたくない小説の代表のような作品であった。記憶にないのも当然か。
実体が何もない。何もないのに登場人物はわけ知り顔でうなずいているような作品だ。言いたいことがあったらはっきり言え・・・と言いかけてはっと気づく。ああ、これこそモームが何度も非難しているヘンリー・ジェイムズの個人的な癖、現実の会話において、一言で核心に触れられることを何とかうがった言葉で言おうと苦心するという癖そのままじゃないか。

つまりモームは正しく本質を言い当てているのであり、であれば余計にヘンリー・ジェイムズが哀れだ。ああ、私はモームの知り合いでなくて良かった。

H. G. ウェルズにいたっては、人柄の描写はともかく、見た目に関しては「醜男」の一言。・・・ああ、「SFの父」とまで呼ばれた人物が。

sharp tongue (毒舌)



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