そよ風


2005年07月11日(月) 大事なのは・・

先日、実家に帰った時、母がメモ帳を持って私に尋ねた。

「愛知万博で昼食を食べたのは何処の国だった?」
「アレは何ていう料理やった?」
「夕食を食べたレストランは何処の国?」

私の答えに、「ふんふん」と頷きながらメモる母。
入館したパビリオンのことなども、あれこれ思い出しながら
いろいろ質問しては、また書き留める。

どうやら、「愛知万博」と称して、一席ぶつつもりのようだ。
たった一度行っただけなのに。

母の年代の女性が集まる「ひまわり会」のメンバーは
私にとっては昔懐かしい名前ばかりだ。
私が子供だった頃、皆、○○チャンのお母さんと呼ばれた人達。
年寄り世帯ばかりになってしまった貧乏な町で、
昔のお母さん達が年老いて、楽しく仲良く暮らしているのは
ほんとうに心強いこと。

40代前半で未亡人になってしまった母だけど、
今、80代になって周りを見渡せば、いつの間にか皆同類になっていた。
だから、あの頃よりも、今の方が仲良しだと私は感じてしまう。

歳をとって一番大事なのは、「友達」ではないかしら。
女のお喋りは、長生きの秘訣、ボケ防止の栄養剤だと思う。
これが身内だと、甘えが出る、グチになる。

母の趣味は昔から読書だ。
プレゼントは図書券が一番嬉しいという。
ゲートボールや家庭菜園などには、全く興味を示さない。
でも足腰が達者なのは、先日の愛知万博で立証済み。
毎日の掃除、洗濯、炊事、その他諸々の用事が
ちょうど良い運動になっているのだそうだ。

母を見て、自分の老後のことをいろいろ考えてしまう。

自分のことは、可能な限り自分ですること。

そして友達、いつでも会える友達、
(歳をとっても、自分で歩いて訪問できる距離にあること)

毎日、楽しいお喋りができる近くの友達が大事。


あら、主人は?・・・・・・・・・・・モチロンです。



2005年07月07日(木) 失言

最近は反っ歯の人をあまり見かけなくなった。
今でも母と親しいKさん、昔はかなりの反っ歯だったらしい。
そのKさんに向かって、幼い私は言ったそうだ。
「オバチャンの歯、なんでそんなに飛び出してんの?」

私はいっこうに記憶は無いが、その時のことを母は
今でも忘れられないそうだ。
昨日、所用で実家に帰った時の母との会話だ。

幼稚園時代の記憶は割りとシッカリしている方なのに、
それに関しては全く覚えていないところをみると、
ほんとうに悪気もなく、見たままを口にしてしまったのだろう。
(しかし幼いとはいえ、なんと思慮深くない子供だったのか)

成長してから母に何度か聞かされたが、我が家の玄関先で立ち話中だった
二人は、突然の私の言葉に、まさにどちらも固まってしまったそうだ。
「ほんとうに顔が青くなった」と母は言う。

今では92歳になったKさんと80歳の我が母、
どちらも一人暮らしの元気なおばあちゃん、近所づきあいも昔のまま。
相変わらず、あの時のようにお互いの家に行っては、
タイガースの話や孫達の話で盛り上がっているらしい。

Kさんは、もうとっくの昔に総入れ歯になっているが
先日、話の中で「昔、私は反っ歯だった」とのKさんの言葉に、
母の心臓はドッキ〜ン! 飛び上がるほどビックリしたそうだ。
(両手で胸を抑えて、飛び上がる仕草をする母)

あの時のことを思い出してしまったから・・・

・・・って、もう50年前のことやん。半世紀も昔やのに・・・

今でも母をドキッとさせるなんて、そんなに重大な過失だったのかなあ。

たしかに、親しいとは言っても12歳という年齢差、
当時三十代になったばかりの母は、とても気を使ったのだろう。

ご当人のKさんは、覚えておられるだろうか(きっと、覚えているよね)


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