Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1サンマリノグランプリ
2004年04月22日(木)

 今週はF1サンマリノグランプリウィーク。木曜日の定例記者会見に、佐藤琢磨(BAR・ホンダ)とミハエル・シューマッハ(フェラーリ)の2人が参加しました。

佐藤琢磨は「あなたにとってこのシーズンはどうですか?」という質問に対し、「これまでの3レース、僕にとっては決してイージーなものじゃなかったけれど、でもマシンはとても良くて力強いのでほんとうに満足しているよ。シーズンの始めはもっとナーバスだったんだ。でもマシンは確実に大きなポテンシャルを持っていたし、バーレーンではとてもエキサイティングなレースができた。これはナイスなことだよ。」と答えました。また「最初の2レース、あなたは過度なドライビングをしたと言われていましたが、それはもう解決されたことでしょうか?」という質問に対しては「それは難しい質問だね。ドライバーというのはいつでもできる限界で走ろうとするものだし、今年のルールでは予選前にわずかな周回しか許されない。だからそれで予選でパーフェクトな走りというのは難しいことだよね。」と答えました。

 琢磨へのインタビューはチームメイトのジェンソン・バトンにとの比較にも触れ、「バトンがポールリカールで一日に150ラップも周回しましたね。これはこのイモラに向けて、かなりいい徴候なのだと思われますが」という問いには「僕もミハエルと同様、最初はバルセロナでテストをして、それからポールリカールに行ったんだけれど、ジェンソンが2日間でおよそ300ラップを周回したのに対し、僕のほうは残念ながら嵐になってしまって計測できるようなラップをすることができなかったんだ。それでもヨーロッパラウンドについては自信があるし、とりわけここではね。」と答え、「ここまで3レースを終えてみて、今シーズンに対する自信をさらに深めたのではありませんか?」という問いには「たぶん、B.A.R・ホンダのパフォーマンスによるところが大きいんだろうね。われわれは冬の間中、懸命に仕事をこなしたからね。だからこうして実際に良いパフォーマンスを示せたことがとてもうれしいんだ。」と自信に満ちたコメントを残しました。

 今週は金曜日にフリー走行、土曜日に予選、そして日曜日に決勝が行われます。BAR・ホンダは今シーズン、ジェンソン・バトンが2戦連続で3位表彰台、琢磨も前戦バーレーンで5位入賞を果たし好調さを維持しています。琢磨の初表彰台が期待されるグランプリです。




 佐藤琢磨の評価
2004年04月21日(水)

 F1佐藤琢磨のドライバーとしての評価について、Barで激しい議論が続いていますが、その議論は平行線をたどったまま妥協点を見いだせません。F1の見方は人それぞれで、レース自体を楽しみたい人もいれば自分の応援するドライバーの活躍を見たい人もいる。F1チームを応援している人もいればドライバー個人を応援している人もいる。長くF1を見ている人もいれば最近になって見始めた人もいる。

 「F1を見る」というスタンスが人それそれ違う以上、考え方や捉え方も人それぞれなのは当たり前。だったら、お互いがお互いの意見を出し合って、お互いが言うことを理解していけばいいだけのことじゃないか!何も自分の意見を曲げろとは言わない。しかし、自分とは別の意見や考え方もあるということを知ることで、また違った見方ができるはずなんじゃないか?そうすることによって、よりF1の奥深い一面を知ることができるんじゃないか?議論とは本来、そういうものなんじゃないのか?

 以前にも似たような経験があった。僕が某掲示板である人の意見に対して反対意見を述べたことがある。「ミハエル・シューマッハが勝つために、チームメイトのルーベンス・バリチェロが順位を譲るのは当然」という意見に反論したとうものだ。ただそれだけのことなのに、なぜかミハエル・シューマッハを批判していると捉えられてしまい、僕1人だけが悪者扱いされてしまった。僕は今でも胸を張って言える。僕は間違ったことは言っていない。それなのに、議論の余地もなく僕は悪者にされ、挙げ句の果てに僕の人間性まで疑われてしまった。

 今回も1人の人が琢磨に対しての固執した意見を押し通して、それを周りの人が反対する形となり、最終的にその1人の人だけが悪者になってしまうと言う結果を招いてしまった。僕は管理人として、もう少し両者をいい方向に持っていく方法があったのではないかと、今更ながら後悔している。
 見るスタンスや考え方、捉え方は違えど、同じF1というスポーツを愛する仲間同士じゃないか!誰の言うことが正しくて誰の言うことが間違っているということは全くないじゃないか!

 そもそも、僕のF1レポートや各所でのF1に関する意見は、そんなに批判的なのだろうか?僕は至って平等に、分け隔てなく俯瞰的に私見を述べているつもりだ。応援しているドライバーでも悪い点は指摘するし、そうでないドライバーでも目を見張るものがあればそれを評価している。ちゃんと読んでもらえば、決して悪い部分だけを指摘して良い部分を見ていないなんてことはないのは一目瞭然だ。しかし、中には「Makoさんのレポートは厳しすぎるから読めない」という人もいる。

 じゃあ何か?公式サイトのように、ただレースの過程だけを淡々と書き連ねろとでもいうのか?読む人の顔色をうかがって、読む人が喜びそうなことだけを書けというのか?批判的な部分は一切書かずにいい部分だけを書けというのか?そんなの、うちのF1レポートじゃない。僕の書くレポートが必ずしも正しいとは言わない。そんな横柄なことを言っているのではない。ただ、僕はあくまでも偏ったことは書いていないということ、そして、僕のような意見もあるということを、理解してもらいたい。そしてその上で、私はそうは思わない、と反論してくれればいい。

 うちで激しく議論を繰り広げてくれるのは一向に構わない。仮にそれで一時的に掲示板の雰囲気が険悪なムードになったとしても、最終的にお互いが納得し、充実した機会が持てるならそれでいい。僕は必ずしもBarに和気藹々としたムードだけを求めているわけではない。時には激しい論議が繰り広げられてもいいと思っている。しかし、議論する上で最低限のルールというものがある。自分の意見を明確に述べること、人の意見を理解すること、そして反芻することだ。また、議論を終えた後にわだかまりを持ってはならない。わだかまりができるくらいなら、最初から議論なんかするなということだ。




 静岡31℃
2004年04月20日(火)

 北日本を除いて晴天となった17日、関東や東海地方を中心に気温が上がり、最高気温は静岡市清水で30.7度を記録し、真夏日となりました。東京・大手町でも27.7℃を記録するなど、各地で夏日となったそうです。気象庁によると、日本列島が高気圧に覆われたうえ、南西から暖かい風が吹き込んだためだとか。17日の日本列島は大きな移動性高気圧に覆われた太平洋岸を中心に気温が上昇し、各地で今年最高を記録しました。各地の最高気温は東京27.7℃、熊谷29.2℃、名古屋26.8℃、津28.5℃など、関東、中部を中心に平年を10度近く上回り、日中は初夏並みの陽気となりました。

 そして今日、日本列島は低気圧に向かって暖かい空気が入り込んだ影響などで、関東から九州にかけて太平洋側を中心に晴れて気温が上昇。静岡は最高気温31.0℃、ほかの地域でも今年1番の気温を観測したそうです。午後3時までの各地の最高気温は秩父30.0℃、熊谷29.4℃、甲府29.0℃など関東甲信と東海を中心に7月上旬から下旬並みの暑さとなりました。

 静岡市は最高気温が31.0℃と4月の観測史上最高を更新し、17日に次いで今年2回目の真夏日となりました。元々静岡は、本州では他の県と比べて、冬は暖かく夏は涼しいという快適な気候でしたが、今日ばかりは静岡だけが4月としては最悪な気候でしたね、おかげで長袖のYシャツで仕事に出勤していた僕は、下がタンクトップなのでYシャツを脱ぐわけにもいかず、袖をまくって仕事周りをする羽目になってしまいました。こんなことなら下にTシャツを着ておけば良かったと思いました。天気予報をチェックしておくんだった。あまりに暑かったので、仕事の途中で仕事場にあるシャワーで汗を流してしまいました。

 自宅に帰ってきたら来たで、僕の住んでいるアパートは2階が僕の部屋で、その上は屋上なので部屋が暖められており、今年初めてクーラーを始動してしまいました。で、寒くなったらクーラーを止めようと思っていたのに、クーラーをつけたことでようやく通常の4月並みの室温になり、寝るときまでクーラーをつけていたことなど忘れていましたよまったく。




 雨男再び
2004年04月19日(月)

 昨日まであんなに晴れ渡っていたのに……今日も昼間ぱらっとは来たけどそれなりにいい天気だったのに……なぜ夜になり、僕が仕事場から自宅まで歩いて帰るまでのほんの数分間だけ、狂ったようなどしゃ降りになるのだろう。確かに夕方頃から雨は降り出してきた。しかしそれでも、傘を差して歩けば服も濡れない程度の雨足だった。それなのに!なぜ僕が仕事場のMacをとじ、仕事場のドアを開けて外に出た途端、「待っていました!」とばかりに黒澤映画並みの大雨が降り出すのだろう。

 今日は夜の10時頃に仕事を終え、仕事場のベランダから雨足を確認して、今なら帰れると確信して外に出たのに、外に出た途端急にどしゃ降りになって荒々しい雨が地面を打ち付けていました。地面に打ち付けられた雨は細かい雫となって跳ね返り、まるで霧が地面から発生しているかのような光景でした。おかげで僕は仕事場のあるビルの入口から一歩も出ることができずにしばらく雨宿りをする羽目になってしまいました。それならもう一度仕事場に戻ればいいじゃないかといわれそうですが、僕は仕事が終わったらさっさと自分の家に帰りたいたちで、仕事が終わって一度仕事場の外へ出たら、再び仕事場に戻りたくないのですよ。

 しばらく経っても雨は弱まる気配がないので、しかたがないので土砂降りの中傘を差し、自宅へと歩き始めることにしました。高さのあるブーツを履いているのにジーパンの裾は思いっきり濡れ、ジーパンの外に出しているYシャツの裾も思いっきり濡れ、僕は途中途中退避できる場所で立ち止まりながら、騙し騙しわずか数百メートルの距離を進みました。信号のあるところでは屋根のあるところに下がって、信号が青に変わるのを待ちました。そうやって苦労してびしょ濡れになりながら帰ってきたというのに、僕が自宅アパートに着いて傘を閉じた途端、空は「ちぇ!もう着きやがったのか!」と言わんばかりに雨足を弱めたのです。

 こういうことは今までにもよくありました。それまで雨が降っていなかったのに、僕が帰るときだけ雨が降り出して、自宅に着いた途端星空が広がり、お月様まで顔を出したこともあります。オレは映画の特殊効果のキッカケかい!確かに、僕は雨は嫌いではない!中途半端な曇りは嫌いだが、窓から眺める雨の景色、雨の中のドライブはどこか幻想的で好きだ!しかし!しかし!僕をいじめる意地悪な雨は嫌いだ〜〜〜〜!




 F1合同テストにおけるコースレコード
2004年04月18日(日)

 ポールリカール・サーキットでの合同テストが終了し、一通りのテストサーキットでの結果が出揃いましたね。昨年の最終戦日本グランプリ終了後から、F1では各所で合同テストが行われてきましたが、下にフェラーリの単独テストコースであるフィオラノ、ムジェロを除く各サーキットでのコースレコードを挙げてみました。

 ●ヘレス…………………K・ライコネン/マクラーレン・メルセデス
            1分16秒125(2004年1月11日樹立)
 ●カタロニア……………佐藤琢磨/BAR・ホンダ
            1分13秒797(2004年2月3日樹立)
 ●バレンシア……………K・ライコネン/マクラーレン・メルセデス
            1分08秒995(2004年2月19日樹立)
 ●シルバーストーン……J−P・モントーヤ/ウィリアムズ・BMW
            1分18秒998(2002年7月6日樹立)
 ●イモラ…………………M・シューマッハ/フェラーリ
            1分20秒441(2003年2月19日樹立)
 ●ポールリカール……… J・バトン/BAR・ホンダ
            1分06秒301(2004年4月15日樹立)  

 こうして見てみると、シルバーストーンでのモントーヤ、イモラでのシューマッハを除く6サーキット中4サーキットでマクラーレンとBARのマシンが名を連ねているのが興味深いですね。しかもシルバーストーンでのモントーヤのコースレコードは一昨年の初夏にマークされたもので、今年のマシンでは佐藤琢磨の1分19秒542がトップタイムです。つまり、今年のマシンで記録されたタイムだけに限定すれば、シューマッハが今年のマシンで2月に1分19秒664のトップタイムをマークしたイモラを除く全てのサーキットで、マクラーレンとBARが最速タイムをマークしているということになります。

 この結果、あくまでもテストだけを見る限り、フェラーリに次ぐ速さを備えているマシンは、BARとマクラーレンであるということがわかります。しかも本来マクラーレンが得意とし、スペイングランプリの舞台にもなっているカタロニアサーキットで佐藤琢磨がコースレコードを保持しているというのも素晴らしいですね。イギリスグランプリの舞台となっているシルバーストーンでも今年のマシンでは琢磨が最速、マクラーレンはレースではエンジンの信頼性に問題があるので、レースでは今後もBARがフェラーリを追うライバルの筆頭ということになりそうです。そしてそれは、フェラーリに何かあればBARにも優勝の可能性があると言うことになります。そのチーム初優勝をバトンが飾るか琢磨が飾るかはわかりませんが、今シーズンはそういった意味でもBARは最大の注目株と言えるでしょう。

 ちなみに今年の2月に行われたイモラでの合同テストには、BARは参加していませんでした。もしBARがイモラのテストに参加してコースレコードでも樹立したらもっと確実だったのですが、それは来週のサンマリノグランプリの舞台がイモラなので、その結果を見ることにしましょう。




 F1ポールリカール合同テスト(最終日)
2004年04月17日(土)

 ポールリカール・サーキットで行われている合同テストは16日、最終日となりました。しかしこの日は天候が荒れ、大変な強風が吹き荒れる始末で結局合同テストはキャンセルされることとなったようです。マクラーレンとルノーは最初からテストを回避、その他のチームも早々に引き上げる結果に。バトンによる連続のトップタイムでぜひとも走りたかったBARの佐藤琢磨も、わずかにスタート練習をした程度でコースを悪天候のため引き上げざるを得ませんでした。

 今回の合同テストでBAR・ホンダのバトンが1分6秒301というコースレコードを叩き出して、他のチームを圧倒しましたが、同じマシンに乗る佐藤琢磨のタイムアタックの結果をぜひ見たかったですね。琢磨はレースではバトンに比べて荒さが目立ちますが、テストではバトンに引けを取らない速さを見せていますし、何といってもカタロニアではコースレコードを保持していますからね。ポールリカールでの2つめのコースレコード樹立も大いに期待できたのですが、雨にたたられてしまい非常に残念でした。しかし、今回のテストでBARはタイヤとエアロダイナミックスに関する有益なデータを収集したようで、これから始まるヨーロッパ・ラウンドに向けて意義のあるテストとなったとしています。来週から開幕するF1ヨーロッパラウンド、琢磨の活躍に期待しましょう。




 F1ポールリカール合同テスト(3日目)
2004年04月16日(金)

 ポールリカール・サーキットで行われている合同テストは15日、3日目を迎えました。この日の気温は15度まで上昇。ほぼ晴れた天候のもと行われたこの日のテストでも、トップタイムをマークしたのは前日に引き続いて好調BARのバトンでした。新仕様のホンダ・エンジンと、改良されたエアロダイナミックスをテストしたとされるバトンのタイムは、再びこのコースのコースレコードを書き換える壮烈なものでした。2番手はこの日もマクラーレンのライコネン。そして3番手にはウィリアムズのピッツォニアが続きました。

 2日目に唯一1分6秒台の壁を破ったバトンが、さらにコンマ6秒以上もタイムを縮めてのコースレコード更新、バトン以外のドライバーは依然として1分6秒台を破ることができていないという状況、もはやBARがマクラーレン、ウィリアムズから1歩抜き出たのは疑う余地がないでしょう。今シーズンここまで飛躍的な進歩を遂げたBARを見ると、昨年までまったく活躍できなかったBARで苦しんでいたビルヌーヴが哀れでなりません。やはりビルヌーヴの高額な契約金がマシン開発の足かせになっていたんでしょうかねえ……。

 単純にマシンの速さだけを見ると、ウィリアムズのテストはレギュラードライバーによるものではないにしろ、マクラーレンとウィリアムズは拮抗しているように思われます。それを考えるとここまでの3戦を見る限り、やはりマクラーレンの不振はエンジンの信頼性によるものである可能性が非常に高いと言えますね。今年からレース中の各マシンの回転数が表示されるようになりましたが、マクラーレンは意図的に回転数をセーブして走行しているのが一目瞭然ですから、ドライバーのストレスは相当なものでしょう。

 ポールリカール合同テストは現地時間の今日が最終日、はたしてどんな結果が待っているのでしょうか、楽しみです。




 F1ポールリカール合同テスト(2日目)
2004年04月15日(木)

●「F1バーレーングランプリレポート」をアップ

 先々週に行われたF1グランプリ第3戦バーレーングランプリのレポートをようやくアップすることができました。今回は次の第4戦サンマリノグランプリが3週間後に開催されるということにかまけてアップが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。BarM−NESTで琢磨の走りに対して様々な意見が出ましたが、基本的に僕の琢磨に対する評価は変わっておりません。今後も日本人だから甘く見るのではなく、むしろ期待しているからこそ厳しく、あくまで俯瞰的な観点から、公平な立場で私見を述べていきたいと思っております。僕のF1レポートのスタンスは開設当初から一貫して変わっておりませんので、そのつもりでお読みください。言うまでもありませんが、あくまでも僕の私見なので、僕が書いたことが必ずしも正しいわけではないと言うことをご理解いただきたく思います。「私はそうは思わない」といった反論などありましたら、BarM−NESTに遠慮なくお書きください。

 さて、話は変わりましてポールリカール・サーキットで行われている合同テスト、14日に2日目を迎え、この日からウィリアムズ、ルノー、BAR、そしてジャガーの4チームが新たに加わって行われました。良好なコンディションのもとトップタイムをマークしたのはシーズン前から好調が続くBARのバトンで、トータル141ラップを周回した006はただ1台、1分6秒台に入る1分6秒930というコースレコードを叩き出しました。これにマクラーレンのライコネン、クルサードの2台が続き、さらにウィリアムズのジェネ、そしてルノーのアロンソとモンターニュという順番でした。

 マクラーレンの2台、そしてウィリアムズのジェネまでが1日目にクルサードがマークしたコースレコードを更新しましたが、BARのバトンだけが1分6秒台、しかも2位ライコネンにコンマ5秒もの大差を付けてのコースレコード樹立、これは本格的にBARのマクラーレン越えを印象づける結果ですね。マクラーレンも決して遅くはないのですが、それよりもBARの進化の方が上回っているといった状況でしょう。しかも今年のホンダエンジンはマクラーレンの搭載するメルセデスよりもはるかに信頼性があるので、それがレースでも如実に現れていると思います。バトンの2戦連続表彰台がそれを証明していますね。




 F1ポールリカール合同テスト(1日目)
2004年04月14日(水)

 昨日はマクラーレンとメルセデスの不協和音についてお話ししましたが、普段トヨタ・チームがホームとしているフランスのポールリカール・サーキットで、13日から合同テストが行われています。初日から参加したのはマクラーレンとトヨタの2チームだけで、様々なコース設定が可能なこのハイテク・サーキットで、今回使われたのは『2Eバージョン』と呼ばれる1周4.115キロのコース。

 マクラーレンはクルサードとライコネンの2人が参加、トヨタはダ・マッタとテストドライバーのブリスコーが参加しましたが、ベストタイムを記録したのはクルサードで、自身が昨年MP4−17Dで記録したこのコースのレコードタイムを早くも更新する1分7秒833をMP4−19でマークしました。

 うーん、何だか摩訶不思議な現象が続いていますねマクラーレン。レースでは予選、決勝ともぱっとしないタイムなのに、テストでは相変わらずコースレコードを叩き出していますからねえ。まあ1日目はまだトヨタと2チームだけのテストなので、2日目以降他のチームが合流してみないと、マクラーレンがトップチームの中でどれほどの速さを持っているのかは比較できませんがね。やはり昨日僕が書いたとおり、テストではエンジンを思いっきり回せるので本来のスピードを出せるということなんでしょうか。明日以降のテストにも注目です。




 マクラーレン&メルセデスに不協和音
2004年04月13日(火)

 F1シーズンが始まって、思わぬ不振にあえぐマクラーレン・メルセデスに不協和音が聞こえているようです。マクラーレン側からは、メルセデス(イルモア)・エンジンのパワー不足、信頼性の欠如が指摘される一方、メルセデス側からはマクラーレンの製作したシャシーがMP4−18、MP4−19と連続して失敗作であるとの痛烈な非難が向けられているようです。すでにスタッフの異動(大ナタ)も行われていると伝えられ、早急にパフォーマンスの改善が図られない場合、1995年以来続いた両者の蜜月にもヒビが入りかねない状況らしい。

 思えばメルセデスエンジンの信頼性不足はミカ・ハッキネンが初タイトルを獲得した1998年後半から続いていますから、5年以上もそんな状態が続いているような気がします。僕が思うに、問題はシャシーではなくエンジンにあると思うのですが、どうなんでしょうかね。今シーズンの3戦はともかくとして、1998年から2003年までのマクラーレンのレースを見てみると、トップ走行中にエンジントラブルでリタイヤするというケースが多く見られ、「マシンは速いがエンジンが壊れやすい」というイメージが付きまとっているんですよね。ですから見る側としても、マクラーレンのマシンがトップを走っていても、フェラーリのマシンの同じ状況を見るのとは違い、最後まではらはらしてしかたがなかったですからね。

 正直言うと、メルセデスが今回批判している「MP4−18、MP4−19は失敗作」というのはいかがなもんだろうと思っているんです。現にマクラーレンのマシンはオフシーズンやインターバルのテストではいいタイムを出していますからね。これはおそらく、今シーズンからのレギュレーションが大きく影響していると思うのです。
 僕の推測に過ぎませんが、テストではエンジンが壊れても積み替えができるので、回転数を最大まで上げてアタックすることできる。しかしレースウィークでは原則的に1ドライバーにつき1グランプリ1エンジンしか使うことができず、エンジンにトラブルが起きてエンジンを積み替えたら、その時点でスターティンググリッドが10番手下がってしまうため、信頼性に不安を抱えるエンジンではおっかなくて思い切って回転数を上げたアタックをすることができない。だからテストの時はいいタイムを出せても、レースでは思うようなタイムを出せないのではないだろうかと。

 現にライコネンはこの間のバーレーングランプリで、エンジンを積み替えて最後尾からスタートしたにもかかわらず結局エンジントラブルでリタイヤしていますからね、新しいエンジンに積み替えているのにそれが1レース持たないというのはどういうことやねんという話ですよ。間違いなくレースではクルサードよりもライコネンの方が果敢に攻めていると思うんですよ、ペースもライコネンの方が速いですから。だからライコネンばかりにエンジントラブルが起こって、クルサードには起こらないという状況が続いているんだと思うのです。

 マクラーレンは思い切ってエンジンをスイッチした方が今後のためにはいいのかもしれませんね。もしマクラーレンがメルセデスとの関係に終止符を打ってエンジンを換えるのであれば、ぜひともホンダエンジンを載せて欲しいですね。まあ当分は実現しない話だと思いますけどね。いくらいいエンジンに積み替えてもシャシーとのバランスが安定するのに時間がかかりますから、マクラーレンもそう簡単にはギャンブルには出られませんからねえ。


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