Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 琢磨ポールポジションの可能性が……
2004年07月02日(金)

(昨日の続き)

 6月29、30日付のVoiceで、イギリスグランプリからの新予選方式導入が破棄されたという記事を書きましたが、僕は個人的にこの決定は大いに残念でした。なぜなら、もしイギリスグランプリから新しい予選方式が導入されていたとしたら、空のタンクでアタックでき、しかもアタックのチャンスが何度かあるので、イギリスグランプリの舞台シルバーストーンサーキットでコースレコードを持っている佐藤琢磨が、日本人初のポールポジションを獲得する可能性が非常に高いと思っていたからです。

 僕の予想では、今シーズン、琢磨が唯一ポールポジションあるいは優勝できる可能性があるのは、新予選方式が導入されるイギリスグランプリしかないと考えていました。しかしイギリスグランプリ以降も現行の予選方式が継続されることになり、その可能性は大きく下がってしまったと言わざるを得ません。もちろん琢磨はコースレコードホルダーですし、マシン的にもシルバーストーンは非常に相性がいいと思われるので依然として琢磨のポールポジションあるいは優勝の可能性は残されているわけですが……そういうときに限って何かしらミスやトラブルが出てしまうんですよねえ……。ワンチャンスしかない現状ではちょっとしたミスが命取りとなりますが、新予選方式なら1回ぐらいミスっても次挽回したら何とかなるかなと思っていたんですけどね。

 ……いやいや、しかしそれでもイギリス、何とか琢磨には2度目の表彰台に上がってもらいたいものですね。期待しています。……え?その前に今週末フランスグランプリがあるだろって?……フランスは、間違いなくシューマッハでしょう。




 Makoが提案する予選方式
2004年07月01日(木)

(昨日の続き)

 それではどんな予選が理想なのか、僕なりに提案してみたいと思います。題して!今日の題名の通り!
 まず予選は金曜日と土曜日の2回のセッションに分けて、それぞれ現行と同様1台ずつ順番に1発勝負のアタックを行います。ここまでは日程以外は現行の予選方式と同じですが、僕の案では、1回目の予選も2回目の予選も決勝でのスターティンググリッドに影響します。つまり2回のアタックで速い方のタイムが予選タイムとなるわけです。

 出走の順番は1回目も2回目も前戦での決勝結果順で出走します。つまり、コースが汚れている早い時期に出走する上位のマシンは不利な状況になるわけですが、それは前戦でいい結果を残しているのでハンディキャップを背負う、という考え方ですね。下位に行くほどコースコンディションが良くなっていくというのは、下位チームにとっては願ってもないことでしょう。それぐらいのハンディは与えてあげないとね。
 そしてもちろん予選終了後の燃料補給やセッティング変更は可能!つまり各マシンは予選バージョンのセッティングで予選アタックに臨み、全車空タンクでのタイムアタックができるというわけです。

 どうですか?この案でしたら全ての問題が一気に解決するとは思いませんか?各セッション一発勝負という点でワンミスが許されないという緊張感はそのままに、それでもセッション自体は2回あるので失敗してももう1チャンスある。そして2回ともスターティンググリッドに影響するので、おそらくほとんどのマシンはどちらのセッションでも本気でアタックをすることでしょう。土曜日に焦点を絞ったとしても、土曜日に突然天候が悪化する可能性だってあるわけですからね。1台ずつのアタックというのは変わりませんから、下位チームにとってもテレビに映る機会が減ることはなく、さらに全車クリアラップでのアタックが可能です。そして順番が決まっているのでセッション中の空白の時間もありません。何といっても予選専用のマシンでアタックができるわけですから、「最速決定戦」という予選本来の意味合いは失われないことになりますね。

 さらに、本気の一発勝負が2回あるわけですから、予選はかつてのようにさらにドラマチックな展開になるでしょう。例えば金曜日の1回目のアタックでミハエル・シューマッハが驚異的なタイムを出して暫定トップに立っても、他のライバルチームは土曜日に、そのミハエルのタイムに挑むチャンスが与えられるわけです。当然ライバル達はどうやってそのミハエルの驚異的なタイムに挑もうかと対策を練ってくるでしょうし、ミハエルはミハエルでさらにタイムを縮めようとするでしょう。予選を金曜と土曜に分けたのは、1回目のアタックでの結果を踏まえた、2回目のアタックのための準備期間を与えるという意味合いも持っています。ですからライバルチームは金曜日の時点で暫定トップタイムをターゲットとし、金曜日のセッション終了後、そして土曜日の午前中でじっくりとセッティングを煮詰めていけるというわけです。いかがでしょうか?もしこの案に関してのご意見がありましたらBarにお寄せ下さい。

(さらにつづく)




 F1現行予選方式の長所と短所
2004年06月30日(水)

(昨日の続き)

 現行の1発勝負の予選方式は昨シーズンから採用されましたが、当然採用されただけあって長所もあるわけです。僕なりに長所を挙げるとすれば、まず全車が1台ずつ順番にアタックするわけですから、2002年までの予選と違い、全てのドライバーが他車のいない完全なクリアトラフィックの中でアタックができます。2002年までは各車が自由にそれぞれのタイミングでコースインしてアタックをしていましたから、遅いマシンに邪魔されてタイムをロスしてしまったりということもありましたが、現行の予選ではそれがありません。

 また1発勝負という点では、どんなに速いマシンやドライバーでもちょっとしたミスでタイムをロスすることもあり、それによって波乱が生まれることもあります。また2回目の予選での出走順は決まっているため、例えば下位のマシンがアタックしているときには晴れていたのに、上位陣がアタックするセッション終盤になって突然雨が降り出したりしたら、当然雨の中でのアタックを強いられる上位陣はまともなタイムを出せなくなりますから、決勝グリッドは予想外のものとなるでしょう。燃料の搭載量も予選タイムに影響するので、現状の予選では極端な話、決勝でのピット戦略を無視して空タンクでアタックすれば、少なくとも今までポールポジションには縁のなかったチームがポールポジションを獲得する可能性すらあります。そういう意外性があるという意味では、長所といえば長所と言えなくもないですね。

 さらに昨日も少し書きましたが、1台ずつの予選では各マシンが均等にテレビに映りますので、普段ほとんどテレビ画面に映ることがない下位チームのマシンもテレビに映る機会が増え、下位チームをサポートしているスポンサー的には大きな利点となるでしょう。そしてテレビ放映に関連したことでは、1台ずつの予選では、セッション中常にマシンが走っているため、予選を放送するにも間延びすることがないのが長所と言えます。

 では、短所はどこか。それはいうまでもなく、1回目の予選、つまり2回目の予選での出走順を決めるためだけの予選が、はっきり言ってまったく不要ですね。当然どのチームも2回目の予選を見据えた最終的な「調整」という意味合いにしか捉えていませんから、1回目の予選ではほとんどのマシンが本気で走らないでしょう。1回目の予選で無理して走ってうっかりマシンを壊してしまい、2回目の予選で走れなくなってしまったら大変ですからね。そして決勝で走る分の燃料を搭載してのアタック、この点に関しても、先程述べたように「意外性」を求めるならば長所とも言えますが、僕的にはやはり予選は「最速決定戦」として決勝とはまた違った醍醐味を楽しんでいましたので、速いマシンが燃料を多く積んでタイムが落ちる、つまり「速いマシンが速くない」という今の方式は反対です。

(さらにつづく)




 F1新予選方式、土壇場で否決
2004年06月29日(火)

 7月9日から開催されるF1第11戦イギリスグランプリから予選方式が変更されることになっていたのですが、その決定が覆り、新しい予選方式の案が否決され、イギリスグランプリ以降も現行のままの予選方式が継続されることになりました。

 現行の予選では土曜日に2階の予選が行われ、1回目の予選は2回目の予選での出走順を決めるためだけの予選、そして2回目の予選のタイムで決勝でのスターティンググリッドが決定します。しかしこの2回の予選はいずれも1台ずつによる1発勝負のアタック。しかも2回目の予選後は決勝スタートまでマシンに触ることができないため、ガソリンも決勝で最初のピットストップまでを走る分を搭載しての予選となり、その搭載量は決勝での戦略によって各チーム様々で、現行の予選は必ずしも速いマシンが上位に来るとは限らないものとなっています。

 一方、今回否決された新しい予選方式は、2回の予選で各マシンが自由にアタックを行い、そのもっとも速いタイムを予選タイムとするものでした。しかも予選終了後も燃料補給が可能なので、各マシンは空に近い燃料タンク、つまりもっとも軽い状態のマシンでアタックすることができるため、以前のように予選セッションも純粋な「最速決定戦」として、決勝レースとはまた違った醍醐味が楽しめるものでした。

 今回の突然不採用となった背景には、現行では1台ずつのアタックであるためテレビ画面に映し出されていた下位チームのマシンが新方式では写らなくなり、スポンサーへの影響が懸念されたと見られています。また新方式で2002年までの107%ルールが復活すれば、異次元的な速さを持つフェラーリのポールタイムに対し、常に最後尾スタートのミナルディがその107%以内のタイムを出すことは困難となり、ミナルディが2台揃って予選落ちとなってしまう可能性も影響したと思われます。現在のF1ではコンコルド協定により、シーズン中の大幅なルール変更は、各チームのチーム代表全ての賛成が得られない限りできないことになっています。以前はイギリスグランプリからの新予選方式導入に全チームが賛成していましたが、土壇場になってジョーダンとミナルディが反対したと言われています。

 また、テレビ局側も新予選方式には反対だったそうです。25分間のセッションが2回行われる新方式では、コース状況が最も良くなるまでほとんどのトップチームがアタックを行わないと予想され、各セッションの終盤に一斉に登場することになります。「相当熟練したテレビプロデューサーでなければ状況を見失ってしまうだろう」と某テレビ関係者は語っています。また、コースが空になる“空白の時間”も心配されています。

(つづく)




 アンケート追加
2004年06月28日(月)

 26日に設置した「QUESTION」のアンケートを追加しました。「M−NEST・好きなコーナーは?」と「F1・琢磨は今季優勝できるか?」です。また、アンケートではありませんが「BarM−NEST・ナイスボケダービー」という企画も追加しました。

 「M−NEST・好きなコーナーは?」は、M−NESTを代表する各コーナーの中で、あなたの好きなコーナーに投票して下さい。このアンケートは複数回答OKです。ただし同一項目に対して複数表投票するのは禁止です。複数票投票できてしまうのですが、禁止です。「F1・琢磨は今季優勝できるか?」は、「できる」と「できない」のどちらかに投票して下さい。新たに項目を追加することはできません。

 そして「BarM−NEST・ナイスボケダービー」ですが、こちらはアンケートとしてはすでに終了していることになっていて投票もできなくなっていますが、これはBarでのカキコに連動した企画でして、Barでのカキコで面白いボケやツッコミを披露した人に、僕が独断で点数を進呈するという企画です。点数の単位は「ボケー」で、点数を獲得した皆さんの総獲得数が「BarM−NEST・ナイスボケダービー」に加算されていくというわけです。是非皆さん、100ボケー目指して面白いボケをかまして下さい。今のところ100ボケーに到達した方への記念品は、特に何も考えておりませんので、あらかじめご了承下さい。




 「シュレック」を観る
2004年06月27日(日)

 現在公開中のドリームワークスのアニメ映画「シュレック2」の1作目「シュレック」をビデオで観ました。元々僕はディズニー映画や宮崎アニメなどは好きで、ディズニー映画では「美女と野獣」「アラジン」「ライオンキング」「トイストーリー」「モンスターズインク」などは映画館に観に行ったりしました。「シュレック」はディズニー映画ではありませんが、系統はそれに近い作品ですし、数々の賞も受賞して結構話題になっている映画ですから、2作目を観る前に1作目を観ておこうと思ったわけです。

 今回はあえて日本語吹替版を借りてきました。オリジナルでは主役のシュレック役を「オースティン・パワーズ」のマイク・マイヤーズ、喋るロバ・ドンキー役をエディ・マーフィー、フィオナ姫をキャメロン・ディアスが演じていますが、日本語吹替版ではシュレック役をダウンタウンの浜ちゃん、フィオナ姫役を藤原紀香が演じています。フィオナ姫に関してはその容姿が僕的にはむしろキャメロン・ディアスよりも藤原紀香に似ていると思っていたのであまり違和感がありませんでしたが、シュレック役の浜ちゃんがピッタリと役にはまっていたのが興味深かったです。しかも吹替版のシュレックは、コテコテの関西弁ですからねえ!関西弁を喋る欧米の怪物なんて聞いたことがないですが、これが意外にもまったく違和感がなかったんですよ。あえて関西弁で喋らせたことで、浜ちゃんのリラックスした感じがシュレックのキャラとうまくマッチして、いい雰囲気を醸し出すことに成功していると思いました。
 ドンキー役の山寺宏一は元々声優さんですし、オリジナルの声を担当しているエディ・マーフィーの声も演じているのでまったく違和感なく、こういったキャラはお手のものといった感じでした。ファークアード卿というキャラはジョン・リスゴーが演じていますが、吹替版ではベテラン俳優の伊武雅刀が担当し、さすがにベテランだけあってジョン・リスゴーも超えるほどの性格俳優ぶりを見事に発揮していました。

 実際映画を観てみると、アニメとは思えないほどのリアルな質感にまず驚かされます。人間、特にフィオナ姫の肌の質感は実際の人間の肌に近い、とても透明感のある、光が凹凸によって乱反射する感じがすごかったですね。またキャラクター達の豊かな表情にも注目です。まるで本当に骨格があり、その骨格の上を肌が覆っていてシワや動きを見せているかのような精密さです。もちろん喋るときの唇の動きも、神経や血が通った、命のあるキャラクターのようでした。

 ストーリーに関しては、「ロード・オブ・ザ・リング」ほどの大スペクタクルな冒険をするわけではありませんが、笑いあり、涙ありと、むしろ心に訴えてくるような、この手のアニメ映画特有の温かさがありました。僕に子供がいたら絶対に見せたい映画ですね。愛に満ちあふれた、それでいて可笑しな21世紀のおとぎ話、皆さんもたまには温かい気持ちになってみませんか?「シュレック2」は是非とも劇場で観たいと思っています




 M-NESTから皆様へのアンケートコーナー
2004年06月26日(土)

●BarM−NESTに「QUESTION」開設

 皆様に様々なアンケートのお答えいただくために、またBarでの話題のネタにできるように(Voiceのネタにもできるように)、「QUESTION」というアンケートコーナーを開設いたしました。このコーナーは各種アンケートで皆様にどれかひとつの項目に投票していただくという形式でして、正確なデータを取りたいので、基本的には同一人物による重複投稿は禁止です(一部重複OKのものもあり)。またアンケートによっては、自分が投票したい項目がない場合、新たに任意の投票対象となる項目を作成することもできます。例えば現在「F1フランス・琢磨の決勝順位は?」と「マツダイラ・もっとも好きなキャラは?」という2つのアンケートをおこなっていますが、前者では初期の項目にない11位以降の順位、後者では初期の項目にはない、例えばちょこっとだけ登場したキャラとかを追加したりできるというわけです。また、同一人物が重複して投票することはできなくても、「以前はこの項目に投票したけどやっぱりこの項目に変えたい」というときは、新たに別の項目に投票して下されば、自動的に以前に投票した項目から1票減算されます。

 今後はアンケートをどんどん増やしていきますので、Barでの話題のネタとして皆様に活用していただければと考えています。基本的に閲覧者はもちろん、管理人である僕も「誰がどれに投票したか」というのはわからないようになっていますので、ROMを専門にしていらっしゃる方も安心してお気軽にご投票下さい。




 「ミニミニ大作戦」を観る
2004年06月25日(金)

 これも少し前の話になりますが、昨年公開された「ミニミニ大作戦」という映画をビデオで観ました。世界中で人気を誇る赤、青、白の最新型ミニクーパーがハリウッドの名所、ウォーク・オブ・フェイムを疾走します。さらに地下鉄のホームや線路、トンネルの中など、普通では考えられない場所を、ミニしか通ることのできない逃走路を駆使したカーチェイスが繰り広げられます。総制作費130億円という巨額を投じてベニス、アルプス、フィラデルフィア、ロサンゼルスの市街地で大規模な撮影を敢行し、そのあまりの規模の撮影とド派手なアクションシーンによって、今後ベニスでの映画撮影が一切禁止となってしまう事態になり、そのスケールは公開前から世界中で話題となっていたそうです。CGに頼らない、生身の持つ力を最大限活かしたスリリングなアクションがふんだんに盛り込まれています。

 キャストはあの「PLANET OF THE APES/猿の惑星」で主演を演じたマーク・ウォールバーグ、「サイダーハウスルール」や日本ではホンダ・ライフのCMでも知られるシャーリーズ・セロン、「ファイトクラブ」のエドワード・ノートン、「オースティン・パワーズ」シリーズでドクター・イービルの息子役を演じたセス・グリーン、「トランスポーター」で主演を演じたジェイソン・ステイサム、そしてハリウッドのベテラン俳優、「スペースカウボーイ」などのドナルド・サザーランド(キーファ・サザーランドのお父さん)とまさに豪華メンバー!

 こんな豪華な顔ぶれが揃い、しかもチューンナップされた最新型ミニクーパーを駆って華麗な金塊強奪に挑むなんて、何て僕の興味をそそる映画でしょうか。数々のカーアクションを観てきましたが、小振りで小回りの利くミニが様々な場所で暴れまくり、考えられないような意外な場所を逃走路に選び疾走していく様は、観ていてとても爽快でした。ミニクーパーがそれまでのモデルから大きくモデルチェンジした当初は、現代的なフォルムと顔になってしまい、正直大きくイメージが変わってしまってかなり違和感がありました。しかし最近は色々な場所で走っている姿を目にすることが多くなったので慣れてきたのか、「新型もなかなかいいやん!」とまったくこだわりを感じられない印象を持ってしまいました。やっぱり例え現代的に生まれ変わっても、ミニはミニ、可愛くておしゃれで華麗というイメージは、全然損なわれていないんですよね。




 「デイ・アフター・トゥモロー」を観る
2004年06月24日(木)

 少し前の話になりますが、現在公開中の映画「デイ・アフター・トゥモロー」を観てきました。監督は「インディペンデンスデイ」のローランド・エメリッヒ監督。地球温暖化で近い将来現実となりうる地球規模の大災害、そして氷河期を、誰も体験したことのない驚異の映像で描いているこの作品、「インディペンデンスデイ」では異星人による攻撃で地球が破壊されましたが、今度はさらに強力な破壊力を持った「自然」が襲いかかります。今までのパニック映画では、外的驚異を阻止するドラマが展開されてきましたが、この映画では阻止することのできない驚異(大・自然災害)が襲いかかり、それを受けた後の衝撃の世界「氷河期」が描かれます。

 昔、ジャズシンガーの阿川康子が、水没した都会の風景の中で立ちつくし、「コピーは三田」というナレーションで有名になった「三田」(現・京セラミタ)というOA機器のCM、覚えていますか?たぶん20年ぐらい前に流れていたと思うのですが。僕は子供ながらにあのCMを観て、「世界の終わり」とか「文明の終焉」といった終末的な映像に何となく惹かれてしまったんですよね。

 現実にはまだ遠い先の世界なのかもしれませんが、おそらく僕たちはその光景を、実際に目の当たりにすることができませんし、そんな日のことなど考えることもほとんどありませんよね。しかし、映画の世界は年々SFXやCGが進化し、今ではいともたやすく、それも非常にリアルにその光景を再現することができます。映画ではビルが破壊されたり、船が沈没したり、飛行機が落ちたりといった危機的状況が多く登場しますが、世界そのものが破壊され無惨な姿になると言うのは、その中でも最大規模のものと言っていいでしょう。今回この映画を観たのは、そういった現実にはかなり未来の、大都会の代名詞ともいえるニューヨークの終末の光景というものを体験したかったというのが一番の理由でした。どこか別の星の近未来的な都市ではなく、僕たちがニュースや写真、それに映画などで見慣れている実在の風景が氷河期に覆われてしまうと言うのは、やはりかなり印象的でした。

 「猿の惑星」(オリジナル)を初めて観たときに、そのラストで自由の女神が砂に埋もれていたシーンが未だに印象深いですが、今回観た「デイ・アフター・トゥモロー」もそれに近い印象がありますね。今回は自由の女神が砂ではなく雪に覆われてしまいます。アメリカの反映の象徴とも言える自由の女神が、胸の辺りまで雪に埋もれてひっそりと佇んでいるという光景は、衝撃を通り越し、文明の儚さ、そして古代遺跡を訪れたときに似た、ある種の安らぎのような感覚すら覚えました。もちろん「デイ・アフター・トゥモロー」はパニック映画ですから、普段と変わらないニューヨークの街並みが、大規模な自然災害によって氷河期へと変貌していく様はまさに悪夢のような無惨な光景ではありますが、僕はやはり、その激しいシーンよりも嵐が過ぎ去った後の光景の方が印象深かったです。

 ところで、よくビデオレンタル屋に行くといつも目に留まって気になっている映画があります。それは「エンド・オブ・ザ・ワールド」(シュワちゃん主演の「エンド・オブ・デイズ」ではない)という映画で、パッケージにはやはり自由の女神が、しかしそれは砂でも雪でもなく、深い森の木々に覆われてしまっているものです。ネヴィル・シュート『渚にて』が原作で、ストーリーを読むと、台湾をめぐって米国と中国が核戦争を起こして北半球は死滅してしまい、オーストラリアへも徐々に放射能雲が南下してきている。そこに生き残った米原子力潜水艦がやってきて、オーストラリア海軍の指揮下に入るというもの。科学者から放射能は南半球には至らないという説と、北半球の北部はもう安全だという説が出る。そこにアンカレッジから毎日、決まった時刻にメールが送られてくる。文字化けで文面は読めない。そこで艦長にアンカレッジまで行って調査するよう命令が下るというちょっとミステリアスな部分も含んでいそうな内容です。まだこの映画を観てはいないのですが、誰かもう観られた方はいらっしゃいますか?



「デイ・アフター・トゥモロー」




 佐藤琢磨登場!
2004年06月23日(水)

●「グランプリの肖像」最新作、佐藤琢磨をアップ

 さあ!Barでも予告しましたが、久しぶりに「グランプリの肖像」を更新いたしました!今回の作品は先週末におこなわれたF1第9戦アメリカグランプリで見事3位表彰台を獲得した佐藤琢磨です!これでようやく6枚の作品が並ぶことになりましたね。リクエストを受けているものは、あと9枚ですか……うーむ、先はまだまだ長いですねえ。

 それにしても、こうやってできあがった6枚を並べてみてみると、シューマッハ以外見事に右向きの表情ですねえ……。やっぱり利き腕と同じ右向きの顔の方が描きやすいんですよね。マンガを描くときでも、同じキャラクターでも右向きと左向きで全く別人になってしまって苦労したことがあります。自分の利き腕と逆向きの顔って、どうもデッサンが狂ってしまうんですよ。しかしまあ、そんなこと言って左向きの顔から逃げていたらいつまで経っても絵は上達しませんので、これからのラインナップはなるべく左向きの写真を探してチャレンジしてみたいと思います。

 今回の作品「#007佐藤琢磨」に対するご意見ご感想を、Barおよびメールにてお待ちしております。ぜひ皆様の率直なご感想をお寄せ下さい。次のジャック・ビルヌーヴは……なるべく間を空けずにアップしたいと思っておりますので、気長に待っていてくださいね。


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