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■ エイプリルフール
2005年04月01日(金)
エイプリルフールとは、毎年4月1日には人をからかうような、害のない嘘をついてもよい日として日本でも定着している風習ですよね。この日には、新聞やインターネットで趣向を凝らしたネタが一斉に公開されますが、最近は、まじめな記事の中にもネタが入っていることがあるので、注意が必要ですね。さて、このエイプリルフールの由来には、様々な説があるんですけが、今回は、その中の一つをご紹介いたしましょう。15世紀頃の北欧の一国スウェーデンでの話です。
スウェーデン北部の小さな貧しい村に、教会が1つだけありました。その教会には、オルセンという老神父がおり、村の人々からの信頼も厚く、素晴らしい神父でした。 ある夜、そのオルセン神父の教会へ、少年がやって来ました。「こんな夜更けに子供がどんな用か」とオルセン神父が聞くと、少年は「懺悔しに来た」とのことでした。そして、その少年は、オルセン神父にこう言いました。
「僕には病気で目の見えない姉がいます。小さい頃から視力が無く、苦労してきましたが、そんな姉が明日結婚することになりました。僕は目の見えない姉に『明日のために素晴らしい衣装を用意してある。また、明日は皆が祝福してくれる盛大な式が行われる』と告げました。でも、僕の家は貧しく、僕や両親がいくら働こうと、そのような盛大な式を催すことはできません。僕が今日、目の見えない姉を騙す嘘をついてしまったことをお許しください。そして、家に帰った後、僕は姉に同じ嘘をつきます。罪だと知りながら姉に嘘をついてしまう僕をお許しください。でも、僕は神様に約束します。たとえ衣装がどんなに汚くても、たとえ祝福してくれる人が少なくても、姉が自分の衣装がとても素敵で、そして大勢の人が祝福してくれていると錯覚するようなパーティーを演出すると。」
オルセン神父は、その少年に言いました。 「君が姉に嘘をつくのをためらう必要はない。今日という日は、神様が私たちに『嘘をついても許される日』として与えてくれた一日なんだ。だから、君が今日やったこと(嘘をついたこと)に対して、神様は君を罰しない。今日これからやること(嘘をつくこと)に対して、神様は君を咎めない。君は姉に『あなたが着るドレスは美しく素晴らしいものであり、あなたのために盛大なパーティーが催される』と告げてもよいのです。さあ、お行きなさい」 少年は自宅に帰り、オルセン神父に言われた通り、姉にドレスがいかに豪華で素敵なものか、どれだけ盛大なパーティーが開かれるか、告げました。
その日の深夜、オルセン神父が突然少年の家にやってきて言いました。 「こんばんは。君の神様に頼まれてやって来たんだ。神様からのプレゼントを受け取ってくれ。君のお姉さんの明日のドレスと、もう一つ、盛大なパーティーのための費用だ」オルセン神父は少年にドレスと大金を手渡し、そして帰り際に言いました。 「ああ、そうそう。『嘘をついても許される日』は今日だけだ。明日の結婚式の日には、君はお姉さんに真実を言わねばならない。『あなたの着るドレスは美しく、そしてあなたのために盛大な式が行われている』と」そう言い残して、オルセン神父は少年の家を去ったそうです。 翌日、少年の姉の結婚式が行われました。美しいドレスを身に纏った盲目の女性が主役の、盛大な結婚式でした。
オルセン神父が「嘘をついても許される日」と少年に言った日が4月1日。そして少年の姉の結婚式が行われた日が、その翌日4月2日だったそうです。そういうわけで、4月1日は現在も「嘘をついても許される日=エイプリルフール」として残されており、また、4月2日は本当は「嘘を真実にする日」という習慣もあるんですが、日本では誰も行ってないようです。悲しいですね。
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