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■ F1、BARに2戦出場停止処分!
2005年05月05日(木)
先日BAR・ホンダの「隠しタンク」による不正問題を書きましたが、今日、ついにその最終結論が出されましたね。FIAの国際控訴審裁判は、BARチームに対し「サンマリノグランプリの失格」と「2レース出場停止」という処分を下しました。処分は今回の違反対象となったジェンソン・バトン(3位)だけでなく佐藤琢磨(5位)にも適用されます。ただしサンマリノグランプリの結果自体に変更はないそうです。これによりBARは、今週末に行われる第5戦スペイングランプリと第6戦モナコグランプリに出場することができなくなりました。
なお、1年間の「謹慎期間」も付加されており、出場停止処分を受けてから1年の間にもし再犯があった場合には、さらに6ヶ月の出場停止処分が追加されることになるようです。
さてさて、今回のこの裁定ですが、琢磨ファン、ホンダファンの僕としては非常に残念な結果ではありますが、まあ、違反は違反ですから、仕方がない結果、そして極めて妥当な処分だったと言うべきでしょう。FIAが求めていた「今シーズンの残りの全レース除外」はちょっと厳しすぎるのではと思いましたが、公平な目で判断すれば、不正を犯したBARはそれ相応のペナルティを受けるべきですし、FIAとしてもBARを本当に完全にシーズンから除外してしまったら、残りすべてのレースを18台で開催しなくてはならないわけですから興行的にマイナスになるのは必至ですし、両者にとって一番いい落としどころだったのではないでしょうか。
今回の件でBARは何が悪かったのかもう一度おさらいしますと、まず事の発端であった、「レース後の車検でバトンのマシンの最低重量が規定より少なかった」のが、まずレギュレーションに違反していますね。このことだけならバトンだけに何らかのペナルティを与えれば事は済みます。 しかし、問題はこのバトンのマシンの違反によって発覚した「隠しタンク」の存在です。ですから、今回の裁定のうちの前戦サンマリノグランプリの失格は、規定最低重量違反を犯したマシンに乗っていたバトンだけでなく、それと全く同じ構造のマシンに乗る琢磨にも適用されたというわけです。至極当然のことですな。 BARはこの隠しタンクの存在を認めた上で、「もう一つのタンクはいわば車体の一部であり、レース中はいかなる時も規定最低重量を下回ることはなかった」と主張していますが、そもそも燃料タンクが単一ではないということが、すでに今シーズンのテクニカルレギュレーションに違反しています。つまり、第2のタンクが存在するという時点で、BARは有罪と言うことになるわけですね。
BARが悪意を持って、この隠しタンクを使ってレース中の規定最低重量を欺いてアドバンテージを得ようとしたかどうかは定かではありませんし、我々は知るよしもありません。しかし、サンマリノグランプリ後に車検を担当したスチュワードは、ジェンソン・バトンのマシンのバルクヘッドの裏に、フュエルチャンバーと呼ばれるものが隠されているのを発見しました。このチャンバーの存在は、燃料をバラストとして使用していることを隠そうとする意図を感じさせるものであり、さらに、燃料をバラストとして使っていたと考えると、給油の直前には規定重量を下回る状態で走行していた可能性も十分にあるとみられます。
F1はスポーツですから、ルールがある以上はルールに従うのが当たり前のこと。それを違反したBARは、罰せられて当然であると言えます。何でBARはこんな事をしてしまったのでしょうか。そのことが一番残念ですね。ドライバーが可愛そうです。それに、やっぱりBARというかホンダには、F1においてスポーツ精神に背くようなアンフェアなことはして欲しくないのです。応援するチームだからこそ、ホンダは健全であって欲しいと願っています。
……ま、公平な目で見れば、僕の見解はこんなものですね。ただ、純粋にファンの心情としては、やはりF1はヨーロッパの文化、ホンダやトヨタはいじめられる運命にあるんだなあとつくづく思います。FIAはBARのボロを見つけるチャンスを以前からうかがっていたように思います。しかしサンマリノ以前の3戦は、いずれもBARが完走できなかったために、BARのマシンを調べることができなかったわけですね。つまり、サンマリノでバトンが表彰台に登ったことで、FIAとしてはようやくBARのマシンを徹底的に調べる機会が巡ってきたというわけです。
しかし、きっと今回の不正を働いていたのがフェラーリだったら、FIAはまったくとがめることはなかったでしょうね。フェラーリやフェラーリファンがF1の興行収益に及ぼす影響は測りしれませんからねえ。だって考えてもご覧なさい、フェラーリのためにイタリアで2回グランプリを開催したいがために、イタリアグランプリの他にサンマリノグランプリがあるんですから……。
それにしても、ほんと残念な結果です。せっかくBARはサンマリノで好調さを取り戻し、その後のテストではマシン改良が功を奏してコースレコードを叩き出し、しかも今週末はBARが得意とするスペイングランプリだったのにねえ。自業自得と言われればそれまでなんですけどね……。
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