Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 「ムネオ新党」は有効なのだそうな
2005年09月06日(火)

 第44回衆議院総選挙は9月11日が投票日となりますが、今回の選挙はとても重要な選挙戦となることが予想されますね。さて、政党名で投票する衆院比例代表選挙で、政党名が正しい名称で表記されていない、いわゆる「疑問票」についての取り扱いも慎重になりそうです。この疑問票がどの政党を指しているのかわからない場合は無効となってしまうので、疑問票が多ければそれだけ投票結果にも影響を及ぼしてしまうことになりますね。総務省は疑問票の扱いについて見解を示し、各都道府県選挙管理委員会に通知したそうです。

 今回の選挙では、新たに3つの新党が届け出ていますが、届け出た3つの新党について、単なる「新党」「新」は一般名称として使われるため無効、代表名を記した新党は有効票としました。
 このため、北海道ブロックでの「新党大地」(鈴木宗男代表)は、「宗男新党」は有効票扱いとなるそうです。これは「ムネオ新党」とカタカナ表記しても同様です。しかし「宗男」だけでは、政党名の一部を含んでいないため、認められないのだそうです。

 ……「ムネオ新党」でもいいんだ……。

 東北、北信越、中国、九州各ブロックで届け出た国民新党(綿貫民輔代表)についても、「綿貫新党」は有効ですが、同党の有力メンバーである名前を付けた「亀井新党」は当然無効となります。一方、田中康夫長野県知事が代表を務める新党日本は「田中新党」「日本新党」「日本」は有効、しかし「日本(長野県知事)」は無効となります。

 さらに、新党以外では、公明党の神崎武法代表のCMから取った「イカンザキ公明」は「神崎代表の呼称ではない」として無効としています。

 ……「イカンザキ公明」でもわかると思うのだが……。

 ……ムネオはよくて、イカンザキはイカンのか……。



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 今年のF1をガンダムに例えると……
2005年09月05日(月)

 どうも、ガンダムヲタのMakoです。ヲタと言ってもそんなに詳しいわけではありません。さて、最近掲示板でガンダムネタが出ているので、今年のF1シーズンを「機動戦士ガンダム」に置き換えてわかりやすく解説しましょう。
 ただし、わかりやすくといっても「ガンダム」を知らない方にはさっぱり意味がわからない内容だと思いますので、例によって「ガンダム」を知らない方は読み飛ばしちゃって下さい。


■主なキャスト
 ・アムロ……アロンソ  (ルノーのニュータイプ・天然パーマ)
 ・ガルマ……ライコネン (マクラーレン家の末っ子・父のデニスが溺愛)
 ・シャア……シューマッハ(フェラーリの赤い彗星・派手な赤色が大好き)


ガルマ「ええい!なぜだ!なぜこれだけ速くてルノーに追いつけん!」
シャア「私が部下(バリチェロ)とフェラーリで出てみようか。」
ガルマ「おお!そうか!そうしてくれるか!」
シャア「どうした?いつになく興奮しているようだが……。
    タイトルのために功を焦るのはよくない、落ち着くんだ。」
ガルマ(……わたしが功を焦っているだと?タイトルのために……ばかいえ……)

ガルマ「私は、冷静だ──」

ガルマ「シャア、ルノーを見つけたらわたしに知らせろ。
    きみは手を下すな。わたしがマクラーレンで仕留める。」
シャア「こっちもそのつもりだ。お手並みを見せてもらうよ。」
ガルマ「たのむぞ、シャア。」

シャア「勝利の栄光を、きみに!!」


一方、ルノーを操るアムロは……


アムロ「フェラーリ2機接近!6時の方向か!」
シャア「フフフ、いたなルノー!」
アムロ「近い!どこだ!?」


アムロのルノーの前に突然現れる2機の赤いフェラーリ!
フェラーリがアムロのルノーに襲いかかる!
ルノーは必死で応戦するが、2対1で分が悪い!


アムロ「シャアもいる!早めに退いた方がいいな……」


後退するアムロのルノー!


シャア「よし!ガルマ!ルノーだ!そっちへ逃げたぞ!」
ガルマ「よくやったシャア!真後ろから仕留める!退路は断った!」

アムロ「なッ!後方からマクラーレン!ばかなッ!!」
ガルマ「スリップストリーム起動!攻撃用意!もらった!!」


その時!突然ガルマのマクラーレンの後方から火の手が上がる!
無理したのが祟り、エンジンに負担がかかり火を噴いたようだ!


ガルマ「わああッ!どうしたッ!……後方から爆発だと!?」

シャア「フフフ、ガルマ、聞こえていたら、きみの生まれの不幸を呪うがいい。」
ガルマ「な……シャア!わたしの不幸だとッ!?」
シャア「そうだ。信頼性不足のマクラーレンの子として生まれた不幸だ。」
ガルマ「シャア!おまえは……」
シャア「きみはいい友人だったが、きみのチームがいけないのだよ。
    ははははははははははははははははッ!」


ガルマ「シャア…謀ったな…シャア!!」


後方から炎が上がったままのマクラーレンでルノーに突進するガルマ!


アムロ「突っ込んでくる気かッ!!」

ガルマ「ルノーに体当たりしてやるッ!!」

アムロ「エンジンフルパワーッ!全速前進ッ!!」

ガルマ「マクラーレンに栄光あれえ!!」


ドッグオォォォン!

自滅するガルマのマクラーレン。
ガルマ、散る──。

(完)



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 F1イタリアグランプリ決勝
2005年09月04日(日)

 今日はF1第15戦イタリアグランプリの決勝が行われましたね。昨日の予選ではルノーのフェルナンド・アロンソと厳しいタイトル争いを演じているマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンがトップタイムをマークしましたが、ライコネンはその時点ですでにエンジンを交換しているため10グリッド降格が決定、今日の決勝では11番グリッドからのスタート。
 一方ライコネンと同じマシンに乗るファン・パブロ・モントーヤが2番手タイムをマークしたので、決勝ではポールポジションからのスタートとなります。以下2番手スタートがポイントリーダーのアロンソ、そして3番手スタートはBAR・ホンダのジェンソン・バトン、さらに4番手スタートはバトンの僚友佐藤琢磨。

 さて、イタリアと言えばフェラーリの本拠地。観客も熱狂的なフェラーリファンが多いこのグランプリで、フェラーリの2台はミハエル・シューマッハが6番手スタート、ルーベンス・バリチェロが7番手スタートと今回も中盤からのスタート。前にはマクラーレン、ルノー、BARが並んでいるので、地元での表彰台も非常に厳しい状況ですねえ。

 そして決勝、ポールポジションからスタートしたモントーヤがマクラーレンのマシンの速さを活かしてトップをキープし、終盤タイヤにトラブルが発生しますが、2位アロンソを最後まで抑えきり今季2勝目を挙げました。2位はランキング首位のアロンソ、3位には同じくルノーのフィジケラが入り、タイトル争いを演じるライコネンは、何とか11番手から4位まで順位を上げてフィニッシュしました。

 一方2列目からのスタートとなったBARの2台は、レース序盤こそバトン3位、琢磨4位をキープしていましたが、何と琢磨の1回目のピットインで燃料が入らないというトラブルが発生し、翌周再び緊急ピットイン。これで琢磨は大きく順位を落とし、この時点でポイント獲得は絶望的となってしまいました。バトンも最初のピットインの後ペースが上がらず、結局BARの2台はバトンが辛くも8位入賞、佐藤琢磨は何と16位でレースを終えてしまいました。
 チーム監督のニック・フライは「琢磨が来年もシートを確保したいなら、結果を残すことだ」と言っていましたが、結果を残したくてもチームがミスしては、結果どころじゃないですよね。これで琢磨がチームにアピールする機会がまたひとつ失われてしまいました。昨年はここで4位入賞を果たしているというのに。

 そして地元イタリアファンが注目するフェラーリ!何とバリチェロは12位、ミハエル・シューマッハですら10位と表彰台はおろかポイント獲得もままならず、ファンの前でふがいない結果に終わってしまうこととなりました。
 今回のレースでは、グリッドで前にいたバトンと佐藤のBARが脱落したにもかかわらずグリッドよりも低い順位に終わってしまったフェラーリ、ここまで低迷してしまうと、痛々しいですな。マクラーレンとルノーの4台はともかくとして、トヨタの2台、そしてウィリアムズからハイドフェルドの代役として出場したピッツォニア、さらにBARのバトンを挟んでザウバーのフェリペ・マッサにも勝てなかったというのが、フェラーリの今年の不調振りを象徴していますね。

 今回のレースでポイントリーダーのアロンソとライッコネンのポイント差は3ポイント拡がり27。ヨーロッパラウンド最終戦となる次戦ベルギーグランプリでアロンソがライッコネンに4ポイント差をつけてフィニッシュすれば、残り3戦の結果を待たずして、ドライバーズ・タイトル獲得が決まります。
 また、ミハエル・シューマッハはアロンソとのポイント差が48なり、残り4戦の結果を待たずして、6年連続のドライバーズ・タイトル獲得の可能性は消滅してしまいました。

 まあ、昨年までのようにシューマッハが圧倒的な強さを誇ったまま、誰にも負けずに引退するといういわゆる「勝ち逃げ」よりは、シューマッハが現役のうちに誰かがシューマッハを打ち負かし、若い世代が旧世代のシューマッハに引導を渡すというのが理想の展開だと僕は思っているので、フェラーリが昨年までの強さを失ってしまったのは、考えようによってはいいことかもしれませんな。

 ……また来年復活されたら嫌だけど……。



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 初めてのビアガーデンとパエリ屋
2005年09月03日(土)

 昨日の話なのですが(この時点ですでに日記ではない)、お得意先の制作会社に行ったら、いつもお世話になっているSさんとKさんに飲みに行かないかと誘われたので、ビアガーデンに行くことにしました。実は、僕はもうずいぶん色々なお店に飲みに行きましたが、ビアガーデンというところに行くのは、生まれて初めてなのです。それでこのところ「ビアガーデンに行ったことがないから一度行ってみたい」と話していて、昨日それが実現したというわけです。

 ビアガーデンというと、デパートの屋上などで営業されている「青空居酒屋」みたいなもので、普通は夜9時ぐらいまでしかやっていないところが多いようなのですが、JR静岡駅ビル「パルシェ」の屋上にあるビアガーデンは、何と夜11時まで営業していました。

 静岡駅までは自転車で行ったのですが、下から駅の屋上を見上げると、屋上の柵にズラリと並んでいる赤い提灯が僕の期待感をかき立てます。8時半に静岡駅の構内で待ち合わせて、そのままエレベーターに乗って屋上に直行。そしてエレベーターを降りて屋上に出ると、そこには人工芝生が敷かれ、プラスチック製の白いテーブルと椅子がズラリと並び、私服姿や背広姿の人々が夜空の下で大勢飲み食いしながらワイワイ騒いでいる、パラダイスな風景が広がっていました!

 これがビアガーデン!ドラマなどではよく目にしていたあのビアガーデン!いや〜静岡駅の屋上には昼間何度も登ったことがあるのですが、昼間は読書したりひなたぼっこをしたり仕事をさぼっているような人がちらほらいるぐらいで静かなもので、夏の夜の屋上は、まるで別の場所に来たような感じでした。

 さっそく僕たちはテーブルに座ると、まずは生ビールの中ジョッキを注文しました。僕はあまり炭酸系が得意ではないので普段はほとんどビールは飲まないのですが、やはりビアガーデンと言うくらいですから、1杯目はビールかなと。
 で、僕を誘ってくれたのは、僕にデザインのすべてを教えてくれた師匠Sさん(♂)とKさん(♀)の2人なのですが、お2人は当然もう何度かビアガーデンに来たことがあるので、食べ物の注文はお2人におまかせすることにしました。パルシェのビアガーデンにはカセットコンロを使っての焼肉や鍋料理などもあり、それを注文していたテーブルもあったのですが、ビアガーデンと言えば、やはりウィンナー、フライドポテト、焼き鳥、そして一番外せないのは何と言っても枝豆!いや〜楽しいなあ〜!

 SさんとKさんはすぐに最初のビール中ジョッキを開けて2杯目を頼んでいたのですが、僕はあまりビールを飲まないので30分ほどでようやく1杯目を開けたのを見て、Sさんに「1杯目で30分もかかってるの〜?」と言われてしまいました。さらにその後僕がビールではなくジントニックを注文したので、「ビアガーデンでビール以外の飲物かい」とツッコまれてしまいました。しかし、Kさんも3杯目にグラスの白ワイン「シャルドネ」を注文したのを見ると、Sさんも3杯目には焼酎の水割りを注文し、3人のテーブルからビールが消えました。

 その後11時の就業時間間際まで楽しんでいたのですが、その後Kさんがスペイン家庭料理の店「パエリ屋」に行きたいと言い出したので、2次会は「パエリ屋」に決定しました。

 「パエリ屋」も元々このお2人に連れて行ってもらったのが最初で、以後この3人で飲みに行く時はほぼ毎回に足を運び、僕自身も個人的に何度か行きました。
 「パエリ屋」といえば、6月26日付6月27日付のVoiceで詳しく紹介していますが、何とここのご主人と奥さんが、そのVoiceを読んで下さっていたようで、いたく感激しておられました。しかも、何とあのVoiceを書いた後、新潟から静岡に出張に来た方で、Voiceの「パエリ屋」の記事を読んで来たというお客さんがいたようで、Voiceでの宣伝が効果あって良かったです。そのお客さんは元々スペイン料理が好きで、静岡に行くことになり、事前に「静岡 スペイン料理」と検索してVoiceを見つけたのだそうです。
 さらにこの「パエリ屋」のご夫婦はVoiceだけでなくうちのサイトの他のコンテンツにも行ってみたらしく、「PRIVATE」の扉ページにある幼い頃の僕の写真を見て「今と全然変わらないよ、あのまま大きくなった感じだよね」と笑って言ってました。SさんとKさんも激しく同意していました。

 先にビアガーデンで色々と食べていてお腹は空いていないはずなのに、「パエリ屋」でも茸のガーリック炒め、ニンジンサラダ、そしてここに来ると必ず注文するチョリソとカルバンゾ豆の煮込みを注文してしまいました。美味しいので3人でぺろりと平らげてしまいました。

 生まれて初めてビアガーデンに行き、その後「パエリ屋」でも楽しいひとときを過ごし、昨夜はとても充実した夜でしたぞ。



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 ハリウッド的な夢を見る(後編)
2005年09月02日(金)

(前回のあらすじ)
 小さな村を襲うゾンビの集団。Makoは村人とともに逃げまとい、その途中でユアン・マグレガーとダコタ・ファニングに出会う。
 3人はとある学校の校舎で再びゾンビの大群に襲われるが、エド・ハリス率いる軍隊がゾンビの大群を一掃する。しかし、その混乱でユアン・マグレガーとダコタ・ファニングの2人とはぐれてしまったMako。その後Makoは学校の校舎で用務員ティム・ロビンスと出会い、彼の部屋で疲れ果て、眠り込んでしまった……。

 …………なんだこのあらすじ…………。


■第2章「再会、そして旅立ち」

 ティム・ロビンスの用務員室で再び目覚めると、外は明るかった。どれぐらいの時間ここで眠っていたのかは不明。僕が部屋を出ると、校舎の中はシーンと静まりかえっていて、ティム・ロビンスの姿も見あたらなかった。

 外はとても静かだった。あのゾンビの大群はどこかへ行ってしまったのか、あるいはエド・ハリスの軍隊によってすべて倒されてしまったのだろうか。そんなことを考えながら僕は1人ふらふらと歩き、ダコタ・ファニングと出会った小高い丘へと戻ってきた。そこには何人かの人々がいて、座り込んだり寝込んだりしている者、または誰かを捜しているような人など様々だった。

 僕はそこで、大きな声でダコタ・ファニングとユアン・マグレガーの名を呼んだ。すると、どこからともなくダコタ・ファニングの返事が返ってきた。声のする方に振り向くと、ダコタ・ファニングは中年のインド人らしき夫婦に連れられていた。おそらくダコタ・ファニングは独りでさまよっているところを、この夫婦に保護されたのだろう。そしてよく見るとその中年夫婦の夫の方は、あのインド人映画監督ナイト・シャラマンだった!

(ナイト・シャラマンというと、最近観た映画は「ヴィレッジ」か……。)

 ダコタ・ファニングが独りぼっちではなくなり、僕だけが独りぼっちになってしまったという事実を知って、僕はとてつもない寂しさに襲われ途方に暮れてしまう。しかしダコタ・ファニングは僕と再会したことを喜び、嬉しそうに僕に駆け寄ってきた。

 ここで僕は、夢から覚めてから改めて夢を思い返した時に、自分でも驚いてしまったほどの、意外な行動に出たのだった。

 僕はダコタ・ファニングを保護したナイト・シャラマン夫妻に「この子と2人切りで話がしたい」と告げた。ナイト・シャラマンは少々渋った様子だったが、奥さんが説得してくれてナイト・シャラマンを納得させてくれたので、僕はダコタ・ファニングを丘のてっぺんにある、古い石造りの遺跡のような所へ連れて行った。そこには他にも数人の人がいて、世間話などをしてくつろいでいた。

 僕は片膝をついてダコタ・ファニングの顔を見上げると、今思い返してみても驚くような、とんでもないことを口にした。
「僕の養子になって、僕と一緒に暮らさないか?」僕の言葉に、ダコタ・ファニングは一瞬困惑した表情を見せたが、すぐにニコッと笑って、何も言わずこくりとうなずいた。

 その後僕はダコタ・ファニングとともにナイト・シャラマン夫妻の所に戻ると、ナイト・シャラマンに自分がダコタ・ファニングを引き取ると話した。
 すると、ナイト・シャラマンは初めは非常に残念そうな様子だったのが、そのうち表情が見る見る恐ろしい表情に変化し、「その娘は私のものだ!お前なんかに渡すものか!」と叫んで突然僕に襲いかかってきたのだった!

(人間が突然凶暴化して襲いかかってくる様は、まさに「28日後…」だな。)

 驚いた僕は必死に抵抗するも相手の力が強く、僕は倒されてしまった。凶暴化したナイト・シャラマンは僕の上に覆い被さり、牙の生えた口を大きく開けて僕に噛みつこうとした。僕が噛みつかれまいと無我夢中でもがいていると、奥さんとダコタ・ファニングが「やめて!やめて!」と叫びながら、2人がかりで凶暴化したナイト・シャラマンを僕から引き離してくれた。
 凶暴化したナイト・シャラマンはなおも恐ろしい表情で唸りながら僕を威嚇するが、奥さんが泣きながら彼の身体を押さえ、必死に制していた。僕はそのまま立ち上がると、恐怖に震えているダコタ・ファニングの手を引いて急いでその場から立ち去った。

 ダコタ・ファニングとともに丘を降りた僕は、ふと立ち止まって、ダコタ・ファニングにユアン・マグレガーはどうしたのかと尋ねた。しかし、ダコタ・ファニングもユアン・マグレガーとはぐれてしまい、彼の行方はわからないと言うことだった。僕はそれを聞き、ため息をついて「ユアン・マグレガーも一緒に来てくれると、非常に心強いんだけどなあ……」とつぶやいた。

 その後しばらく2人で草原に伸びる一本道を歩いていくと、木々が生い茂った小さな林に行き着いた。僕は道にダコタ・ファニングを残して1人で林の中に分け入った。その林の中には、僕が自分で隠しておいたS2000が停まっていたのだった。


■エピローグ

 ケルト民話に出てきそうな広大な草原に伸びる一筋の道。その道をさっそうと走り続ける、僕とダコタ・ファニングを乗せたシルバーのS2000。
 ふと僕がバックミラーを見上げると、後方から1台の黒いアメリカンバイクが近づいてくるのが見えた。僕がアクセルを緩めてスピードを落とすと、バイクは見る見る近づき、追いついたバイクは僕らの乗るS2000の横に並んだ。何とそのバイクには、ノーヘルのユアン・マグレガーが乗っていたのだ。彼は金髪の髪をなびかせながら、白い歯を見せてニカッと笑った。

 バイクとS2000は併走したまま、どこまでも伸びる長い一本道を走っていく。

(誰もいない美しい風景を車で走る様も、まさに「28日後…」そのもの。)

(完)




 ……とまあ、こんな夢でした。

 いや〜、僕はロリコンの気はないんですが、何でダコタ・ファニングを「恋人」ではなく「養子」にしようとしたんでしょうかねえ。まあ恋人にするには若すぎるのでさすがに恋愛感情は起こりそうにないと思いますが、きっと自分だけが独りぼっちになって寂しくなってしまったというのもありますが、ダコタ・ファニングのような可愛い1人娘が欲しいという「親」のような心境なのでしょうか。確かにダコタ・ファニングは「ハイド・アンド・シーク」でも「宇宙戦争」でも、男親なら自分の命をかけてでも守りたいような、自慢の娘と言える役を演じていましたからねえ。
 そしてユアン・マグレガーに関しては、彼のような、というかおそらくは彼が演じている「スターウォーズ」のオビワン・ケノービのような、頼りがいのある兄貴的存在が欲しいという心境なのでしょうかね。こっちの方は何となく今思い返しても理解できます。ちなみに先月のテレビ番組ガイドの表紙はユアン・マグレガーでした。

 あと、僕が見る夢というのは通常、何の脈絡のない断片的なシーンの羅列でしかないのですが、ここまで連続性のある夢は非常に珍しいですね。目が覚めたときには朝でしたから、おそらくこの夢を見ていたのも目覚める前のほんの少しの時間だったと思うのですが、普段なら断片的な夢でも、今回の夢はとても長い一つの断片だったのかもしれません。いずれにせよとても鮮明で非常に印象的な夢でした。

 ちなみに、僕が見る夢はすべてフルカラーです。



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 ハリウッド的な夢を見る(前編)
2005年09月01日(木)

 最近映画の見過ぎなのでしょうか、今朝方、ハリウッド映画のような、ものすごい夢を見てしまいました。しかも登場する人物の多くがハリウッド俳優、ストーリーもハリウッドチックで非常に突拍子もないものでした。

 今回はそんな僕が見たハリウッド的な夢をご紹介しますが、あくまでも夢の中の話なので、話のつじつまが合っていなかったり、意味不明な点や矛盾する点なども多くあると思いますが、そのあたりはご了承ください。覚えている限り、なるべく忠実に僕が見た夢を文章に再現してみたいと思います。ただし、僕は夢の中で、起こっていることはすべて現実だと認識しています。それから、夢の中の時間はすべて明るい日中です。


■第1章「恐怖の襲来」

 最初の舞台は、切り立った崖の中腹あたりにある、人が1人しか通れないような細い道。しかし崖側には手すりのようなものは何もなく、さらに大雨が降っていて立っている足下もぬかるんでおり、かなり不安定で危険な状態だ。
 その崖から下を見下ろすと、100メートルほど下には墓地があり、雨で地盤が緩み、ほとんどの墓石が泥に流され倒れてしまっていた。と、そこへ、1人の老婦人がやってきて、必死に墓石を立て直そうとしているのが見えた。しかし墓石は立てても立てても緩んだ泥で倒れてしまう。

 僕はそれを見ながら、何となく嫌な予感がしたというか、あることを想像してしまった。すると、その想像通りのことが、実際に起こってしまったのだ。
 何と土の中からゾンビが何体も現れて、老婦人に襲いかかり始めたのだ!僕はその光景を遠くから見下ろしながら、老婦人を助けに行くこともできず、ただ必死に「おばさ〜ん!早く逃げて〜!」と声を張り上げることしかできなかった。

(これはおそらく、先日ゾンビ映画を立て続けに観たのが影響しているのだろう。)

 その後、舞台はウェールズの片田舎を連想する小さな村に移る。その村の市場のようなところで僕が食事をしていると、遠くの方から腕を前に出しながら、ゾンビの集団がよろよろとこちらにやってくるではないか!
 この村では以前にもこのようなゾンビ騒ぎがあったらしく、村の人々は皆口々に「まただ!また奴らが襲ってきた!」などと言いながらパニックに襲われ、その場から逃げ出そうとして大混乱となってしまった。もちろん僕も村の人々とともに、その場から逃げ出した。

(群衆がパニックに陥りながら逃げ出すシーンは「宇宙戦争」か?)

 僕は村の人々とともに必死に逃げるが、至る所からゾンビが沸いて出てきて襲ってくるので、僕は建物の中に入りやり過ごそうとした。ところが、僕が入った建物にもすでにゾンビがいて、僕に襲いかかってきた!
 もうだめだ!やられる!と思った瞬間、突然1人の男が現れてゾンビを倒し、僕を助け起こしてくれた。何とその男は、あのユアン・マグレガーだったのだ!

(うーん、これは間違いなく「スターウォーズ」の影響だろう。)

 その後僕とユアン・マグレガーはともに行動し、小高い丘へとやってきた。この丘にはまだゾンビは迫ってきていないらしく、他にも多くの人々が避難してきていた。
 その中で、1人少女がうずくまって泣いていたので、僕がそばに行って話しかけると、何とその少女はダコタ・ファニングだった!ダコタ・ファニングは両親がゾンビに襲われ、独りぼっちになってしまったと涙ながらに話した。ユアン・マグレガーもそうだが、ダコタ・ファニングも日本語を話していた。

(ダコタ・ファニングと言えば「ハイド・アンド・シーク」と「宇宙戦争」だな。)

 僕はダコタ・ファニングの手を取り、ユアン・マグレガーと3人で丘を下り、さらに先へと進み、学校に辿り着いた。その校庭には運動会などで見られる「PTA本部席」と書かれた白いテントが張られ、そこで食べ物が配給されているらしく、大勢の人々がテントに群がっていた。
 僕らも食べ物にありつこうと校庭のテントまで行くと、何と突然そこにいた大勢の人々が一斉にこちらを向き、ゾンビと化して僕らに襲いかかってきたのだ!

 僕らが慌ててテントから逃げ出すと、逃げ出した先に突然数機のヘリコプターがやってきて校庭に着陸し、その中の1機から、何と自信に満ちた表情のエド・ハリスが軍服姿で降りてきた!
 彼は他のヘリから降りた軍隊を統率しているらしく、彼の号令で一斉に軍隊が隊列を組み、ゾンビの大群に向かって銃を向けた。
 次の瞬間、激しい銃撃戦が始まり、ゾンビたちを一掃する。そのあまりの凄まじい光景に僕は目を背けてしまうが、その混乱で僕はユアン・マグレガーとダコタ・ファニングの2人とはぐれてしまい、再び1人取り残されてしまう。

(軍隊を統率するエド・ハリスというと、ニコラス・ケイジの「ザ・ロック」か?)

 僕は必死で銃撃戦をする軍隊の間を縫って、学校の校舎に逃げ込んだ。その校舎は古い木造の校舎で、ここにもゾンビがいやしないかという不安と恐怖に駆られたが、現れたのは何とのんきに校舎の清掃をしている、用務員のような格好をしたティム・ロビンスだった!
 ティム・ロビンスは「用務員室が安全だから、そこで休むといい」と言って、僕を用務員室へと案内してくれた。そこは4畳半ほどしかない狭い部屋で、畳の上に布団が一式敷いてあるだけの部屋だった。僕はここが本当に安全なのか?という不安でいっぱいだったが、疲れていたのでそのままそこで休み、眠り込んでしまった。

(ティム・ロビンスは「宇宙戦争」にも出ていたなあ。)

 この後、Makoの運命や如何に!?



(続く)



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 ブルネイの土産話
2005年08月31日(水)

 タイ、マレーシア、ブルネイの3ヶ国8日間の旅行に行っていた両親が今日無事に帰国しました。タイ、マレーシアは観光も盛んで今となってはそれほど珍しい国でもありませんが、ブルネイに関しては、非常に興味深い話を聞きました。ブルネイと日本は長く友好関係を保っていますが、日本人が観光目的でブルネイに入ったのは、まだわずか1000人ほどしかいないのだそうです。

 ブルネイ・ダルサラーム国は、ボルネオ島の北西部に位置し、面積は5765平方kmで三重県とほぼ同じ、静岡県で言えば伊豆半島を除いた面積とほぼ同じという小さな国です。人口は約34万人。静岡県の人口が約77万人ですから、静岡県の半分ほどしか住んでいないことになります。しかし、このブルネイという国は「お金持ちの国」として有名ですが、フィリピンなどから使用人として出稼ぎに来ている人々が、全人口のうちの約10万人を占めているそうです。

 ブルネイの約8割の人が公務員で、何と4時間しか労働しないのだそうです。そして日中は暑いので昼寝をし、夜に様々なパーティやイベントなどを開いたりして大騒ぎしているようです。しかも税金はなし、公立学校・教育機関などの教育費もタダ、何とも羨ましい限りですな。

 なぜブルネイがこれほどまでに裕福なのかと言えば、ブルネイには石油や天然ガスなどの資源が豊富にあるからなのです。しかもその天然資源の80%以上が、日本に輸入されているのです。ですからブルネイにとって日本は、お得意さまと言うことになるわけです。この豊富な天然資源のおかげでブルネイは小さい国ながら大きな経済力を持ち、世界のほとんどの国に大使館を持つ経済大国になっているのです。もちろんブルネイにも各国の大使館が存在しています。ブルネイという国は、まさに天然資源で成り立っているわけですね。

 そんなわけで、多くの国民は広い土地に大きな家を建て、何人もの使用人を雇い、クルマを何台も所有するという優雅な生活を送っています。
 実際うちの両親がホームステイした家は、300坪以上の土地に建つ宮殿のような家で、クルマはベンツが2台にヒュンダイのRV車が1台、さらに日本のトヨタの高級車を所有しているそうです。家の中には室内プール、ビリヤード場、カラオケルームなどもあり、まるで家の中がアミューズメント施設のようですな。
 そしてこの家にも何人かの使用人や運転手がいたのですが、彼らが身の回りのことをすべてしてくれるので、家の住人は料理も運転もまったくしないのだそうです。

 また、近くにはハイテクを利用したテーマパーク「ジュルドン・パーク」というかなり大規模な遊園地があるらしいのですが、先程述べたようにブルネイの人々のほとんどは、暑い日中は活動せず家でごろごろしているので、遊園地も夜になってからにぎやかになり、一晩中営業しているそうです。しかもジェットコースターや観覧車といったすべてのアトラクションは、客が来たら動かすようにしているらしく、日本でこんな営業してたら即潰れてしまいますな。

 両親が行った時も、旅行者が来たと言うことで家には大勢の人々が集まり、一晩中カラオケをしたり遊園地に行ったりと大盛り上がりだったそうです。

 ところが、この国では何と宗教上の理由で、お酒とタバコが禁止されているのです。もちろん旅行者が入国する際には制限付きでお酒やタバコを持ち込むことはできますが、ブルネイ国内では基本的にお酒やタバコを買うことができません。したがってどんなに豪華なパーティでもアルコール類は一切出なかったそうです。

 また、料理はどれもチリソースのような甘いソース味がほとんどで、料理自体も油がギトギトのものが多く、ブルネイ人の多くは肥満体質なのだそうです。うーん、こんな食生活をずっとしていたら、寿命が縮むのは間違いないですな。果物だけは豊富で、大きな皿の上に積み上げられたフルーツが、好きなだけ食べてくれと言わんばかりにテーブルの真ん中にドーンと置かれていたのだそうな。

 観光的な部分では、ブルネイは世界最大の水上集落と国王が居住する世界最大の王宮(イスタナ・ヌルル・イマン)が隣り合わせに共存しているのを目の当たりにできる珍しい国だそうです。その他ブルネイの最大の魅力として熱帯雨林が挙げられ、政府の方針で大規模な森林伐採は行われないため、素晴らしい経験ができるそうです。

 ブルネイから帰ってきた両親から、いろいろなお土産を貰いましたが、日本の「たまごボーロ」にごまの味が混ざったようなクッキー、チリソース味のポテトチップス、さらにはマンゴーを砂糖でまぶしたドライフルーツなどの食べ物系は、どれも僕の口には合いませんでした。
 しかし、豪華な箱に入った純銀製のペーパーナイフ、そして昨年ブルネイの皇太子が高校生とご成婚し、日本の皇太子様も結婚式に出席して話題になりましたが、そのブルネイ皇太子ご成約記念として製作された写真入り記念マグカップなど、「ブルネイ」と入ったものは今のところ希少価値が非常に高いのだそうです。

 日本の旅行代理店などではまだほとんどブルネイのツアーは企画されていないようなので、皆さんも何かのつてでブルネイに行かれた際には、「ブルネイ」という文字が入ったグッズなどを買ってくるといいかもしれませんよ。



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 WOWOWで録画した映画の整理
2005年08月30日(火)

 WOWOWで録画した映画がDVDデッキのハードにいっぱいになってきたので、少しずつDVDへのダビングを進めています。

 ちなみに今まだハードディスクに残っているのは、ブラット・ピット主演の「トロイ」、トム・ハンクス主演の「レディ・キラーズ」、イーストウッド監督作品「ミスティック・リバー」、メル・ギブソン監督の話題作「パッション」、トビー・マグワイア主演の「シービスケット」などです。このうち「シービスケット」は過去に観たのですがいい映画なので保存用に録画し、あとの作品は気になっていた作品ですがまだ観たことのない作品ばかりです。

 「トロイ」は言わずと知れた“トロイの木馬”で有名なあの古代ギリシャの伝説的戦争「トロイ戦争」を映画化したもので、鎧甲に身を包み、剣を構えて戦うブラット・ピットの演技が気になるところです。ピットはこれまで様々な役を演じてきましたが、紀元前12世紀のトロイ軍兵士の役ですからねえ。イマイチイメージが沸きません。ただこの映画、結構長そうです。歴史的大叙事詩ですから、かなりの迫力が期待できそうですな。

 「ミスティック・リバー」はクリント・イーストウッド監督で、ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンと個性派俳優が共演する話題作。アカデミー賞でショーン・ペンが主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を揃って獲得しました。この映画は人気作家デニス・ルヘインの傑作ミステリー小説を映画化したものですが、かつての幼馴染みが、ある殺人事件をきっかけに25年ぶりに再会、事件の真相究明とともに、深い哀しみを秘めた3人それぞれの人生が少しずつ明らかになっていくという重厚なミステリー・ドラマで、見ごたえがありそうな映画です。

 そして衝撃作「パッション」、メル・ギブソンが12年の構想を費やし、私財を投じて撮り上げた壮大な宗教映画ですね。イエス・キリスト最後の12時間と復活を描き、世界各地で空前の大ヒットを記録しました。全編ラテン語とアラム語だけを用い新約聖書の記述を忠実に再現したとされる一方で、ユダヤの描写を巡っては宗教関係者の間に激しい論争を巻き起こしました。また、観客にショック死する者も出たという執拗な残酷描写についても賛否が渦巻き、観るにはかなりの心の準備が必要でしょう。

 さて、最後に残った「レディ・キラーズ」は打って変わって、犯罪の達人たちがひとりの老婦人に翻弄されるクライム・コメディ。1955年に製作された「マダムと泥棒」のリメイクで、完全犯罪を目論みながら頑固な老婦人に掻き回されてしまう泥棒集団を、トム・ハンクス主演でユーモラスに描いています。
 「トロイ」「ミスティック・リバー」「パッション」と重厚な映画が続くので、その息抜きにコメディでホッとしたいですな。



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 「マトリックス」3部作を観る
2005年08月29日(月)

 DVDデッキを買ってからというもの、WOWOWの映画を片っ端から予約録画……え?しつこい?毎回毎回密かに自慢すなって?

 えーと……以前「マトリックス」の3部作をWOWOWで一挙放送していたので観ました。1999年に公開された1作目は、ずいぶん前に地上波でやっていたのを観たのですが、1作目は期待しないで観たらかなり面白かったです。
 「マトリックス」とはキアヌ・リーヴス主演の映画で、新感覚のSFXで彩られた重厚かつスタイリッシュな超弩級アクション巨編です。ストーリーを説明しますと、ニューヨークの会社でしがないコンピュータプログラマーとして働くトマス・アンダーソンには、裏世界の凄腕ハッカー“ネオ”というもうひとつの顔があった。ある日、“ネオ”はディスプレイに現れた不思議なメッセージに導かれるまま、謎の美女トリニティと出会う。そして彼女の手引きによってある人物と接見する事になった。その人物とは、電脳世界ではもはや伝説と化しているモーフィアスという男。モーフィアスは“ネオ”に「この世界は現実ではない」と告げる……というお話。

 正直なところかなり難しい内容なのでなかなかいつものように素直に感情移入ができなかったのですが、それでも、今我々が生きている世界は現実の世界ではなく架空の世界で、第三者によってプログラムされた“マトリックス”と呼ばれる疑似世界であるという概念、そしてその疑似世界の住人たち(つまり我々)は、それが現実の世界であると思い込んで毎日を過ごしているという発想がなかなか面白かったです。

 我々が住んでいる世界が現実ではないと言うことは、当然その裏には映画の中の“現実の世界”が存在しているわけで、“現実の世界”に生きる住人たちは、身体にプラグを差してプログラムに精神を接続することによって、“マトリックス”と“現実の世界”を自由に行き来することができるというわけですね。感覚としては、「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」のようなゲームの中の世界に入り込んでいくような感じです。
 ところが、ゲームと違うところは、疑似世界であるはずの“マトリックス”で死んでしまうと、“現実の世界”でも死んでしまうと言う点です。うーん、これはどうしてなんでしょうかね。未だに謎です。

 映画の中での“現実の世界”は、機械が世界を支配しており、人間は地下深くに潜り込んで、機械たちと常に戦っています。おそらくかつて人間たちが創り出した機械が、科学の発展とともに進化し、自分たちの意志を持つようになり、人間たちに反乱を起こしたと言うことなのでしょう。
 ストーリーもさることながら、この「マトリックス」という映画はそれまでのSFXアクションに革命をもたらし、斬新な視覚効果を披露し、その後のSFX映画に多大なる影響を与えた映画と言っても良いでしょう。

 さて、この「マトリックス」の1作目は先程述べたように、ずいぶん前に地上波で観ていました。そこで、先日WOWOWで3部作を一挙放送していたので残りの2作品を観たのですが、2作目の「マトリックス・リローデッド」は前作をはるかに凌ぐ難解さで、1度観ただけではほとんど話についていけず、はっきり言って何を言いたかったのはさっぱりわからないまま終わってしまいました。終わり方も、この後に続く完結編「マトリックス・レボリューションズ」への繋ぎ的な感じだったので、2作目を単独で観ただけでは尻切れトンボもいいとこでしたよ。

 ついでに言えば、このシリーズにはキャリー=アン・モス演じるトリニティというヒロインが出てくるのですが、1作目の「マトリックス」が公開されたのが1999年、そして2作目の「マトリックス・リローデッド」、完結編の「マトリックス・レボリューションズ」は2003年に同時に撮影されていたせいか、2作目ではトリニティがかなり老けていましたぞ!
 ……いえ、キャリー=アン・モスは「メメント」にも出演していましたが、とても美しい女優さんですよ。でも、1作目と比べてかなり老けて見えてしまい、「トリニティ!映画の中ではそれほど時間は経っていないはずなのに、一体何があったんだ……?」と思わずにはいられませんでした。

 えー、このシリーズは非常に話が難解すぎるのでうまく説明できないのですが、とにかく1作目はともかく、2作目3作目は、1回観ただけではほとんど話の全貌を理解できなかったと言うことです。ただ、一応3作目の「マトリックス・レボリューションズ」で話は完結するので、終わってスッキリした、という安心感が得られる分だけ2作目よりはマシかなと言った感じでした。

 僕が思うに、一作目だけで終わっていた方が良かったような気が……。



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 「ガンダム THE ORIGIN」の楽しみ方
2005年08月28日(日)

 昨日に引き続き「ガンダムオリジン」の話題です。「ガンダム」をまったく知らないという方は読み飛ばしてください。

 さて、「ガンダムオリジン」はTVアニメ同様、シャアがスペースコロニー「サイド7」に侵入するシーンから始まり、第8巻までは、細かいディティールなどは補足されていますが、基本的にはTVアニメのストーリーをほぼ忠実に追っています。
 しかし、第9巻、第10巻ではガンダム史上初めてシャアとセイラの兄妹の幼少時代が描かれ、TVアニメでも活躍したランバ・ラル、ザビ家の4兄弟などの若き日の姿も登場します。シャア、セイラ兄妹とラル家、ザビ家の当時の関係がかなり詳しく描かれているので、このエピソードを読んだ後で再びその未来である1巻から読み返してみると、かなり趣が変わってきますぞ。
 シャア、セイラとラル家、ザビ家との絡みのシーンなども「こいつとこいつはかつてこういう関係で、こんなことを言っているけど昔はこうだったんだよなあ」などと、各キャラクターの性格や関係をさらに奥深くまで伺い知ることができるのです。

 ランバ・ラルがホワイトベースに侵入した際に、セイラと思わぬ再会を果たした時の、彼の動揺振りも納得することができます。何と言っても、セイラ・マスのファーストキスの相手は、おそらくこのランバ・ラルだったでしょうからねえ。ランバ・ラルはTV版でも「粋な漢(おとこ)」という印象がありますが、若き日のランバ・ラルを知ると、一層粋に思えます。

 ザビ家で言えば、ザビ家4兄弟(長男ギレン、三男ドズル、長女キシリア、四男ガルマ。「ガンダムオリジン」ではもう一人次男が登場するが暗殺される)の中でも、身長210cmの巨漢で、顔もごつくて「北斗の拳」の悪役の方が似合っていそうな三男ドズルが、実はザビ家に似合わず一番心優しいヤツだというのが、第9巻、第10巻を読むとよくわかります。アニメではただのごつい悪役としてのイメージしかなかったんですけどねえ。
 TV版「初代ガンダム」では一応悪の親玉的存在だった、ジオン公国の創始者でザビ家4兄弟の父親デギン・ソド・ザビなんて、「ガンダムオリジン」では四男ガルマを孫のように可愛がる、ただのおじいちゃんですな。
 それにしても、三男ドズルこそデギンの血を引いていることは一目瞭然ですが、なぜあのデギンからギレン、キシリア、ガルマといった美男美女が生まれたのでしょうか。母親は相当美人だったんでしょうねえ。

 そしてもう一つ、僕が「ガンダムオリジン」の中で密かに気付いたのは、ホワイトベースのクルーの中での、密かな異性間の微妙な意識の変化です。

 実はホワイトベースの艦長ブライト・ノアの下で船の繰艦を任されているミライ・ヤシマは、TV版「初代ガンダム」では特に浮いた話もなく終わっていますが、その「初代ガンダム」が完結してから7年後という設定で登場したTVアニメ「機動戦士Zガンダム」では、何とブライト・ノアと結婚してミライ・ノアになっていたのです。おそらくブライトとミライがのちに結婚するという設定は、TV版「初代ガンダム」が放送されていた当初にはなかった設定だと思うのですが、そのいわば「未来の事実」がすでに存在している以上、「ガンダムオリジン」でもそのあたりのことを盛り込んでいるのかなあと思っていたら、やっぱりありました。

 ブライトとミライがジャブローで行動している時に、ミライに婚約者がいるという事実を知って、ブライトが少し嫉妬してイヤミを言っていました。ミライは「親が勝手に決めた相手よ」と言い訳してますが、ブライトの複雑な表情が微妙な心境を物語っており、子供向けのTV版ではあり得なかった、興味深い描写だと思いました。やっぱりこの2人は、この頃から密かに意識し合っていたんですなあ。

 さて、その「初代ガンダム」から7年後である「Zガンダム」では、ブライトとミライの他に、もう一組意外なカップルが誕生していました。何と主人公アムロ・レイの幼なじみでガールフレンドだったはずのフラウ・ボウが、「初代ガンダム」ではチビだったハヤト・コバヤシと結婚していて、名前もフラウ・コバヤシとして登場したのです!これははっきり言って、放送当時中学生だった僕にとっては衝撃の事実でしたね。「ええ〜ッ!いくらアムロが女癖悪いからって、よりによってハヤトに行くかぁ?」と思ってしまいましたよ。僕は、というよりは多くのガンダムファンは、それまでアムロとフラウは恋人同士のような関係だと認識していたはずですからねえ。

 「ガンダムオリジン」では今のところ、アムロとフラウは幼なじみだけど微妙な関係で、フラウはアムロに好意を抱いているものの、マチルダさんに憧れを抱くアムロに嫉妬したりと、穏やかではない状況です。このフラウの気持ちが、どのようにあのチビのハヤトに動いていくのかというのが非常に興味深いのですが、「ガンダムオリジン」では果たして、その一端を垣間見ることができるでしょうか。

 ただ、チビだったハヤトは、「Z」では貫禄のあるオッサンになっていました。


「初代ガンダム」のハヤト



「Zガンダム」のハヤト



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