深夜に高校時代の友人Oと電話で長話をした。
Oは今東京に住んでいる。東京の会社に就職したので引っ越したわけだが、一人暮らしではなく祖母と同居している。
Oは小学校時代におれの地元I県に引越してきたが、もともとは東京の人間なので、親族は東京の方が多いのだろう。
東京に行きたいと前から言っていたので、念願叶ってハッピーにしているかと思えば、そうでもないらしい。
祖母と同居、となると、やはりいろんな問題があるようだ。
「ばあちゃんがこんなに頑固だとは思わなかった」とOは言う。
Oの言うことは詳しく聞かなくてもよくわかる。
ばあちゃんという人種は、案外と口やかましいものなのだ。
人間、年をとると、だんだん考え方が固まってくる。 あれはいい、これはだめ、と完全に自分の中で決まってしまっているから、 他人のやることへの許容範囲が狭くなる。
いかに自分の孫といえど、気に入らないものは気に入らない。
そういうふうになぜかなっていくものだ。
会話の最中、今は演劇をやっている共通の高校時代の友人Tのことが話題に上った。Tも東京に住んでいるが、Oはそのことを知らなかった。
「Tはどこに住んでいるの?」というOの問いかけに、どこそこらへん、とおれが答えると、Oから意外な話が
「え?それおれんちから自転車で10分くらいのとこだよ」
自転車で10分。なぜか、OとTとの家の距離は、高校時代のときより近くなっている。
二人でそのことを笑ったが、そんなに家が近いTとOは高校卒業以来会っておらず、逆におれとTは(東京都とI県という距離を考えれば)よく会うようになっていたという事実には、何だか言いようのない不思議さを感じた。
久しぶりに蕁麻疹が出た。
前日、午前3時まで起きていたのがよくなかったらしい。
薬を飲むと、急激に眠くなった。 副作用と、疲れもあったのだろう。 布団の上に横になると、頭の中がぽかぽかとあったかくなるような感じがしてきて、何年ぶりかというほどの、気持ちいい昼寝をした。
起きた後、体の調子がよく、頭もさえていた。
せっかくなんで本当なら、小説でも書くとか、趣味に打ち込みたいところだった。 でもあいにくと、毎月の定期的な仕事の〆日が近くなっていたので、今日は仕事をすることにした。
休日出勤なんで、MDを聴きながらデスクに向かう。
STYX(スティクス)の「Mr.ROBOTO」という曲を繰り返し聴いた。
「ドモアリガットミスターロボット、ドモアリガットミスターロボット……」外国のグループなのに、なぜか日本語のフレーズが多く入っているこの曲は、聴き始めると病みつきになる。
STYXはかなり古いグループらしい。 でも。おれの頭の中が古いせいが、あんまり古臭い感じはしなくて違和感なく聴ける。
おれはぜんぜん音楽に詳しくない。 「Tommy february」をついこの間まで全くしらなかったほどだ。 だから、STYXがどの程度名のあるグループなのか知らない。
もしかしたらすごい奴らなのかもしれない。 でも、すごい奴らだということをしらないで聴いているのもまた乙かな、と思って、STYXのことは調べないでいる。
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