2006年08月27日(日)
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『トランスアメリカ』を見る。
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忙しすぎるのもイヤだけれど、暇すぎるのもその次につらい。 発散場所がなくて内側から腐る。
って、腐っていてもしかたがないので、上手く流して発散させて、また、 この機会にやりたくて出来なかったことをやっておこう。
その一つとして、『トランスアメリカ』を見に行ったですよ。 心は女性の男性を演じた女優が上手い! 女性を演じる男性を女性が演じるという、腸ねん転起こしそうな役柄を、すっきり自然に演じている。
あとロードムービーものではいつも思うのだけど、アメリカの広さと、郊外の閉塞。 豊かで平和で満ち足りているのに、バリエーションが全くない。
大道具さんが作ったセットのように、裏側がべこべこで奥行きがないというか。 日本は画一的でアメリカは個性尊重というが、郊外の映像を見るたびに「そうか〜?」と思う。
日本人が駐在するような街や大都市はともかく、大陸の中央部の郊外都市って、 映像見る限り全くそうは見えません。 均一化の圧力はむしろ日本以上にきついように思える。 そして街にたれこめる広大無辺な退屈。
あそこでは暮らせないと、見るたびに思う。 映画を作ろうと思う人は、まぁそこでは暮らせないと出てきた人なのだろうから、 そういう撮り方をしていて、そういう撮り方とは底流に憎悪と恐怖があるという意味なのだが、 見る人がそう受け取ってしまうのかもしれない。
かくあるべき論や所有から離れて、自分が歪まない毎日を大切に育てる。 常套ではあるのだが、そんなエンディングに幸せを貰った。
さて、今週は何をしよう? 多少はやることもあるのだが。1日もあればカタはつくし。
『ゆれる』を見に行こうか。『時をかける少女』もかなり評判が良いみたいね。
TVドラマが迷走していると思う。 第一、ターゲットってどこなんだ? どんな人が見ているのか、絵が浮かんでこない。 10代? 20代? それすらもわからん。
今期は題名もキャスティングが発表になった時点で、食指が動くものが一つも無く、 (長瀬くんのにはちょっと惹かれたけど。)結局一つも見ていない。
私だけかと思っていたら、全般的に評価も視聴率もオオコケらしい。 (まだ一応世の中の流れとの接点は切れてはいないようだ。良いのか悪いのか)
色々大人の事情とか、お金の問題とかもあるのも判るし、 それでも恙無くいっていた例もあるけれど、最近、弊害の方が濃くなってきていないか?
研音とジャニーズとスターダストに牛耳られすぎて、ドラマ自体が潰されてる。 外国に売れないのがよくわかる。 面白くないもの。
特にひどいのが研音。 キャスティングでごり押しするなら、せめて演技の出来る人にして欲しい。
伊東美咲と速水もこみちをメインはきつい。 彼らに綺麗なアイコン以外は無理。
伊藤美咲は画面の中で一人だけ静止画だし、まぁ綺麗だからこれはまだいいとして、 速水もこみち! "オムダイス"の頃は結構可愛かったのにな。
動くといきなり品がない。野生より先に野卑が匂う。 若槻千夏と同じフレームに並ぶと、この上ないチープさがぷんぷんし、狙いとしたら絶妙だ。
ふぅ。ちょっとすっきり。
2006年08月22日(火)
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辛酸なめこと、さる方の区別がつかないのは私だけか?
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本屋に行って、表紙の辛酸なめこを見ると、 「しかし、さる方に似てるなー。」って毎回思う。
やっぱり外見に内面って出るものだ。
さる方は、wikipediaによると、アニメージュを定期購読し、 そこまでならまだしも、鎧伝にまで手を出していらっしゃったとか。
「皇女様!ルパンや宮崎駿はまぁいいでしょう。 が!サムライトゥルーパーはまずいです。言い訳のしようもありません。」 と誰か止めてやる人はいなかったのか。
まぁ国民の象徴たるご一家の娘さんが、 腐女子というのはまさに象徴の中の象徴で、さすが皇室。 シンクロ率も芸のうち。伊達に長持ちした家系ではないようだ。
暑い! 空気が熱いもやで東京に蓋をしているよう。
しかも、近くでイベントがあり、煩くて煩くて。 いらいらしたのもあって、すごく、自分のまわりの空気が澱んでいる。 そのことにまた、むかつく。 気が、大蛇のようにまとわりつく。
早く、秋になれー! そして今日の機嫌をなんとかするために、『リンダリンダ』と『リトルショップ・オブ・ホラーズ』を流し続け。
北風と太陽で言えば、やっぱりまとわりつくものを祓うのは、LOVEでしょう。
2006年08月19日(土)
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美輪明宏の戦前賛歌には、毎度一抹の違和感を覚える。
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美輪明宏の戦前賛歌には、毎度一抹の違和感を覚える。
『戦前の日本の人情、文化はすばらしかったのだが、 軍隊が全てを蹂躙し、戦争で全てが焼かれ壊され、その後アメリカに文化的に支配されて、 今や見る影も無い。』
ということを彼(and/or彼女)はそう言う。
じゃあ!って思うわけだ。 そのご立派な戦前の方々はなぜに戦争をしたのだ。と。 しかも物量シミュレーションでは、まず勝ち目のない戦争をしたのだ。と。
軍人がのさばりだしたのが原因だというのかも知れない。
同じ事を韓国人が言うのならわかるのだ。 日本に一方的に攻め込まれて、搾取され、挙句の果てに文化の強制までされたのだから。 中国は広いから一律では言いにくいが、ロジックとしては成り立つとは思うんだ。
が、軍人が軍部が・・・というが、彼らは異国から来た占領者ではない。 まごうことなき日本人だ。 どこまでが洒落た文化的な日本人で、どこからが破壊的な文化簒奪者の日本人なのか、それを言え。
Yes/Noでも良い。 記録映像で見る、出征者を旗ふって送り出すご町内の皆様はどっちなのだ? 華美な服装の取り締まり検問を自発的にやった婦人会の方々は? 義理人情に厚く、文化を愛する平和的な人の中では、反戦主義者もさぞ生きやすかっただろうと思われるのだが、 そうだったのか? 哀れみを知り、浅ましくなく、礼儀を重んじる日本人が、同胞を片道燃料で送り出したのは何故?
私も大正ロマンな建物や、探偵小説が好きだ。 銘仙の配色も素敵。 でも、美しい芸術を愛でることと、人格的に高潔であることはイコールでは繋がらないだろう。 別のジャンルの話だ。
戦後60年以上、何だかんだと言って、武器で人を殺さないで来たことは、誇っていいんじゃないか。 そりゃ色々馬鹿っぽいところもあるけれど、 人を殺すことを強制されない分、今の社会の方が戦前よりもずっと優れていると、私は思う。
alain
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