期待はずれ。
昭和のあれこれを入れたいのはわからないでもないが、入れすぎて散漫な印象。 白井義男とか升田幸三とか仲代達矢、あと急には思いつかないが、いらない人は他にもいただろ。 出てくる必然性も無い上に、別に面白いシーンでもなかった。 三輪様は面白いし、遠藤周作や永井荷風、糸川英夫は役割があったから良いのだけれども。
コスプレに時間割くなら、その分メインキャストの気持ちを描いてほしかった。 また、発表された時点でも思ったが、動画で見て気持ちを上乗せして、断言。 あいぶさきの美空ひばりはない。 背中が痒くなった。
あと全体的に妙に説教臭のも。余計なお世話な感じ。 三谷さんも年取ったということか。
また、演出にスピード感がなく、冗長で退屈でした。寝そうになった。 笑わせたいのか泣かせたいのかを絞りきれず、二兎を追うもの のパターンかと。 映像や光のあしらいは綺麗だった。
キャストについては。
柴咲コウは好きな女優さんだけれども、この役はミスキャストでは? 全然魅力が感じられなかった。
まつじゅんは生真面目に物静かな役がはまっていて良かった。 佐藤隆太は大泉洋とキャラがかぶってしまい、印象薄く損な役回りかも。 また、隣に並んだまつじゅんを兄貴と呼ぶには絵づら的に無理がある。
堀北真希は予想以上に良かった。 間合いの取り方が絶妙に上手いし、声に表情があり、かつ、若いのに母性が厚い。 これから年齢を重ねていくのが楽しみな女優さんだ。
えいくらは可愛かった。のびやかで見ているだけで幸せになれる。
長澤も予想外に良かった。悪意も知恵も底が浅い人の役をやらせたらはまるなぁ。 ベストフレンズ(だっけ?)でもそんなキャラだったもんね。 もこみちのロボットなみに、そういう使い方があったとは。との感想。
山本さんは出番は少ないけれども、キャラが強く儲け役だったように見える。 藤原竜也くんについてもそう思ったけれども、 脚本家と役者の間に「彼ならこの台詞はこんな感じで言うだろうか」 「三谷さんはきっとこういう絵を思って書いているな」との意識のパスが通じていると、シーンがいきいきとする。
真希ちゃんとの相性も良く、ダメ人間のくせにところどころ端正にカッコ良く、そこそこ楽しんだ。 ただラテ欄とか事前番宣での扱いの悪さにちとむっとはしている。
大泉洋はアフタースクールで認識を新たにして以来、割と好き。 メインだとうざいが、弾むような切れもありつつ、ほんわかした存在感は貴重。
天海祐希はとにかくカッコ良かった。
が、三話ではどうにも。 本妻をどういう人物に描きたかったのかさっぱり分からなかった。
西田敏行演じる父のいい加減さも、象がこなかったくらいは笑えるが、 息子の嫁に公開ストリップをけしかけ、孫の養育費に手をつけるところまでいくと、 愛嬌は雲散霧消し、後味の悪さだけが残る。 三谷幸喜脚本に時に思うのだけれども、男のだめの描き方がくどい。 芹沢鴨の時もそう思ったけれども、ぐだぐだぐだぐだが延々続くので、いらいらして全て蹴倒したくなる。 加減というものを考えて欲しい。 年とともに、しつこさが嵩んでいるようにも思う。
番頭格が持ち逃げも暗すぎ。
あ、暗いと言えば、玉鉄。 これも儲け役だったかもしれないが、とにかく鬱展開すぎて楽しめなかった。 でも、戦後史のダークサイドを背負う役としては、この役はありだったのかもしれない。 玉鉄も丁寧に演じていて、見ていて辛くなりつつ、 思っていたよりちゃんと演技する人なのだと評価UP。
古川ロッパの人生も描きたかったのはわかりますが、 とにかく、あれもこれもでもういっぱいいっぱい。いらなかったんじゃないのと思う。 寺島進の演じたアメリカかぶれ。これもいらん。
だって、わ・が・家の歴史なんでしょう? 昭和の歴史なのか、有名人の歴史なのか、その他一般市民の歴史なのか やっぱりこれまた二兎か三兎を追いすぎている印象。 もっと、家族の心情を描いてほしかった。
海難事故を生き延びた義男が、心の痛みも感じさせず、あっさり日常生活に戻りすぎ。 労わる家族の暖かさも感じられず。
最後、ゆかりが消えたのも、何をどうしたかったのかわからん。 あのまま、いたらどうしてだめなの?
この構想○年、製作○年(○か月?)の記念番組ってあおってこのレベルなんだー。 テレビ朝日は『刑事一代』は見ごたえのある作品だったのにね。
なぁんかフジテレビの先行きに期待持てないな。 迷走中との評判は正しいようだ が、3晩見た結論でした。
2010年04月08日(木)
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Last Five Years 4/8@シアターコクーン
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新しいバッグに合うブロンズっぽいチャームは探してたんだし・・・とか言い訳もしつつ、 結局、シュムールの時計をお買い上げ。
早速バッグにつけると、予想通りいい感じ。
さて、全く頭を整理しないまま、とっちらかった感想を勢いで。
まず、月曜日に見ておいて良かった。 全くの印象なので、他の人が見たら違うのを前提に言ってますが、 4/5の月曜日の方が舞台としての完成度は高かったように思う。
山本さんついて言えば、 めずらしく、噛みかけるところもあり (多分リピーターでなければ気がづかない。次に言う台詞完全に覚えちゃってるからなぁ・・) 声も若干かすれ気味。
ただ、ヘドウィグの長丁場も含め豊富な経験値が効いている。 疲れたのどを使ってステージを乗り切る筋力とこつを体得したらしい。 以前は喉に疲労がかさんでいるとと出なかった高音もなんとか出る。
かつ、Powerが減っているなら、それに頼らずスコープをずらすという手も打てる。 とても丁寧に(アフタートークでも"丁寧"という表現が出ていたから、意識的であったのかもしれない。) 、いつも以上に語りかける台詞のように歌っていた。
5日とは別の役の作り上げ方だと思った。そう変えた理由は観客席からではわからん。 体調かもしれないし、気分かもしれん。 どっちにしても今回のも好きでした。
今回の方が、夢見心地というかまるっと異次元空間に運ばれる引力は強かった。 まるで異次元風呂敷(ドラえもんにそんなんなかったっけ?)
そう、イメージは風呂敷だ。 もしくは、サッカーの応援などで観客席にざーっと広がる大きい旗。 客席という空間に自分の風呂敷を広げるのに長けている人だと思う。
ジェイミーの空間に色に、丁寧にかつ素早く、うっすらとでもとても深く染められた。 特にこの曲・・・と言いたいが、今回はどれ!とあげることが出来ない。悉く持って行かれた。
たけしでの『メリークリスマス』も含め、ところどころ笑いで緩急をつけつつ、 ジェイミー空間を自在にひらひらと広げていた。
あ、でもステッキは落としていたけれど。 でも彼の凄いなぁと思うのは、落としても拾っても、アクシデント以外でもペンを投げてもくるくる回っても、音が揺れないところ。 息継ぎのタイミングを完璧に計算しているのだろうと思う。
村川さんは残念でした。 CUTEさは月曜日見てわかっているし、くるくる変わる表情は相変わらず可愛かったのだけれども、月曜日の彼女の方が魅力的でした。
喉の調子が良くないのを気にしていたのか、 喜怒哀楽に彼女がつけたいと言っていた彼女自身の"悔"もしくは"頑張る"が、キャサリンの哀や喜を凌駕しているのでは?というシーンが度々あり、 「いっつも万全というわけにはいかない。手抜きということではなく、昨日と違う完成形だってある。のどが抜群の時のレベルに力で持っていくばかりが手じゃないよ!」 と言いたかった。
出だしは、低音〜中音に柔らかい表現が加わって、おっいい感じと思ったのだけれどー。 細かい音程の揺れはあった。 が、事象そのものではなく、本人の焦りが状況を悪化させていた要因だと思う。
一生懸命になりすぎて、時にリズムにまで注意がまわらず、時に前乗りしたり、遅れたりもあり、ところどころ気になった。
ここいらは経験値でしょうなぁ。
どんな仕事でもそうだけれども、 ある瞬間を切り取った場合、素人がプロに勝ることはある。 ただし、ある一定の期間、環境の変化や体調が優れない時も含め、安定した高値のパフォーマンスを出す ところが、プロなんだろうと思う。
根性は言うまでもなく、Cuteさと伸びしろの豊富な彼女の今後に期待したい。
あと、キャサリンの曲、音程下げてたような気がする。 月曜日もか?今日だけ? 音感鈍いので気がつかなかっただけかもしれん。
アフタートークでスズカツさんが 「シアターX、グローブ座、シアターコクーンとメジャーな場に・・・」 と言っていて、ふーん素人にもそう思っていたが、やはり、メジャーな箱に出世、という価値観はあるのだ、と思った。
平日夜だが、1階と2階バルコニーまではほぼ満席、2階の後ろの方はあいていたようだが、 まぁまぁの入りではなかろうか。 宣伝も村川さんが多少TVでやっていた程度で、再演では何度か見た新聞広告は今年は見ずに終わった。
今後も、彼らの"アウトサイドからの揺さぶり"見守り続けたいと思っている。
My楽でしたが、大楽までチームL5Yが無事過ごせますように。
2010年04月06日(火)
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Last Five Years 4/5@シアターコクーン 続き
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L5Y4/5の感想続き。
まず、入って目を引いたのはウッディなセット。 初演再演がシャープで抽象的な空間なのに対し、温かみのある具象的な空間。 二人の心象風景というより、そこに彼らの生活を追う、今回はリアリティに軸を置いた演出なのかもと思った。
衣装の数も再演に比べてもかなり増え、そのどれもがGJ あぁそうです。ダークスーツ、好物です。 特に気だうげに壁に背もたれたところで落ちました。
ただ、衣装については、もちろん今回がイヤというわけではないのだけれども、 いつか一種類でも見てみたいという気はする。
同じ服を着ているのに、違ったように見える。 一着のスーツであるのに、スーツに着られている青年にも、 第二の皮膚の様に着こなす青年も、 スーツの生地ですら重く感じるほど疲れても見える青年にもなれる。 そんなのも見てみたい。
照明がゴージャスに進化していてこれもGJ。 特にThe Next Ten Minuite のNYの夜景、Endingの華やかで美しかった。
衣装といい、照明といい、金回りが良い?と邪推したくなる充実であった。
一夜明けて。 気を落ち着かせて、昨日の舞台を振り返る。 村川さんは可愛かったし、流石ではあったが、やっぱり歌はいま1つと思う。
ブレスの前の音が揺れるところ、全曲に渡って音色が1種類しかないところ。 歌についての感想は一夜明けても昨日とは変わらず。
感心したのは箒ダンス。 マリオネットのようだった初演では、あのダンスは寒かった。
今回はとても自然。 部屋で一人箒を相手に気持ち発散しているよう。
舞台を少ないながらも見ていて思うのが、 やっぱり激戦を潜り抜けて出てくる(要するに売れている)人は伊達じゃないということ。 事務所の力関係とかあれこれもあるのだろうけれども、そして、まだ見つけられていないだけの人もいるのだろうけれども、それでも、概ね言える筈。
出てくる人は抜群とはいえないかもしれないがある一定レベルをクリアする高いスキルがあって、かつ、華がある。 どちらかだけではだめ。
婉曲に表現するが、村川さんは流石は朝ドラヒロインであったと思う。 っつか、+Actでは婉曲じゃなさすぎてびっくりした。 「"なんかやっと"凄いものが出来る気がしている」って率直過ぎないか。(笑)
歌は井手さんの方が上手かったじゃない。 初演に比べ舞台上で二人の存在感のバランスも取れていたし。
ただし、今思えば陣地取りに終始していたと言えないこともない。 今回は一人芝居が二つの陣地取りでもあって、かつ矛盾するものが並んでいる1つの舞台空間でも合った。 そこは歌×芝居ではなく、芝居×芝居という同じフィールドでの並存だからかとも思う。 日にちがたつとより一体感のある絵になるだろうか。楽しみだ。
山本さんは。
もう何というか。 昨日は声も出ていたし、自由自在でした。
彼の表現力は、(現在の)テレビの枠じゃおさまらないし、(現在の)映画というのもちと違う気がする。 舞台しかないのだろうか。
自分は東京に住んでいるし、時間もお金も僅かながらも多少はなんとかなるから、見に行って堪能できるが、皆がそうとも言えない。また、最初の敷居が高いことも否めない。 もっと広く彼の凄さを知ってもらいたいという気持ちもあるが。 でも他にテレビや映画が(現在の)である限り、舞台以外は思いつかない・・・・。
なにはともあれ、彼に舞台という表現フィールドがあって本当に良かった。 あのスキルとエネルギーを志向性を持って放出できなかったら、どこに行ってしまっていたか。
パンフレットのSuzukaZさんのコメントが山本耕史の連呼過ぎて笑えた。 山本さんがインタビューにおいて 「L5Y初演でお客さんお客さんがすごい増えたのは、とてもうれしいことでした。 自分が映像をやることが、いろんな人がこういう作品と出会うきっかけになるんだと思って。」 と言っていた。
お客が増えた。で止まるのではなく、 こういう作品と出会うきっかけになったことが嬉しいとの発想が流れるところが、 どこまでも"100年先のことを考える男"。
確かに 筋金入りの歳三ヲタである私は、彼が土方を演じたことで彼を知った。 組!の山本土方にはまりつつも、 「いやいや自分が好きなのは歳であって、山本耕史ではない。勘違いしてはいかん」と散々否定し、 リンダリンダは見に行っていない。
組!が終わってからもちらちら気になる人ではあったので 「まぁ一度舞台を見に行って、どんな人だか見てみましょうかね」とL5Yの初演を見に行ったら、 Nobody Needs to Knowで目の前でぼろぼろ泣かれて奈落の底に落ちた。
彼のおかげで去年の夏のRENTも見ることが出来た。 新感線にまで範囲を広げてしまった(危険なのでこれ以上は抑制している)
幸せの機会を有難う。
さぁて今年のL5Yはもう一回あるんだ。 グッズも可愛いから、普段買わないんだけど買ってしまおうか
2010年04月05日(月)
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Last Five Years@シアターコクーン
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しばし、書きさぼっていたので時間軸を遡って適宜記載。(4/1と4/2。結局その日の欄に書くことに)
えっと、今日は誘惑に負けて買い足してしまったLast Five Yearsの舞台に行ってきました。 今年L5Y MY初日。
誘惑に負けて良かった。
再演の時は、井手さんの歌声でキャシーの気持ちが伝わってきたけれど、 今回は、歌の波動に気持ちが乗ってくるのではなく、まさにキャシーがそこに居た。生きていた。
勝気で自分では男っぽいと思っている、その思い詰め方が如何にも女の子、という、 頑張る女の子に良くありがちなキャシーがそこに居た。
なるほど、女優が演じるとこうなるのか。
村川さんのキャシーは歌も上手く、CUTEで、何よりリアリティがあった。 悪いキャシーではないと思う。
良いと言い切れないのは・・・。 歌単体は悪くはないが、音圧が同じで全曲押し通すと要するに飽きる。
水彩絵の具のイメージで言うと、 表現したい気持ちを色とすると、色は変えているのだろうが、濃度が同じ。
和食の味付けでいうと、素材は違うのに全部しょうゆ&昆布だし味みたいな。
しかも、その同じ音圧が柔らかさではなく、力で押しまくるタイプなもんで、最後はもう"勘弁してください"みたいな気持ちが1%くらいは沸いた。 いや、上手いんですよ。 気持ちの歌への乗せ方とか、流石と思うし、感情表現はさすが朝ドラで主演張ってただけのことはあると感服もした。 でもまだ、表現にスキルが追い付いていなくて惜しい感じ。
山本さんは、ああ初演から5年経ったのね。と思わせる、全体的に落ち着いたジェイミーでした。 最初の23歳のジェイミーにしても、若くはあるんだけど、軽薄さや飛び立ちそうな高揚感(うらはらの不安感)は感じられなかった。 (話はずれるがあの赤黒のシャツを見て、あージョンだぁ・・・と)
若くてもどっか自信と余裕に満ちた今回のジェイミーは、 最早"天才くん"という、才気ばしったChildishなガキではなく、 容姿端麗人品骨柄卑しからず人格識見才能全て兼ね備え、誰が見ても「あああいつは何をやっても成功するだろうよ」な奴でした。
それがジェイミーであっても良いのだけれども、才能に人格成熟が追い付かず、 鼻づら取られて切りきり舞いの、いびつな天才くんのジェイミーも好きだったなぁ、でも、きっともう出来ないね。 やっぱり舞台は一期一会だ、と思ったのものでした。
そして後半のやつれたジェイミーはもう、大人の苦み全開。 これは逆に5年前では無かった虚無の色気がばしばし。
昔はお気に入りのおもちゃが壊れたという苛立ちが前面に出ていたが、今では、 追いかけても掴めないむなしさ、人間という生き物の持つ逃れられない悲しさや疲れが漂う。
これもまた、一期一会。
あ、完全後回しになっていたが。 切れのあるダンスや、シュムールは相変わらず絶品でした。 彼は天才なので振付も自分でやってしまう、と振付担当(関連)の人が書いていたが、本当に。
あれは毎度凄い。 あれだけでも入場券分の価値はあると思う。
2010年04月02日(金)
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来年2月3月とテンペスト
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テンペストのNEWSを聞く。 最初はベートーベンしか思い浮かばず、あれを?どう舞台に? と???が飛んでいたが、全然関係ないのね。
詳細を聞いて、 あぁ、hedwigの時仲間由紀恵から花が来ていて、「接点ないのになんだ?」と思っていたが、 これだったかー、まず第一の感想。
次に、久しぶりにメジャーな舞台だな。主役じゃない舞台って何時ぶりだ?が第二。
で、何で出ることにしたんだ?が最後の感想。
何かを作る・・・という感じでもないし、えっと上手い表現が見つからないが、 要するにお仕事なのかしら?
でも、自分で選ばないものを人から貰うと意外にめっけもんだったりもするから、 (服とか本とかでも)、面白い機会になるかもしれない。
パンドラの番宣番組も無事録画成功。 主演の二人とともにインタビューがあったのが、嬉しかった。 面白い作品になっているといいな。
alain
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