小さな冊子を送ってもらって 幾人かの人たちの言葉に触れた。 選ばれた言葉たちに そうか…とうなずいたり ちょっと心配…と会ったこともない方の心を思ったり ネットではない表現方法に久方に出会って 心がほっとなった。 やはりいいな… だれかの手に触れた者…
週末にはどこからか花火の音が響いてきて 雷か花火なのか耳をすます。 温度の高い夏には音の聞こえが速いはずだけれど 遠くで揚がっている花火とわたしの間にはたくさんの「何か」の存在を感じる。 たくさんの「何か」の気配を遠雷のような花火の音は一緒に運んでくる。 それは祭りの人々の気配だし 夜にうごめく虫や生き物の息づかいだし もちろん見えない何かも混じっているんだと思う。 音はそんなものたちの「濃い」気配に少し歪んで聞こえてくる。 歪んで聞こえるのはわたしの耳だからかもしれない。 朝には豊穣と感じるその音のゆがみ加減が 夜にはちょっと狂いそうな気がしてくる。 蛾の狂ったような飛び方の聖火 みっしりと重い湿度の聖火 狂いそうだなと思うんだ。 夜空に花火の咲く一瞬 夜空を花火が裂く一瞬 アセチレンの光の後ろ側 その時だけ その場所にだけ そこにある気配 いつも「何か」をスキャンせずにはいられないわたしの耳が 気配を察知しようとするわたしの皮膚が 何かをとらえようとフル回転すればするほど 頭は萎えてどろんと眠気がやって来るのです。 どろんとね…
夜中の地震で目が覚めて 梅酒をソーダで割って飲んだりして 静かに夜の底にいる。 マンションがグラインドして揺れた。 柔らかくて無防備なヒトという生き物が 今宵 無傷に在るという不思議 何事もなく一日を終えるという奇跡 梅酒と一緒にじんわりと染みる。 今日も一日 喜んで暮らそう。 みなさん ご無事で。
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