今週に入って、いくつかの物たちが忽然と姿を消した。 いつもつけている小さなネックレス この間、買ったばかりのスカーフ まだ包装されたまま 携帯用のくし お弁当を入れる小さなバッグ いったい どこへ消えたんだか… 夫が最近掃除に身を入れているので、きっと脈絡ないものと一緒にどこぞへつっこんでしまったのかも? ってことは、いつもわたしが気儘にあっちこっちにいろんなものを置きっぱなしにしてるってことですね、ああ、そうともさ。 どうか、神さま、今日一日よいこでいますからあの品々を返してくださいませ… などと、勝手な願いごとをしながら、職場でふとバッグの中をかき回しておりますと、あれ?あるじゃん…くし… 何度も何度も探したのに、なんでここに? くしを使いながら、これはきっと他の物も次々現れるな…とふんでおりましたら、 帰宅するとやはり! 他の物たちも姿を現しておりました。 って、夫が探し出してくれたんですけどね。 あとはネックレスの出現を待つのみ。 おーいい どこにいるんだよぉぉぉ…
曇った寒い日曜の黄昏 ガスにはひじきがグツグツ 炊飯器で玄米がもうすぐ炊きあがる。 「鴎外の子供たち あとに残されたものの記録 」 著者 森/類 筑摩書房 を午後いっぱいかけて読む。 鴎外が存命だったころの森家のこどもたちの幸福は、全くまばゆいばかりで 長女・茉莉さんの随筆「父の帽子」と等しく瑞々しい筆致で表されていた。 茉莉さんのエッセイでは、まるで鴎外は茉莉さんばかりを猫かわいがりしていたように書かれていたけれど 類さんによると、茉莉・杏奴(アンヌ)・類(ルイ)それぞれを おまり・あんぬっこ、ぼんちっこ-と呼び深い愛情で育てていたようだ。 鴎外亡き後傾いてゆく後妻であったしげとその三人のこどもたちの生活、長女茉莉の二度の離婚の事情など、今まで知らなかったたくさんの事柄が書かれていて興味深かった。 昨夜、J-WAVEの夕方のクリス・ペプラーさんのプログラムにモデルの平子リサさんが出演していた。CDをリリースされたということだったけれど、そのロックンロールはとてもチャーミングで驚いた。 バイリンガルの平子さんだから英語の発音がよいのは陶然なのだろうけれど、なんともロックのセンスがキュートで魅力的。話される感じも謙虚で人柄のよさが伺われた。印象が180度変わっていっぺんにファンになってしまった。と書くと、今まで嫌っていたみたいですね、違います、あんまし知らなかったんですね。もしかして彼女のロックのセンスは周知の事実なんでしょうか?CD、買おうっと。
それにしても、友人が千葉から取り寄せたものだとくれたひじきの香りはなんとも言えない良い匂いだ。 磯野匂いとも少し違う新鮮な海苔の匂い。 鍋いっぱい煮たから冷凍しよう。弁当に入れよう。 さて来週も働くぞ♪ 新しい週を迎えられてみんなに感謝!
友人が鎌倉にバードカービングの展覧会を観に出かけた。 ギャラリーに並んだ美しい木彫りの鳥 それは素晴らしかったと教えてくれた。 木彫りの鳥--そういえば、わたしは木彫りの鳥のブローチを持っている。 もう何年も昔のこと。わたしには妹と呼べる人がいて、高原の小さな店で、彼女はわたしにそのブローチを選んでくれた。 きれいな青い鳥のブローチがほしいと言うわたしのために、彼女が選んでくれたのは、アオビタキのブローチだった。 その店の中には小さな木彫りのさまざまな作品があった。 アオビタキはその中にしつらえられたブローチのコーナーの一画に他のたくさんの鳥たちと並んでいた。 触れるとすべすべと優しい木の触感。 丁寧に仕上げられたのだね、君は。 あの高原の小さな店で 妹とわたしは美しい青い鳥を手に入れた。 アオビタキは今もわたしの側にいるけれど 妹はもういない。 妹は、もう妹と呼べない間柄になってしまった。 その人は弟のお嫁さんだった。 みんなが若すぎて、いつか何かが崩れていった。 彼女が妹でなくなったことは、わたしの心にも傷を作ったし、わたしももっと彼女を大切にするべきだったと後悔した アオビタキを思うと、胸のどこかがチクンと痛い。 実際、針で止めるブローチは、いつもわたしの体のどこかをちくんと刺した。 シャツに止めるときは胸を 帽子に止めるときは頭を わたしがお行儀が悪いのか、いつもチクリとどこかを刺すのだった。 だれかにもらってもらおうかしら? だれか鳥の好きな人に このブローチをあげようかな。 そう思っていた。 今日、ブローチを思い出して決心した。 自分で持っていようと。 時々、出してみて、自分の心をチクンとさせようと。 そして、妹のことを思いだそう。 遠い日の愚かだったわたしたちを思いだそう。 そう決めた。
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