Skipper Johnの航海日誌

2007年09月21日(金) 中国・バイオエタノールに「待った」_食糧確保で投資禁止

中国・バイオエタノールに「待った」_食糧確保で投資禁止

国家発展・改革委員会(発改委)は20日、「トウモロコシ加工産業の健全な発展を促すための指導意見」を発表し、第11次5カ年規画(2006−10年)期間中にトウモロコシ加工プロジェクトの開始や拡張を禁止することを発表した。20日付で香港・経済通が伝えた。中国国内ではトウモロコシの需要量が急増する一方で生産量が伸び悩んでおり、安定確保が大きな課題となっている。2010年の生産量は06年と比べて3.5%増の1.5億トンにとどまるものの、需要量は14.3%増の1.5億トン超となる見込みだ
(9月20日付け 中国情報局ウェブ)

戦略ポイント:バイオエタノールの将来は不透明か?

三井物産の2007年データによれば2006年度の世界のエタノール生産総量は50百万キロリットル、そのうちアメリカが19.2百万キロリットル、ブラジルが16.7百万キロリットル、三位は中国で3.9百万キロリットルだそうです。中国の主な原料はトウモロコシ、小麦だそうです。
サイト名http://www.env.go.jp/earth/ondanka/conf_ecofuel/05/mat01_5.pdf

ブラジルではバイオエタノールをガソリンに混合させて利用する状況がかなり普及してきています。エタノールの混合比率は20%強で、日常的に活用されている唯一の国といえるでしょう。こういう動きがブラジルから起こっているのはとても興味深いと思います。新たなウェーブになるかもしれません。

しかし、ここ1-2年ほど、米国やブラジルではバイオエタノール生産が加速度を増してきて、その反動でトウモロコシの先物価格が世界的に高騰しています。このニュースのとおり、中国でもトウモロコシの需要に生産が追いつかない状況らしく、バイオエタノール生産を少し減速してでもトウモロコシの安定確保が重要になってきているようです。

バイオエタノールはまだコストが高く、なかなか普及しづらい側面があります。しかし各国も智恵を絞って、エタノールを混合すれば、その量に応じたガソリン税を控除するなど、利用促進を進めています。

昨今、化石燃料の枯渇が叫ばれ、バイオエタノールのような再生可能な液体エネルギーへの需要が高まっています。中国は世界でも積極的にバイオエタノールの導入を検討してきただけに、今回の決定はブレーキを踏む形となってしまいました。更なる研究が進むことを願っています。



2007年09月20日(木) 北京:タクシーは全面禁煙に_違反者には罰金も

北京:タクシーは全面禁煙に_違反者には罰金も

北京市では2007年10月からタクシーの車内で運転手や乗客が喫煙することが禁止される。北京五輪が提唱する「無煙オリンピック」の一環だという。北京市の運輸管理局は、運転手が喫煙していることを見つけた場合には携帯電話のカメラで撮影し、通報するよう市民に呼びかけている。罰金は最高200元だという。20日付で新京報が伝えた
(9月20日付け 中国情報局ウェブサイトより)

戦略ポイント:チクることによるマナー違反への抑止力

北京では10月からタクシーで禁煙となるそうです。私はタバコを吸わないのでこういうニュースは歓迎なのですが、愛煙家には厳しい規則になりそうです。

上海や北京ではレストランでもまだ分煙があまり普及しておらず、禁煙席を希望しても「禁煙席はありません」と言われることがほとんどです。上海ではタクシーの運転手は一台のタクシーを二人で一日2交代、12時間勤務がほとんどです。運転手の片方が吸わなくてもパートナーの運転手が吸うのか、上海のタクシーには最近では「車内禁煙」と明記しているタクシーもたまに見かけますがタバコ臭いタクシーばかりです。

この記事で面白いのは、携帯カメラなどで撮影して交通警察に通報するよう勧めていることです。日本ではあまりこういうチクる制度はないような気がしますが、中国ではチクることはかなり有効な手段です。

中国には元々「居民委員会」という隣組の組織があり、各家庭のプライベートを含めたさまざまな状況をお互いが把握しているという状況があります。何かあると委員会を通じて地域の公安にチクる制度です。例えば文革の時は人の命に影響を与える組織でしたし、79年以降は一人っ子政策を徹底させるため妊娠の状況なども当然把握して指導するような組織です。現代の日本で言うとプライバシーの侵害とも取られかねないですね。

チクられることがマナー違反防止の大きな抑止力になります。例えば態度の悪いタクシー運転手には「ナンバープレートと共に会社へチクるよ」と言うと、だいたい下手に出てくることが多いです。タクシー会社からの査定やボーナスに響くか、罰金があるのかも知れません。

さてこの北京のタクシー禁煙、200元という罰金は運転手にとっては一日の手取り収入が吹き飛んでしまうくらいの額ですので当面効果がありそうだと思います。今度から北京でタクシーに乗るときはケータイのカメラを起動させておくのもいいでしょう。



2007年09月19日(水) 賞味期限は意外にあいまい_消費者の認識とズレ

(日本)賞味期限は意外にあいまい_消費者の認識とズレ

賞味期限や消費期限を決める責任はその食品を一番よく知っているメーカーにある。メーカーは微生物・理化学・官能の3試験を行いこれ以上はダメとわかったらそのときまでを「可食期間」とし、そこに1.0未満の「安全係数」を書けた日数が賞味期限となる。
流通業界からの要請、リスク管理や消費者心理などを勘案して、メーカーは一定の範囲内で賞味期限を調整することが許されているともいえる。だが、消費者はもっと厳密に期限が決まっていると考えていて、認識のギャップは大きい。
(9月13日付け 日本経済新聞)

戦略ポイント: 安全だと思い込む気持ちが油断を招くか

「こどもアサヒ」のサイト(http://www.asagaku.com/news_kotoba/news24.html)によれば、
「賞味期限」:食品の包装などをあけずに、指定の保存方法でとっておいたとき、十分おいしく安全に食べることができる期限。牛乳、卵、冷凍食品などに法律で表示が義務づけられています。ゆとりをもって設定され、期限をすぎたらすぐに食べられなくなるわけではありません。
「消費期限」:期限をすぎると急に品質が落ち、食中毒などのおそれがあるもの。お肉、おかず、調理パンなどにつけられます。
ということです。なるほど、期限も二つの種類があるのですね。

同じ記事によれば、賞味期限は通常、お菓子なら数ヶ月、冷凍食品なら一年くらい。消費期限はせいぜい5日間だそうです。賞味期限は当然企業の裁量によって変わりえるわけですね。また、流通業者からは賞味期限の残りが長いものを求められるが、長いほどメーカーは品質保証しなければならずコスト増にもつながるのだそうです。

また、賞味期限が不自然だったり異様に長かったりすると買わないお客も多いそうで、保存料などを大量に入れているのではと心配になるのが理由だそうです。つまり、賞味期限が短すぎれば廃棄しなければならず、賞味期限が長すぎれば保証コストが上がって消費者から敬遠されるという悩ましい状況なのですね。

その食品のことを一番よく知っているメーカーが自らの責任において賞味期限を決定するのは当然のことだと思われます。国もガイドラインを示しているようです。問題は、消費者が「賞味期限はメーカーがしっかり試験して決めた信頼できる期限である」と思い込み過ぎている点です。

ここ上海でも、日本食品の賞味期限が近づいてきたものを特売として売り出していることがあります。私たち消費者もそういう賞味期限は注意して買うようにしていますが、妄信的にメーカーの賞味期限の安全性を信じている部分もあります。先日も札幌の有名菓子メーカーの賞味期限改ざんの話題がありましたが、メーカーにはしっかりとした賞味期限計算の情報開示を、消費者は賞味期限が絶対のものではないことを頭に入れて購入する週間をつける必要がありそうです。

さて、中国で賞味期限がどのように定められるかを調べてみたのですが、まだうまく見つけられていないので、見つけたら後日報告します。



2007年09月18日(火) ジャッキー・チェンの環境保護活動

ジャッキー・チェンの環境保護活動

ジャッキー・チェンは2004年から中国環境文化促進会副会長に就任していて、さまざまな公益活動を通じた寄付だけでなく、新発電技術や殺菌技術の開発をしている科学者に援助をするなど積極的に環境問題に取り組んでいる。ジャッキー曰く「芸能人は公の人間です。芸能人の一挙手一投足は社会に広範な影響を与えていますので、自然と一定の社会責任が生じています。」と、環境問題への更なる取り組みを誓った。
(9月13日付け 第一財経日報)

戦略ポイント: 公人としての責任と義務を果たすこと

ジャッキー・チェンは香港生れですが、もちろんここ中国でも絶大なる人気を誇っています。ジャッキーは1970年代にあのブルース・リーの映画でスタントマンを演じたりなど、すでに香港映画界の大重鎮であり、30年以上も銀幕の世界のトップを走り続けています。

私も知らなかったのですが、中国国家環境保護総局が後押しする「中国環境文化促進会」の副会長も兼任して中国の環境対策に一役買っていたとは知りませんでした。私はジャッキーの人気の秘密として3つのポイントがあるのではないかと思っています。

第一は、誰にも真似のできないアクションを自ら演じられることです。例えば、米国のハリウッドで活躍している中国関係のスターはジャッキーやジェット・リー(李連傑)、チョウ・ユンファ(周潤發)などがいます。しかし、ジャッキーはその独特なアクションやキャラクターで誰もジャッキーの代わりはできないという芸風を完全に確立しています。これはなかなかできることではありません。

第二に、ジャッキーの継続した努力です。例を挙げると、ジャッキーは小さい頃香港ではほとんど英語教育を受けられませんでした。80年代にテレビで見たジャッキーのインタビューはすべて広東語でした。今はどうでしょう?ものすごく流暢な英語と北京語を駆使してテレビの前で堂々と話しています。トップスターが恥をしのんで外国語を勉強することはなかなかありません。そういうジャッキーの努力は語学だけでなくあらゆる面で生かされています。

第三に、環境保護を含めた国際的な社会貢献活動への参加です。記事のコメントでは「芸能人には一定の社会責任が生じている」と言っていますが、ジャッキーが自ら公人であることを自覚し、そこから発生する責任と義務を、国際的な社会貢献活動を通じて果たしていることには感動を覚えます。

ひるがえって日本では、有名人の社会貢献は若干自らの宣伝になるように取られることもあり、あまり積極的とはいえないようです。先日も24時間テレビをやっていましたが、一年一回のお祭りイベントではなく、自らのポリシーで貢献を選び実行していくことに関しては多くの日本の有名人にジャッキーの活動を学んで欲しいと思います。

有名人にできる社会貢献は大きな影響を与えます。われわれ一般人も、何かできるところから一歩ずつ、社会貢献してみるのが大切なのではと感じます。



2007年09月17日(月) 世界の水不足をトイレが救う_TOTOの節水技術

世界の水不足をトイレが救う_TOTOの節水技術

TOTOのハイブリッドエコロジーシステムでは、まず水道からの水流が便器内のボウル面を洗浄し、次にタンクからポンプで加圧されて来る水流が汚物を便器内から勢いよく押し出す。2つの水流を効果的に組み合わせたことで、少ない水量で便器を洗浄することが可能になった。大洗浄の使用水量は5.5リットル、約10年ほど前までTOTOの主力商品だったタンク式トイレでは、大洗浄の使用水量は13リットルが一般的だっので、使用水量はこの10年で約65%も削減された。
(9月14日付け 日経BP online )

戦略ポイント: 最先端技術が中国で使えることもある

同記事から更に引用します。「家庭の中で1日に一番水を使う場所は、風呂でも台所でも、洗濯機でもない。東京都水道局の『平成14年度一般家庭水使用目的別実態調査』によれば、それはトイレだという。家庭での1日における水の使われ方はトイレが28%を占め、風呂(24%)、炊事(23%)、洗濯(17%)を上回る。トイレでの節水は、家庭全体の節水にとって大きな効果があるのだ。」 

なるほど、トイレの節水はお風呂の節水より効果が大きいんですね。私はお風呂の水量が多いと思い込んでいたので目からウロコでした。お風呂のお湯を洗濯機で再利用するのがいいのかと思っていましたが上海ではお風呂と洗濯機は離れているのでできません。トイレのタンクを小さくするという節水の新しい選択肢に感動しました。

さらに面白いことをこの記事は書いています。「中国市場でも今後、TOTOの節水技術は威力を発揮しそうだ。中国はもともと降雨量が少ないうえ、急激な都市開発と工業化に伴って深刻な水不足に悩まされている。中国市場でウォシュレットを販売するTOTOは、すでに高級ブランドとして認知されているが、今後は節水技術を核として中国での事業拡大を狙う。2006年11月には、世界で初めての大洗浄4.8リットルという超節水便器を中国で発売した。」 (筆者註:日本が5.5リットルなのは住宅が狭く配管が複雑であるからだそうです)

おぉ、なるほど、TOTOはその節水技術によって中国で最先端の便器を発売しているのですね。驚きました。中国のお手洗いは国産の陶製便器を中心に世界各国のものが設置されています。あまり水流がスムーズでないものも多く、大洗浄は禁止というお手洗いも見かけます。

中国では「とりあえず用を足せる機能」が求められることが多く、とりあえずトイレに便器があればいいという感覚は強いと思われます。しかし、上海などの都会を中心にだんだんとエコロジーを意識した人たちが増えていて、もっと水を節約できる便器に替わっていく可能性を秘めています。

また、この記事にも紹介がありましたが、「数千人の優秀な研究スタッフが日夜トイレの改良を行っている会社は世界でもTOTO一社しかない」という部分に目が留まりました。やはり専業であるということはブレなくて強いんですね。その代わり多くの時間とコストをかけていいものを開発しているのだと想像できます。今後TOTOの中国での活躍を大いに期待しています。



2007年09月16日(日) 純金の月餅は誰が食べる??

純金の月餅は誰が食べる??

純金の月餅がなんと31,568元(筆者註:金の重量は不明)。月餅型のクリスタルに金メダルのような純金が入っている。国が定める「月餅強制性国家基準」の規制対象外で、この純金月餅に対して賄賂性を感じる人や、奇をてらった金儲け主義のように感じる人などネガティブな受け止め方が多いようだ。
(9月12日付け 人民網)

戦略ポイント:「振り切ってしまう」潔い姿勢

今年は9月25日が中秋節です。上海市内も有名ホテルやレストラン、商店で月餅が並び始めました。ここ数年はハーゲンダッツの月餅アイスが人気です。月餅の原型は中国古代からあるそうで、「月餅」と名づけたのは唐の楊貴妃だという説もあるそうですが定かではありません。今のような餡を入れて焼いたおまんじゅうのようになったのは明代あたりだそうです。

中国の「月餅強制性国家基準」では月餅セットの過剰包装を制限する目的で制定されたそうで、月餅の包装コストが月餅自体の製造原価の25%を越えてはならない決まりがあります。また、別の高価なものを同じ月餅の箱の中に同梱するのも禁止だそうです。これには高価な賄賂を防ぐ意味合いも含まれています。

しかしこの記事の「月餅型の純金」は食品ではないのでこの基準の対象外とのこと。いろいろな規制の目をかいくぐった商品なのですね。月餅は人に贈るのが基本なので、月餅は贈り物の代名詞であり、黄金月餅は自らの蒐集品ではなく賄賂として送られるというイメージが一般の中国人にあるのでしょう。記事にも「次回の月餅強制性国家標準改正時には月餅の形状をして月餅と名づけられるもの、つまり黄金などを禁止すべき」と厳しい意見が出ていました。

黄金の月餅は若干やりすぎのような感じはしますが、アイデアを実行に移してしまうという点においては素晴らしいと思います。私は典型的なビビリなので、始める前に「失敗したらどうしよう?」とか「他人からどう思われるだろう?」と心配して結局踏み込まないことが多いです。ここ中国では、「思いついたらすぐ実現させてしまう」という現象をよく見かけます。この黄金月餅もその部類でしょう。

黄金月餅に限らず、行動するなら「振り切ってしまう」潔さが中国の社会にあふれています。後先のことは一旦横に置いて、商品に命を吹き込んで振り切ってしまう姿勢は、時に多く学ぶものがあると感じます。



2007年09月15日(土) 80年代生まれは午前結婚して午後離婚する「フラッシュ離婚」

80年代生まれは午前結婚して午後離婚する「フラッシュ離婚」

今年22歳の新郎と20歳の新婦は知り合って1ヶ月で法定の結婚年齢に達し結婚した。午前中に婚姻届を提出した二人は結婚写真について写真館で口論となり、午後3時には離婚手続きを取った。80年代生まれの一人っ子には結婚前の訓練や教育が更に必要との意見がある。
(9月12日付け 人民網)

戦略ポイント:中国の世代間ギャップは大きいか

どの国でも各世代の特徴をうまく捉えて名前を付けたりサービス開発や商品開発に活用したりしていますね。日本では団塊の世代(戦後ベビーブーマー)や、新人類(昭和40年代以降生まれ)とかが話題になりました。最近では団塊ジュニアの世代も話題になっているようです。

中国では昔、「60年代生まれ」と「70年代生まれ」という言い方がありました。60年代生まれは1966年に文化大革命が始まったため、幼少時から文革の影響を受けた世代という意味になります。「70年代生まれ」は1976年に文革が終了し、小学生の頃から80年代の改革開放と共に成長してきた世代ということになります。

最近よく「80年代生まれ」(中国語では「八十後」)という表現がでてきます。これは中国では1979年から一人っ子政策を始めたので、両親だけでなく多くの4人の祖父母や多くの叔父叔母に大切に育てられたLittle Emperors(中国語では「小皇帝」)のような80年代生まれの世代を指しています。生まれたときから社会が豊かになっていて、ちやほやされて育ったため古い世代から見ると80年代生まれにはいろいろと意見があるようです。

この記事も、80年代生まれの若いカップルが引き起こしたフラッシュ離婚の話題です。この記事を書いた人は、若いカップルのノリの軽さを嘆きつつ、再教育が必要ではないかと問いかけています。

何かの本を読んでいたとき、「2千数百年前の古代ギリシャの陶板には『近頃の若いものは全くだらしない』と書いてあった。」という箇所を見つけて思わず笑ってしまいました。年長者から見て「近頃の若いものは、、、、」という感覚は数千年前からあるということなのですね。どの時代にもジェネレーション・ギャップ(世代間ギャップ)というものがあるということなのでしょう。

ITが大量導入されるようになってからは社会の変化の速度も更に加速されているような気がします。時代の変化が速くなれば、若者のフィーリングが変わっていくのも仕方の無いことなのでしょう。しかし、時代の流れというのは表面では速いように感じることがありますが、実際に民族の感情や習慣は表面の変化とは裏腹にゆっくりしたスピードでなければ変わらないものも多く有ります。

例えば、先日も100年前に新渡戸稲造が書いた「武士道」を読み返していましたら、随所に全体主義的というか、周りの目を気にして自らの行動を決めていくような当時の日本人の民族性が書いてありました。これを見て官僚的でコンセンサスを重視しやすい現代の日本人の雰囲気とあまり変わらないかのようです。こういう雰囲気は100年前からあまり変わっていないようで、日本人の本質的な部分は世代を越えて伝わっているのだなぁと再認識しました。

さて、ジェネレーションギャップの話に戻しましょう。80年代生まれの方々は総じて淡白な感じはするものの、正直あまり他の世代と大差はないのではと感じています。世代ごとの共通の特徴を論じていてはまるで血液型性格判断に近くなってしまうのではないでしょうか。個人は人それぞれ、どんな世代にもいろいろな人がいるのだと思っています。



2007年09月14日(金) 敬老の日、高級弁当で祝う

(日本)敬老の日、高級弁当で祝う

敬老の日を百貨店などで予約が必要な高級弁当でお祝いしようというお客が増えている。有名料亭などの5,000円前後の和風弁当が人気。4-50代の女性らが両親に買い求める需要が目立つ。家族と一緒に自宅でのんびりグルメを味わう志向があるようだ。
(9月11日付け 日本経済新聞)

戦略ポイント:自宅で高級なお弁当をプレゼント、上海では清潔感が鍵

日本で高級弁当といえばお正月のおせち料理が頭に浮かびますが、和食好きな世代が多い高齢者向けに高級弁当をプレゼントするのは知りませんでした。

送る側からすれば一流料亭の味が満載の高級弁当は手軽に注文できるグルメですし、お世話になった両親と共に家族団らんの話題としてとても楽しみなイベントになると思います。
ハイエンドを狙った企画ですね。

ひるがえって、ここ上海のお弁当はどうでしょうか?根本的に日本と違うのは、いくら高級料亭とはいえ半日以上前に調理したお弁当はあまり歓迎されません。お弁当といってもついさっき調理してそのままデリバリーされたお弁当を熱いうちに食べる習慣があります。

ですから、日本のデパ地下や商店街などで見かける中食(なかしょく)と呼ばれる惣菜購入も、上海ではあまり見かけません。いつ調理されたかわからない食品には衛生上の信頼が置けないわけです。

上海でも最近では旧正月前に家族で「年夜飯」と呼ばれる、年末の家族団らんの夕食を取るようになりました。以前は自宅で調理していたそうですが、最近は一流レストランの個室でかなり豪勢にやるようになっているため、クリスマスから旧正月までの有名レストランはなかなか予約が取りづらくなっています。

さて、ではこの「年夜飯」を日本のような高級弁当に切り替えるのは今のところまだまだ時間がかかりそうです。美味しいものを家族と共に楽しむという気持ちは同じなのですが、調理したてのアツアツ感が上海の人にとっては大切な価値なのです。

しかし、上海の弁当がいつまでも今のままだと思うのも早すぎる決断だと思います。1990年ごろに中国でようやく袋入りのインスタント麺が発売された頃、多くの世論は健康的でないし美味しくないとインスタント麺を歓迎していませんでした。しかしほどなくしてすごい勢いで普及し始め、お湯を注ぐだけのカップ麺もどんどん市場に受け入れられました。今から考えるとインスタント麺は値段の安さとどこでも食べられる気軽さ、そして大切だったのがお湯で作るという熱湯消毒から連想する「清潔感」にあったのだと気づきました。

これはあくまで昔の例ですが、上海でのお弁当も「清潔感」というバリアをクリアすれば、もっと別の発展局面が来るかも知れません。



2007年09月13日(木) 中国の8月CPIが6.5%に急上昇

中国の8月CPIが6.5%に急上昇

国家統計局の発表によれば、中国の8月のCPI(消費者物価指数)は6.5%に上昇し、ここ10年の単月上昇率では最高を記録した。これに伴って10日の上海A株指数は4.51%下落した。CPI上昇の主な要因は食品価格の上昇とのこと。
(9月12日付け 第一財経日報)

戦略ポイント: 上にインフレがあれば下に対策あり

8月のCPIが6.5%となり、近い将来中国ではインフレがやってきそうな感じになってきました。インフレとは、簡単に言えば市中に多くの通貨が流通し、モノの値段が上がりその反面お金の価値が下がることです。

現在の上海でも、一般住宅価格はようやく横ばいになってきましたが、市中の物価はどんどん上がっています。先日もたまに行くラーメン屋のラーメンが15元から16元(6.6%)に値上げされていました。

インフレになると中央銀行である人民銀行は貸出金利を引き上げて市中の通貨量を減らすようにコントロールします。人民銀行の周小川総裁は「金利の調整は有意義なレベルに調整されることを希望はしている(9月12日付け第一財経日報)」と発言していて、チャーターバンクの王志浩アナリストは「今年中に2回くらい利上げがあってもおかしくない」と述べています。

さて、利上げが行われるとなると、株式市場の変動リスクを避けたい機関投資家のお金が動いて銀行に預金が増えます。つまり株を売って銀行に預金をするので、売られた株は下がり、株式市場全体の価格が下落します。

また同時に、国債も売られて預金に回っていきます。国債は主に中長期で運用されるため将来のインフレ懸念があるときは物価の上昇率より国債金利が低くなる可能性があり敬遠されます。国債の人気が下がれば国債金利が上がっていきます。中国政府は9月10日に2,000億元の大型国債の発行を始めましたが、インフレ懸念で人気がないようです。

インフレになると現金や預金の価値が目減りするので一般的にはモノに換えようという審理が動きます。世界的には石油価格が再び1バレル70ドルを超えていますが、金も1オンス700ドルを超えました。中国でも不動産や金、美術品が人気のようで、価格が高騰しているようです。
昔、香港の老華僑に、「インフレ時は金の現物を持っておけ」とアドバイスされたことがあります。香港や台湾には小さなストリートにも「銀楼」と呼ばれる貴金属販売及び換金のお店があって容易に希少金属の売買が可能です。上海でも南京路やショッピングモールで金細工を売っている光景を見かけます。今後中国でも金が買われることになるのでしょうか。



2007年09月12日(水) 在中日系企業の組織モデルが曲がり角に

在中日系企業の組織モデルが曲がり角に

日系企業は海外での投資展開が相当に慎重で保守的になっている。また日系企業のグローバルな組織モデルは極度に本社へ集中していて、世界各地に散らばる子会社には決定権が無く、現場での執行権しか与えられていない。中国でも現地化が強く求められており、現地化の試金石としては中国市場にマッチした商品をきちんと投下できるかどうかにかかっている。
(9月10日付け 経済観察報)

戦略ポイント:日系企業のガバナンスのあり方

各企業のガバナンスのあり方は、その企業のミッションや戦略によって決まってくるものですので一定の理想的なモデルがあるわけではありません。また時代によってもガバナンスの仕方が変わってきています。

例えば、4-5年前までは日系の大企業は「カンパニー制」を採用しているところが増えましたが、それはそれで横の連絡が悪くなるなどの弊害も指摘されるようになり、今ではあまり聞かなくなりました。

この記事のように中国でも日系企業をよく研究している人がいるもので、本社決定権が極度に強い日系企業の本質を突いていると思います。本社の決定権が強いのはそれはそれでいいのですが、日系企業は日本国内市場のみに特化するのが得意な反面、中国市場のことも日本本社で決めることが多く、中国市場の要求とはマッチしにくい商品開発をして現場で不評を買っているという側面が見えてきます。

取締役会などを含めた集団で意思決定をすることに慣れている日本企業は、現場単独で意思決定させて任せるということに慣れていない感じがします。上からの指示を待つ体質が、中国という大きな市場を前にして日系企業の競争力を低下させているとしたらもったいない気がします。

先日、トヨタに関する日経ビジネスのウェブ記事を読んでいたら、「トヨタ・サンアントニオ工場のヘンリー氏いわく、トヨタのやり方は上の人間が解決策を見つけてくるのではなく、どうすればいいか君が教えてくれというやり方だ。」と書いてありました。現場の改善提案を重視するトヨタらしい話だと思います。

企業のガバナンスをすぐに変えることはできませんが、現場を中心として意思決定までのプロセスに深く関わりつついい方向に持っていくことはどこでも可能です。今すぐできることから始めてみることが大切だと思っています。


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Skipper John