舌の色はピンク
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2022年05月06日(金) 電車内警官四人組、イヤホン復活

晴れ。あたたかい。
7時半に起きて居間へ。
今日は弁当なしだからかなり余裕がある。
妻用のトーストにはフムスとクリームチーズを塗ってやり、
さらにヨーグルトにはバナナを刻んで入れてやった。
週末の雨模様を懸念して洗濯。
出勤直前にシーツだけは干してやり、あとは妻に任せた。
8時半出勤。


荻窪駅から東西線に乗り込むと、
警官四人と同一車両に乗り合わせた。
いてくれるだけで犯罪抑止になるのだから
なにはなくとも二人二人に分かれてくれた方が
痴漢とかもより牽制できるんじゃないかな…と思うが
そんな一義的な目では見ちゃいけない。
しかしなにかタラタラしている。
一人は吊革二つに両手を挙げる格好で体重を預けて
そのへんの高校生みたいだったし、
また一人は片足を折り曲げて姿勢悪く立っていて
そのへんの中学生みたいだったし、
…昨今取り沙汰される、やれ自衛隊員がやれ消防隊員が
物陰で水を飲んでいただの態度が悪かっただのというクレームは、
あれはまさしくクレームだとは思うのだけれど、
じゃあこの場合はどうか。
仮にも制服をフルにまとって荷物を手にし、
さらに四人組でいる以上は公務の最中ではあるのだろう。
それが電車内という公共の場において、
人々の規範となるような佇まいを到底してくれていない…。
いや、ありか。
信用は減らすけど、非難されるほどではないだろう。
問題があるとすると、吊革二つを専有していた一人は
大きめのバックパックを背中に提げていて、
さらにドア付近のエリアに陣取っていた。
電車が駅に到着してホームから人が乗り込んできても
わずかに身を捩らす程度で、まぁ邪魔になっていた。
というか一般客だったら明らかにただただ邪魔な非常識扱いだろう。
彼らは会社員とは違うから、
普段から電車に乗り慣れているとは言い難い。
いや交番勤務でも電車通勤してるのかもしれないが…
乗り慣れていないことにしてやりたい。
問題は、四人いるのだから他のまともそうな警官が、
彼を律するべきなのだ。
これは会社員だろうが大学生だろうが変わらないけど。
単純に態度が横柄で、並よりかは図体のでかい成人男性が
ああやって車両内にのさばっているのは、
女性目線から見れば直感的に「怖い」とも思える。

あとはショックだったんだな。
漫画、天使な小生意気の作中で、ニセ警官の出てくるシーンがある。
主人公がそれを看破できた根拠は、
「お巡りさんって武道やってるだろ。
あんなチンタラ歩かないよなと思って」
と説かれる。

いやー チンタラ歩いてましたねー。
新米ってほど若くも見えず
二十代後半くらいだったはずだけど。

あれ声かけても良かったんかな。
もう少し電車内でのマナーを気遣ってくださいと。
署に一報入れるのは違うもんなあ。
直接ならありな気がする。


ワイヤレスイヤホンが復活した。
買ったその日からずっと
ろくに繋がらなかったが
ある日服のポケットに入れたまま洗濯してしまい
浸水しきった結果完全にオシャカになってしまい
でも
これ乾いたら復活する気がする
と直感して
冷蔵庫にずっと入れっぱなしにしておいて
で昨日試してみたら順当に機能した。
今日に至って、連続再生40分も達成。快挙。

まあ当たり前のことができるようになっただけなんだけど。
有線時代に戻せという考えも変わりはしない。
でもそれはそれとしてよかったな。


昼飯はインドカレーを食べた
チーズナン食べるかどうかかなり悩んで
悩んで悩んだ挙句ガマンできると思えたからガマンした。
でも今月どっかで食べておきたくはある。


カバチタレ面白い。
書類で戦っていく大人のバトル。
ナニワ金融道のスタイルを模しているだけで
書き手はまったく別人なんだな。
あの密度で長期連載ってものすごい。


夕飯はガパオライスにした。
豚ひき肉と、パプリカと海老と目玉焼きと大葉で。
美味いよなあ。
海老も合うしよお。
これ人に提供してやりたい。
シンガポールライスよりもクセないし手軽だし。


民話読み聞かせて寝た。


2022年05月05日(木) 義母から贈答、WiMax解約ストレスマックス

連休最終日。天気が良い。
午前中は掃除。
燃えるゴミを捨てて、
やや臭うようになってきたゴミ箱をきれいに拭いて、
外に置いて日光干しした。
4時間くらい日光にあててから新しい消臭シートを貼るわけだ。
これから始まる蒸し暑い季節に向けて、準備は万全に整えておく。


10時半過ぎにOKストアへ。
野菜をドカッと買った。
ここしばらくはお客さんもてなしが続いていたが
当分はそんな予定もない。
買い物が実に気楽。

その足で今日も西荻へ。
途中でフレンチビストロ店オルガンを目にする。
ちょくちょくTwitterで評判を見かける名店だ。
できれば出産前に一度は行っておきたい。
やや値が張るけども。

TSUTAYAでDVDを返却。
その目の前にある服屋で、
アニマルプリントのシャツが目についた。
僕は動物柄の衣類を集めている。
しかしこだわりがあって、
よく見ないとそれと一見気づかない、
模様に溶け込んだ動物柄を欲している。
なかなかその好みに合うものは見つけられず、
それだけに見かけたら手に入れている。
今日見たのはパンダ。
か、可愛い。
ごく小さいパンダのイラストが無数に描かれたシャツで、
かなり好みの柄だった。
ただ8800円する。
いったんは見送ることにした。

いつもとやや違うルートで家へと向かったら、
商店街で臨時店舗が開いていた。
フリーマケット的な。
古本に誘われて入ってみた。
古本は…冊数はあるが、本読みのラインナップではない。
藤沢周平とか赤川次郎とかそういう。
服は女性向け。
何も買わずに出た。
B型ベビーカー500円だけ気になったけど。


昼飯は妻のリクエストに沿ってそうめん。
練り生姜を溶かしたつゆに、
大葉、みょうが、ごま、万能ねぎを加えていただく。
美味い。
なんとこの部屋に合うことだろう…。
開け放した窓からの涼風が
バルミューダの微風にそそのかされて
たまに吹き抜けてくる。気持ちいいったらありゃしない。


食後、掃除をかんぺきに済ませて、
部屋を整え、妻は写真に収めた。
これからは子ども用品があふれかれるからと、
最後に一枚撮っておきたかったらしい。


13時半、義母をおまねき。
あれこれベビー用品をいただく。
ご自身で縫われたのだという帽子はネズミ柄で、
さぞや赤子に似合うだろうと思われた。
さらにブランドものの外着。
定価はとても高い。
それが、セールで半額やら7割引となった品のようだ。
ただ新生児用ではなく、もうすこし育ってから着させることになる。
いずれにしてもありがたい。
さらに、お義母さんの妊娠出産の日誌を頂戴した。
かなりプライバシーに関わることが書いてあるので、
妻に預けた。
もてなしは先日の果物と、温め直したフィナンシェだけ。
母娘がつらつらと妊娠出産の話をし続けているのと、
たまに合いの手を挟む程度でおとなしく聞いていた。
広島の義祖父にテレビ電話をかけ、
あとは義弟の結婚式の予定などにも言及し、
16時過ぎにお義母さんはおいとまとなった。

それから、いただいたものを冊子に記入した。
数年前に買った、”おつきあい”の記録のための本。
ここに出産祝い品などを記入する。
後で内祝いを贈る際に漏れがなくなる。

やることやってから、
今日も廊下の椅子でリラックスした時間を過ごした。
妻は義弟の立ち回りについて問題視していた。
8月に結婚式を控える彼は、
本来なら親族を中心に各方面へ必要な連絡を随時こなし、
その障壁があるなら払えるよう根回しをしたり、
費用を負担してくれる親に向けての義理を果たしたり、
いろいろいろいろとやることはあるはずなのだが、
妻から見れば全然できていなくてもどかしいという。
姉として指摘してやらねばなるまいと発奮している。
僕からしてもたしかにもどかしさは感じる。
ただ、僕は自分のなすべきことが道筋としてはっきり見えるタイプだから、
それに沿って物事を運んでいくだけで、
実際自分の結婚式の際にも
その通りに進めてあまり苦労はしなかった。
妻は道が見えないタイプだ。
問題点は発見できる、課題を挙げることはできるから、
今回も彼のかかえる問題をいくつもあげつらってはいるが、
自分が当事者だったら、
じゃあどうするか、どんな順序でことを進めていけばいいかが
なかなか見えないだろう…と諭すと、
たしかに私もそうだ、気づきたくなかったと苦笑していた。
ただ今回は、義弟はその問題点自体に気づいていない可能性もあるから、
やはり姉からの指摘は必要なのだろとは思えた。
僕は「まぁ、まぁ」といなす役回りだな。


夕方を前にサッポロ一番を二人で分けて食べた。
庭で。
美味しすぎる。
ついでに蔦を切った。
いずれスズメバチを寄せ付けかねない植物が、
木枝に這って延びていたのだ。
大物を三本引き抜き、まだそう延びていないものも
五、六本始末した。


19時前、妻は散歩に出かけていった。
夕日が綺麗だったらしく、
僕も行けばよかったとやや公開した。

夕飯は海老とタケノコとキャベツのナンプラー炒め。
タケノコはエグみをとるためにバターで炒めてからあわせた。
いずれも食感が抜群。美味しいったらありゃしない。
パクチーも添えてみたがこれは強烈。
料理によって存在感がとても変わるのは面白い。


割拠、なんか全然進まない。
アタマが切り替わらない感じ。
表現したいテーマが一年前よりも薄れてる実感がある。
呪いと祝福。
掘り出したほうがいいのか、差し替えたほうがいいのか。


読書会についての本を読んだ。
いかにも木っ端ライターが書いた文章で
たいへんつまらなかったが、
自分が読書会を開くとしたらどうなるかのビジョンを
ほんのり具体的にはしてくれた。
ためしに妻に訊いてみると、
大学時代いくつかの読書会に参加した経験から、
ガチならガチなほどよいという答えだった。
ぬるさとか気安さとか緊張感のなさは
つまらなくするばかりだから
ガチガチに難解な課題本に
長い時間かけて取り組むのがいいし、
できれば専門の研究者や教授が居座ってくれるのが理想、
という。
「自分の理解が及ばないところを他の人が補ってくれるから。
そうじゃないと読書会の意味ないから」
なるほどもっともではある。
じゃあ自分はとなると、
僕は本を読んで得た知見も疑問も感興も、
べつに他人と分かち合いたいわけじゃないし、
また他人の視点を必要ともしていない。
だから読書会への動機は、純度が低いものとなる。
有り体にいえば、それを手立てとして、
友人知人の人間関係を広めることになってしまう。
「でもきみ友達いらないじゃん」
と妻はいう。
「そんな」
「いらないいらない。きみに友達なんかいらないよ」
なんてことをいう妻なのだろう。
ただまぁたしかに、そうなのかもしれない。
少なくとも読書を介した交友関係などはいらないのかもしれない。
すべてを割り切ってしまえば相当上手くやれる能力はあるはずだけれど、
目的の方がぶれている…。


WiMaxの契約を切った。
屋内外問わず通信が安定しなさすぎだし、
毎日のストレスがモノスゴイので。
それで違約金払わされるのは望ましくないが…。
どうせ2ヶ月後には育休が始まって、3ヶ月はいらないしな。
自宅なら光回線があって、
外でもスマホの4G回線があるから。

でWeb上で解約手続き。
お定まりのアンケート画面。
ご解約の理由をお聞かせくださいという。
ぬけぬけと…。
並んでる選択肢の中から一つしか選べないし。
「通信速度が遅いから」
にしたけど、遅いとかいう以前に
そもそもつながんないんだよな。
「どうかこれからの消費者のために、広告に大きく
『※ろくに通信つながりません』とでも書くようにしてください。」
と書き足しておいた。
こんなん絶対上の人間には報告されないんだけど、
目にしたオペレーターが一人でも
こんな会社の仕事に関わってるの恥ずかしい、
と思ってくれたらいい。

で解約手続き全部済ませた後に新事実が。
端末のSIMカードを返却せよという。
それ自体は構わないが、佐賀にある会社に郵送して、
郵送費用はこちら負担という。
凄まじいストレス。
最後の最後までこれか。


妻はベビー用品の残りをネット上で注文していた。
布団などを合わせて5万円ほど。
かなりの額だ…。
もっと削れるはずではあるのだが、
妻の高級志向、
というよりは高品質志向はかなり根強いものだから、
もうこの際折れておいた。


民話読み聞かせはサウジアラビアの長編。
3人の女がそれぞれ、
夫をハメてやった話を披露していく。
ダメ恋図鑑みたいで楽しい。


2022年05月04日(水) 蛇との遭遇、錦糸町買い物、ジャリカットゥ

晴れ。休日。あたたかい。
昨夜の始末がまだある。
それらを済ませてからOKストアへ。
酔狂でタケノコを買った。買っちまった…。
さらにスギ薬局に寄り、
今日こそはと蚊取り線香を買った。
900円くらいするんだな…。
1巻きで30円くらいか。
しかし夏への気分には変えられない。

その足で西荻に向かってTSUTAYAへ。
ジャリカットゥを借りた。
この店ももうじき料金が改まるらしい。
旧作は7泊8日のみ、275円。けっこう痛い。
準新作も7泊8日のみ、495円。かなり痛い。
新作だけ1泊2日があって410円。2泊3日が495円。
ウーン……。
単なる値上がりじゃなく、これまであった
「旧作準新作の1泊2日」の選択肢がなくなるというのがつらい。
つらいというか理不尽というか。
商売上の工夫ではある。
だが消費者側に不利負担をあけすけに押し付けるのは
賢い工夫ではない。
月額1100円のプレミア会員にさえなれば
「旧作準新作の1泊2日」の選択肢が発生する。
なんじゃそりゃ…。
本末転倒。
サブスクのサービスにこのままじゃ負けるジリ貧だからと、
もがけばもがくほど負け筋に走っていってる。

それでもアマプラやネトフリなんかよりは
TSUTAYAを応援するけども。
そういや自分がTSUTAYAの店員だった頃は
ゴールデンウィークなんつったら
客がズババババババーッと
常時20人くらい並んでたなあ。
時代は変わった。
店舗に客も店員もろくにいない。
あれから15年以上経ってんだもんなあ。
いやあ、よくもってるってもんだ。


帰宅後、早速タケノコを水から煮る。米ぬかとともに。
ちゃんと皮は3枚剥いて、穂先は1/5切り落とした。
唐辛子も入れた。
これでえぐかったらお慰み。

何も予定は入れないつもりだったが
晴れているので錦糸町に出向くことに。
家事一切を済ませて昼飯。
カツオの刺身を豆腐の味噌汁でいただく。
美味い。実に美味い。
毎日これでもいいなとすら思える。

タケノコは1時間半ほど煮ることができた。
家を出る直前に火を止めて、あとは放置。
自然に熱が取れるのを待ったほうがいいらしい。


外は日差しが大分暑かった。
荻窪駅までは物陰もあまりなく、
妻の体力が心配されもしたが、
途中の橋で妻が
蛇!
と叫んで駆け出した。
何かの聞き間違いかと思いながら追いかけていくと、
妻が指差す先に、たしかに蛇がいた。
川の端のコンクリートとの境目でじっとしている。
アオダイショウであるらしい。
1.5m近くある。
かなりびっくりした。
上からとはいえ都市部でこれだけ大きな蛇が見られるとは…。
それも、よく見つけたものだ。
直線距離で30mくらいはきっと離れていたろうに。
実際、道行く人は誰も気づかず通り過ぎている。
僕は辺りの人に教えてやりたいくらいだった。
蛇がいますよ、ほら、見てくださいと。
蛇はじっとしていたが、ちょっと動いてもらいたくなって、
頭部めがけて砂利を振りかけてみた。
いっこうに反応がない。
それではこれならと、
手持ちのペットボトルのルイボスティーをかけてみると、
にわかにニョロニョロ動き出し、
水流に負けかけながら対岸まで泳いでいった。
それからまたじっと寝ていた。
正味15分ほど観察していたが飽きなかった。
いいものが見れた。


錦糸町へは総武線で一本だが30分以上かかる。
衛府の七忍を読んだ。沖田編。面白い。
錦糸町へは着くなり目当てのアルカナ錦糸町へ直行。
アカチャンホンポで肌着やベビーバス、
ほ乳瓶関連商品などをこまごまと買う。
トータル18000円くらい。
大物はないのにけっこうするな…。
はじめの数ヶ月しか使わないものがほとんどだから手痛い。
肌着に関しては、半袖とコンビ服を
それぞれ五着ずつほど欲しかったのだが、
白無地となると選択肢が限られ、
ちょうどいいと思われたセットが長袖だったりして、
店員さんに尋ねもしたのだが
これと思えるものがなかった。

ついでに下のフロアで陶器を物色などした。
母の日、父の日も迫っている。
さらに妻の誕生日は間近。
まだプランが立っていない。
今年はプレゼントで間に合わせてしまおうか。

建物を出て、すぐ目の前にあった喫茶店へ。
古くさい、昔ながらの喫茶店で値段もそれなりだったが
案内された2階は窓から風が吹き抜けて居心地は悪くない。
けれども加熱式のみとはいえ喫煙者がいる空間でもあって、
身重の妻を長居させる環境ではなく十数分でおいとました。

大荷物を持って荻窪駅から歩いて帰り、
まずはタケノコの面倒を見た。
煮汁ごとタッパーに移して冷蔵庫へ。
ほんの少し切って塩だけつけて味見。
美味しい。…が、まだえぐみがあった。


庭に蚊取り線香を炊いて、廊下で涼んだ。
風は気持ちいいし、なにより線香の香りにうっとりする。
妻も羨んで、代わって代わってという。
しかし「いい香りだね」と言った数秒後に「臭い」と撤回する。
「蚊取り線香の匂い、好きは好きなんだよ。
でもちょっと強いから…。もうちょっと弱ければいいのに」
昨日のオペラの残りもここで食べた。
かなり幸せな時間だった。


夕飯はタケノコを甘めの煮汁で煮立てたものと、
永谷園のお茶漬け。
これを廊下で食べた。
折りたたみの机を置き、両側に1Pソファを配した簡易の食卓。
テレビを消して、薄明かりのもとで食べる。
雰囲気抜群。
タケノコはやはりまだちょっとだけエグみがあったが、
かなりごまかせてはいた。
お茶漬けは窓から差し込むやや肌寒い風にぴったりだった。
食べ終わってからもしばらくゆっくりした。
なにしろ気持ちいい。


20時を前に一通りの家事を済ませ、
Twitterを見ると冒頭30分というトレンドが上がっている。
2日前から無料配信している刀剣乱舞の2.5次元舞台のことらしい。
昨日の件もあるしと妻に伝えてみたところ、
では30分だけ観るとのことで、その後映画を見ることにした。
妻はあの手の趣味をさんざんバカにしてきたクチだが、
年齢やらいまの状況やらが相まって、
ちょっとは心すくものがあるのかもしれない。


映画は結局21時近くになってから見始めた。
インド映画。ジャリカットゥ。
面白かった…。
絵がよかった。
監督が描いている絵がバッチシ形になってるのが気持ちいい。
理性ゼロ、非合理の塊みたいなおっさんの群衆が
ひたすら猪突猛進していくのも気持ちいい。
徒歩版マッドマックスといううたい文句だったが、
マッドマックスの目指してる表現とはまた違う。
カルト加減がちょうどいいっつうか。
90分だしダレもしないし、人に勧めやすいな。

23時ごろに入浴。
民話読み聞かせて寝た。


2022年05月03日(火) 男女もてなし、麻雀教導、長話

晴れ。すごく天気がいい。
9時にトーストを食べ、どうしても眠いという妻を寝室に見送り、
僕はOKストアへ。
買うもん買ってスギ薬局へ。まだ開店前で買い物できず。
帰宅後、入浴。
のち洗濯。掃除。フムスをつくる。
掃除と料理用意のペースはここ最近の連続もてなしでなんとなくつかめてる。
調子にのってフィナンシェの生地まで用意した。
そしたらかなり忙しくなってしまい…
わりと慌てて掃除機かけて、料理の支度を完全に済ませて待機。
客は予定通り13時に来た。女子二人。
ひとりはすごくノリがいいというかテンションが高い。
我が家の雰囲気を褒めちぎってくれた。
一通りの挨拶を済ませたあとは、その人の強い勧めで
刀剣乱舞のミュージカルのブルーレイを観ていた。
下手な子たちがどんどんと上手くなっていくのが見どころらしい。
ずっと細やかな解説をしている…すごい体力だ。
料理は
ホットケーキにフムス、ランプフィッシュキャビア、
生ハム、クリームチーズ。
モッツァレラのサラダ。
鴨肉のブルーベリーソース。
ホワイトアスパラガスとブラウンマッシュルームのリゾット。
一通り美味しく召し上がってもらえた。
1時間ほどで食べ終わり、妻がコーヒーを淹れ、
僕はオペラを出した。
その間も3人はずっと刀剣乱舞を見ていた。
途中で、炭酸ジュースの瓶をの蓋を開けるための騒動があった。
ワインを模したそれにはコルク栓が詰まっていた。
しかし我が家にオープナーはない。
だが調べてみると、釘とペンチで引き抜けるとある。
DIYに長じた妻がたくさんの釘を持ってきて、
プラスドライバーで栓に突き刺していき、
僕がペンチで引き抜く…のだが、抜けない。
力を出すためには瓶を抑える重みがいる。
女子二名に思いっきり瓶を支えてもらい、
勢い良く力を込めてみると、抜けた。
全員の力が合わさった感動があって、ハイタッチをした。
あと果物も出した。
お二人が大量に買い込んできてくれたのだ。
白苺、大ぶりの苺、ブドウ、琵琶。
なんとも豪勢な皿ができあがった。


15時半、かつての同僚である友人が加わる。
というかもうミヤタクラジオのミヤだな。
愛聴している身からすると
 ホンモノだー
という感じ。

彼が来てもまだ映像は続いていたから、
食べ物飲み物を出して、しばらくはチョロチョロと会話していた。
娘の名前についてもうかがった。
葉結はわりといい感じ。
維乃も…。いよいよ難しい。

煙草を吸う彼を庭へ誘い、
二人ですこし喋った。
ミヤタクラジオについて思うところを開陳した。
ここがいい、ここがスバラシイとアレコレ言いたいのだが
あんまり当人に伝わると今後やりにくいかなというか
少なからず意識されてしまいかねないいので
やや控え目にしておいた。

16時半近くなってから麻雀の準備を整えた。
普段使いの正方形テーブルにマットを敷き、
牌を混ぜる。
山を作ってもらうところから始め、
説明しながらゲームの流れを追っていく。
なんだか自分でもビックリするほど
丁寧に簡明に順序立てて教えられた。
覚える側の女子二名の感度も高かった。
すぐ要点をつかんでくれたから、
二、三度ゆっくり局をまわしただけで、
以後は牌を伏せて、ミヤに二人の後ろについてもらった。
その状況をヒカルの碁に見立てて、
サイ、サイと呼んでいる。
二人は思った以上に覚えがよく、
手役こそ覚えていないものの
ある程度は一人でできそうだったから、
僕が席を抜けて、四人でプレイしてもらった。
点棒ありの本番。
僕は飲み物食い物を手配しながら、たまに二人の様子を見る程度。
3時間近くかけて半荘一回してもらったが、
跳満がバンバン出た。
高校野球でもアマチュア格闘技でも、
技術が伴わないほど防御がおろそかで
高火力の殴り合いになりがちだというが…見ていて面白かった。
流局もなし。
この日の見どころは、
全然いかさない配牌から要所要所をツモってきた女子が
メンピン三色ドラ1を張ってリーチした直後に
安目のアガリ牌が出たのを無視して
高めの一発ツモを引き当てたオヤッパネ。
結局彼女はトップで終わった。


女子二名を見送った後は、庭で友人と長話をした。
仕事の話と恋愛の話が主。
庭に1時間以上居座るのは初めてだったがかなりリラックスして喋れる。
23時近くなって見送り。
しかしまだ話したかったので荻窪駅まで送り、
さらに改札前でも立ち話をした。
僕はこの、立ち話という場面自体もとても好きなのだ。
まだ熟していない芸術論の一端を語った。
理路がおぼつかない未熟な語りになってしまったが、
それでも聞いてもらえるだけで充実した。
白色蛍光灯をつける瞬間に死にたくなる、
嫌なことがあった日の道にはいつも白色蛍光灯があった、
などの話をした。

あと、トキノを読んでくれるということで、冊子を渡した。
読んでもらえるだけでありがたい。


さよならして帰り道、
一人で歩く15分はあっちゅーまだった。
いろいろ考えてたら一瞬で家についていた。不思議。


後片付けは最低限だけ済ませて、
残りは明日に回すことにした。
妻も疲れていた。
ここ数年は人と会ってもあぁ楽しかったななんて全然思えなかったが
今日はちょっと楽しかった気がするよと妻にこぼしたら、
きみがそう思えるなら良かったと微笑んでくれた。


寝る前には逆子体操に勤しんでいた。
十数分かかるのだという。
その間、民話を読み聞かせてやった。
体操の後はそのまま寝入る必要があるらしく、
今夜は漫画も読まず消灯した。


2022年05月02日(月) 連休中日の出勤、アレルギー反応、ゼラチンとの格闘

晴れ。気持ちのいい天気。
弁当はパクチーがあまってるからエスニックに。
ニンニク玉ねぎ豚肉をオリーブオイルで炒めて、
ナンプラーと醤油と砂糖で味付けして
目玉焼きとパクチーをのっけたもの。


連休中日の出勤。
やっぱり仕事はない。
金曜に引き続き、隣の部署では素人が着色をガンバッている。
自発的に動くことは制されているが
いいかげんバカバカしいので
せめてこのくらいはと、
使われていない機器が集まっているスペースから
ペンタブレットを発掘してやった。
だがペンが見つからない。
ペンがないならないで、それなら捨ててしまえばいいのだが、
ペンは別売りで買えるものだから…と無能先輩は言う。
こんな場面で使われないなら
今後もペンだけ買って陽の目をみるなんて機会はまずないのだが、
自分でものを考えない、事なかれに徹するのが無能の真価とばかり、
「まあ、置いておくしかないんじゃない?」
というバカみたいなバカ発言をくらっていろいろバカバカしい。


まがりなりにもゴールデンウィーク中につき
今日この日が完全なる平日扱いなのか特別日扱いなのか
まったくわからないまま日を過ごし
定時になって
今日は残業なしでえすと上から伝えられ
18時に退勤できた。
しかし伝えかたは各部署の一名に定時すぎてから
チャットで指示したのみで、
その一名が数秒違いのタイミングで端末を落として
そのまま退勤してたら残りのものには伝わらないというお粗末さ。
というか実際これ、年始がそうだったんだよな。
で後から「なんで残ってるの?」とか言われるという。
あほすぎる…。


妻、検診。
逆子は直ってないがそれ以外は順調だという。
血圧も基準値内のようだ。
ほっとする。


残業じゃなくなったからとOKストアに寄ってみたが
思った以上に買うものがなかった。
夕飯は昼飯と似たようなエスニック。
豚肉とナスをナンプラー主体で味付けて炒めたもの。
パクチーを飾ってできあがり。
うん…うん美味い。
すっかりパクチー克服したかもしれない。


夜、明日のもてなしに向けてオペラの準備。
スポンジ生地をカット、シロップをたっぷり打ち、
間にガナッシュを流し、
クルミの糖衣がけを散りばめ、バタークリームを塗る。
さらに外側にバタークリームをナッペして、
一度冷やす。
作業中はミヤタクラジオ聞いてた。
トーク中にアレルギーへの言及があった。
ミヤが、花粉症がつらいのだという。
それを受けて、タクは免疫が弱いからなんじゃないかというのだが、
僕の記憶ではアレルギー反応というのは免疫反応の誤作動で、
へたに免疫機構を強化すると
かえってアレルギー反応も強くなってしまう…と聞いた覚えがある。
免疫を上げなきゃとタクは言い、
免疫上げるようなことはだいたいやってるとミヤは答える。
ああ…あああ!と思った。


入浴を挟んでさぁいよいよグラサージュに入る。



生クリームがない。
先日多めに買っておいたつもりになっていたが、ない。
どうしてさっき…OKストアで…。
悔やんでも悔やみきれない。
時刻は23時近かったから
24時間スーパーに頼らないと買えない。
意を決して西荻窪西友へ。
シュババババッと会計してすぐ帰宅して作業再開。
すると今度は、なぜかゼラチンが固まらない…。
なぜだろう。
分量も確実だし、なんだったらちょっと多めにしているのに。
冷やしても固まらない。これまでと違うぞ…。
買い物挟んだからゼラチンがふやかされすぎたとか?
まさかなあ、でも他に要因らしい要因がない。
仕方ないからゼラチンを追加。
そのために、板ゼラチンを水で10分ふやかしてから
ごく少量の生クリームを沸騰直前まで温めて
板ゼラチンの水気を切って溶かして
よー…っく混ぜて
濾し器で濾してもとのグラサージュ液に加えて
またよー…っく混ぜて冷水にあてて冷やして混ぜて混ぜて…
という1サイクル30分くらいかかる作業を
何度も繰り返して精魂枯れ申した。
1時15分くらいになんとか形になって、寝ることにした。


寝際の民話読み聞かせはモロッコの長編。
これまでで最も長い。
なんとか前半だけ読んで、残りは明日。


2022年05月01日(日) 男5人もてなし、割拠再開


朝は曇り。寒い。なかなか布団から出れなかった。

8時半に休日トースト。
そっからまずはカスタードクリームを用意。
ちゃきちゃきと仕上げて冷蔵庫へ。
OKストアで買い物。
帰宅後、チヂミのたれやシンガポールライスのタレを用意しつつ、
部屋を掃除していく。
カスタードが固まりだしたら、スプーンで軽く混ぜてゆるくして、
タルトに塗りたくる。ラップしておく。
ブルーベリーソースの用意。
冷凍ブルベリーを水とバルサミコ酢とともに煮つめて
醤油を足してさらに煮つめ最後にわさびも少々足す。
苺をカット。タルトに盛り付けて、ナパージュを塗る。
ミントの葉を散りばめ、ケーキピックを飾って完成。
掃除機をかけたり、部屋の物の配置を整えたりして、
11時半には一通りの用意ができた。

妻は12時前に出かけていった。
飯は外で食べてくる、16時くらいに帰るとのことだった。
客は12時半くらいに着くとのことで、
最寄りのバス停までは迎えに行った。
男4人がぞろぞろと現れる。
二年半ぶりほどだが別に挨拶らしい挨拶もない。
そういう仲だからいい。
4人は、荻窪駅のバス停がわかりにくかったと笑いながら責め立てる。
あれはたしかにちょっとわかりにくい。
今後の案内の参考にさせてもらうことにした。

家へと招き入れ、こぼされる感想は予想通りというか、
これまでの客と比べて圧倒的にコメントが薄い。
それでもくつろげるスペースと認識はしてくれたようで。
各々居間で体を伸ばしていた。
手土産がないのも彼ららしい。
10分ほど遅れて最後の一人がやってきたが、
彼だけはやたら差し入れをくれた。
葛あんみつ、いちご大福、甘夏ゼリー……。
彼にはSwitchを借りている身だから、本来ならこちらから
なにか礼をすべきところだ。
律儀なのに加えて食への関心が高い彼らしい振る舞いだと感心した。

そこからは次々に飯を出していった。
先週とほぼ変わらない。
人参とナス、半熟卵のアチャール。
チヂミ。
モッツァレラのサラダ。
鴨肉のブルーベリーソース。
シンガポールライス。
ホワイトアスパラガスとマッシュルームのリゾット。
5人中3人がパクチーを不得手としていたが、
シンガポールライスは食べやすいようで、
いずれも完食していた。
連中は食べながら笑い話に興じていたから
もてなす側としては嬉しいのだが
そこはやはり男で
話すより食べる方に比重が置かれるらしく
皿の片付くペースが異様に早かった。
かんぺきに用意していた割に
最後のリゾットは待たせることとなった。

それぞれの要望に合わせて
アイスコーヒー、ホットコーヒー、紅茶を出して
苺のタルトを振る舞った。
一息ついて卓上を片付け、カードゲームへ。
成敗-Say Bye-。
カナイセイジがゲームデザインした傑作カードゲーム。
プレイヤー同士が対戦するのではなく、
場に置かれた仮想敵をプレイヤー全員が協力して倒す仕組みとなっている。
この6人の集まりは別にそれぞれが仲良いわけじゃない。
それを冗談として言い合えるような仲ではあるが、
いつでも険悪な関係になる準備はできている。
だから対戦型は相性が悪い。
その点、協力型のこのゲームはあまり悪くない。
毎回ルールを思い出すのに苦労するが、
初回のテストプレイを終えてからは頭を使って楽しめた。
結局ボロ負けではあったが
それでも楽しめるというのは大事だ。

最終戦の成績の悪かった3人がコンビニへ買い出しに行った。
雨が強まってもいるなかご苦労なことだと、
僕は他の2人と家の中でのんびりした。
この集まりの中でも最も付き合いの長い、
小5からの腐れ縁のある1人が、
先月うちの親父死んじゃったんだよねと打ち明けた。
小中高の当時、彼の家に何度も泊まりに行ったから、
向こうの親父さんというのはほとんど話したことないとはいえ
知らない仲じゃない。
それにこの男自体、中二の頃僕の父の葬式に来てくれてもいるのだ。
言ってくれりゃあよと僕は言ったが、
葬式は身内だけでこじんまり、
コロナ禍でもあるしほとんど周知させなかったのだと彼は答えた。

買い出し組は大量のスナック菓子と冷たい緑茶を買ってきた。
中学生の頃から変わらない。
座を改めて、人生ゲームをすることにした。
その30分ほど前に帰宅して寝室で休んでいた妻も呼び出して、
1人を銀行係に据え、残る6人でプレイした。
全然おもしろくない…。
場は盛り上がっていたし、楽しい時間を過ごせはしたのだが、
なにぶんルーレットを振るだけで戦略などあったもんじゃないし
何を賭けているわけでもないから張りがない。
1時間ほどでプレイを終え、いったん小休止をいれてから、
今度はゴッドギャンビッツに移行した。
能力性UNO。
海外赴任の長かった1人はこのゲームに通じていなかったから、
まずはその彼にルールを教えるためにテストプレイをした。
20分程かけて1ラウンドを終え、続けて本番。
このタイミングで1人が帰宅となった。
子どもが関節炎だかなんだからしい。

最低限の張り合いはほしいからと、
最下位が1位に500円だけ払うことにした。
初めてプレイする彼だけは仮に最下位になっても100円で、
とルールを足しておいたが
終わってみれば彼はトータル2位の好成績で、
僕は3位、1位は妻だった。

予定通り19時前に解散。
人生ゲームは置いてかれた。
つい食べてしまったスナック菓子が強く、
口の中が油っこいから夕飯はぶっかけにした。
ダーウィンが来たは生きもの大集結特集。
トドやクジラ、サルが大集結している現場を見せてくれた。

20時を過ぎて、まだ片付けは残っているものの疲れてしまい、
ちょっと妻と寝室で漫画を読んだ。
21時過ぎに再始動。
オペラのためにクルミのジェノワーズを焼く。
クルミをフードプロセッサーで粉末状にするのは
正直気持ちいい。
あんなにすり鉢で大変だったのにな…あんなに…。
生地はうまくできたが、焼成の温度を間違えた。
菓子作りの焼成温度は180度が多い。
でもスポンジは170度なんだよな…
うっかり180度にしちまった…
焼き上がりの見た目はよく、萎んでもいない。
あとは食感か。
スライスしてみないとわかんないな。
つまり明日にならないとわからない。

クルミの糖衣がけは
なんか砂糖が結晶化せずに
キャラメリゼになってしまった。
火が高温すぎたか。
まあでもこれでも美味いだろ。
いいやいいや。


割拠、Twitterへの投稿を再開した。
1日2話を継続すれば34に達するまで17日。
たまに3話にしたら2章分を1ヶ月でアップできる。
2ヶ月で4章分。
…あれ、出産予定日に間に合わない…?
あと5か6章分くらいはいるものな。
やべえな。


民話読み聞かせ。サウジアラビアだったっけな。
商人である父親は旅人を歓待するのが好きで、
いつも客を招いては飯を食わせる。
妻をなくしてからめとった後妻は
継子である娘と息子が嫌い。
で、ある日客に出す飯をつくってたら
肉がないってことで
後妻は息子を肉切り包丁で刻んで鍋に入れてしまった。
父と客は全く気づかず飯をたいらげて、
でも真相に感づいた娘だけは口にしなかった。
娘は弟の骨を集めておいて土に埋めた。
そしたら雄鶏に化けて、自分の不幸を市場で歌いだした。
で、雄鶏の呪いによって、
後妻は喉に針を突き立てられて死んだ。
あと自分の肉を食べたということで
父も同様に死なせた。
で、弟は骨から復活した。
姉弟はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。

ハッピーエンドへの犠牲がさあ…。
父そんなに悪くないだろ…。


2022年04月30日(土) 草むしり、芸術論

お休み。晴れ。
8時半、休日トーストを平らげて、
明日は雨らしいから今日のうちに布団を洗って干した。
朝から入浴。それから家事。

庭で草むしり。
ねじり鎌でばさばさ刈っていく。
同時に軍手をつけた左手で抜いていく。
なんて楽しいのだろう。
これはレジャーなんだな。
ボーリングより楽しい、と直感的に思った。
ボーリングは好きだ。
でもボーリングより楽しい。


11時過ぎに家を出る準備を整えていたが、
妻が腹痛をうったえ、数十分様子を見た。
12時前に出発してブルーベルへ。
今日はオムライスとウインナーの盛り合わせにした。
やはり美味い。
しかし盛り合わせにするとセットの値段は300円跳ね上がる。
なのに小さいウインナー3本というのはちょっと厳しいと思った。
満腹感のなか晴れ模様に気分良くなりつつ、西荻窪へ。
三菱UFJで金をおろす。
うちの家賃は妻の口座から引き落とされているから
僕は4ヶ月に一度妻に家賃の折半分を現金で手渡している。
家賃総額の半額を向こう4ヶ月分で29万円。
さらに三井住友へ出向いて預金を…というところで、
今度は僕に腹痛が走った。
妻と別行動して、僕はTSUTAYAで自分用に
寅さん5作目を借りた。
その足で八百屋、肉屋での買い物を済ませ、
妻とは花屋で合流した。

帰宅後は妻をソファに寝かせ、
僕は図書館とOKストアでの買い物に出た。
図書館ではたまごクラブとひよこクラブを借りたが、
両雑誌は今号をもって購入を打ち切るということだった。
無念。
まぁおそらく、別の育児雑誌が入荷されるようになるのだろう。
アラブ民話の本は貸出を延長し、
さらに小説の取り寄せを一冊お願いした。


帰宅後、僕も少々昼寝をした。
とても…とても気持ちがいい。
和室…いい。


夕方、明日のためにタルト生地を焼く。

パート・シュクレ
18cm型1台分

・無塩バター 60g
・塩 ひとつまみ
・純粉糖 30g
・薄力粉 90g
・全卵 12g

1.ボールにバター、塩を入れて混ぜる
 ゴムベラで空気が入らないよう、練るように混ぜる。
2.純粉糖を加えて混ぜる
 1と同様、ゴムベラで空気が入らないように練るように混ぜる。
3.薄力粉を加えてゴムベラで切るように混ぜる
 バターと薄力粉が混ざりあい、ボソボソした状態にする。
4.全卵を加えて混ぜる
 最初は切るように混ぜる
 粉気がなくなったらボールの側面におしつける
5.生地をまとめる
 なめらかになるまでしっかりと混ぜる。
6.混ぜ終わり
 ラップにくるんで2時間以上ねかせる。


続きは食後となる。
その前に寅さんを見始めた。
前半45分だけで切り上げて、18時過ぎから夕飯の用意。

夕飯は鶏肉のトマト煮込み。
玉葱と人参とパプリカとしめじと鶏肉を
一緒に炒めて煮込んで塩こしょうスパイス。
塩はちょっと控えめにした。
その分野菜の旨味が感じられてよかった。


タルトの続き。
フィリング。
アーモンドクリーム。
18cm型1台分
・無塩バター 40g
・純粉糖 40g
・全卵 40g
・ラム酒 5g
・アーモンド粉 40g
・薄力粉 5g

1.ボールにバターと粉糖を入れて混ぜる
 ゴムベラでなめらかになるまで混ぜる

2.全卵の半量を加える
 全卵は少しずつ加え、その都度バターと乳化させる

3.ふるった粉類(アーモンド粉と薄力粉)の半量を加える
 粉類の半量を加えたら、残りの全卵を2回に分けて加える

4.残りの粉類とラム酒を加えて混ぜる


このフィリングをタルト台に流し入れて焼くのだが、
考えてみれば今回はカスタードクリームも盛りたいのだった。
なので、フィリングは半分量で作った。
180度で41分焼成。
あとは明日。
カスタードクリームはすぐできるし、
そこに苺カットしてのっけちゃえば
あとはナパージュ塗ってミント飾るだけで仕上がるからな。


惣菜も用意。アチャール。
人参とナスをマスタードとともに油でいっためて、
いろいろスパイスかけて、
半熟卵を漬けておく。
この半熟卵に、前回以上に苦戦した。
おれは本当に大嫌いだよ…


妻にねだられ、衛府の七忍を読み始めた。
ぶっ飛んでる。すごい。
めちゃめちゃ景気良く残虐してるところに
ちまっとした笑いを差し込んでくる。
山口作品のセルフオマージュが多く
これにはなにか意味があるんかな。
シグルイからの開放を感じる。


アネット見て考えついた芸術論について、
もうすこし思索を深めてみた。
漫画家や小説家がよくいう「ネタ」というのは、
順序が逆なのではないかと思われたのだ。
絵画や作曲におけるアイデアでもあるだろうけれども、
これは面白いとか美しいとか新奇だとかいった思いつきは、
それをそうと判定している自意識がある。
その判定の根拠が、彼自身の正体だ。
というと、
ネタ-思いつきがあって「自意識がそれを判定する」ようだけれども、
ここがきっと逆なのだ。
あたかも大気圏で燃え尽きかけた岩石が小粒として残るように、
ネタというのは本来なら外界で形をとどめておけないはずの
“正体”のいち部分が、
どうにか欠片だけ生きながらえた微弱な残滓なのだ。
そういうわけで、このネタというのは”正体”をさぐるためのヒントにもなる。
内界と外界を越境してきたそれを確保したら、
あるいは言語化を、あるいは画相化を、あるいは譜面化をして、
外界に通用するものにしてやる。
これが芸術だ。
そうして内面世界を表現し、正体、核心、本質に接近できる。
ところが、”それ”は外界にとっては珍しい希少なものだから、
その副次効果として人々を楽しませることもある。
エンタメではここが転倒している。
非言語無秩序の内側ではなく、有言語正秩序の外側に向かう。
言語も秩序もある世界の中で方式化されうる。
非芸術分野の物足りなさとはこれで、
「わかる」からつまらない。

梵我一如だとか、ユングの集合無意識だとか、
プラトンのイデア論だとか、
そーゆーんとはまたちょっと違うのよな。
でもまだまだ思索が足りない。全然論になってない。
この時点で人に伝わることってあんのかな。
そもそも人間の正体とか言ってる時点で
やべぇやつ扱いされてもおかしくないしな。


寅さん5作目見終えた。
ウーン……もういいかな?
毎度おなじみのお約束を楽しむ安心感はあっても
やっぱマンネリはマンネリであるし…
一番のマンネリはマドンナとなる女像に幅がないことなんだよな。
個別の人物像はいずれもシッカリしてるのに、
寅さんが惚れる女がいつも似たような人格。
そこへきて今回は、
ちょっとした冗談で場が和む
一同の ウフフフフアハハハハ のシーンが
1秒とか2秒だけど持て余されていたような感があって白けた。
続き観るくらいなら1作目か2作目を見返したいなと思う。


民話を読み聞かせて寝た。


2022年04月29日(金) 午後出勤、ばかばかしい仕事、パソコン談義

曇りのち雨。
祝日。
出勤。
だが今日は職場のビルメンテナンスの都合上、
午後出勤となる。
GWに突入してもいるのだし仕事もほとんどないのだから
もう少し融通きかせたらいいのにな。
祝日だから残業はなしっていう通り一遍のルールだけ適用して、
で全員出社。あほらしい。
もちろん、それでも全員出社を促す経営意図はいくらでも考えられる。
しかし、あほらしい、と従業員が呆れてしまう直情には
目が向けられておらず、
結果的に会社に背を向ける心を育ててしまって、不合理だなと思う。


まぁでも午前休というのは気分がゆったりとする。
洗濯物干してから寝室へ。
妻に民話を1話読み聞かせ。
アルジェリア。
羊とロバと犬と鶏が兄弟の契りを交わして
砂漠で暮らしてたのだけど
鶏が独り占めしていた穀物を
ロバが食べるように鳴ってからロバがラリっていって
そのうちライオンに見つかっちゃって命乞いをする。
「僕が殺されるのはしかたないかもしれない。
でも僕には兄弟の契りを交わした仲間がいる。
生死をともにするという仲なんだ。
僕だけが殺されるのはかなわない」
マジかコイツ……。
でロバはライオンを仲間のもとに引き連れていく。
それを遠目に眺めた3匹は謀略をはりめぐらし、
協力してライオンを打ち倒す。
というか殺す。
ていうか食べちゃう。
しかも皮は剥いでなめしてとっておいて…。
日常がもどってくる。
がロバは相変わらず狂ってるから
また別のライオンを引き連れてきてしまう。
今度はみんなで代わる代わる、
以前来たライオンの皮をなめした絨毯を、
新たに来たライオンにあてがう。
「高貴なお客さんにはふさわしい絨毯を…」
「いやいや、こんなこ汚い、ぼろくその皮の絨毯を
この御方に出すわけにはいかんでしょう」
みたいなやりとりを四頭でしあう。
陰湿。
サイコだし。
結局このライオンは精神をやられてすごすご去っていって、
その後二度と彼らのもとにライオンが寄ってくることはなかった、
めでたしめでたし…って、そんなめでたしか…?

そっから1時間くらい寝た。
気分スッキリ。
OKストアに行って買い物して、
妻にアラビアータ、自分にうどんをつくって
のんびりNHK見た。
100カメで、京大カレー部。
ひとり本気の人がいて
1ヶ月インドにカレー留学してたり
休日は間借りテンポでカレー屋してたりで面白かった。

12時に家を出て出勤。
弱い雨が降っている。
仕事はほとんどなし。
隣の部署の人間が
漫画家のモノクロ原稿に着色する仕事をしている。
営業が拾ってきた仕事にどうにか取り組んでいる風情だが、
明らかに素人なのでじれったい。
社内からスキルある人間を見つけ出そうとしたらいいのにな。
というかこちらから名乗り出ればいいだけのことなのだけど、
そうした自発的な動きを抑制してしまっているのが
今のバカな体制だから救えない。
一つの秩序って無数の都合と不都合でなりたってるよなあと実感する。
そのバランス調整をするのが上の役割なのだが
経験浅い人が独善的な秩序を敷いてしまっている。
何度も失敗して経験深めていってください。


砂時計読んだ。芦原妃名子の。
面白かった。
なんてシナリオの上手い人だろう。ドラマも絡ませるし。
引き出しの多さが半端じゃない。キャラクター像も。
ちょっとした知識やエピソードを人物の行動原理に結びつける手並みが
あんまり鮮やかですごい気持ちいい。


18時終業。
今日は西荻から帰って、
ツタヤに寄ってインド映画に目を付けた。
GW中に観るつもりだ。まだ借りない。


帰り道、雨でつらいけど
買い物せず帰れるのはいいな。

夕飯は魚。
サバの照り煮。すでに味がついている。
焼いて、味噌汁とともにいただく。美味い。

テレビはブリティッシュベイクオフ。
ようやく番組名覚えた。
全然イングリッシュベイカーではなかったな…
今回はマカロンとメレンゲ菓子とシュークリームを3時間で。
きびしー。
けど全員やりきっていた。
いずれにも一工夫加えてる方々がほとんどだったし
今までのなかじゃ見応えあった。


妻がパソコンを買いたいと言い、探している。
用途と目的といった諸事情を踏まえてみると、
僕には間に合わせのノートパソコンを買うのが
もっとも無駄のない綺麗な買い物だと断定できるのだが、
妻はデスクトップを欲している。
見積もり時点で26万円ほどかかる。
その値段に見合うほどの働きはしないことが見えているから、
理屈をとうとうと説いて僕は別案を提示した。
妻も再検討に至った。


民話読み聞かせ。
この本…いよいよ買わねばならん。
定価だと3800円くらいするけど
古本なら半額くらいで買えっかな…


2022年04月28日(木) 快感のためだけのランチ、道玄坂徘徊、アネット鑑賞


曇り。肌寒いと涼しいの間くらい。
弁当はないが、妻の昼のためにサラダの用意は整えた。
あとは麻婆豆腐とご飯を温めて食べてもらえばいいわけだ。
夕飯はそれぞれ外食となる。


僕はお昼をインドカレーにした。
バターチキンにサグマトン、ナン、サフランライス、ラッシーで1000円のセット。
美味しいけど、もう何度も食べた味で、新鮮さも発見もなく、
ただ美味しさの快感を得るためだけに金と時間を費やしたことになる。
別に何も悪いことではないのだけど…
自分は常に何か新しい発見をしていきたいのだなあと再認識した。


日記の文字数について。
トキノのテキストファイルが69KBで、約3万3000字くらいだったはず。
日記の方は毎月だいたい130-150KBくらいだから、
おおよそ倍として、6万6000字くらいか。
まーまー書いてんな。
1日平均2200字。手書きじゃきっついね。


退勤後、神保町から半蔵門線で渋谷へ。
九段下から行けばよかったが気づかなかった。
渋谷駅から文化村に向かう最中の景色、
なんだか町並みはそう変わってないのに
自分のよく知っている頃とは人の感じが違って面白かった。
もう若者たちってのは完全に向こう側だよなあ。
あとイベントハウスやクラブの前に並んでる人たちを見て
そういえばこんなふうに街と親しんでいた季節もあったと
えらい懐かしさに見舞われた。

ユーロスペースはラブホ街にある。
こんなにラブホばっかだったっけ…とびっくり。
受付でチケットを取る。
席はガラガラ。
最前列から四番目左右センターの一番いい席が空席で、
その前後と左が埋まっていた。
なんでそんなもったいない!
いっそその空席取ったろかいと悩んだけど
全員が全員と隣り合いたくないだろうし
結局一番いい席の右席にした。
たぶん、三番目左右センターの席が一番初めにとられたのだろうな。
それならこういう結果になるのもうなずける。

上映まで1時間待ちとなったので辺りをフラフラ歩いた。
なるほどこうしてみると、スラムっぽさもまだ駆逐されきれておらず、
なかなか悪場所めいてもいる。
まぁそれもたかが知れてるけど。
どっかの雑居ビル入ったらもうちょっとは忍べてるのかな。

ゆっくりできるほどの時間はないので松屋に入った。
数年前にカルビ丼が美味いという話を聞いていたものの
ずっと食べる機会がなかったのだ。
券売機はキャッシュレスオンリー。
前に並んでいたお姉さんがもたついていた。
あなたは全然悪くないよ。
飯は可もなく不可もなく順当。
でもまあ自分で作ったほうがうまいな。

すこし早めに劇場戻って用を足す。
1Fのトイレをつかってみたら狭くて暗くて怖かった。
地下一階で霊的ポリシェビキを上映していたようで、
アレ自体は別に怖いもんでもなかった記憶あるけど
このトイレと合わさると恐怖感倍加どころじゃないな。
トイレって狭いだけで怖いよな。

上映開始10分前、神妙に席についた。
19時半上映開始。
アネット。
上映時間140分。
だけど一瞬で終わった。
ほんともう一呼吸の間にというか…。
体裁はミュージカル映画であるし
台詞の殆どが歌われる形式だったから
曲数はえらい多かったんだけど
全部ひっくるめて1曲みたいな壮大さがあった。

個人的な感想として、
開始2分で泣いてしまった。
ああ、歓喜の百鬼夜行だ…と身に迫るものがあって。
で、話が展開していくにつれて、今度は別の感動が押し寄せてきた。

……僕が思うに、人間の正体というのはまだまだ全然、解き明かされていない。
絵画や文学などの芸術はかなり正体に肉薄しうる。
がまだまだ全然なのだ。
けれど一方で、人間の正体というのは、
誰か一人の正体が明らかにさえなれば、
人間全体の正体が明らかになる……と僕は信じている。
じゃあ一人の人間をとことん解剖してみよう、
としても、これはべらぼうに難しい。
内面は外の世界に触れた途端、変質してしまう。
たとえば感情ひとつとっても、
それに最も適する言葉を選び取った時点で、
もうズレが発生してしまう。
内面にあるグジュグジュの感情を、
「悲しい」と呼んでしまった時点で、
そう置き換えてしまった時点で、
もう正体からは離れてしまう。
”それ”を言葉で表すには、「悲しい」という言葉を使わずに、
比喩や物語を運用して、擬似的に再現するほうが迫れる。
絵画にしてみても、自分の中にある
“至高の青”を外の世界で表現するためには、
緑とか赤とかあるいはそれが塗られる媒体とか、
別の物が用立てられる。

この映画は、その”内面”を露出させてきてる。
で、直接的、簡易的な置き換えに頼らないから、
場面場面でわけのわからないような描写に巻き込まれる。
そりゃあ、そうなのだ。
“内面のそれ”は、外の世界に露出した途端、
ボロボロに崩れ落ちてしまう。
だからコーティングして擬似的に再現する。
その再現は、いわば青のための緑だ。青のための赤だ。
点描画を間近に見つめるようなものだ。
直接的な文法で解読できるコードにはなっていない。

ところが鑑賞者の方でも内面を開いてみると、
このチャンネルが合うことがある。
すると一人の人間の内面が、まるごと迫ってくる。
それはモノスゴイ情報量で、到底処理しきれない。

硬球を顔面に投げられて目を閉じずにはいられない。
ところがこれは硬球どころではない。いうなれば隕石だ。
だから、察知した瞬間にチャンネルを閉じてしまう。
でも一瞬でも通じた瞬間に、
莫大な”正体の片鱗”がこちらになだれ込む。
ここに感動がある。
僕は感動した。
みんな感動しないの?


映画館出て、余韻にひたったまんま外歩き。
道行く人みんな恋しくなるような感じ。
でもスクランブル交差点で急激な現実感に塗りつぶされた。
男、女、男、女、男、女、男、女、…。
なんかこう、人間の内面ばかり考えていたところに、
外側の空気にさらされきった人間を大量に浴びせられて、
認識が不明瞭になった。


山手線で新宿へ、中央線で荻窪へ。
23時前に帰宅。
妻はソファの上に読書灯を取り付けていた。
おしゃれではあるのだが電源のための配線に難がある。
そのために他の配線を犠牲にしなければならず、
小さい実用を求めて大きな実用を逃してる転倒ぶりがうかがえ、
それについては難詰した。
しかし実用を抜いた、洒落っ気の面で秀でているから
トータルで見ればヨシとした。


入浴後、アネットの感想を検索してみた。
まともな感想をあげているものが全然いない。
そりゃあそうだ、一言二言では表せられない。
では長文ではどうかといえば、映画評論家や
評論家気取りの記事になるのだが、
いずれにせよカラックスの他作品と比較した上で
映画評論の文法に乗せて
どうにか体裁を保っている程度のことで、
お前の感動はどこにあるんだよと問い詰めたくなる。

まるで三島論みたいだな。
作品そのものを正面から見つめない。へきえきする。
いやわかりますよ、
他作品と比較し差異を照射することによって
本質を浮かび上がらせ立体化する、
むしろそれによってしか批評は深化しない、
ごもっともですよ。
だがお前の感動が見えないのは退屈だ。
その言葉数で作品そのものを語り、
お前の感動を教えて欲しいのに。


読み聞かせ民話。パレスティナ。
えらい面白かった。
女が名前売りの修道者にそそのかされて
有り金全部ささげて名前をもらう。
「今日からあんたの名はライスプディングだ」
この時点でかなりくるってるけど
そっから夫が帰ってきて、事情を知って妻に呆れ返る。
夫はどうにか金を奪い返してくるという。
「お前と同じくらいバカな奴に会うまでは帰ってこんからな」
というなんだか素敵な捨て台詞を残して、
修道者を追って砂漠へ向かう。
この砂漠でいろいろあって、この男は結局、
まったく別の夫婦をだまくらかして金をせしめる。
で家に帰る。金はなんとか元通りになったぞと。
えーーーーーーー。
結局修道者出てこなかったし。復讐とかじゃないんだな。
相手が誰だろうと失った金さえ戻ってくればいいのか。
そういえば「お前と同じくらいバカな奴に会うまでは」って
言い草にも見合うしな。
ワー面白い。
いい気分で寝た。


2022年04月27日(水) 肌荒れ、ユーロスペース、アダムとツバメの内通

曇り。なまあたたかい。
今朝も妻は先に起きていた。
僕は7時半に起床して、のろのろと弁当を用意。
牛丼。
トーストはいつもより5分早く、7時55分に妻を呼んで食べた。
NHKで天気予報をしている。
いつもより5分早いだけで
こんなに天気教えてくれるんだなあ、
と妻はしみじみしていた。


駅に着く直前、前を歩いていた女性の肌が目立って荒れているのが目についた。
皮膚の炎症というのか、細かい赤と黒が肘を中心に散布している。
見目麗しいとはいえない。
僕の方では、妻もアトピー持ちであるし
とりたてて嫌悪感めいた思いは湧かない。
ただ、社会通念とかの一切を抜きにしたフラットな印象として、
見目麗しくないなとは思う。
こういう自然感情を圧殺したくはない。
人間の美醜にはいろいろな基準があるが
死を連想させる病、病を連想させる不具、
不具を連想させる不調…といった状態が忌避されるのは、
それはもう当たり前のことなんだと一度受け入れて、
そっから話を始めるべきだと思う。


割拠、再開したいから書き進めてみた。
大方のルートはできた。
やはり祭りを描くこととなる。
難しいな。
書き上げる事自体は難しくない。
ここまできたらそれなりに成立もさせられる。
でも面白がってもらえるかは別だ。
主題を描ききって、最終的にちょっといい気持ちになってもらえる、
そういう作品に仕立てる努力を突き通す。
タイムリミットはあと2ヶ月。


21時50分帰宅。
今夜は妻が夕食を作ってくれている。
麻婆豆腐。
ついこの前にも作ってくれたはずなのに
全然記憶にないという。
覚束ない手つきで頑張っていた。

ネギを刻んで豆腐を切ってひき肉とともに
クックドゥーのソースで火を通すだけだから
ほとんど失敗しようのない料理ではあるが
手順をなじませる意味で十分に調理の意義はある。
しっかり美味しかったし。

妻は妊娠高血圧を気にして蒟蒻畑を買っていた。
塩分と糖質をいよいよ控えなければと、
ようやく自分でも律する気持ちになってきたらしい。
私知らなかったんだけど炭水化物って糖質に換算されるんだね、
とのん気なことを言う。
知識や理論から攻めてみたほうがいいのかもしれない。


明日アネット見に行くことに決めた。
数年ぶりの映画館。
カラックスの新作映画……。
思えば十数年前にホーリー・モーターズを観て、
全身の蒙が啓かされたみたいな革命感を得て、
それ以降映画の趣味も見方も変わって、
いろいろいろいろと観てきて、
そうして今カラックスがホーリー・モーターズぶりに撮った新作映画を
奇しくもあのときと同じ渋谷ユーロスペースで観る、というのは、
自分のここ十数年の映画体験の総決算というか、
これまで培ってきた鑑賞能力が試されるような感じがする。
と勝手に身構えている。

あとは2時間半の上映に尿意が耐えられるかどうか…。


読み聞かせ民話は…どこだったっけ。忘れた。
蛇がなぜ嫌われ者かについて。
よく知られた楽園追放になぞらえつつ、
アダムがツバメと内通して蛇を騙す話となっている。
いや内通はそう記述されてるわけではないけど…。
蛇が悪魔に遣わされて
この地上で最も美味い肉はアダムの肉だとそそのかされて
でもアダムは
イヤイヤ、蚊に世界を旅させてすべての生きものの血を吸ってもらおう、
そしてどの血が一番うまかったかを評してもらおう、
とそれらしいことをいって
蚊を放って世界中を旅してもらって
さて報告だと帰路についたところでツバメをやって
一番美味しいのは蛙の肉だよと蛇に報告させる…。
かくして蛇の好物は蛙となったのさ。
って…。
蛙かわいそうだし。
ツバメ二枚舌だし。
アダムとツバメの関係性が不透明な分、
なんかアダムの
 ぼくは知りませんけどね― ツバメさんが勝手にやったことですよねー
という記者会見での言い逃れ回答が目に浮かぶようで
なんか地味に鬼畜な話で
面白かった。


れどれ |MAIL