2010年10月14日(木)
朝8時。 夫に病院まで夫に送ってもらいました。 陣痛であろうものが6〜7分おきになり、もう少し家で待機しようと思っていましたが、ひとりになって何が起こるかわかりません。 出勤前の夫に頼み、車で病院まで連れていってもらいました。
陣痛室と分娩室が一体化した部屋に通され、そこでしばらく定期的にやってくる陣痛が強くなるのを待ちます。 ときどき助産師さんがやってきて、陣痛の強さを測ります。 陣痛はじょじょに強くはなってきているけれど、私の体の準備がなかなか進みません。 臨月に入り、どんどん歩けと言われていながらほとんど歩かなかった結果なのでしょう。 今さらもがいてもどうしようもありません。
昼過ぎ、夫が半休をとって帰ってきてくれました。 これで立ち会い出産ができます。 お産をさっさとすませたい気持ちはあるけれど、せっかくだから夫婦で一緒に喜びを分かち合いたい。 初産の平均出産時間は15時間。 予定だと21時には生まれるはずです。
15時過ぎ。 幼稚園の頃からの友人で、今は助産師をしている友人もお産の立ち会いにやってきてくれました。 友人の指導のもとで夫が私の腰をさすってくれたり、お茶をのませてくれたりと、世話を焼いてくれます。 私もまだこのときは痛みに耐えながらもまだ余裕があり、冷静に夫や友と会話ができていたように思います。 そう、このときは……。
18時過ぎ。 友が帰りました。「いい陣痛がきているよ。いいお産になるよ」と言い残し、その後のことを夫に託して。 いい陣痛はきているけれど、私の体はまだまだ準備を始めてくれません。 私が予定していた21時は、陣痛の波を何度もかわしているあいだに、あっという間に過ぎました。 夫は、私の代わりに陣痛の時間を測ったり、ひたすら腰をさすったりしてくれています。 なかなかお産が進まず、人工的に破水をさせたのは何時ころだったのでしょう。 私の体がようやく出産に向けて動き出したのは、いつだったのでしょう。 私のそばで私が楽になるようにあの手この手を尽くしてくれた夫に、とうとう「助けて。ねぇ。助けて」と懇願したのは、もう日付が変わったときだったのでしょうか。
左手につけている父の形見の腕時計で、0時が過ぎたのを確認してからが、私のお産の始まりだったようにも思えます……。 夫と、そして何より私の体力がなくならないうちに、生まれてきておくれ……!
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