てくてくミーハー道場
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| 2016年02月28日(日) |
『薔薇とシンフォニー〜Time and space of a luxurious song〜』(EX THEATER ROPPOIGI) |
タイトルだけ見ると何の公演かさっぱり判らないと思いますが、これ、何と、“元宝塚歌劇団随一の歌ウマTOP”vs“実力派女性演歌歌手”のジョイントコンサートという、何でそんなこと考え付いた?!(おい)という異色の企画であります。
出演は、姿月あさとさん、そして、島津亜矢さん。
双方ともに「相手にとって不足なし」のマッチメイク(あの・・・プロ○スじゃないので・・・)
率直に感想を書かせていただきますと、
「歌が上手い」とは、どういうことを指すのであろう?
という想いを、ぼくに与えてくれました。(ほぉ〜)
ぼくの勝手な感触ですが、日本人で洋楽やポップス、またはそれ以外の現代的な音楽を好む人々は、必要以上にニッポンの誇るべき音楽文化である「演歌」を過小評価している人が多いように感じる。
ぼくも実はそうでないとは言えず、別に嫌いではないのだが、特に好んで聴くこともない。
でも、特に好んで聴かないジャンルは他にもいろいろあって、演歌だから嫌い、ということもない。
それより、どういうのが“演歌”なのか、ちょっと判りにくい。
美空ひばりは演歌か? と言われれば、たいていの人は「そらそうだろ」と答えるだろうが、「真っ赤な太陽」はどう聴いても演歌じゃないだろ。
でも、「ひばりが歌えば演歌だろ」と主張する方もいる。
ぼくは大昔、自分が中学生のころに、大好きだった井上陽水の「心もよう」を、当時のキング・オブ・演歌である五木ひろしさんが表現力たっぷりにカヴァーしているのを聴いて(以下、当時中学生だった未熟者の心情なのでお許しください)「なんかきも(略)・・・」と失望したことがある。
演歌アレルギーの方のほとんどに共通する心情だと思う。
「演歌歌手は演技過多に歌うから好きになれない」
また、演歌は常に「酒」だの「涙」だの「男と女」だの(河島英五さんをdisるな!)「北国」だの「望郷」だの「情念」だのetc.とにかくねちっこい世界を歌いすぎる、と敬遠する人も多い。実はぼくもそれにはちょっと同意。
だけど、そういうことばっかうじうじ歌ってる人たちって、別に日本の演歌歌手ばっかじゃなく、実を言うとつよっさんが大好きなファンクなんかもほとんどそうなんだよなー。
ぼくは高校時代Led ZeppelinとかRainbowとかをよく聴いて「カッコいい・・・」とうっとりしてたんだけど、パーシー(Robert Plant)の歌い方なんて、冷静に考えればとても演歌っぽい。つうか、日本ではよく「演歌」にカテゴライズされちゃうけど、あれは“ブルース”なのよな。
“ブルース”といえば日本では淡谷のり子さんで、彼女は「あーたし、演歌大っきらい」と生前おっしゃってたそうで、幼いぼくには「え?あなたも演歌歌手なのに?」と思ってた(←子供には区別がつかない。アイドルとフォーク歌手以外は全員演歌歌手という認識)
音楽のジャンル分けというのは、かように一筋縄ではいかぬもののようです。
話がすんごいそれちゃって申し訳ないのですが、今回、ピッチの正確さでは世界レベルを誇る演歌歌手の皆様(世界的に見て本当に高レベルだと思う)の代表として島津亜矢さんが歌いに歌った“演歌以外の曲”(ホイットニー・ヒューストンなど!)を改めて聴かせていただいて思ったのは、
日本人は、もっと“演歌”を誇るべき(そして、演歌歌手をリスペクトすべき)
ということでありました。
とにかく、何を歌わせても上手いのである島津さん。
彼女は去年の『NHK紅白歌合戦』にも出場していたのだが、大変申し訳ないことに、ぼくは彼女が歌ったシーンは飛ばしちゃってまして。でも、羽生君のおかげで()ノーカットで残してあるので、改めて聴いてみようと思った。
オール熊本弁の歌詞の「帰らんちゃよか」という歌を彼女は歌ったのですが、これがもうすさまじい名曲で。
当日も聴かせていただいたのですが、故郷に親がいる子、都会に子がいる親としては、涙なくして聴けない歌でございます。
不倫してる自分に酔ってるような歌も演歌には多いので、そういうのには幻滅気味のぼくでも、この手の曲(望郷ジャンル)には素直に胸を打たれまする。
また、もひとつ演歌には“男歌”というジャンルもあり、これもぼくは大好きなのですが、本日は「漁歌」なども堪能させていただきました。
要するに、しっとりシミジミも演歌だし、「あーんああんああんあん♪」のコブシコロコロも演歌(ド真ん中)だし、荒海ざっぱーーーん!俺は男だよーーー!♪も演歌だし、演歌のキャパはまぁ広いというわけ。
それはそうと、演歌大好き、亜矢ちゃん大好き、という風情のお客さんたちも本日は当然詰め掛けており(ずんこ派と島津さん派はうまいぐあいに半々に入ってた雰囲気)、その独特のノリ(というか、作法?)も面白かったな。
タカラヅカやミュージカルのお客というのは、楽曲全部終わったら拍手する(演奏自体が終わるまで静かに聴いている)じゃないですか。
でも、演歌のお客さんていうのは、まず、ワンコーラス歌い終わったら声援(笑)と拍手、二番が終わったらまた拍手、みたいな感じ。
タカラヅカでは、出てくるだけで拍手をもらう人は序列の上から何番目まで、とか決まってたりしてぼくも最初は戸惑ったし、「おかしくね?」とか思ったりしたけど、その世界に入っちゃうと、もうそれが普通になっちゃうんだよな。
さて、一方のずんこ。亜矢ちゃんファンのお客様方(90%おじ○ん)に172センチの大女(こら!)がどう映ったか判りませんが、おおむね好意的に迎え入れられてる感じで安堵。
だが、厳しいこと言わせてもらうと、「耳ではなく楽譜で覚える」のが手法となっている音楽学校卒業生の歌は、彼らにとっては、「ママさんコーラスなみに単調な歌い方でね?」と感じられたのではないかといささか不安に思った。
ぼく自身がそう思ったからである。
特に今回は、ぼくたち自身が“耳で覚えてる”曲だらけのコンサートだったということもあり、ずんこがいかにも楽譜で覚えた(MCでも言っていたが、それはしょうがないのである。少女時代は習い事、音楽学校時代は寮生活と、テレビから流れてくるヒット曲を覚えるような青春時代を送ってこなかったのだから)J-Popを、オリジナル歌手と違う譜割りで歌ったりしてるのを聴くと、「ううむ」と思うこと多々であった、
まあ、トートの歌とか歌っても、亜矢ちゃんファンの方々は目がテンになるだけだったであろうけれど(アンコールでは「This Is A Moment」を歌ったのだが)
後半の方でやっとずんこのキーで(とにかく、女性歌手が歌う歌謡曲のキーはずんこには高すぎる)「カサブランカ・ダンディ」を歌ってくれたときにはほっとした。
「元男役の人ってのはこういうものか」と思われたのかも知れない。
だが、「タカラヅカの人だから、歌い方もお行儀良いね」と思われたのだとしたら、「待って!」と申し上げたい。
この、つきはなしたような歌い方(ものはいいよう←)は、「姿月あさとだから」なのであって、「タカラヅカだから」ではないのであるうううう(←おいこら)
ぼくとしては、まあ、年齢が近い者同士(二人は1歳違いである)だからこういう企画になったという点を勘弁していただけるのであれば、次回はぜひ“ヅカ代表”として杜けあき様などを送り込んでいただきたい(だから、タイトルマッチじゃないんだってば)と切望している次第でござる。
カリンチョなら、勝てる。←だから、“試合”じゃないっての
さて、途中なぜか背景に80年代のカラオケの映像(しかも、主演:本人!)みたいなのが流れたりして、思わずタイムスリップしてしまったのですが、あのダサさ(こら)は狙いだったのでしょうか。
パンフレットを見たら、「演出:�睚薪�郎」とあって納得(どっちの意味で?)
それにしても島津亜矢さん、この歌唱力、ぜひニッポンのミュージカル界にも欲しい(マルシアとか、最近はもっぱらミュージカル女優だもんね)
あ、だが、身長と体型が(こらっ!!!)
・・・天は二物を与えず(←おまえ、ほんっとに失礼だな)
ま、目からウロコというか、面白い企画でした。
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