てくてくミーハー道場
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ぼく的には『放浪記』と並んで、「おばちゃんが観光気分で観る舞台」の代表である。
なので、これまで全然興味の範囲外だった。
だがしかし、冷静に考えると、ぼく自身すでに「おばちゃん」そのものではないか。
それならば、観ないわけにはいかない(なんだそりゃ)
もちろん、今回観る気になったのは、配役のおかげである。
長女・鶴子がOGでなかったので“フォーカードならず”ではあったが、実際観てみたら、その鶴子(浅野ゆう子)が大当たりであった。
体型的(長身スラリ)にも押し出し的にも妹たちに引けを取っていないところが良かった。
むしろ、末っ子・妙子は、やはり元男役がやる役ではないかな、元娘役のほうが良かったんではないかな(役の性格的に)と思えた。
ちかちゃん(水夏希)には悪いが、この役は細面の人がやってはいかん役だと思う。
過去のキャストを見ると、意外にOGが何人も妙子をやってたりして(しかも元男役)びっくりだった。
逆に、思ってたより全然違和感がなかったのが、三女・雪子(瀬奈じゅん)
おとなしくて初心な女の子役があんなに自然だなんて(し、失礼やぞ)。おみそれしました。
そして、事前のイメージから全く心配なく、実際にも安心感抜群だったのが次女・幸子(一路真輝)
幸子はキャラクター的にも一番欠点がなく、観客から見ても一番安心して見れる役だったってのもあるかもしれないが。
そんな四姉妹を支える男性陣もおのおの安定感の塊のような方々で、ストレスゼロの舞台でした。
とにかく皆さん音感が良いせいか、現代人はすでに日常遣いしとらんのじゃないかと思われる“船場言葉”が超自然。
ストレートプレイであるにもかかわらず、ミュージカルのような心地よさを味わいました。
そして、なんつっても、『細雪』名物()と言われる豪華な衣裳の数々。
着物自体の華やかさはもちろんだが、出演者の皆さんの着こなしがまあ素晴らしくて(妙子の日本舞踊の場面はちょっと・・・着物じゃなくて、ちかちゃん、島田のカツラが全然似合わんのよ←)、和服鑑賞フェチ(?)として心から楽しませていただきました。
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