てくてくミーハー道場
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2019年09月16日(月) |
ミュージカル『ドン・ジュアン』(赤坂ACTシアター) |
チラシを発見した時は、もうこの年代のジャニーズ君たちの範疇ではなくなっていたぼくなので、「まあ、頑張ってね」とだけ思っていたんですが、作曲家と演出家の名前を見て「あ、あれをやるのか!行かねば!」と決意しました。
で、しっかりと観に来たわけなのですが、キャストから想像していた事態がそのまんま実現したというのが、ぼくの偽らざる感想です。
いっくん(生田大和)、こんなとこまで師匠(小池修一郎 as『オーシャンズ11』)の轍を踏まんでも(おい/汗)
まあ、ぶっちゃけますよ、この年になるともうジャニーズも怖くないので(さっきから感じ悪いぞ)
藤ヶ谷君(既にニックネーム“ガヤ”で呼ぶ愛情もない)、ぼくの想像からプラマイ1ミリたりとも前後しない出来映えでした。
ただ、想像よりもっと下手だったら残念過ぎるので、そこまでではなかったという意味では安心したというか。
けど、少なくとも「キスマイのBUSAIKUじゃない方」の人は歌唱スキルも高いのかと思っていたので(こ、こら・・・)、そこが結構残念。
前の三人の中で歌が上手なのは北山君だけなのかしら(以前何かで聴いて「上手だな」と思ったことがある)
実はガヤの舞台姿を見るのは初めてではなく、今は懐かしい『滝沢演舞場』で弁慶を演じていたのを観たことがあります。当時まだJr.だったと思いますが、まさに義経に対する弁慶のように、座長のタッキーを頼もしく支えていました。そんなにガタイも大きくないのに、立ち姿が立派でした。
その記憶もあったので、そーんなにひどくなるまいと期待を抱いてきたんですけどね(ぶつぶつ言うな!)
実際、板の上での立ち方やせりふなどはちゃんとしてたと思います。歌も、腹式呼吸で歌えてたし(基準、そこ?)
ただし、こういう棒読みならぬ棒歌い(楽譜のとおりではあるが、芝居歌になってない歌い方のこと)だったのは、今回の主要なキャスト三人(ドン・ジュアン、マリア、エルヴィラ)全員がそうだったという、ある意味惨状、ある意味バランスがとれてて助かった、みたいな状況でした。
マリア役は例によって予習してなかったので、「メンバーがやたらたくさんいる某アイドルチームの誰かかしらん」と思ってたら、蓮佛美沙子ちゃんでしたか。うわー、『リトル・ナイト・ミュージック』から進歩してねえー(黙れ)
エルヴィラの恒松祐里ちゃんは、名前聞いても「知らねえ」、顔写真見ても「知らねえ」という体たらくですんません。
初舞台なんでしょうなあ、というのが一目でわかる動きと発声。
実はエルヴィラってマリアよりもよっぽど面白いやりがいのある役だと思うんで、もうちょっと舞台慣れした女優さんが良かったなあ・・・。なんか今回のキャスティングは、新鮮さを狙ったつうか、生田演出の青臭さを前面に押し出す意図でもあったのかと思います。
周辺の役では、高音低音自由自在のおさ(春野寿美礼)によるイザベルで耳の保養。それをサポートする則松亜海のファニータを中心とする娘役連の使い方はやはりヅカ色濃ゆし。外部の舞台でこういったコロスの動きを見ると、やはりタカラヅカの演出家は、大勢口を使うのがうまいなあ、と思い至りますな。
男子に目を向けますと、二番手(コラ)ドン・カルロをまさに二番手男役っぽさの湯気がほかほかと立ち上っている上口耕平君。今まで4、5作品観てきたと思いますが、いずれも「その他の人」としてしか記憶がなく、やっとソロとしての彼を認識した気分です。
めっちゃ二番手っぽかった(誉め言葉)
かっこいい。その気になれば主役を食ってしまえるほど基礎力がある。なのに、邪魔してない。ちゃんとガヤを主役に見せてて、なおかつ「あー、こういう白い二枚目って二番手だよなー」と思わせてくれた。
ドン・カルロって、たぶんいっくんが原作をヅカ化するときに“二番手用”に変えたんだろう。イザベルとのデュエットや二人芝居があったり、祭りのシーンではセンターダンスをしたりとおいしい場面が多い。そのどれもが嵌ってた。
そして、三番手()ラファエルを平間壮一君。三番手っていうよりダブル二番手ぐらいに良い役。彼も良かった。
とにかく、耕平君も平間君も、ダンスはもとより(ダンスシーンはガヤもさほど悪くなかったですよ)中高音がイケボできちんと“芝居の歌”になっており、ストレスなく歌に耳を傾けることができました。
その他大きい役では、ドン・ジュアンのお父ちゃんドン・ルイ・テノリオの鶴見辰吾丈。彼が出たミュージカルっていうと『ロックオペラ モーツァルト』を思い出しますが、あの時はただ黙って立ってるだけだった気が。
歌は大丈夫なの・・・?と震えながら待っていたのですが(失礼やぞお前)、まあ、こちらも予想通り。そんな下手でもないけど「やった!得した!」てほど上手くもなく。ただ、さすがの威厳と貫禄。こういうところは本物の男性ならではかもしれません。
そんで、ある意味“最もおいしい役”と言える騎士団長の亡霊・吉野圭吾。怪演が得意な人なので()何の心配もしてなかったんですが、ぼくの中の亡霊が邪魔をしました。
そう、3年前の雪組公演でこの役をやったがおちゃん(香綾しずる)の超怪演が目に焼き付いていて(実はつい先日、録画を復習してしまった)、あれを超せなかった。ぼくが悪い。すみません。
あれは素晴らしかったなあ、「タカラヅカのポテンシャルすげえ!」と感動したものです(ダンス含め)
タカラヅカっていうか、がおちゃんがすごかったのかもしれんが。
とりあえず全体的には満足しました。
スパニッシュにはずれなし。(私見)
・・・ああそうか、ぼく観ながらずっとお腹の奥の方でモヤモヤ思っていたことがあって、それが今はっきりした。
この作品、もしつばっちゃ(今井翼)が病気してなかったら、彼にぴったりだったんだと思うんだ。
いやいや、「もし」は禁句だよな。ガヤのファンの方たちごめんなさい。
てか、ジャニーズにこだわらず、『ロミオ&ジュリエット』みたいに、この作品も今後どんどん続演してほしいものです。暗い話のわりに観てて高揚感あるし。
そうなってほしいなと思いつつ、感想以上です。
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