てくてくミーハー道場
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2019年10月17日(木) |
湖月わたる舞台生活30周年記念公演VOL.2『Song & Dance』(草月ホール) |
自分でも不思議なことに、現役時代は「この人が一番好き!」ってわけでもなかった(ゴメン)のに、気付くと退団後の舞台をめちゃんこ観てる生徒さんが何人かいます。
わたちゃんもその一人。
今回、わたちゃんがこの公演で思い出をたどっていた卒業後の舞台、「あー、観たっけ、それ」「そうそう、それも観た!」と思ってる自分に正直びっくりしました。
ぼくの周囲の席は、「観てるわ、当然」という顔をした筋金入りのわたちゃんファンの方ばかりでしたが、おいてけぼりを食わらなくて良かった。
とかいって、先日のVOL.1『わたるのいじらしい婚活』は観てないんだけどね(こら)
ぼくの性癖()からすると、ゲストはシメ(紫苑ゆう)さんの日に来るべきだったのだろうけど、本業がお忙しいナツコ先生は大阪公演にしか出られない。
昔のぼくなら大阪にも参じたのであろうが、近年はすっかり遠出がおっくうに(ファン失格)
でも、今回のゲストはもうどなたでも損はない、ということで、完全に自分側の都合(仕事休める日)で決めました。
そういや、ちかちゃん(水夏希)も、現役時代よりも退団後の方が・・・の一人である。トークで宣伝していた彼女が出るタンゴの公演も今から実に楽しみにしている。
さて公演の話。
ちかちゃんが「わたるさんに関する3つのビックリ」なるエピソードを披露してくれたのだが、ぼくにも「(現役時代に)わたちゃんいいなーと思った3つのこと」があり(他の方には興味がないかもしれないが)、まずはそれをご披露したいと思う。
ぼくがわたちゃんを認識した最初は、ぼくがタカラヅカ生観劇にはまった1994年、シメさんのサヨナラ公演である『カサノヴァ・夢のかたみ』の主役・カサノヴァを新人公演で演じているワンシーンをWOWOWの番組で視た時。
「この子が、星組の今のホープか」と思ったぐらいで、さほど魅力は感じなかった。ごめん。
もともと声が高くて男役の声としては弱かった点が「声・スタイル・顔」の順に舞台人を評価するぼくには刺さらなかったわけだ。
「おっ!」と思ったのは、『ドリアングレイの肖像』でヘンリー・ウォットン卿を演じた時。
新人公演卒業直後だったのかな?まだ全然若造の学年なのに、主役のドリアンを演じていた3学年上のリカ(紫吹淳)を手玉に取る怪しい貴族の男を貫禄たっぷりに演じていて「良いなーこの子」と思った。
その後当然のごとくめきめきと頭角を表し、宙組の初代主要メンバーに。
歌があんまり(こら)だったので、『エリザベート』のルキーニは「う〜ん」と思っていたのだが、『砂漠の黒薔薇』の盗賊(だっけ?)ゼリムが、ターザンよろしくロープつかんでびゅ〜ん!と舞台に登場したときは、あんまりにもカッコよくて拍手喝采した。これが2つめ。
当時の宙組の長身男役トリオはもうマンガか乙女ゲーのキャラクターそのものだったなあ。『うたかたの恋』のたかこ(和央ようか)のルドルフとわたちゃんのジャン・サルヴァドルの並びの美麗さは(2013年の宙組バージョンをぼくは観ていないので)未だにぼくの中でナンバーワンである。これが3つめ。
その後、“新専科”制度のもといろいろやって(いきなりはしょる)、満を持して星組へトップとして返り咲いたのだが、トップさんになるともうカッコよくて当たり前って風に見てしまっていたので、「これだ!」と思ったエピソードはないんです。すみません。
続いて、退団後に出たわたちゃんの舞台で、ぼくが一番「これは良かった!」と思っているのは『COCO』のノエル、一番「ミスキャストだなあ」と思ったのが『Damn Yankees -くたばれ!ヤンキース-』のローラである。ていうか、ローラは、卒業直後の生徒さんによくある“力み”だらけだったせいもあると思う。その辺は大目に見るべきなのかと思うが、それはヅカオタにしか通じないことだからね。
もちろん「良かった」役はノエルのほかにもたくさんあって、『グランドホテル』の“死のダンサー”なんかは、「湖月わたるが日本の演劇界にいてくれて良かったよお(涙)」ってくらいにぼくは喜んだものである。
『CHICAGO』のヴェルマや『愛と青春の宝塚』のリュータン(嶺野白雪)もとても良かった。
『絹の靴下』のニノチカは部分部分は良かった(おい)
『カラミティ・ジェーン』のジェーンは、演出的に無理があってぼくにはあんまり響かなかった(今回『カラミティ・ジェーン』のナンバーをわたちゃんが歌いながら泣いていたのを見て、「そんなに思い入れがあったんかい」と、ちょっと胸が痛みました)
そんな(?)わたちゃんでありますが、やはりダンスの腕前、脚前()には瞠目せざるを得ず。
今回も、プロダンサーの三井聡さんを相手に男役女役華麗に変化しつついろんなダンスを見せてくれました。
もちろんぼくも、わたちゃんの舞台はミュージカルやお芝居に限らずダンスショウなんかもいくつか観てきており、男装で(特に、ソフト帽かぶった姿)シュッとポーズとる瞬間のカッコよさなんかは筆舌に尽くしがたいと思っております。
かと思うと、これまでぼくが観てきたダンス公演の中での今のところ一番は、『Pukul〜プクル〜 −時を刻む愛の鼓動−』(これはダンス公演に入れて良いのかな?)の中で延々と太鼓叩きながら舞ったナンバーで、あれはもう滝沢歌舞伎の“腹筋太鼓”に匹敵するものだと思いました。
シャンデリアの飾りみたいなのを頭につけてぐるぐる回ったナンバーもすごかったけど(その飾りを公演が終わった後わたちゃんがもらったというエピソードつきで登場したのは笑った)
やらしい表現で恐縮ですが、わたちゃんのダンスが観られる舞台は、間違いなくお金を出す価値のある作品と保証できますので、これからもできる限り観に行きたいと思っております。
わたちゃん、舞台生活30周年おめでとうございます。これからもお体大切に。今後もご活躍を楽しみにしております。
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